【ブラジル経済情報】 速報 2月28日
金融市場は消費者物価指数上昇にも関わらず、楽観ムード
広範囲消費者物価指数(IPCA)が1月の0.68%から2月0.74%に上昇したのにも関わらず、金融市場では楽観ムードが漂っている。この上昇は教育関係支出が大きく関与した。
また通貨政策委員会(Copom)の議事録の発表で、3月に基本金利(Selic)の0.25%もしくは0.5%の最終調整が予想されている。しかしインフレ要因となるものは2004年最後の数ヵ月間に上昇しており、これ以上のインフレ要因は見当たらない。
25日に発表された15億9000万レアルの連邦支出削減もインフレ低減にポジチブに作用する。(28日付けエスタード紙)
目覚しい大サルバドール圏の工業発展
全国でも指折りの失業を抱えていた大サルバドール圏は、2001年フォード自動車のカマサリ市進出で、自動車や石油化学工業の一大工業地帯に発展している。
サルバドール市から50キロメートルのカマサリ市は、プラスティック、繊維工業、飲料、ゴム、タイヤや自動車部品メーカーが集中している。
また数日後には、同市への繊維メーカー進出の調印式があり、2006年の操業時には550人の雇用が創生される。
このメーカー進出のためにバイア州は、州税の税制恩典の他に、商品流通サービス税(ICMS)支払の延長などで盛んに、同州への工場進出誘致を行っている。(27日付けエスタード紙)
ノルデステ地方ではエビ養殖ブームが続いている
ノルデステ地方のエビ養殖ブームは4年前から続いており、2000年には6千250ヘクタールの養殖池が、2003年には1万4千800ヘクタールまで急増した。
輸出額では2002年、1億5500万ドル、2003年には2億2590万ドルと上昇を続けていたが、2004年は1億9860万に減少した。これはドル安でエビの価格が半減、米国ではドーピングにより追加輸出関税をかけられ、また原因不明のビールスが流行して生産減となった。
ブラジル・エビ養殖協会のイタマール・ロッシャ理事長は、昨年末のインド洋沿岸大津波で被害を受けたアジア諸国の輸出減少が明らかであり、今年の輸出は20%増加の10万5000トンを予想している。
エビ養殖生産量では中国が37万トンで世界1位、そしてタイ28万トン、ベトナム22万トン、インドネシア16万8000トン、インド16万トンと続き、その次にブラジルは9万トンで、世界6位となっている。(27日付けエスタード紙)
【ブラジル経済情報】 速報 2月25日
通貨政策委員会議事録は、株4.55%、ドル1.58%を押上げた
昨日発表された通貨政策委員会(Copom)の議事録は、高止まりしている経済基本金利(Selic)の終焉を示しており、サンパウロ平均株価指数(Ibovespa)4.55%及びドル1.58%それぞれ押上げた。
しかし多くのアナリスト達は、3月に0.25%又は0.5%の最終金利調整があり、4月以降の上方金利調整は行われないと予測している。
議事録では、インフレの鎮静化傾向、為替相場への好影響、製造部門の投資継続への好条件が整って来たことを示しており、金融市場はすばやく反応した。(25日付けガゼッタ・メルカンチル紙)
社会経済開発銀行はラテン・アメリカ諸国に19億ドルを融資枠
社会経済開発銀行(BNDES)はラテン・アメリカ諸国のインフラ整備に19億ドルの融資枠を用意している。
コロンビア、エクアド-ル、ペルーやウルグアイなどからは融資申込みがきている。またブラジルはアルゼンチンの首都と最南端を結ぶガス・パイプライン整備に2億ドルの融資を承認した。
その他ベネズエラでは地下鉄3号線や4号線、パラグアイではアルゼンチンを結ぶ国道10号線のインフラ整備などで、すでに融資が承認され建設会社と契約を結んだ。(25日付けエスタード紙)
経済指数はインフレ下降傾向を示している
2月第3週の消費者物価指数(IPC)0.37%は、昨年10月第1週の0.27%以来の低率となり、大半のアナリストの予想値0.40%-0.45%を下回った。
また総合物価指数(IGP-M)も1月の0.39%から0.30%に下がった。これは昨年11月の0.82%、12月の0.74%と下げ続けている。
