2002年下期業種別部会長懇談会-電気電子部会


北野部会長代理の平田事務局長 

平田  代読させていただきます。

電気電子部会は、業界別に家電および耐久消費材、部品、通信電力産業、精密事務機器輸入販売の4分会に分けて報告します。

第一分会「家電および耐久消費財」

上期の回顧 - 販売伸び悩むが利益計画達成

昨年上期は電力不足の問題で、途中から急速に落ち込んだが、今年上期の家電業界はおおむね計画通りを達成し、堅調だった。   製品別にはDVDとフ ラット画面テレビが伸び、他製品は節電の影響で悪かった昨年を下回っている。 プロ用音響市場は年初から冷え込みが続きマイナス成長となり、カーオーディ オも自動車販売の不調で不振だった。 有利子負債の圧縮や不良在庫の処分など、財務健全化とリストラを進め、販売は伸びなかったが、利益計画は達成されて いる。
各社平均の上期実績は、レアルベースでは昨年を上回っているが、USドルベースの対前年同期比は91%となった。

下期の展望 - 下期販売は若干の減予想

大統領選を巡る政治経済の環境変化への懸念は強いが、年初計画の達成を目指していく。 市況低迷が続き苦戦が予想されるが、為替さえ安定すれば、新製品 導入で上向くことが期待でき、販売確保により利益計画を守ることが課題となる。 各社平均の下期販売予想は、前年同期比で97%が見込まれている。

第2分会「部品」

上期の回顧 - ドルベースで販売大幅減 

販売単価の下落が大きく数量ベースでは増えているが、販売金額は大幅に低下した。 市場の伸びが止まっている中で価格低下が激しく、レアルベースの売り 上げ高は伸びているが、USドルベースは大幅減となった。 電子部品のブラジル市場は世界の5%と想定されるが、セルラー電話器メーカーのグローバル調達 など、そのほとんどがノックダウン部品として輸入されていて、電子部品の販売環境が極めて厳しくなっている中で善戦した。 上期実績は、ドルベースの前年 同期比で平均83%となった。

下期の展望 - 課題は潜在需要発掘や為替変動への対応

従来からの傾向として売り上げ は下期に上昇するが、次期大統領に対する不安から経済活動が萎縮していて、予断は許されない状況にあり、マーケット開拓の生産拡大に踏み切れないでいる。  通信系セットメーカーは過剰在庫に苦しんでいる模様で期待できず、セキュリティー関係のカーエレクトロニクスなど潜在需要の発掘や為替変動への対応が課 題となる。 下期の販売予想は前年同期比の各社平均で110%が見込まれている。

第3分会「通信・電力・産業」

上期の回顧 - 料金不払い、資金調達困難たたる

通信民営化後の設備拡大が急速すぎた反動で、ANATEL規程の見直しによる投資抑制の影響を大きく受けた。 オペレーターに回線数の倍増を強いたが、 低所得者層が新設固定電話の客となり、通信量は少なく不払いが増加したことに加え、為替変動が外貨で資金調達をしているオペレーターの資金繰りを悪化させ ている。 業務用空調機器も節電マインドの定着と景気後退から、需要が低迷していて市場規模が20%ダウンした。 市場規模の急速な縮小への対応に苦慮さ せられ、サバイバルのためにリストラ加速の経営に転換せざるをえず、上期販売実績各社平均は前年上期の45%と大きく落ち込んでいる。

下期の展望 - 下期大幅減見込み

通信関係の投資再開の見込みは全く見えていない。 電力の基幹送電網の建設投資は継続するが、配電関係の需要は電力会社の資金難から低迷する。 市場変 化に対応し、余剰設備の処分、人員削減、組織・人材・機能の見直し、借入金圧縮など、引き続き経営基盤の軽量化と改善、ならびにソリューション事業の着実 な立ち上げが課題となる。 下期の販売見込みは前年同期の59%が見込まれている。

第4分会「精密・事務機・輸入販売」

(アンケート回収と部会出欠の関係から、事務機業界のみを対象としている)

上期の回顧 - 税関ストがKD生産に影響

中古品再生ビジネスも加わって事務機器は5月ごろまで順調だったが、工業用ミシンの落ち込みは大きかった。 増資による財務体質の改善やITシステムの 強化にも取り組まれている。 税関スト等による輸入通関の遅れから、一部では現地KD生産に影響を受けた。 昨年同期比の上期実績はドルベースで平均 106%となった。

下期の展望 - 販売投資効率化が課題

事務機器の販売堅調は継続するものと見込まれるが、為替変動のコストへの影響が課題で、採算性の悪化が懸念される。 広告宣伝費など、販売投資の効率化が下期の課題となる。 前年同期比の販売見込みは、ドルベース各社平均で120%が見込まれている。

以上でございます

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