【ブラジル経済情報】 速報 8月31日
メーカーと部品業界対立表面化 − 自動車業界
(26日)現在の生産体制では、自動車メーカーと同部品業界の関係にいっそうの緊密化が要求されるところだが、現実はその逆で、それがはっきり現れたのが、さきごろサンパウロで開催された「SAEブラジル−自動車工界の動向」セミナー。
メーカー側は、部品メーカーが投資を怠り、その結果がいまの部品、コンポーネント不足を招いたとなじる。これに対して部品メーカー側は、自動車メーカーが部品工業側に利幅圧縮を強要することを原因にあげる。部品業界団体のSindipecasは、「双方共原材料値上がりに痛めつけられているが、自動車メーカーのほうは今年16%も値上げが出来ている。われわれ部品メーカー側はとてもそれだけの値上げは出来ない。それと昨年の不況下、われわれは国内の販売減退を輸出増によってしのいだ。自動車メーカー側からなんらの支援も期待出来なかったため」とものべる(27日付けエスタード紙)。
電力料金、19.46%値上げ
(26日)エレクトロ電力は27日に電気料金を平均19.46%値上げ。同社配電先はサンパウロ州の223郡、南マット・グロッソ州の5郡。しかし、住宅、商業には値上げが16.55%と若干低い。26日に電力庁(Aneel)が発表した。また、東北伯のマラニョン、ピアウイ、アラゴアス、パライーバ各州でも15%台から19%台の値上げ(27日付けエスタード紙)。
農産物減収 − 今年は1億1,950万トン予想
(27日)ブラジル地理統計院(IBGE)によると、7月調査の結果、今年は昨年に比べて3.7%減の1億1,950万トンの収量予想。昨年は1億2,360万トンだった。穀物収量の4割を占める大豆が南伯地方及び南マット・グロッソ州の旱魃で4,920万トンへ4.5%減ったことが最大の要因。IBGE発表。
財政一次収支黒字さらに増大
(27日)ブラジルの公共財政一次収支黒字(金利差し引き。連邦政府、州、市、公社群含む)は7月に66億1000万レアルで、1−7月累計は527億レアルとなった。国内総生産(GDP)対比5.59%相当である。過去12ヵ月では746億レアルで、IMFとの約束の最低線目標4.25%を上回る4.65%に来ている。中銀発表。
しかし、金利を含む名目額は昨年の8,771億が今年7月には9,456億レアルに来ており、6月に98億レアルだった金利が7月に103億レアルに増加した点を指摘、28日付けエスタード紙は、「原因は高率のSelic金利による。7月は国債増発、紙幣発行により計37億レアルをカバーしている。国債増発は将来の高金利負担につながる」とコメントしている。
2004年国際オリンピック大会 − ブラジルは金メダル4個を獲得
(29日)29日に閉会したアテネ大会におけるブラジルのメダル獲得数は金4、銀3、銅3の計10個で、金メダル獲得数では世界第18位。
金メダル獲得順位では米国が35個でトップ。2位は中国32、3位ロシア27、4位豪州17、5位日本16個だった。ドイツは14個。ちなみにメダル獲得総数は米国103個。中国63、ロシア92、豪州49、日本37個。ドイツは48個。
34年間で人口2倍に − ブラジル
(30日)ブラジル地理統計院(IBGE)が30日に発表したところでは、ブラジルの総人口は2004年に1億8,200万人に達するはず。1970年当時の人口の2倍である。1950年代に人口増加率は年平均3%だったが、現在は1.44%。減少傾向は今後もつづくが、2050年には総人口は約2億6,000万人予想である。しかし、2062年ころから人口増加ゼロになる予想(エスタード通信)。<
【ブラジル経済情報】 速報 8月26日
Fiesp会長にスカフィ氏当選
(25日)25日に行われたサンパウロ州工業連盟(Fiesp)会長選で、ピバ現会長派の対立候補のパウロ・スカフィ氏が、ピバ会長派候補のクラウジオ・バス氏を破り当選した。しかし、姉妹団体であるサンパウロ州工業センター(Ciesp)会長にはバス氏が当選し、従来、同一会長の下に運営されて来た2団体は、はじめて別々の指導者を持つこととなった。
選挙運動中に非難、応酬が行われて来ただけに、選挙当日のまだ開票結果不明のとき、両候補が手を握り合うポーズの写真がとられ、それが翌日の新聞に報道されたが、分裂が考えられる会員企業界を次期会長がまとめて行くのは楽ではなさそうである。
スカフィ次期会長は、ブラジル繊維工業会(Abit)会長で、連邦政府の社会経済開発審議会のメンバー。政府の高金利政策を批判するアレンカール副大統領(紡績工業のコテミナス社経営)及びその子息と親しい間柄。アルキミン・サンパウロ州知事とも親しい。パラマウント・ランスール相談役(エスタード紙)。
欧州委員会メンバー一新でEU、メルコスール協定合意におくれか
(25日)EU、メルコスールの自由貿易協定向け交渉が当初予定の10月までにまとまる可能性はうすい。ブリュッセル駐在のグラッサ・リマ伯大使の見解である。要因は11月1日に行われる欧州委員会メンバーの交代。このさき、双方は9月13日に衛生検査面で交渉し、ついで20〜25日に最終合意向けの話し合いを試みる予定。10月には欧州委メンバーは事務引継ぎへの準備に追われる。新メンバーらも「交代が差し迫っているなか、現メンバーらによる対メルコスール譲歩は困難」と見る。