内訳は衣料がマイナス0.72%、装身具マイナス0.03%、食料品0.06%と大きく下げ、輸送費1.38%と教育1.11%は上げた。(25日付けエスタード紙)
【ブラジル経済情報】 速報 2月24日
インフラ不整備でブラジル・コストが上昇
ブラジルの大豆輸出業者は1トンの大豆輸出に対し、運送費及び港湾コストに41ドルを払っており、米国の18ドルや中国の17ドルを大幅に上回り、このインフラ不整備は輸出競争力を失い、経済発展の障害にもなっている。
2004年度のインフラ整備向け投資は、僅かに国内総生産(PIB)の0.2%であり、中国の20%や発展途上国の平均3.5%を大幅に下回っている。
ブラジル国内の運送部門では、トラック63%、鉄道24%、近海航路及び河川航路13%であり、米国と中国ではトラック輸送がそれぞれ29%と13%と低いが、鉄道輸送はそれぞれ37%及び31%と輸送手段の柱になっており、ブラジルと比べて輸送コストが大変低い。(24日付けエスタード紙)
2005年度の貿易収支は300億ドル以上の黒字を予想
バーレ・ド・リオドーセ社による鉄鉱石の大幅な値上げや農産物の国際価格の上昇で、多くのエコノミストは今年の貿易黒字を300億ドル以上と見込んでいる。
リオドーセ社は22日、輸入元の日本の製鉄会社数社と鉄鉱石価格の71.5%の調整で合意した。これらの価格調整により今年の鉄鉱石輸出額は82億ドルが予想され、これは昨年よりも34億ドル多い。
また農産物輸出でも追い風が吹いており、この1年間の砂糖の国際価格は58%、コーヒー54%とそれぞれ上昇しており、砂糖の2005年度輸出額は2004年度の28億ドルから33億ドル、コーヒーは19億ドルから23億ドルの輸出増加が予想されている。(24日付けバロール紙)
1月の大サンパウロ圏の失業率は2001年以来の低率
1月の大サンパウロ圏の失業率は16.7%で、昨年12月の17.1%よりも0.4%下げ、これは1月の失業率としては2001年以来の低率である。
この1年間では36万5000人が雇用され、その内の15万6000人は大学卒であるが、現在も165万9000人が失業している。
サンパウロ市の失業率は16.4%から15.9%、ABC平均は17.1%から16.3%、その他の都市は18%から17.9%とそれぞれ下がった。(24日付けガゼッタ・メルカンチル紙)
【ブラジル経済情報】 速報 2月22日
2004年度の連邦政府の税収は国内総生産の36.56%を記録
2004年度の連邦政府の税収は、国内総生産(PIB)の36.56%を記録し、2003年度の35.54%から1.02%も上昇した。
ブラジル税制企画院(IBPT)によると社会統合基金(PIS)の税率が0.65%から1.65%、社会保険融資納付金(Cofins)が3%から7.6%に上がり、2004年の同融資納付金の税収は、前年20.6%増しの766億レアルとなった。
商品流通サービス税(ICMS)は8.4%増加の1,393億レアル、サービス税(ISS)は38.7%増加の123億7000万レアルとなった。
2004年度の税収は2003年度の5,532億レアルから6,501億レアルと大きくアップした。
しかし中国やインドでさえ国内総生産の16%前後の税収であるが、ブラジル連邦政府は、世界に反して増税に拍車をかけている。(22日付けエスタード紙)
2月の貿易収支は、すでに20億ドルを超える黒字を計上
2月は実質6日を残しているが、すでに20億3800万ドルの貿易黒字を計上し、昨年2月の貿易黒字をすでに3.5%上回っている。
通産開発省通商局(Secex)のデータ-によると、レアル高にもかかわらず、輸出が大きく伸びており、対前年同月比では、1日平均36.2%の輸出増加となっている。
輸出の内訳では完成品が、鉄鋼、化学や輸送関連を中心に46.4%、半製品の製紙やセルローズ58.5%、一次産品の肉類などが30.5%それぞれ増加した。(22日付けエスタード紙)
レアル高による海外旅行は50%増加
