7月の懇親昼食会は130人が参加して開催

7月の懇親昼食会は、2019年7月19日正午から午後2時過ぎまでチボリホテルに130人が参加して開催、司会は平田藤義事務局長が務め、初めに特別ゲストのブラジリア連邦大学のYaeko Yamashita 教授、元ブラジル代表サッカー選手のCarlos Cesar Sampaio Campos氏並びに夫人のCristina Maciel Sampaio Camposさんが紹介された。

7月常任理事会報告として村田俊典会頭は、7月29日に経団連とブラジル全国工業連盟(CNI)共催で、FIESPで開催される日伯経済合同委員会のEPAセッションに於いて、私は6月28日にヨーロッパ連合国(EU)とメルコスールは自由貿易協定(FTA)の政治合意で日本は危機感を持っており、日本企業の重要性を訴え、「日本・メルコスールEPA」の早期交渉開始を求めるプレゼンを行うと説明。

また7月22日に山田大使はドリア・サンパウロ州知事を公式訪問するが、私並びに4人の副会頭、平田事務局長が同行、商工会議所活動を説明して日本企業の競争力を高める提言をする。

8月22日に恒例の業種別部会長シンポジウム開催、テーマ「2019年上期の回顧と下期の展望」、アルゼンチンの経済危機や米中貿易摩擦、年金改革法案の進展などビジネス環境の変化が激しく、副題は「内外の環境変化にどう対応するか」で開催することを報告した。

7月常任理事会報告の村田俊典会頭

連絡事項として、8月22日木曜日午後1時から6時まで、インターコンチネンタルホテルで2019年下期業種別部会長シンポジウムを開催、前回の副題は「成長への期待、変化への対応」であったが、アルゼンチン危機や米中貿易摩擦などネガティブであった一方で、ブラジル国内では年金改革の進展など明るい兆しが見えてきたが、10月にはアルゼンチンの大統領選挙もあり、今回の副題は、「内外の環境変化にどう対応するか」に決まった。発表内容は各部会で話し合って決めるので、今後のビジネスの参考になるために参加を案内した。

代表者交代挨拶では、BANCO MUFG BRASIIL S.A.の木下誠代表は、2018年8月に着任、丸5年間の勤務で8月4日に帰国、総務委員長並びに財務委員長を務め、常任理事として松永会頭並びに土屋会頭、村田会頭と3代に仕えた。5年間は長いようで短かったが、大好きなブラジルが良い国になるように願っている。後任はメキシコや米国勤務経験のあるポルトニョールが非常にうまい福元氏を支援してくださいと結んだ。後任の福元 信義代表は、昨年12月のニュヨークから着任、ブラジルは3度目でサンパウロ日本人学校卒業。BANCO MUFG BRASIIL S.A.は今年8月に100周年を迎えると説明した。

帰国するBANCO MUFG BRASIIL S.A.の木下誠代表


後任の福元 信義代表

KUMON AMÉRICA DO SUL INSTITUTO DE EDUCAÇÃO LTDA.の渡部 一徳代表は6月22日に着任、公文は学習塾で世界中に420万人が学んでおり、南米地域には1858教室に28万人、ブラジル国内には1518教室で18万人、スペイン語並びにポルトガル語、英語、日本語などを学習しており、ブラジルの子供たちのために日本の教育方法を伝えたいと説明。平田事務局長は、教育は全ての基本であり、頑張って頂きたいと支援した。

KUMON AMÉRICA DO SUL INSTITUTO DE EDUCAÇÃO LTDA.の渡部 一徳代表

3分間スピーチでは、NTTブラジルの水守 信介氏は、NTTのグローバル事業強化に向けた再編について、昨年末にグローバル持ち株会社並びにグローバルイノべーションファンド、グローバル調達会社を新設、今年7月にグローバル事業会社並びに国内事業会社を再編、革新的創造推進組織並びに海外研究拠点、データーセンター投資会社を新設、ブラジルNTTでは更なるより良いサービス提供する体制を構築。8月15日午後3時から6時まで商工会議所でICTセミナー開催、サイバーリスクマネジメントの説明責任並びにドコモの5GコンセプトとR&Dの取り組み 、IT資産集約型からクラウド活用への現状とセキュリティ課題について講演すると説明。

奥原常嗣文協副会長並びにJCI次期会長のMarcelo Asamura氏は、 8月15日午後7時からテーマ「ソサイティ5.0」について講演、日本人女性で初めてハーバード大学大学院にてDBA(経営学博士)を取得した一橋大学の石倉 洋子教授並びにグーグルブラジル社のファビオ・コエーリョ社長が英語・ポルトガル語で講演。スポンサ―募集を案内。平田事務局長は1000人の参加者を目標にしていると説明した。

Tryfunds社の丹野裕介CEO並びにBlue Tree Hotels & Resortsの広瀬純子ディレクター、Grupo Mulheres do BrasilのMarisa Cesarディレクターは、8月5日午前11時30分から午後2時30分までサンパウロ市内のブルーツリー・プレミアム・ファリアリマホテルで開催されるGrupo Mulheres do Brasil主催によるフォーラム、テーマ「リーダーの決断力-世界で戦うために必要なこと-」で講演者はマガジン・ルイーザ社主のルイザ・エレーナ・トラジャノ氏、ブルーツリーホテルの青木智恵子社長、Tryfunds社の丹野裕介CEOと説明した。

