田中会頭開会あいさつ
本 日はお忙しいところを多数お集まりいただきまして有難うございました。当会議所のビッグイベントの一つであります、「業種別部会長懇談会―ブラジル経済の 回顧と展望」はブラジル経済の動向を把握し、経営に役立てる有力な手段の一つであるということで、ブラジルサイドはもとより、日本サイドでも本社を始め、 研究機関や政府機関を含め大きな関心を持たれて参りました。
しかし、従来は関係者だけが出 席し、後日その記録を編集して配布しておりましたため、希望する人たちの手に入るには1ヵ月程度を要するのが通常でした。今回、一般公開という新しい試み によりまして、リアルタイムに内容を知ることが出来るばかりでなく、一般公開としましたので会員以外でも参加できることになりました。
また、会 議は日本語で行われますが、ポルトガル語への同時通訳をつけましたので、ブラジル人や日本語の分からない日系人にも理解できるようにしました。ただ、会場 の収容能力に限度があり、先着順にしたため、希望者の一部をお断りしなければならない事態になったことは誠に残念でありました。
ルーラ政権が誕生して一カ月経過しました。その経済政策は政府の約束を守り、債務は返済する、財政規律は遵守し、プライマリー黒字は維持する、インフレは コントロールする等々、極めてオーソドックスかつ筋の通った政策を打ち出しております。「初心忘るべからず」といいますが、この調子が継続できれば、今後 の成果に期待を持つことが出来ると思います。
今日は、各業界の代表者が揃っていますの で、必ずや皆さんの参考になる話が聞けるのではないかと思います。今日の会合のため、色んな方々から多大な協力を頂きました、特に総領事館からは総領事以 下、関係領事のご出席を頂いたばかりでなく、お帰りにお持ちいただくようにルーラ大統領就任演説及び、ルーラ政権閣僚のそれぞれの日本語訳という貴重な資 料を頂いております。また、安田保険会社からはこの素晴らしい会場を使用させて頂いております。
最後にこのイベント実行に黒子役として尽力してくれました、当会議所総務委員会始め、関係各位および事務局があります。以上、内外の多数のご協力、ご努力に厚くお礼申し上げまして私の開会のご挨拶とさせていただきます。どうもありがとうございました。
司 会 ありがとうございました。では引き続きまして赤阪総領事にご挨拶いただきたいと思います。
赤阪総領事あいさつ
今日は遅れて参りまして大変失礼いたしました、申し訳ございません。
今日のこの商工会議所の業種別部会長懇談会、私も大変楽しみにして参りました。去年、開かれましたこの部会長懇談会に出席させていただいた時に、はじめに ブラジル経済の不透明な要素が多くて、この部会長懇談会でその不透明な所が明らかになることを期待すると申し上げたその通り、部会長懇談会が終わった後、 ブラジル経済情勢および日本企業、日系企業の動向がよりスッキリした感じ、私の頭の中だけですが、スッキリした感じがしたのを覚えています。本年のブラジ ル経済情勢の動向はいま、田中会頭の方からお話がありました通り、ルーラ新政権のもとで穏健な経済政策が採られているということで、ひとまずは穏やかな状 況が続いているという見方が強いようですが、他方これから先を見ますと、不安定な要因もございます。
国内的には新政権が採っている飢餓対策、社会保障政策、あるいは税制改革の動き、こういった動きがどういった展開を見せるか。さらには対外的な要因が懸念 材料としてございます。米軍のイラク攻撃が、今後それほど遠くない時期に予想されるような状況になっております。世界経済の状況も米国、EU、日本を始め として今年の見通しは明るいとは申せません。こうした中でここにおられる日本企業の今年の活動、展望、動向というのはわれわれも注目しているところでござ います。今年は従来に増して、日本とブラジルとの経済関係の緊密化をわれわれは期待しているところであります。
来週になりますが、2月14日に東京でWTOの非公式会合が開かれます。そこにはアモリン外務大臣、フルラン商工開発大臣、ロドリゲス農業大臣と3大臣が 出られると聞いています。また、3月17日の週には「日伯経済合同委員会」が開かれる運びになっていると承知しています。これまでにも増して、日本とブラ ジルとの交流、経済関係が活発になることを期待しています。回りの状況はいろいろ不安定な要素を抱えていますが、こうしたなかにあって、各業種における日 系企業、日本企業の活躍を期待しておりまして、今日の部会長懇談会でそういう各業種での詳しい事情を聞かせて頂けるものと期待しております。どうもありが とうございました。
司 会 ありがとうございました。それでは本日のメインテーマであります、「ブラジル経済2002年下期の回顧と2003年上期の展望」に ついて、各部会長より発表して頂きます。まあ、2002年下期というのはドルの対レアル・レートの高騰、それからブラジル・カントリーリスクの急上昇、イ ンフレの高進、金利の引き上げなど、経済活動全般が大きな影響を受けて、特に外貨建て債務の増大、資金繰りの悪化、原材料の高騰、こういったアゲインスト の風が吹きまくっていた感がありますが、一方で輸出産業、金融機関等にはフォローの風ともなったようで、そういう意味では各業種により非常に明暗を分けた のではないかと思っています。各業種の実態についてご披露いただければと思います。それでは最初にコンサルタント部会の西川さん、お願いいたします。
西 川 コンサルタント部会の西川でございます。われわれの部会は、回顧とか展望とかを大変まとめにくい部会でございますのと、私が非力でありますので、先ほど お話ありました時間の節約に協力させて頂くということで遠慮致しまして、金融部会の山田副会長に一つよろしくお願いします。
司 会 副部会長の山田さん、コンサルタント部会も代表してよろしくお願いします。