インド、ブラジル間交渉進む
(25日)EU、メルコスール交渉は難航するが、インドとブラジルの特恵関税交渉は進む。9月6日にはインド代表がブラジリアに到着、特恵関税交渉妥結に向けブラジル側と話し合う。それぞれが450品目を提示する。
先進諸国の非関税障壁に備え農務省、Sapiシステム打ち出す
(25日)ロドリゲス農相がきょうロンドリーナ市(パラナ−州)で発表予定。世界貿易機関(WTO)の裁定もあり、先進諸国は今後、農産物への補助金の削減や輸入にかける高率関税を下げなければならず、それに代わる非関税障壁を採用するであろう。それは農業者の半奴隷式、あるいは未成年労働者使役、環境保全、肥料や農薬の品種や使用量制限、特定農薬の禁止等であろう。それに備える手段の一つが今回の農牧一貫生産システム(Sapi)である。これは種子から収穫、船積みまでを規制するものである。ロドリゲス農相は、Sapiの普及には現在の農家の“頭の切り替え”が必要という。(26日付けエスタード紙)。
【ブラジル経済情報】 速報 8月25日
燃料アルコール消費急増 − サンパウロ州で66%増
(24日) 25%だった商品流通サービス税(ICMS)が昨年末12%に引き下げられたサンパウロ州で、燃料アルコールの販売が今年上期に66%増加した(前年同期比。原油庁=ANP調べ)。一方、パラナ−州でもICMSの税率25%が18%に下がったところから燃料販売が同期に48%増加した(全国燃料、潤滑油販売業者組合=Sindicom調べ)。
Sindicom筋によると、ICMS税率が25%のころ、燃料アルコールはサンパウロ州の生産工場から他州へ売られ、その後サンパウロの販売店に回されて来ていた。
なお、リオ州ではICMSが31%のところから、サンパウロ州やパラナ州とは反対に燃料アルコール販売が上期に33.3%落ち込んでいる(25日付けGM紙)。
大サンパウロ都市圏の失業率下がる
(25日) 大サンパウロ都市圏(39郡を包含)における7月の失業率は18.5%に下がった。6月に19.1%だった。サービス部門で7万3000人を雇用し、工業は横ばいだったが、商業は3万5000人解雇した。39郡の失業者人口は184万人と推定される。Seade(サンパウロ州データ−分析システム)とDieese(労組間社会経済調査・統計所)の調べ −エスタード通信―。
きょう銀行員スト
(25日) 一部新聞に、パウリスタ界隈の銀行の開店・始業時間が多少おくれるだろうとの報道だったが、12時になっても開かない。スダメリス銀行のブリガデイロ支店前のピケ隊員は「きょうは1日中閉店。明日は平常に戻る予定」と返事した。イタウー銀行のパウリスタ支店でも同様の返事。銀行員側の要求は、インフレ目減り分6.22%調整と実質17.68%のアップ並びに14ヵ月給料支給等々。現在、ブラジル全国で銀行員人口は40万人。
自動車メーカー、部品を空路輸入
国内部品メーカーの生産が追いつかず、フオルクスワーゲンはブレーキ・デイスクを飛行機で輸入している。いままで輸入は高度技術の部品に限られていたが、ここに来て、さほど付加価値のない部品までが輸入され始めた。ボッシュのシャシ部門担当者は、これ以上注文が増えれば鋳造品も輸入しなければならないという。錬鉄部門では遊休率ゼロに来ている(25日付けバロール紙)。
【ブラジル経済情報】 速報 8月24日
経済成長には官僚主義排除が必要 − 世銀調べ ー
(23日) 世銀によると、ブラジルは会社設立までに時間がかかる事において世界第5位。従業員を解雇するにあたって支払わされる負担の重さでは世界第4位。また、労働規制のきびしさでは世界で12番目。このようなランクを踏まえ、世銀は、“官僚主義オリンピック”に負ける方向に努力すれば、例えば会社設立手続きを簡略化するだけで、2年間で国内総生産(GDP)がR$136億増える。これに労働法改正や破産プロセス法関連改正を加えれば、さらに年間2.2ポイントパーセントふえると結論づけている(24日付けDC紙)。
ブラジル産品の海外プロモーション奨励策
(23日) ルイス・フルラン通産開発相は23日、サンパウロ市で、ブラジル産品の海外プロモーションを目的の対外送金における所得税免除の恩典付与手続きの簡素化を発表した。同大臣はまた、輸出業務の簡略化を実施することで今年1,000億ドルの輸出を実現したいとものべた。
なお、第3週までに8月の貿易黒字は7億4200万ドルで、今年の黒字累計は200億ドルを突破、206億ドルに達した(24日付けGM紙)。
BNDES、内資の製薬工業を支援
(23日) 社会経済開発銀行(BNDES)は、国内の2製薬工業の設備拡張プロジエクト支援を決定した。金融支援を受けるのはエウロフアルマ(遺伝子関係)で、投資総額2億レアルのうちの約40%融資。他はリビス・フアルマセウチカ(制ガン関係等)で、1,500万ドルを投資して工場を建設中。BNDESは製薬業界の国内企業奨励のために融資ライン「プロフアルマ」を開設した(24日付けバロール紙)。