ブラジル経済の好調とレアル高により、ブラジル人が1月の海外旅行で使った金額は2億9600万ドルで、2004年1月の1億9600万ドルを50%上回った。
中央銀行経済局(Depec)によると、海外からの観光客も15%増え、3億4100万ドルがブラジルで消費され、国際観光収支では黒字になっている。
観光省の調べでは、2004年に海外旅行客がブラジルに32億ドルをもたらし、国際観光収支では3億5100万ドルの黒字を計上した。今年の目標はブラジルへの海外旅行客100万人の増加である。(22日付けエスタード紙)
【ブラジル経済情報】 速報 2月21日
米国進出企業の50%以上は、2005年の投資を検討している
ブラジル米国企業家理事会(Brazil-U.S.Business Concil)の調査によると、フォーチューン500社(米国売上トップ500社)の中で、ブラジルに進出している197社の21%は2005年度に大型投資、35%は小型投資を検討している。
この197社のうち、68%はブラジル国内総生産(PIB)の成長率を3.5%から5.5%と予想、32%は1.5%から3.5%を予想。また大半の企業は今年のインフレを5%から7%と見込んでいる。
また進出企業家の関心事および経営に与えるインパクトとして、税制改革、労働法改革、インフラ整備計画、米州自由貿易圏(ALCA)の順。またブラジル・コストでは、税金、官僚的体質による遅延やそれに擁するコスト、雇用契約にかかる重コストなどとなっている。(20日付けエスタード紙)
大豆栽培地帯の小売販売に、落込みの兆候がでてきた
大豆栽培地帯マット・グロッソ州リオ・ヴェルデ市の小売販売は、大豆農家の収入減で、特に農業機械、家電や商業車など、2月の昨年同時期に比べて40%も落ち込んでいる。
1月の小売販売の落込みは13カ月給料の消費でカモフラージュされたが、2月に入り急速に目立ってきた。ロンドニア、アクレやローライマ州で手広く小売業を手がけているクレイトン・ベルゲ-ル社は、すでに従業員を20%カットした。またバイア州バレイラ市でフォード代理店コンビダ社を経営するサンパイオ氏は、四輪駆動車の売上は、2月の昨年同時期比で、すでに20%から25%落ちたと語った。(20日付けエスタード紙)
ファストフードは世界的に落込みの傾向にある。ただしブラジルは別
ブラジルはまだまだファストフード天国である。米国、カナダ、スペイン、イギリスの消費は落ちているが、ブラジルでは逆に消費が拡大している。
ブラジルのファストフードのトップはマクドナルド社で、1,200店に3万6000人の従業員が働き、昨年19億レアルを売り上げた。昨年のブラジルのファストフード年間売上は200億レアルと消費が毎年伸びている。マクドナルドの全世界の売上は460億ドルで、119カ国に3万店以上の店で毎日4,600万食を販売している。
また昨年11月に上陸したバーガーキング社は、サンパウロ市に3店を開店し、毎日4,000人が食事を取っている。今後5年以内に2,000万ドルを投資して、サンパウロ州に50店舗を展開する予定。(20日付けエスタード紙)
【ブラジル経済情報】 速報 2月17日
経済基本金利18.75%決定に工業界から中銀に非難轟々
昨日の通貨政策委員会(Copom)の基本金利18.25%から18.75%への0.5%引上げに対して、工業界は中銀に対して非難攻撃をした。
全国工業連合(CNI)のアルマンド・モンテイロ理事は「この高金利が下期まで続くなら、景気の需要は冷め、設備投資している企業家のやる気を削いでしまう」と述べ「今回の基本金利引上げは我慢の限界を超えている。次回からの通貨政策委員会では、インフレ対策として基本金利引上げではなく、公共支出削減を話合うべきだ」と強調した。
またサンパウロ州工業連盟(Fiesp)のパウロ・スカフ会長は「通貨政策委員会は社会の動きに対して感度が悪い。我々が企業家達や各団体代表と共に、更なる増税の暫定措置令232号の国会通過反対運動をしている最中である時に、再度金利引き上げるとは」と声を上げて批判した。(17日付けエスタード紙)
経済基本金利(Selic)の0.5%引上げで公的債務24億レアル増加する