JCI Brasil-Japãoのレオナルド・イノマタ理事は、8月1日から11日までサンパウロ州リンス市で開催される第1回Japan Experience Linsを案内。IDB LABの奥村氏は、1993年設立で中南米並びにカリブ諸国26カ国で活動、ブラジル国内ではサンパウロ州とリオ州での海藻栽培による漁業従事者の生活向上や環境保全プロジェクトを紹介。オイスカブラジルが支援していることを説明した。

村田会頭の講師歓迎の辞に続いて、元サッカーブラジル選抜のセーザー・サンパイオ氏は「サクセス=才能+乗り越える力」と題して、私はサンパウロ市ジャバクアラ区で生まれたが、ジャウー市で少年時代を過ごした。私の応援チームはパルメイラスで親善大使の一員であり、サンパウロ州チエテ市のコメルシアルチームの会長で選手育成をしている。またサッカーゲームの解説者、ジャパンハウスの実行委員会メンバー。サッカー選手に限らず、何をするにしても入念な準備が大事であり、一流選手になるには5000時間、一部では1万時間が必要と云われている。幼少時は貧困地域でマリファナ常習者の中で育ったが、叔母からきつくマリファナを吸うなと注意されていた。大成するには自分自身を含めてライバルが必要であり、私の場合は叔母を見返すためにどんな苦労も厭わなかった。

サンパウログラブの試験に落ち、サントスクラブ、パルメイラスクラブの試験にも落ち、務めた企業が倒産して、再度サントスクラブの試験を受けて合格してプロとなり、ブラジル選抜にも選ばれた。サントスクラブには愛着があり、2つ目のクラブのパルメイラスには6年、コリンチャンスやサンパウロでもサッカーをした。スペインのラ・コル―ニャチームに1年半、広島サンフレッチェ、柏でのサッカー選手として在籍したが、横浜フリューゲスには4年間在籍、横浜フリューゲルスがホームタウンを同じとする横浜マリノスとの合併(実態はクラブ消滅)の際には、フリューゲルスイレブンとサポーターが合同で横浜駅前で『合併反対とフリューゲルス存続を求める』署名活動を行った。この活動にサンパイオ氏自身もチームメートと共に街頭で署名を呼びかけた。1999年元日の天皇杯優勝を最後にフリューゲルスが消滅した為、サンパイオ氏は日本を離れ母国へ帰国したが、この時に全力で戦う精神を学び、今に生きていると説明した。

当時は日本のサッカーチームに加入することは引退を意味していたが、1998 FIFAワールドカップではドゥンガとボランチのコンビを組み、大会の開幕戦となったスコットランド戦では前半4分に同大会最初のゴールをあげた。今サンパウロ州の小さな町のサッカークラブ会長として、サーカーと通した貧困家庭の子供の教育育成として地元の2500社の企業が実習生としてクラブ所属の子供を採用、コリンチャンスのダニーロ選手やプレミアムリーグで活躍するダヴィ・ルイス選手やウイリアム選手を育成している。

最後に90歳からトレーニングは始めた105歳の宮崎秀吉さんは100メートルを42.22秒で走って世界記録を達成したが、目標の36秒台を目指してトレーニングを続けている。サンパイオ氏は年寄りを敬う日本の精神に感銘を受けていると語った。

講演中の元サッカーブラジル選抜のセーザー・サンパイオ氏

続いてブラジリア連邦大学のYaeko Yamashita 教授は、「E-モビリティ(エレクトロモビリティ)の最前線」と題して、大学教授が議員連盟の話をするのは腑に落ちないと思われるが、昨年政党横断型の活動形態ができた。

e-Mobilityとも呼ばれるエレクトロモビリティには、すべての電気車両およびハイブリッド車両をサポートおよび電源供給する全ての技術、製品、サービス、インフラストラクチャが含まれ、交通の未来を推進するe-Mobility業界は、地域のエミッション規格と消費者のコストニーズに適合する効率的で安全なサービスを開発、バッテリーなどの新素材、イノベーション技術、新エネルギー車の効率性を目指すベンチャー、品質、信頼性、ハイブリッド、電気自動車、および水素自動車の操作に向けたソフトウェアとハードウェアソリューションを開発など無限大のビジネスチャンスが存在すると説明。

今年5月以降自動車輸出が低迷傾向を続けている。経済省では競争力強化を謳って、イノベーション、国際ネットワークの参加、グローバル化の促進、体系的な効率化、財政健全化の必要性で180人のエレクトロモビリティの議員連盟が誕生して政策提言を行っている。議員連盟は大学に理論武装を依頼。政党ではなく横断型の議員連盟であり、今はタイムリーな状況で取り組んでいる。

9月26日、27日に第1回オープンシンキングとして連邦政府関係者並びにメーカー、消費者がエレクトロモビリティの有効利用について議論するが、大きなビジネスチャンスを逃さないためにエレクトロモビリティ業界の重要性を強調した。最後にサンパイオ氏が会長を務めるサッカーチームのユニホーム抽選では、参加者124人のうち、夫人のCristina Maciel Sampaio Camposさんの好きな番号33番、サンパイオ氏の好きな番号の111番が当選番号となり、当選者にユニホームが贈呈された。

講演中のブラジリア連邦大学のYaeko Yamashita 教授

村田会頭から記念プレート贈呈されたセーザー・サンパイオ氏

村田会頭から記念プレート贈呈されたYaeko Yamashita 教授

 

Fotos: Rubens Ito / CCIJB

https://camaradojapao.org.br/jp/?p=46136