リオ州工業連盟のビエイラ会長再選、− サンパウロのFiespは明日
リオ州工業連盟(Firjan)の会長選挙結果、ゴウベイア・ビエイラ現会長が再選された。任期は2004年/2007年(GM紙)。一方、サンパウロ州工業連盟(Fiesp)の会長選挙は明日25日、アベニダ・パウリスタのFiesp本部で行われる。候補者はピバ現会長派のクラウジオ・バス氏と反対派のパウロ・スカフ氏。コラムニストのセルソ・ミング氏は、Fiespが次第に会員のインタレストを守ることが困難になっていきつつある。このため、工業はFiesp参加の企業組合から、他の業界団体、例えば自動車ならAnfavea、基礎工業ならAbdib、機械ならAbimaq、化学ならAbiquim等を新しいチャンネルに求めているとコメントする(24日付けエスタード紙)。
【ブラジル経済情報】 速報 8月23日
FTA関係情報 − 中智、日韓、日印など
(22日) 日本と韓国の自由貿易協定(FTA)締結向け交渉が23日に開始された。また、23日から29日にかけて、中川経済産業相が経済界代表17人と共にインド、シンガポールを訪問するが、インドとのFTA交渉を発足させる準備と見られる。
一方、エスタード紙によると、南米のチリは中国とFTA交渉を開始する動きである。ブラジルと中国のFTA交渉に先駆けるもので、チリはさらにインド及び日本とのFTA交渉も射程圏内におくといわれる。
ルーラ大統領はさきの訪中で、ブラジルと中国のFTA交渉着手を期待していたが、ブラジリア駐在のジアン・ユアンデ中国大使から出発直前に、ブラジルとのFTA交渉に当面は関心がないとの報告を受けた。中国はアジア地域での2国間貿易協定を優先するというもの。ブラジリア駐在のオズワルド・プシオ・チリ大使は、今週末にも中国との間で合意にいたる旨を述べたとされる。
政府は対伯投資相談室を設けたが
23日付け「エスタード」紙が、日刊経済紙「バロール」の報道として伝えたところによると、ブラジル政府は外国人投資家のための「投資家相談室」を開設した。最初の会合では18社が、外国資本に対する規則変更が行われない事の確認を求めた。また、重税、官僚主義、環境ライセンス取得の困難さ、商標及びパテント登録に要する期間の長さ − 等について不満をのべた。
こう言った不満はすでに外国企業の間で広く知られていることであり、それらの障害が除かれる見込みがなければ投資先を他国に変更することになりかねない。これらの問題の中に一つ、ロウセフ鉱山動力相が抗議した環境ライセンス給付おくれがある。これは政府部内、つまり環境省と鉱山動力省間の問題である。
また、ブラジルで会社を設立する、あるいは閉鎖することの困難さも問題である(複雑な書式や手続き)。法的システムは不必要なほど複雑で、歩みがのろい。今日、判事の判断基準によって社会性、公共性上、条項を無効とされる事もあるところから、ブラジルでは「契約」の効力を、確信をもって言えないほどである。
投資相談室の重要性は認めるが、解決できない点もあろう。解決は規制面、税金面等における改革が行われて始めて可能になろう。
【ブラジル経済情報】 速報 8月19日
Selic金利は16%/年にすえおき
(18日) ブラジル中銀は18日、経済基本金利(Selic)を年16%にすえおくと決定した。目標を上回りそうなインフレをにらんだ決定であり、今後の金利傾向にはふれていない。多くの経済アナリストは、Selic金利が今年末まで下がらないのではないかと見る。
なお、Selic金利動向を見ると、昨年2月20日に26.5%だったのが、6月19日に26%へ下がり、以後7月24日に24.5%へ、8月21日に 22%へ、9月18日に20%へ、10月23日に19%へ、11月20日に17.5%へ、12月17日に16.5%へ漸次引き下げられ、16.5%/年で 越年した。
今年は3月17日に16.25%へ、4月14日に16%へ引き下げられ、以後8月現在まで16%を維持(中銀データ−)。
小売り、6月に前年同月比12.8%アップ
(18日) 6月の小売販売は量的に前年同月比12.8%アップだった。今年1−6月は前年同期比で9.33%アップ。上期販売の内訳を見ると家具、家電製品が29.4%と大きな伸び。つ いで通信、事務機器、情報機器が27.54%、家庭用品及びその他身回品が19.84%、二輪、四輪、同部品類が16.68%、医薬品、化粧品類 10.9%、生地、衣料品、靴7.33%、燃料、潤滑油7.26%、食品、飲み物、タバコ類5.38%、建材0.95%アップ。なお、新聞、雑誌、書籍類、紙類は−1.33%だった。ブラジル地理統計院(IBGE)調べ。なお、今年1−6月(月別)小売動向を前年同月比で見ると下記表通りの伸び。
・1月5.98%
・2月5.02%
・3月11%
・4月10.15%
・5月10.83%
・6月12.8%(エスタード紙)
サントス港湾の順法スト
