Brasil Mais Produtivo計画の開会式典

2016年11月11日、MDICのMarcos Pereira大臣、FIESPのPaulo Skaf会長、Jose Ricardo Roriz Coelho副会長、ABDIのLuis Augusto de Sousa Fereira会長、INMETROのCarlos Augusto de Azevedo会長他が参加し、Braisl Mais Produtivo計画の開会式典がFIESPにて開催された。事務局からは、平田事務局長と吉田調査員が参加した。

Brasil Mais Produtivo計画は、2016年4月に導入され、従業員が11人~200人の中小企業向けプログラムで、ムダをなくすリーン生産方式などを活用する。選ばれた企業は、3000レアルの参加費を払い、SENAIのコンサルタントが、合計120時間の現場訪問を3ヶ月間かけて行う制度で、政府が83%の費用を負担している。ブラジル政府側は、MDIC他、APEX、ABDI、BNDES、SENAI、SEBRAEなどが協力をしている。Brasil Mais Produtivo計画は、ブラジル全土で3000社の企業が対象となっており、サンパウロ州からは340社が参加できる。今まで、80社と契約し、380社登録しているが、企業選定手続きなどもあることより、まだ登録していない企業の参加を呼びかけた。地域育成型サプライヤー産業ということで、対象地域と産業が決まっており、産業としては、家具、衣類・靴、食品・飲料、金属機械が対象となっている。

この日、MDICのMarcos Pereira大臣は、保健省の支援もあり医療・歯科機器産業の300社をBrasil Mais Produtivo計画に追加することを発表した。また、エネルギー効率を上げるためのパイロットプログラムを立ち上げると述べ、6つの製造分野から金属機械セクター、食品、プラスチック成型、化粧品、セラミック、繊維セクターから8社ずつ選ばれて行なわれる予定であるとした。そして、高度技術製造業において、生産性や品質を向上させるプロジェクトを立ち上げることも約束した。大臣は、ドイツのCSN社の工場訪問した際の経営状況の印象として、会計事務員の少なさと効率性、また製造現場事故の少なさに驚かされ、産業界と協力してブラジルにおけるビジネス環境改善と脱官僚制、そして生産効率の向上に務めていくと述べた。

次に、MDICのガブリエラコーディネーターとSENAIのマテウスマネージャーにより、Brasil Mais Produtivoの説明が行なわれた。このプログラムの始まりは、イノベーションや技術向上などの中長期的な活動より、経済不況の中短期的に成果の見える生産性向上計画としてリーン生産方式が適応されたと説明、また、今までの150社の成果については、平均して、生産効率が56.5%向上、移動距離が622m短縮、ムダの削除を含む品質向上率が48.2%など、目標生産効率の20%よりはるかに高い成果が上がっているとの説明があった。

また既にプログラムを終えた、食品セクターのTwin Peaks社、製靴セクターのD´Milton社、金属機械セクターとして自動車部品を生産するCarhej社からの発表も行なわれた。Twin Peaks社のジュリアナ代表は、コンサルタントから生産ラインの改善提案を受け、生産性が169%上がったと説明、日々経営に忙しい中、外部からコンサルタントの的確なアドバイスはありがたいとした。

また、Carhej社のダニエル社長とアウトゥールマネージャーは、2014年から社内でリーン生産を導入していたが、各生産ラインでの効率化のみをみており、成果が出ていなかったと語った。しかし、このプログラムに参加、SENAIコンサルタントの現場訪問により、生産工程全てを見直すこになり、部品在庫の大幅な減少や、生産ライン全体を改善することができたと満足そうに語った。その結果、不景気の中でも従業員を削減することなく、生産性と品質向上により、その分、新しい仕事に繋がり、生産量を増やしていると成功例を述べた。また、従業員全体でのリーン生産方式の考えをうえつけることで、社内文化の変化もプラスに動いていると述べ、プログラムの効果を伝えた。

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