16日の通貨政策委員会(Copom)は0.5%引上げ、基本金利(Selic)を18.75%と決定した。この基本金利が1年間続けば、24億レアルの公的債務増加が予想される。
基本金利と連動した国債比率は、2004年12月の57.14%から基本金利0.5%引き上げられた2005年1月には59.46%と比重が大きくなった。また16日の0.5%引上げでこの比率は更に上がる。
それとは逆に同時期比較では、物価連動債は14.9%から14.56%、国庫金融債は20.09%から18.71%とそれぞれ比重が下がってきている。(17日付けエスタード紙)
中国製品は米国や欧州連合国(UE)でブラジル製品を席捲している
中国製品は安い労働力や不当に安い人民元などで、米国や欧州連合国でブラジル製品を席捲している。
中国の欧州連合国(UE)への1999年の輸出は71億8000万ドルであったが、5年後の2003年には744億5000万ドルと936%増加。それに対してブラジルは115億ドルから153億4000万ドルと僅か33%の増加。
また米国に対して中国は、1999年の877億9000万ドルから2003年には1,632億5000万ドルと86%の伸びを示したが、ブラジルは119億ドルから189億6000万ドルの59%しか伸びなかった。
ブラジルは欧州連合国で中国に、鉄鋼、木材、家具類、アルミや自動車、米国では鉄鋼、自動車、プラスチック、化学品や機械類などでそれぞれ大きくマーケットを失いつつある。(17日付けバロール紙)
【ブラジル経済情報】 速報 2月15日
レアル高にもかかわらず、今年の貿易収支は32億ドルの黒字を計上している
今年(2月11日迄)の貿易収支は、輸出104億2500万ドル、輸入71億9300万ドルで、32億3200万ドルの貿易黒字を計上した。これは前年同時期比31.43%の増加で、今年の貿易黒字は265億ドルが予想されている。
2月の1日平均の輸出額は4億2590万ドルで、昨年の3億1780万ドルの34%増加。これは自動車、同部品、エンジン、鋼材や鋼板などの製品輸出が昨年同時期比で49.1%、セルローズ、大豆油や鋳鉄などの半製品が32.9%、牛肉、鶏肉、コーヒー豆などの原材料輸出が3.8%とそれぞれ増加した。(15日付けガゼッタ・メルカンチル紙)
1月のインフレは0.58%に下がった
ブラジル政府がインフレ率の基準としている広範囲消費者物価指数(IPCA)の1月のインフレ指数は0.58%、昨年同月0.86%や前月0.76%よりも大幅に下げた。
しかし12ヵ月間のインフレは7.41%であり、政府目標のインフレ率5.1%達成には、明日から始まる通貨政策委員会(Copom)での再度の経済基本金利(Selic)の引上げが予想されている。多くのエコノミストは基本金利0.50%引上げの18.75%を予想している。これは03年10月の19%に次ぐ高金利である。(15日付けエスタード紙)
アラブ諸国への1月の輸出は24%増加
1月のアラブ諸国への輸出は予想を超える24%の増加、12ヶ月間では44%増加の40億9000万ドルであった。
主な輸出品は砂糖、牛肉、鶏肉、鉄鉱石。またサウジアラビアとクウェートに11万ドル分の婚礼衣装も輸出した。しかし03年度のブラジルからの輸出は、アラブ諸国22カ国の総輸入量1,800億ドルの僅かに1.5%であったが、04年度は同総輸入量2,310億ドルの1.8%と増加した。(15日付けエスタード紙)
【ブラジル経済情報】 速報 2月14日
米国の農業補助金は、昨年度より140億ドルの上積みが予想される
先週のブッショ大統領の農業補助金カットに関する演説にもかかわらず、昨年度実績の100億ドルより、140億ドル多い240億ドルの補助金が穀物や綿花生産者を中心に支払われると米国農務省のデータ-は示している。
この補助金は、農産物の価格低迷時に適応され、生産者は生産価格を心配することなく生産を続けるので、価格低迷から抜け出せない。例えば大豆は1年前に比べて42.5%、綿花36%、トウモロコシ31%とそれぞれ価格が低迷している。(13日付けエスタード紙)