(18日) サントス港湾従業員の順法ストは3日目に入り、18日には入港貨物船30隻中の10隻は荷役作業ストップ。20隻はノロノロ作業の状態だった。砂糖、肥料、コンテナの順に被害を受けている(GM紙)。
* 訂正とお詫び
17日付け速報で、1年半に及ぶ議会の「バネスパ銀行調査委員会」を「バネスタード銀行調査委員会」に訂正すると共に、関係の方々に深くお詫び申し上げます。編集担当。
【ブラジル経済情報】 速報 8月17日
中銀総裁は“大臣級” −政府が暫定措置令出す
(16日) 上記によってメイレレス中銀総裁がなんらかの罪に問われたばあい、裁くのは連邦最高裁判所のみとなった。これは数ヵ月前から「中銀の自治権」案と共に政府部内で討議されていたものだが、今回、バネスタード銀行の不正対外送金を調べる議会調査委員会(CPI)の調査過程で、メイレレス中銀総裁の名が出て週刊誌に不正として取り上げられたため、政府は暫定措置令の発令を急いだ。パロシ財務相の働きかけにもよる。金融市場は好感を持つが、野党側は国会において強く非難している(バロール紙、GM紙)。
連邦警察が750人を動員、大掛かりなやみドル業者追及
(17日) 1年半に及ぶ議会の「バネスタード銀行調査委員会」(CPI)関連で、不正対外送金容疑者1,700名の銀行口座開示などプライバシー面が侵 害され、銀行エグゼクチブ29名が含まれるなどから、大量1,700人の口座開示は行きすぎとされ、また、その関連情報が外部にもれ、国会議員関係者と名 乗り、「・・・・・・レアル出せば議会調査委員会に出頭しないですむように取り計らう」などを企業家に持ちかける例も見られるところから、CPIつぶしの 工作も見られる(エスタード紙)。
そんな中、17日午前5時から全国でやみドル業者を取り押さえるために連邦警察署員750人を動員する大掛かりな「フアロレイロ作戦」が開始された。りオ、サンパウロ、ベ−ロ・オリゾンテ、カンピーナス、レシフエ、マナウス、ベレン、ジョン・ペソア各市での展開。サンパウロ市だけで230人が出動、午前11時までにやみドル業者90名を逮捕したとされる。目標は200数十名。
とくにBeacon Hill銀行(頭取はグアテマラ人)はマネーロンダリングの最大手。ブラジル、パラグアイ国境の町のフオス・ド・イグアスにあるバネスタード銀行支店、同ニューヨーク支店経由などで4年間にタックス・ヘイブンへ合計300億ドルを持ち出したとされる。Beacon Hillには米当局の調査の手が伸びており、ブラジル側捜査官らに米当局から百万件以上の不正送金関連のデータ−を盛り込んだCDが手渡されている(エスタード通信、フオーリャ・オンライン)。
ドル相場、3レアル以下の2.99へ
(17日) 国民投票におけるチャベス・ベネズエラ大統領の勝利が国際原油価格高騰を抑える、政府のIPI減税が企業に有利等から、4日間連続下げの後、ドル相場は16日にさらに下げ、3.008の引け値。きょう17日は正午過ぎに3レアル割れのR$2.997にきた。政府のメイレレス中銀総裁擁護策もプラス材料とされる。
一方、ボベスパ平均株価は16日の1.69%上昇につづき、17日も1.36%の上げである。
【ブラジル経済情報】 速報 8月16日
チャーベス大統領罷免否決 − ベネズエラ国民投票
(16日) 15日に行われたベネズエラの国民投票の開票結果、チャーベス大統領罷免反対票が、罷免賛成票を上回った。大統領は「民主主義の道を歩み出した」と勝利宣言した。16日のニューヨークにおけるWTI原油先物相場は46ドル91の高値更新後、これを受けて46ドル20まで下がった(エスタード通信、他)。
メルコスール常設仲裁裁判所、加盟国のア、ウ首脳不在の開所式
(13日) メルコスール常設仲裁裁判所の開所式が13日、アスンションで行われたが、出席した首脳はルーラ大統領とパラグアイのニカノール・ドウアルテ大統領だけ。アルゼンチンとウルグアイの大統領は欠席した。ルー ラ大統領は、亜伯経済摩擦が続くおりのことから時宜的イベントとのべたが、数日前に発生したアスンションの1ス−パーの火災事故犠牲者(380名とされ る)に1分間の黙祷をささげたドウアルテ大統領は、「メルコスールは地域的統合の在り方を根本的に問いなおす必要があるのでは」と心配を隠せない(エス タード紙)。
EU、メルコスール交渉、暗礁に乗り上げる
(12日) 10月末までに包括的交渉を合意に持ち込むのが双方の目標だが、ブラジリアで開催中のEU、メルコスールの自由貿易協定向け交渉は12日、セ ンシブルなテーマにおける対立の結果、EU側は「ブリュツセルの指令来ず」をメルコスール側につたえ、交渉は打ち切りとなった。
双 方は、互いに前回交わした提案内容を改め、メルコスール側がサービス、投資、政府調達、工業財貨調節を含めるのに対し、EU側は農産物の対EU市場アクセ スをまとめ再提出の予定だったが、EU側は小出しにし、メルコスール側は小出しでは全体の輪郭がつかめない、交渉できないと突っ張った。
