JICA主催の日伯医療福祉セミナー開催

日伯医療福祉セミナー~ブラジル日系医療機関との連携に向けて~と題されたセミナーが、2017年1月23日、14:00から17:30までサンパウロ日伯援護協会にて、JICA主催、サンパウロ日伯援護協会、サンタクルス病院、ブラジル日本商工会議所が後援、日伯の官民関係者約80人が参加して開催された。

会議所からは、メディカル分科会の鈴木政行部会長(テルモブラジル)、友納睦樹副部会長(富士フィルムブラジル)、的場俊英副部会長(シマズブラジル)、市川幸太郎副部会長(日本光電)、土屋功副部会長(パラマウントベッド)、平田藤義事務局長はじめ多くの会員が足を運び、熱心に耳を傾けていた。

このセミナーは、10名の日本の医療法人、社会福祉法人および民間企業等によって構成される「ブラジル日系医療機関との連携調査団」派遣プログラムの一環で、ブラジルの医療市場・高齢者福祉分野の現状、課題について意見交換、日本企業の技術・活動を日系病院等参加者へ紹介、幅広いネットワーク構築の機会とすることを目的として、セミナーや日系病院を訪問するプログラムである。また、調査団が各地を訪問した後サンパウロに戻り、2017年2月2日午前10時からサンタクルス病院にて、調査団ラップアップセミナーの開催も予定されている。

セミナーの開会挨拶でJICAブラジル事務所の佐藤洋史次長は、日系社会のネットワークやメディカル分野における官民連携の大切さを述べ、サンパウロ日伯援護協会与儀昭雄会長は、福祉や高齢化社会にも力を入れてきている援協の活動内容を説明、7名のJICAボランティアの支援に感謝を述べた。

第一部では、JICA中南米部斉藤顕生審議役によるブラジル日系病院に対するJICAの取り組みとして、セミナー、奨学金、ボランティア、民間連携などの活動を紹介。また、各調査団参加者は製品やサービスの紹介を含め、それぞれの意気込みや目的などについて発表を行なった。

第二部では、ブラジル医療市場、課題について発表するセッションがあり、JETROサンパウロ事務所の辻本希世ダイレクターとメディカル分科会会長、副会長の発表が行なわれた。分科会メンバーは、それぞれが直面する課題や現地における活動内容を発表、ブラジル市場は大きいものの、2つの違うマーケットが存在し、先進的な高度な技術がある病院が存在する南部地域、そして生活水準が低く人口も増えている公共病院が多く存在する北部地域があると説明した。

ブラジルでの医療機器分野におけるポテンシャルは、非常に大きなものがあるものの、手続きや登録、南北地域格差のみならず、その他ビジネス環境は日本とはまったく違うことを理解して欲しいと語った。また、是非ブラジル進出を実現し、分科会に参加し、ブラジルビジネス環境改善に一緒に協力していきましょうと伝えた。

最後に、在サンパウロ日本国総領事館中前隆博総領事は、日伯関係の強化で、医療保険分野は1つの柱となる分野で、監督機関の協力、民間連携や医療技術の協力、そして日系病院を通じたブラジル医療への貢献活動を行なってきており、今後も支援協力していくと閉会の挨拶を述べた。

PdfJICAウエブサイトの日系医療福祉セミナーの記事掲載

https://camaradojapao.org.br/jp/?p=42696