中国からの輸入製品に対して州工業連盟は警告を発している
サンパウロ州工業連盟のパウロ・スカフ会長は、実質40%安の人民元やレアル高により、急増している中国からの工業製品に対して太刀打ちできないと述べた。
昨年の中国からの工業製品輸入は33億ドルと03年の18億ドルから83%と急増しており、化学製品は575%、電気電子機器514%、陶器類193%、 衣類170%と大きく伸びており、40%の切上げが必要な人民元が是正されない限り、ブラジル市場は中国製品に席捲される。(13日付けエスタード紙)
ヴァリグ航空とTAM航空は共同運航便提携を解消
ヴァリグ航空とTAM航空は、5月15日をもって共同運航便提携の解消を、明日経済防衛行政審議会(Cade)に対して提出する。
この共同運行便提携は03年3月から始まり、両社の運行便の削減や搭乗率アップによる利益拡大を見込んでいた。しかし1年後の搭乗率は50%から70%に上がったのみで、予想より提携効果が低くかった。この提携で恩恵を受けたのはTAM航空で業界のトップの地位を確保した。(14日付けエスタード紙)
【ブラジル経済情報】 速報 2月11日
04年度の鉱工業生産は、86年以来の成長率8.3%を記録
04年度の鉱工業生産の成長率は8.3%を記録、86年のクルザード・プラン(10.9%)以来の高成長率を達成したとブラジル地理統計院(IBGE)は発表した。
この高い成長率達成は、耐久消費財(15%)、資本財(6.9%)、中間財(6.9%)や輸出の伸びが大きく寄与した。
業界別では、自動車29.9%、輸送用機械25.6%、建設機械38%、携帯電話31.2%、などが大きく伸びたが、非耐久消費財は4.2%の伸びにとどまり、書籍関係はマイナス2.4%と落ち込んだ。(11日付けエスタード紙)
昨年の大サンパウロ圏鉱工業部門の雇用は10.54%伸びた
自動車部品製造工場が集中している大サンパウロ圏の鉱工業部門の昨年度の雇用は、10.54%と大きく伸びた。
特にジアデマ市やサン・ベルナルド市では、大きく生産台数を伸ばした自動車メーカーの裾野企業である自動車部品メーカーが大きく労働者を吸収した。
サンパウロ州工業センター(Ciesp)の統計によると、自動車や同部品を含む輸送関係8.79%、金属関係5.75%が伸びたが、薬品関係は0.9%の伸びにとどまった。(11日付けエスタード紙)
ドルに対してレアルはポーランド通貨に次ぐ16.4%のレアル高になった
昨年5月から今年の1月までの各国通貨に対してドルは、世界平均で8%下落した。またレアルに対して16.4%下落したが、これはポーランド通貨に次ぐドル安になったとサンパウロ州工業連盟(Fiesp)は発表した。
パ ウロ・スカフ同会長は「本来であればドルはR$2.90もしくはそれ以上でなければならないが、今のR$2.60では輸出や国内マーケットでの輸入品に対 する競争力がなく、多くの企業は輸出をあきらめている」と強調し「為替変動性を採用している大半の国は、変動幅を11%以内で推移しているが、ブラジルは 1年近くも大幅なドル安になっている」と述べた。(11日付けガゼッタ・メルカンチル紙)
【ブラジル経済情報】 速報 2月10日
ルーラ大統領は破産法を裁可した
9日夜、ルーラ大統領は、経営難に陥っている企業の銀行債務決済を、滞納税額分の決済よりも優先して銀行保護を優先するなどの倒産法に裁可、120日以内に施行される。
これにより窮地に陥っている航空業界のヴァリグ、ヴァスピやトランス・ブラジル航空などは多大な恩恵を受け、破産を免れる可能性も出てきた。
1945年以来60年ぶりの改正で、今後は破産法ではなく会社更生法と呼ばれる。新 たな同法の主な内容としては、和議の場合、これまでは不渡手形及び先付け小切手の決済を企業が率先して債権者と交渉し、残りは裁判所に一任していたが、今 後は経営難に陥っている企業救済のために、債務を一切裁判所に任せて、原則として和議を廃止するなどが織り込まれている。(10日付けエスタード紙)
昨年9月以来の基本金利上昇で、05年度の国内総生産(PIB)は1%下がる