EU側は、メルコスール側がマスコミ相手にさく時間のほうが、交渉相手対応にさく時間よりも長い事にも不満である。9月13日に会議再開予定。双方とも、10月末を最終期限とする目標は変わらないとしている(13日付けエスタード紙)。
一方、16日付けGM紙は、「ブラジルの国内総生産(GDP)の3分の1を占める農牧畜を代表する全国農業連合(CNA)が、EU、メルコスールの交渉決裂は、メルコスールからの年間輸出20億ドル増、72万人の新規雇用創出を不可能にする点を警告している」と報じた。
【ブラジル経済情報】 速報 8月13日
政府、上院にPPP法案の選挙前表決を働きかけ
(12日) 政府及び企業界は、国内のインフラストラクチャ不備が経済発展を妨げると考える。そこから、企業界はインフラ工事の工費(年間200億ドル)のフアイナンスを可能とする政府、民間の合弁事業規制法案PPPの早期成立を希望する。同法案は上期中に下院議会で可決ずみ。
同法案は現在、上院経済委員会(CAE)で審議待ちの状態である。ギード・マンテガ企画相は12日、サルネイ上院議長を訪れ、PPPが10月3日の市長・市議選挙前に上院で可決されるよう働きかけた。企業界はまた、与野党双方に働きかけている。全国工業連合(CNI)は、投資家に保証が約束されるよう上院議会で手直しされることを希望する。
上記200億ドルの内訳はエネルギー55億、原油及び天然ガス65億、運輸40億、上下水道等20億、電気通信20億(各)ドル。
なお、同法案に対して野党側は、選挙前に成立すれば政府側の選挙材料に利用される、と強く反対している(GM紙)。
アテネ・オリンピック、5億レアルのメデイア広告収入
きょう13日開会のアテネ・オリンピック大会で、国内各メデイアの稼ぐ広告収入合計はR$5億レアルと推計される。TVグロボはフオード、ブラデスコ、ネスレ、カイゼル、ビザ5社に売りこみ1億レアルに近い広告費収入。バンデイランテス、スポーツTV、バンジスポーツ、ブラジルESPN各局も実況放映。
日伯新時代 − 「実業のブラジル」誌45周年記念講演会
いまの中国、韓国とブラジルの関係は、日伯関係の「何時か来た道」(1070年代)を思わせる。違うのは、70年代は日本からの一方的な投資だったのが、04年はブラジル企業が中国へ投資している点。ア ジアの中の日本、南米の中のブラジルと位置づけること、東アジア統合が現実のものになるかも知れない等々、堀坂上智大学教授、日本経済新聞アメリカ社の和 田社長2講師による変化しつつあるBRICS(ブラジル、中国、ロシア、インド、南ア)の一員のブラジルに関する講演。
鈴木社長は、「創立の数年後、ピンチに追い込まれていたところを会議所事務局の専務にすえてもらい後藤さん(現会議所顧問)に助けて頂いた。おかげで45周年を迎えることが出来た」と往時を回想(8月12日夜)。
【ブラジル経済情報】 速報 8月12日
NY原油価格45ドルを突破
(12日) ニューヨーク原油先物相場(9月渡し)が12日午前、一時バレルあたり45ドル50をつけた。正午には45ドル35で取り引きされていた。今回の原油相場高騰が長引けば、国際経済に影響する。
米・中経済鈍化の対伯影響
(11日) 米国は4.5%の経済成長を保つが、急速な景気過熱によるインフレ懸念から金利を引き上げれば、ブラジルの外資調達金利が上がり金融面でマイナス。ブラジルの対米輸出は2003年第1四半期に全輸出の25%だったのが現在は20%に落ちている。米経済成長が鈍化すれば、ブラジルの対米輸出はさらに下がる。ちなみに今年1−7月の対米輸出額は108億ドルだが、これは前年同期比10億ドル減である。
一方、中国は10%近い経済成長だが、同国政府はインフレ懸念から景気冷やしにかかった。鉱工業生産は7月に15.5%の伸びだったが、これは過去12ヵ月における最低である。今年2月の23.2%をピークに漸減しているもの。政府は金利引き上げの方向にあるが、元のドルリンクを変えることには抵抗している。ブラジルの対中輸出は今年1−7月に33億ドル、前年同期比8億ドル増で、このあたりは対米輸出減と異なる。ちなみに2003年度の対中輸出は45億ドルで、今年は80億ドル予想である。景気鈍化があってもブラジルの対中輸出にはさほど影響はないのではないか。また、中国の景気鈍化は、アジア諸国を道連れにする。各国大手投資家の対中直接投資総額は年間500億ドルだが、今後は減るであろう。ブラジル政府が上手に手を打てば、その直接投資をブラジルに呼び込むことが可能であろう(12日付けエスタード紙)。
伯パルマラット和議入り、今後債権銀行団の管理下入リか
(10日) サンパウロの第29民事裁は10日、さきに破綻した伊パルマラットのブラジル子会社、ブラジル・パルマラット商工とパルマラット・パルチシパソンエスの和議入りを認めた。前者は約3億3000万レアル、後者は9億5000万レアルの負債を抱える。両社は今後24ヵ月かけて債務を返済する。1年後に40%、2年後に60%。パルマラット側は再建案を17の銀行に提示しているが、合意にいたれば、銀行団のコントロール下に入る(エスタード紙)。
バリグ航空に政府の梃入れ?
