2001年上期業種別部会長懇談会-総務委員会メンバー、他のコメント

司会: 2000年は急速に回復したブラジル経済を反映いたしまして、各部会とも、一部の例外を除きまして、全般的に好調であったかと思われます。ここで本日、総務委員会のほうから出席されておられます方々に、ご意見がございましたらお伺いします。赤嶺 さん

 

●政治動向を追いたい

赤嶺: 皆様のお話を拝聴しながら考えた事ですが、私自身は先ほど、田中信先生のお話にもちょっと出てきたのですが、この2月14日に行われる上下両院 議長選挙に関連して2002年に行われる次期大統領選挙に与野党からどんな候補が出てくるか、そういった事にそろそろ注目したいと考えています。皆様もご 存知の様に、FHC大統領は95年1月からの第一次政権、99年1月からの第二次政権を合わせますと、これまで6年間にわたって政権運営に当たってきた事 になります。次期大統領が、現大統領の意思を汲んで果たして、その経済政策を踏襲してくれるか、あるいは、いままでの経済政策をガラッと変えるような候補 者が野党陣営から出てきて当選するのか、この辺りは進出企業、我々地場企業を問わず、非常に関心・注意を注いでおくべき事だと考えます。今までのところ、 与党陣営から出馬してきそうな候補としては、セアラ州のタッソー・ジェレイサッチ現州知事、ジョゼ・セーラ現保健大臣。野党陣営からはシーロ・ゴーメス元 セアラ州知事、及びPTのルーラ名誉党首、こういう顔触れが一応予想されますが、誰がこの中から出てくるのかは、FHC大統領が残された任期の2年間でど ういう実績をあげるか、あるいは昨年10月の統一地方選挙で当選したPT系列の各市長がどういう実績をあげるか、この辺りが決め手になりそうで、皆さんと 一緒に政治の世界のことにもこれからじっくり注意を注いで行きたい、と考えています。以上です。

 

●米景気減速影響を感じる

潮: 皆さんのお話をお聞きしまして、業種が皆さんそれぞれ違うので、景気の動向が早く出るところと遅く出るところがあるなあと。何が言いたいかと言う と、 2000年は、おかげさまで好調だったが、うちの例を見ますと、アメリカの景気が悪くなったと言う途端に、アメリカで非常に悪くなっております。それと同 時に、ここもそうですが、じかに店に卸しますので、大衆の動きがすぐわかる。とくに個人消費がすぐ響いて去年の暮れまでは良かったが、メーカーも店もお互 いにオーバーエスティメートしたところがあり、正直言って一月、テレビがまた街にたまっているというような事で、今年はかなり厳しくなるのではないかと思 います。乱気流に入ったように、上がっては落ち、上がっては落ちる。電気業界というのはそういうところだと思ってはいますが。

全体的に やはりアメリカの株価が落ちて、適面に出てきております。ですからこの影響と言うのは、しばらくは続くだろうと。まあ、96年をピークに3年間は耐え抜き ましたので、去年ちょっと上がったかなと言う事で、落ちるのにはもう慣れておりますので、少々あっても、また同じ様な事だと理解しております。

 

●中、韓メーカーとの 国際競争に巻き込まれる

天羽: まだ、こちらに来て3カ月ちょっとと言う事で、今日は勉強のために出席させて頂いたのが半分ぐらいなのですけども、業務用のエアコンを造ってお り、前年比では二ケタぐらいの伸びで昨年は終わりました。ただ、伸びた割には業績が余りよくないという感じです。一つは海外の中国とか、韓国のメーカーと の競争がブラジルでも起こって、いわゆる国際競争の中に巻き込まれつつある感じがします。従っていい製品を高く売るとか、あるいは、いい値段で売ると言う 時代が去りつつあるんじゃないかなと言う感じを強く持っております。

そう意味で、我々は直接エンドユーザーに売るわけではないのです が、建築設備業界とか、冷凍・空調工事屋さんとの、コミュニケーションを良くして行かないと、生き残れないのではないかと思っております。もう一つは、や はりブラジル経済が良いということもあるのでしょうけども、労働組合が非常に強気と言う事で、かなり賃上げが経営を圧迫しつつあると言う感じもします。ま あ、そういった意味で、我々の希望としましては、この安定した経済基盤がしばらく続いて、ある程度量で稼いで、なんとかこの国の中で伸びて行きたいと、そ ういう風に思っているところです。以上です。

司会: ありがとうございます。藤下様。ご感想等お願いします。

 

●2001年は気を引きしめて

藤下: 本日、本会に参加させて頂きまして、非常に勉強になりました。ありがとうございました。私共は商社として貿易部会に入っておりますので、能澤部 会長のもとで、今年の見通しについて話し合あわさせて頂きました。本日皆様のお話を伺いますと、今年も好調と言う業種が非常に多かったのですけど、貿易部 会の方は、どちらかと言うと厳しいと言う見方が多かったと思います。私どもの会社は貿易を扱っておりますので、為替の安定、金融業界の安定、この辺がポイ ントになるわけですが、本日のテーマにあります様に、米国経済の動き、アルゼンチン情勢、原油の方はだいぶ落ち着いてきましたけども、不安定要素は数々あ りまして、引き続きゆったりとした年ではなくて、気を引き締めてい行かないといけないんではないかという、見通しを持っております。以上です。

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