昨年9月以来の基本金利(Slic)の6ヵ月連続の上昇で、現在は18.75%の高金利を維持、さらに来月も同金利は更なる上昇が予想されており、05年度の国内総生産(PIB)の成長率は予想より1%低く、160億レアルの落込みが見込まれる。
多くのエコノミスト達は、05年度の国内総生産の成長率を4%以上と予想していたが、今では3%から3.5%の成長率を予想している。
全国工業連合(CNI)の調査では、04年の第4・四半期の鉱工業の伸びは減速し、ストック及び生産稼動率も低くなっている。(10日付けエスタード紙)
【ブラジル経済情報】 速報 2月04日
日本へのアルコール輸出が一歩前進
ブラジル農務省と国際協力銀行(JBIC)関係者は、昨日ブラジルのアルコール生産計画に関する議定書に調印した。
日本政府は京都議定書に調印しており、温室効果ガスの排出量削減のため03年に自動車燃料としてガソリンに3%のアルコール混入を許可している。
日本政府は年間18億リットルの消費を見込んでいるが、ブラジルの供給能力に疑問を持っている。ブラジル政府代表及び企業家訪日ミッションは、自動車燃料として環境によく、エンジンなどに損傷を与えることがないなどの技術的説明を目的に訪日したが、結果はブラジルの安定供給を心配している日本政府への説明が中心になった。
また日本政府がブラジルの供給能力に疑問をもつ理由も確かである。それは日本が予定している輸入量18億リットルは、04年度のブラジル産アルコール輸出量22億6000万リットルの約80%に相当する。(4日付けガゼッタ・メルカンチル紙)
1月のインフレは予想以下で落ち着いてきた
1月の経済調査院の消費者物価指数(IPC-Fipe)は、0.56%、前月比で0.11%も下げた。同調査院では0.66%を予想していた。
同物価指数を下げた要因は、レジャー関係と教育関係のインフレが予想よりも低かった。また食料や衣料・履物も低下の要因となった。
また商業連盟の小売物価指数(IPV)は、昨年12月には1.12%だったが、1月は0.55%と大幅に下げた。12月の衣料・履物類は1.15%上げたが、1月は0.19%にとどまったのが大きな要因である。(4日付けエスタード紙)
ジルセウ官房長官は、暫定措置令232号の国会での修正の可能性を認めた
昨日ジョセ・ジルセウ官房長官は、サービス会社などの法人税及び純益に対する社会納付金(CSLL)引上げの暫定措置令232号に対して、国会での修正の可能性を認めた。
同官房長官は暫定措置令がもたらす不良なコストについて、特定の業界への税率を調整する可能性を述べた。
つい最近、工業会代表者達はサンパウロ州工業連盟(Fiesp)に集まり、同措置令に対する対抗策を決定した。
パウロ・スカフィ同工業連盟会長は、今でも業界は重税に苦しんでいるのに、これ以上の課税は耐えられない。国会は国民の声を聞く必要があり、暫定令取消しに闘っていくと述べた。
同じく全国工業連合(CNI)のアルマンド・モンテイロ会長は、委託サービス会社を利用している工業会にとって、短期間で大きな問題になると語った。(4日付けエスタード紙)
【ブラジル経済情報】 速報 2月03日
ブラジル国営企業の投資は低下を続けている
04年度の67国営企業の総投資額は241億レアル、これは03年度の10.9%増しで、02年度の45.4%、03年度の15.3%に続いて低下を続けている。
大国営企業の中で、ペトロブラスだけが投資額を14.7%増加させており、エレトロブラスは-3.4%、ブラジル銀行-3.3%、連邦エコノミカ銀行-1.4%とマイナスになっている。04年度国営企業のプライマリー黒字の目標は、123億レアルであったが、僅かに89億レアルの黒字であった。(3日付けエスタード紙)
米国は0.25%追加利上げで、金利は年2.5%と決定
2日の米連邦準備委員会(FED)の公開市場委員会は、0.25%の追加利上げ、年利2.5%の金利を決定した。
これは連続6回目の利上げであるが、多くの投資家はこの利上げを予想していたので、投資市場に大きな動きは見られなかった。アナリスト達は3月の再度の追加利上げを予想しているが、4月以降の利上げ幅の変動について予想が別れているが、多くのアナリストは年末の年利を3.5%から4.25%と予想している。(3日付けエスタード紙)
