9月の懇親昼食会に110人が参加して開催

9月の懇親昼食会は2011年9月16日正午から午後2時までインターコンチネンタル・ホテルに110人が参加して開催、司会は平田藤義事務局長が務め、初めに特別ゲストの三菱東京UFJ銀行ロンドン支店欧州市場部の武田紀久子シニアカレンシーエコノミスト、マット・グロッソ州のフランシスコ・ダルトロ副知事並びにブラジル日本商工会議所名誉顧問の大部一秋総領事が紹介された。

武田氏の講演に先立ち近藤正樹会頭が歓迎の辞を述べた後で、武田氏はテーマ「グローバル経済の現状と当面の為替相場見通し」と題して、初めに今年は2010年に始まったチュニジアでの暴動によるジャスミン革命からアラブ世界において発生した、前例にない大規模反政府デモや抗議活動を主とした騒乱の総称である「アラブの春」に始まり、3月の東日本大震災によるサプライチェーン問題、ヨーロッパ諸国や米国の債務問題とリーマンショックの再発など世界経済の先行き不透明感が増加、キーワードとして欧米で強まる「日本化(Japanization)」とマンテガ財務相の発言の「通貨戦争」で、歴史的に負の相関関係にあった「ドル」と「ユーロ」が、2008年の世界金融危機後は「先進国通貨安」並びに「新興国通貨高」が定着してドル、ユーロ共に安値圏で推移していると説明した。

欧米が日本化に進んでいるが、異なる点は為替の動向であり、過去20年間の日本は低成長、低金利、財政赤字並びに政府機能のマヒに陥ったが、一貫して円高で推移、通貨高に陥ったブラジル、トルコはドル為替介入にも関わらず、為替高が進行、しかし中国はある程度の人民元誘導でインフレをコントロール、2013年には先進国と新興国のGDP総額は逆転するも、今後も為替取引は主要通貨の米ドルやユーロが中心となって取引される。

昨年から先進国の通貨安に対して通貨高の新興国とは政策や為替動向の二極化が鮮明になり、今年、先進国は財政問題、新興国はインフレ懸念で政策発動に制約とばらつきがでており、通貨ごとの選別化が進んできている。

また「アラブの春」以降は石油の供給懸念で石油のコモディティ価格高騰が続いており、根強いドル安圧力として米国の国債格下げと景気の見通し、ドル安長期化として超低金利と経常収支赤字、急激に悪化する戦地メント指数と長期化する雇用や住宅の低迷などが要因となっている。

武田氏は高値が膠着する円相場の見通しとして日米政策金利差ゼロ時代は2013年中頃まで続くと予想、円並びにスイスフランは逃避通貨とみなされており、ヨーロッパ債権問題では悲観予想そのものが危機を引き起こす自己現実的な債務危機であり、債務問題解決に向けたソルベン氏問題の対応の遅れ、ギリシャの国債利回り高騰が牽引して周縁国の利回りも急騰や域内の景気減速、大きなフランスのギリシャの与信残高などユーロの対ドルで下落要因となっており、またドミノ現象の発生も否定できないと説明、質疑応答ではユーロのインフラ整備のビジネスチャンスにつながるために参加を促した。崩壊に対して、武田氏は個人的な意見としてユーロは崩壊しないと述べた。

連絡事項では商工会議所名誉顧問の大部一秋総領事はフランシスコ・タルキニオ・ダルトロ副知事が5月の懇親昼食会で「マット・グロッソ州への投資」の講演した折、日本文化週間開催を提案、9月30日から10月2日までの3日間に亘って、マット・グロッソ州クイアバ市で中西部日系協会主催、マット・グロッソ州政府、クイアバ市並びに日本総領事館共催による第1回日本七夕祭りを開催すると説明、またダルトロ副知事は中西部日系団体が積極的に参加、日本舞踊、日本料理、ミスニッケイ・コンクール、コスプレ・コンクールなどクイアバ市のサントス・ズモン公園での開催を案内した。

堀内勝監事は8月24日に開催された2011年第2四半期の業務・会計監査では「2011年の第2四半期の会議所の業務の遂行と会計処理は適正であったこと」で承認されたことを報告、廣瀬孝環境委員長は9月30日に開催されるSABESPサントス沿岸部下水処理場見学会を案内した。

伊藤友久総務委員長は駐在員の生活環境などに関するアンケート調査の結果 (実施期間: 2011年8月17日~26日)報告として、日本進出企業180社にアンケート、回答企業数63社からの結果を報告、特に外国人登録(RNE)所得において会議所は関係機関とも連携をとって短期化を目指して努力、引続きアンケート調査などを実施する際の協力を要請した。

3分間スピーチでは日立ブラジル社のアナ・クラウジア・ブラガ氏が「Hitachi Exhibition 2011」について、10月11日にサンパウロ市で2000人、10月18日にブラジリア市で800人参加を予定して開催、モノレール、IT、スマートグリッド、ブロードキャスト、教育など8部門に別けて開催することを説明した。

9月定例昼食会のビデオ (こちらのリンクからアクセス下さい) → http://jp.camaradojapao.org.br/news/galeria-multimidia/galeria-de-video/?pagina=2

講演中の三菱東京UFJ銀行ロンドン支店欧州市場部の武田紀久子シニアカレンシーエコノミスト(fotos Rubens Ito/CCIBJ)

記念プレートを掲げる武田紀久子シニアカレンシーエコノミストを囲んで記念撮影

2011年第2四半期の業務・会計監査を報告する堀内勝監事

日本文化週間について説明するマット・グロッソ州のフランシスコ・ダルトロ副知事

110人が参加した9月の懇親昼食会の様子

 

https://camaradojapao.org.br/jp/?p=35656