コンサルタント部会は、企業内部統制に関するセミナーを10月28日に開催、28人の参加会員が資料片手に熱心に聞いていた
コンサルタント部会(桜井悌司部会長)主催の企業内部統制セミナーが、10月28日午後4時から5時30分まで、商工会議所に28人の会員が参加して開催された。
進行役は桜井部会長が務め、初めにアーンスト・ヤング社ニューヨーク事務所の総責任者でパートナーの藤田則春氏が、米国ではエンロン事件をきっかけに、企 業の内部統制が見直され、2004年度から上場企業に対して内部統制監査が義務づけされた経緯を説明後、講演者の牧野卓司同事務所シニアマネージャー及び 西口阿弥アシスタントを紹介した。
講演者の牧野氏は「サーベンスオクスレー法(SOX法)、 初年度の結果報告」と題し、分厚い資料を参加者全員に配布した後、パワーポイントでSOX法の概観、かかった経費及び費やした時間、IT関係のシステム及 びコントロールの是正、監査対象となった数と内容などについて、内部統制監査を行なった経験をもとに説明した。
また米国で上場している日本企業の経営陣の最大の関心ごとであり、外国企業は2006年度からは内部監査が義務となり、日本本社から準備と対応に追われていることを挙げた。
SOX法関連のコントロールに占めるIT関連比率や重要性、通常業務における欠陥コントール比率、重大な是正措置が必要なIT関連、コア・ビジネス活動や 財務報告決算プロセスなどについて、また外部監査人から受けるロケーション、プロセス、コントロール及びマルチ・ロケーションなどについても詳細に説明し た。
SOX法担当者の選出、SEC/PCAOBガイダンス適用、第2年目に軽減される項目、 内部監査部門内での社員訓練・教育、SOX法と財務リスク、業務リスク及び外注リソース調整の責任の細分化、大企業はITや税務などの専門分野をカバーす るための人材補強や中小企業は業務やコンプライアンスのリスク対応への人材確保が課題となると説明した。
また社内内部監査部門補完するための外注化や社内共同チームの人材活用、内部監査部門の部門別強化では、ITプロセス部門、SOX法関係プロセス、コント ロール及びインターナショナル・ロケーション部門などを優先、4半期別SOX法関連テスト及び人材不足問題発生等について述べた。
第1年目の重大欠陥に対する第2年目の対応及び時期、SOX法適応の付加価値、SOX法のテクノロジー・プラットフォームの採用、リスク・マネージメント(ERE)の対応などについても説明した。
また日本国内での内部統制についてのアンケート調査の実施、概要、質問内容、総括、分析及び結果などについても資料を配布して詳細に説明、質疑応答では、サンパウロ事務所のアマウリ・ウオノ・シニアマネージャーも加わり、いろいろな質問に対してテキパキと答えていた。