穀物の収獲が迫っているが、サイロや穀物倉庫が不足している
穀物生産者にとって昔から頭の痛い問題であるサイロや穀物倉庫不足が、今年の収獲期にも同じ問題が発生している。特に穀物相場の低迷とレアル高で輸出用穀物の長期保管を余儀なくされている。
昨年の穀物生産量は1億1900万トン、穀物倉庫の保存容量9335万トン(保存容率78.36%)であったが、今年の予想生産量1億3000万トンのうち、保存容率75.85%で3000万トンが穀物倉庫に保存できない。(3日付けガゼッタ・メルカンチル紙)
【ブラジル経済情報】 速報 2月02日
レアル高にもかかわらず、1月の貿易黒字は21億8300万ドルを記録
1月の輸入額は対前年同月比で24.84%、輸出は28.34%それぞれ増加、貿易黒字21億8300万ドルを記録。これは1月の黒字額としては新記録を達成した。
輸出74億4400万ドルの46.2%は完成品輸出であり、航空機81.8%、自動車5%、自動車部品42.5%や電話機77.7%などが、対前年同月比で大きく伸びた。
輸入52億6100万ドルでは、生産拡張のための機械類や設備投資などの資本財が34.5%増加して10億6500万ドルとなった。(2日付けエスタード紙)
1月の中国からの輸入が47.1%増加した
1月の中国からの輸入額は対前年同月比47.1%増しの3億2500万ドル、輸出は5.6%増しの3億8000万ドルで5500万ドルの黒字であった。
03年度の中国との貿易額は66億8000万ドルで23億8400万ドルのブラジルの黒字であったが、04年度の貿易額は36.97%増加の91億5000万ドルを達成したが、黒字幅は17億3000万ドルと減少した。(2日付けエスタード紙)
1月の小売業界はバーゲンセールで売上増し
昨年9月からの基本金利(Selic)連続引上げにもかかわらず、小売業界の月賦販売は対前年同月比で6.8%の伸びを示した。また現金及び先付け小切手販売は対前年同月比6.1%増加した。
サンパウロ商業会のエコノミストは、5ヶ月連続で上昇している基本金利の上昇分を除いたバーゲンやプロモーションが売上に貢献したと分析している。(2日付けエスタード紙)
【ブラジル経済情報】 速報 2月01日
12.5億ドルのブラジル国債発行で、3年来のドル安
ブラジルは1月31日に、運用25年、利回り8.9%のブラジル国債12.5億ドルを発行した。これでドル安に拍車がかかり、1.36%下げてR$2.61となり、これは3年来のドル安を記録した。
この国債発行は11日前の5億ユーロに続いての発行であり、外国人投資家がブラジルの高金利に注目しており、上記以外に中銀は40億ドルの国債発行の需要を見込んでいる。(1日付けエスタード紙)
1月の投資では、株価が7.04%のマイナス
1月の資産運用ランキングでは、10万レアル以上の大型定期預金(CDB)が1.37%でトップ、次いでDIファンド1.28%、ポウパンサ預金は0.69%をつけ、0.39%の総合市場物価指数(IGP-M)を上回った。
しかしサンパウロ証券取引所(BOVESP)の平均株価マイナス7.04%を筆頭に、金マイナス5.07%、ドルがマイナス1.62%となった。(1日付けエスタード紙)
笑いが止まらない銀行業界
ブラデスコ銀行の04年度決算は、対03年度の32.68%増し30.6億レアルの黒字を計上した。
昨年の同銀行の口座数は03年度の1、450万から昨年は1、570万に増加し、ポウパンサ預金口座も3、230万から3、460万口座に増加し、627.9億レアルの預金残高を記録した。また個人融資や貸付けは、03年度の35.89%増し212億レアルであった。このうち173億レアルは個人消費向けだった。
また中小銀行も軒並み大幅な黒字を計上し、03年度比平均35%の黒字増加を達成。BMGやBic銀行など7社の純資産は03年度の20.5%から27.7%に増加、純益は74%も大幅な増益となった。(1日付けエスタード紙)