(11日) バリグ航空を救え、はルーラ大統領だが、推定60億レアルの負債を抱える同社に対して社会経済開発銀行(BNDES)、財務省、法務省、大統領官房による再建案が練られている。政府は資本参加しないというが、BNDESが1億5000万ドル注入するとの噂が流れている。
【ブラジル経済情報】 速報 8月11日
今年7月のインフレは0.91%
(11日) 7月の広範囲消費者物価指数(IPCA。政府の指定インフレ指数)は、0.91%で、6月の0.71%を上回った。これによって今年1−7月のインフレは4.42%となり、過去12ヵ月累計は6.81%。さる7月は昨年4月いらいの高率だった。
原因は電気3.67%、固定電話4.88%など公共料金、及びガソリン2.46%、燃料アルコール2.61%の値上がり。
一方、全国消費者物価指数(INPC)も7月は0.73%の上昇。今年1−7月に3.89%、過去12ヵ月は6.3%。ブラジル地理統計院(IBGE)発表。
なお、国際原油価格が瞬間風速でバレルあたり45ドルを突破した状況下の10日、原油価格が高止まりするようであれば、今週末、あるいは来週中にもペトロブラスがガソリンを10%前後値上げするという情報が市場に流れた。
ブラジル、2005年にも原油輸入ゼロに
(10日) 2006年央予定を2005年内に早めるもの。ペトロブラスが公式発表したわけではないが、「会社首脳部のコンセンサス」とはギリエルメ・エストレラ生産開発担当取締役談。輸入をゼロとするには日量185万バレルの生産を要求される。今年は日量生産125万バレルで年末を迎える予想。なお、ブラジルの原油輸入量は全消費量の10%程度(エスタード紙)。
亜伯貿易摩擦の背景
(10日) 伯産繊維品、履物、冷蔵庫等の輸入に対して障壁を設けるアルゼンチンが今度はペトロブラスを非難した。ペトロブラスがアルゼンチン国内で政府の認可もなく燃料を値上げした、同社はパタゴニア州内での天然ガス輸送網拡張工事においてリーダーシップが欠如しているというものでアモリン外相に伝えた。
同じメルコスール加入国同士のあつれきの背景には、アルゼンチン企業の競争力不足もさることながら、ブラジルとケンカすることでキルシネル大統領は点数をかせげる(支持率低下を防ぐ)。対外債務デフオルト下のアルゼンチンは、IMFとの関係が悪化している。IMFと事を構えるうえでブラジルを自陣営に引き入れる必要があるが、その手に乗らないブラジルを挑発しつづけている。(エスタード紙)。
【ブラジル経済情報】 速報 8月10日
ルーラ政府に38.2%がポジチブの評価
(10日) インスチツト・センススが全国運輸連合(CNT)の依頼によって行った7月初めの世論調査の結果、ルーラ政府にポジチブの評価を与える回答率が、前回、6月の29.4%から38.2%に上昇した。ルーラ大統領の実行力評価も前回の54.1%が今回58.1%にあがった。
調査元のセンススでは、上昇はしたがまだ同傾向が今後も続くという確信は持てない、とコメントしている。今回の上昇は景気回復に負うところが大きいとされる(エスタード通信)。
サンパウロ市長選、3候補中の支持率トップはセーラ候補
(9日) ジアリオ・ド・コメルシオ紙の求めによって、インスチツトGPPがさる7、8日に行った世論調査によると、トップはセーラ候補(ブラジル民主社会党=PSDB)で支持率28%(前回の7月末調査では24.5%)。ついで現市長のマルタ候補が26.4%(労働者党=PT、同24.2%)。マルフィ候補は21.9%(進歩党=PP、同22.4%)。セーラ、マルタ両候補は伸びたが、マルフィ候補は支持率低下。また、エルンジナ候補(ブラジル社会党=PSB)は6.1%が5.5%へ下がった(ジアリオ・ド・コメルシオ紙)。
ブラジル、近く中国へ大豆輸入の新規制を求める
(9日) ブラジルは近く、米国、アルゼンチン同様に大豆輸入における衛生検査に関する新規制(国際水準の)適用を要請する。3ヵ月前に発生したブラジル産大豆の輸入禁止事件の再発を事前に防止したいとするもの。
ロドリゲス農相は、10月央に開始する来農年度大豆の生産コストがアップし、これに米国の増産が原因の国際大豆相場低下が追い討ちをかける事がブラジル農家の栽培意欲を減退させることが心配という。国際相場下向きのため新クロップ大豆の先物買いが減っている(10日付けバロール紙)。
IPI減税は石油、土建、紙パ、アグリビジネス、鉱業にプラス
9日の連邦官報に政府が先週末に発表した減税法が掲載された。機械類の工業製品税(IPI)3.5%を2%に引き下げるもの。アグリビジネス用機器、自動車、トラクター、クレーン、鉱業用機器、その他に対して減税(10日付けGM紙)。なお、これで設備拡張に踏み切るメーカーも出て来るとされる。
【ブラジル経済情報】 速報 8月09日
貿易、8月第1週は10億ドル近い黒字
(9日) 8月第1週は、輸出21億600万ドル、輸入11億6900万ドルで9億3700万ドルの黒字だった。前年同期比で、輸出は3.1%増だが輸入は6.1%減(いずれも1日平均比較)。これによって今年1月〜8月第1週までの黒字累計は194億6600万ドルとなった(昨年同期は127億3000万ドル)
なお、7月は輸出89億9000万ドル、輸入55億1000万ドルで、34億8000万ドルの黒字だった。(通産開発省貿易局=Secex発表)。
自動車工業、新規雇用に踏み切る
