北野部会長発表
ポイント
- 節電が大きな痛手 ― 家電業界
- コントロールの限界を超えた為替変動 ― 部品業界
- 好調の上期から一転、受注激減の下期 ― 通信・電力・産業機械業界
- 売上順調だが、為替変動が利益圧迫
- 特定メーカー1社を利するインセンティブがあり、苦労する部品業界
電気電子部会4グループの下期コメント
北野:電気電子、精密事務機輸入販売という部会でございます。
2001 年下期の回顧ですが、背景はもうすでに各部会で報告されておりますように、経済のバックグラウンドとしての影響を受けた事項は当然同じことで、電力不足、 アルゼンチン危機、あるいはテロ事件、それに続く米国経済の後退、あるいは為替の変動というベースの中で、四つの製品グループから特にコメントのあった項 目だけ報告いたします。
●家電及び耐久消費財グループは過剰在庫の処分、あるいは輸入決済、借入金の金利増大が経営を圧迫しました。為替の悪化を値上げと経費削減で乗り切りました。一番大きな影響度は電力不足。節電は予想以上の大きな痛手になりました。以上が家電業界の2001年後半です。
● 電子部品グループは、当然同じようなバックグラウンド。節電から顧客先、顧客であるセットメーカー、すなわち家電業界ですが、セットメーカーの生産カット で、ビジネスが成り立つような状況ではなかった。加えて、為替の大幅変動も経営コントロールの限界を超えておりました。このグループにはブラジル現地生産 されているところが1社、100%輸入販売されているところが1社、2社のレポートを頂いたものですから、コメント的には両極端になったところはあるので すが、ここで特にコメントされていたのは、「利害関係に強く影響する特定企業1社だけを対象にした恩典法ができて、ブラジル政府は何を考えているんだ。国 内産業育成という観点を無視して、国産の努力をするより輸入した方が安いという事態が発生して非常に生産側としては苦労しました」と言うコメントがありま した。
● 通信・電力・産業機械グループは、好調の上期から急変して受注激減で非常に厳しい結果になりました、という報告です。
● 精密事務機輸入販売グループは、全体的なコメントとしては、売り上げは順調に行きましたが、為替変動の外的要因で粗利減に見舞われています、という報告です。
2002年上期の見通し
● 上期の見通しですが、家電業界は、やはりしばらく業績不振、業界不振の継続を予想しております。まあ緊縮経営での改善を模索します、という見通しです。
● それから部品業界。先ほどの特定メーカー1社に対するインセンティブと言うことで、国産メーカーとして非常に苦慮していると。そこへ輸入材料の値上がりに対する価格の見直しがどこまで通るかと言うことで、とにかく安定した年になることだけが望み、という発言でした。
● それから通信電力関係。受注回復を期待はしますが、依然として厳しい環境が続くという見込みで、引き続き経営基盤の軽量化、体質強化に努めますと言うことです。
● それから比較的順調に売上げが推移しております事務機器関係。為替変動によるコスト上昇ですとか、そういった外的要因を吸収できるような内部固め、体制を、体制基盤を固めたいという狙いで2000年上期を迎えています。
2000 年上期に対する展望としては、大統領選挙に向けての経済効果をプラスファクターとして期待されている一方で、アルゼンチン破綻の波及懸念を景気動向のマイ ナスファクターとして挙げております。総括的には、為替が安定的に推移すれば、穏やかながら景気回復に向かう、という前提で上期の見通しを組んでいるとこ ろが大半です。