(7日) 9日付け「エスタード」紙は、自動車業界が長引いた不況から脱出、7月に1298人を雇用した。今年1〜7月に合計6000人の新規雇用。7月雇用内容はフオードが最も多く1700人、ついでフオルクスワーゲン1100人、GM1000人、フイアット620人、メルセデス・ベンツ600人等と報じている。
広告業界、今年上期に15〜20%の売上増
(7日) 広告部門は年間50億ドル市場。メイオ・エ・メンサージエン誌によると、今年上期は15〜20%の売上増だった。過去3年間、消費者の購買力低下、失業増、小売伸び悩みに引っ張られた同業界では、内資の広告会社の多くが外資系と提携している。そんな中で独自生きぬく数少ない内資のタレント社(グロボTVの「今年のプロ賞」を獲得)のジュリオ・リベイロ社主は、グロバリゼーションで、10年前に1500レアルだったセルラー電話が現在120レアルで購入できる。女性の職場進出で家庭の収入が増えるなどの変化が見られる。企業の社会的責任も問われはじめている。価値観の変化であり、企業側は「ポスト消費者社会」が到来した事に目を向ける必要があるとコメントしている(8日付けエスタード紙)。
ブラジル独自のデジタルTVシステム研究は時間のロス
(8日) 政府は、ブラジルが米国のATSC、EUのDVB、日本のISDBに比較できるような独自のデジタルTV技術開発のために6500万レアルの資金を投じ、11の省及び数十の大学を動かして奨励するが、時間のロス。独自の技術でなくモデルなら納得できるが。(以上はブラジル契約テレビ協会=ABTA)のアレシャンドレ・アネンベルグ会長のコメント。なお、政府は2006年のデジタルTV設置をもくろむ(エスタード紙)。
【ブラジル経済情報】 速報 8月06日
メイレレス中銀総裁の立場困難に
週刊誌の脱税暴露記事でメイレレス中銀総裁の立場が危い。ベジア誌のインターネットは、総裁が5万ドルをやみドル業者に送金したと報じている。このため金融市場がゆれ、サンパウロの平均株価が5日、3.82%下げた(エスタード紙)。6日の午後4時現在は1%近くにもどしている。
一方、イストエー誌は総裁が評価額4万レアルの所有不動産を1レアルと税務署に申告していると報じた。老齢年金生活者の1弁護士から0.01レアルで購入したもので、リオ州バソウラの登記所に登録されている(フオリア・オンライン)。<
鉱工業生産、6月に13%アップ
6月の国内鉱工業生産は前年同月比13%、前月比0.5%アップ。4ヵ月連続の伸びで、今年上期は7.7%アップである
繊維、機械、化粧品、自動車が伸び、飲み物、基礎金属、紙パが落ちている。ブラジル地理統計院(IBGE)が6日に発表。なお、エスタード紙は今年の自動車生産が210万台に達するという自動車業界団体Anfaveaの予想を報じている。
全農のアルコール調査団来伯
日本の全農がブラジルへアルコールのガソリン混入事情調査団を派遣した。一行は5日、農務省砂糖アルコール局のブレッサン局長と2時間にわたって話し合った。全農は燃料販売店5000軒を所有している。 ブラジル側は日本が18億リットルの市場を開くと期待している(エスタード)。
米系銀行がブラジル事業拡大へ
アルゼンチン危機いらいラテンアメリカでの事業が縮小気味だった米系銀行がブラジルでの事業拡大に乗り出した。バンクボストン(バンク・オブ・アメリカ銀行系)は中小企業のための支店網を拡張する計画で450名を新たに雇い入れる。
シチバンクは4年間現状維持だったが、今年末までに12の新支店開設予定。シチフィナンシアルは29店舗開設予定。米系ではないが、ABNアムロ銀行のブラジルのリテール部門が好調、昨年は同行全世界でのリテール収入の13.3%を占めた(バロール紙)。
【ブラジル経済情報】 速報 8月04日
原油ショック、NY相場44ドル34セントへ
4日のNY原油先物相場は1バレルあたり44.34ドルをつけ、83年の取引開始いらいの最高値を更新した。石油輸出国機構(OPEC)に増産能力が欠ける、ロシアの大手ユコスの原油減産実施、ベネズエラの政治問題等が懸念材料。OPECは目いっぱい、日量2,750万バレルを生産し、生産枠の2,600万バレルを上回っている。相場動向についてアナリスト筋は、上昇傾向で45〜50ドルの価格帯で高止まりすると予測する。
ブラジル国内ではペトロブラスのジョゼ・ドウトラ社長が、「1バレルあたり40ドルから45ドルの高値が続けばガソリンの値上げに踏み切らざるを得ない」との意見である。有力コンサルタント筋では、原油相場が9月末までに40ドルを割らなければ、中銀は経済基本金利(Selic)の1ポイント・パーセント引き上げに迫られると予測する(各紙)。
燃料アルコール10%〜11%の値上がり
(3日) ペトロブラスはガソリン値上げをせずに耐えているが、燃料アルコール業者らは値上げに踏み切った。原油庁(ANP)は、国内のアルコール1リットルの小売価格は7月に平均3.9%値上げと発表しているが、サンパウロではそれをはるかに上回り、店によっては10%〜11%も値上している。サンパウロ州燃料小売店組合(Sincopetro)によると、州内の小売店総数は8,400軒、来週中に全店が値上げ見込み(エスタード紙)。
工業界は新たな値上げを迫られる
国内需要の高まり、原油など農産物以外の国際商品高が原因で鉄鋼、自動車、紙パ、石油化学、電気電子工業などは、新たな値上げを迫られる。クラビンは近日中にボール箱を値上げ予定。ペトロブラスはナフサ値上げを発表した。5〜8%になる見こみ。家電メーカーは量販店へ6〜8%値上げを示唆した。自動車ではフオルクスワーゲンが販売店に平均1.5%値上げの価格リストを渡した(4日付けバロール紙)。<
アルゼンチンで“土地なし市民”運動激化
ブラジルの“土地なし農民”運動(MST)は、一向におさまらず他人の土地侵入事件が後を絶たない。地権が明確でない農場、非生産の広大農地が狙われる。地主が法的に訴えて追放すれば次ぎの別の農場に不法侵入する。最近では規模が大きくなり次第に政治力をつけはじめた。アルゼンチンの場合は、失業者らが集団化したもので、ピケテイロと呼ばれる。MSTのように過激的スローガンを掲げる。カジノを占拠し1万ペソを手にして退散のケースあり(バロール紙)。
【ブラジル経済情報】 速報 8月03日
サンパウロ市の7月の小売販売伸びる
(2日) サンパウロ商業協会(ACSP)調べによる7月の銀行小切手決済の小売販売、割賦販売指数は共に伸びた。前者が4.7%、後者が6.9%(いずれも前年同月比)の伸び。今年1−7月では1.7%と7%の伸びである。8月8日の「父の日」の盛上りを期待している。下表は販売関連数字。出所:ACSPのガストン・ビジガル調査研究所(3日付けDC紙)。
アイテム | 04年7月 | 3年7月 | 増減% |
不払い手形登記件数 | 70,627 | 101,491 | −30.4 |
破産申請件数 | 224 | 612 | −63.4 |
破産宣告件数 | 14 | 67 | −79.1 |
和議申請件数 | 3 | 8 | (3/8) |
和議認可件数 | − | 3 | − |
割賦販売信用調査依頼件数(SCPC) | 1.680,588 | 1,572,408 | 6.9 |
小切手信用調査依頼件数(Usecheque) | 1,949,987 | 1,862,412 | 4.7 |
自動車販売、7月は約18%の伸び
(2日) 7月の自動車販売は13万3,900台で、前年同月比約18%増であった。さる6月比では2.5%増。今年1−7月累計は85万7,000台で前年同期比12.5%増。販売好調からメーカーは乗用車価格を1.5%〜2%値上げした(各紙)。
金融収入はPIS/Cofins免除
(2日) 去る30日の連邦官報は、金融収入のPIS及びCofinsの税率9.25%をゼロとする政令5,164/04号を掲載した。ただし、この税率ゼロは同上を累加的システムで納める企業に対してであって、推定利益で所得税を納める企業には適用されない。昨日から実施。1有力コンサルタントは、自動車メーカーや電気通信会社は税率ゼロの権利ありと見る。(3日付けバロール紙)。
警官が17時間に1人死亡
3日付けフオーリャ・デ・サンパウロ紙によると、治安悪化でブラジルでは17時間に1人の割合で警官、軍警兵が死亡する。本職以外の勤務として警備に雇われ、襲撃に反抗して射殺されるケースが多い。今年1月から7月15日までに全国で合計281人が死亡した。ゲリラ相手に戦うコロンビアの警官隊の65人をはるかに上回る。
【ブラジル経済情報】 速報 8月02日
WTOの新ラウンド交渉、決裂は回避された
(1日) ジュネーブで開催されていた世界貿易機関(WTO)の新多角的貿易交渉(新ラウンド)は、31日に新ルールでともかくも合意した。交渉決裂は今後の世界経済の安定成長に影響しかねないとの配慮から。先進諸国と開発途上諸国との間には米欧の補助金削減が焦点で、米国の綿花生産者への補助の大幅削減、EUの巨額輸出補助金廃止もきまったが、削減・廃止の具体的な進め方は今後の交渉に委ねられる。日本のコメは重要品目として例外扱いとなる。 今回の会議でG−20グループの台頭が注目された。なかでも農業分野交渉におけるブラジルのアモリン外相の活躍が目立った。
しかし、2日付けバロール紙は、先週末のWTO交渉合意の結果としてブラジルの得るところは実際のところまだ明確にはつかめない。ブラジルをはじめとする開発途上諸国が、米国に対して他の農業分野に補助金を維持できるような譲歩をしたため、と報じている。
ルーラ大統領、きょう中小企業支援計画発表予定 − サ州でも中小支援
(2日) 同計画によると、国内の11工業団地の企業が支援を受ける。最初は輸出向けプロジエクトへの金融支援で、合計2000万レアルの予算を確保する。
一方、サンパウロ州工業連盟(Fiesp)は、州政府及び中小企業支援機関のSebraeと共に世銀から1000万ドルの融資を取りつけ、これを60の工業集団に転貸する計画で交渉。上院議会の承認が必要で、この下期に審議見込み(GM紙)。
電力部門に新ルール
ルーラ大統領、ジルマ・ロウセフ鉱山動力相による新ルールが30日に発表された。国内景気回復が顕著なところから、年経済成長が4.5%にいたっても電力不足による大停電が発生することがないように、新たな規制を設けたもの。電力競売において配電業者はコンソーシアムを組み、最安価格で購入する。その最初の競売は今年11月か12月に行われる予定。一方、業界における電力料金焦げ付きが頭の痛いところだが、電力供給側は未払いの場合、消費者でなく住所を対象に供給を中断することが許される。
現在2000−2002年に入札で決定した36の水力発電プロジエクトのうち26が未着手のまま。新規制に対してのコメントは、「これに手がつけられるかは今後に待たなければならない。だが、我々の要望が盛り込まれたので、以前のモデルよりもよくなった(Abrage=ブラジル発電会社協会のフラビオ・ネイバ会長談)」。また、「3メガワット以上の電力消費者は今後、電圧に関係なく自由になった。規制がはずされたわけで、これは投資家の関心を呼ぶ」とコメント(デルタ電力販売のリスボア専務談)。31日付けエスタード紙)。