2月1日に開催されたセミナー「サンパウロで駐在生活を楽しむには」には95人が参加、桜井コンサルタント部会長の話に感心したり、頷いたりしていた
コンサルタント部会(桜井悌司部会長)、ブラジルを知る会(清水裕美代表)並びにBUMBA誌(細川多美子編集長)共催によるセミナー「サンパウロで駐在 生活を楽しむには」は、2月1日午前10時から正午まで国際交流基金サンパウロ日本文化センター会議場に女性参加者が大半の95人が参加、配布された立派 な資料やパンフレットを見ながら講師の桜井悌司部会長、清水代表や細川編集長の話に、相槌を打ったり感心したりで大変有意義なセミナーとなった。
初めにブラジルを知る会の清水代表は、桜井さんの知名度で100人近い参加者が集まったこと、ブラジルを知る会の活動として年1回古本販売ブックフェアを 開催して収益金をサンパウロ人文科学研究所に寄付していること、毎月第1と第3木曜日に移民資料館でボランティアとしてガイド活動などを行なっているこ と、また現在9期生までの50人がブラジルについて勉強会を行なっていること紹介し、駐在生活をより楽しむため、またブラジルの歴史、文化などをより深 く、身近にするためにブラジルを知る会への入会を勧めた。
続いてBUMBA誌の細川編集長 は、変化のないOL生活から逃避してブラジルにやって来たと参加者を驚かせた。またBUMBA誌も創刊から5年目で、今ブラジル文化のサンバやカー二バル を理解してもらうために先週土曜日にサンバ体験会を実施、今月のカーニバル前に3ヶ所のエスコーラ・サンバの見学会を実施する予定、また毎月曜日の午後7 時30分からBUMBA事務所でパンデイロ教室を開いてコトを説明し、持参したパンデイロを巧妙な手捌きで演奏を披露し、ブラジル生活をよりエンジョイす るために、イベントやパンデイロ教室への参加を呼びかけた。
その後桜井部会長はセミナー「サ ンパウロで駐在生活を楽しむには」と題して、サンパウロの主要通りの由来、駐在員が多く住んでいるパライゾ地区やパウリスタ界隈の映画館、文化施設、名 所・旧跡、通りの名前の由来などについて配布した資料の中からピックアップして説明し、身近なところにもエンジョイできる場所が多くあると説明した。
サンパウロはエキサイティングな都市であり、市内には85のテアトロ、228の映画館、博物館関係でもMASPにはモジリアニやルノアールの立派なコレク ション、PINACOTECA、移民博物館やアフロ・ブラジル博物館など規模は大きくはないが身近にあり、また世界中から移民が集まっているサンパウロは グルメ都市であり、レストラン総数は1万3000軒を数え、日本食レストランは600軒、シュラスカリアは500軒もあると説明した。
またショッピングセンターも2002年の統計では71ヶ所、スーパーマーケットは1040店舗、露天市場も899ヶ所で開かれており、また特別席でのサッ カー観戦はイタリアの2万円に対して50レアル(約2500円)、オペラ観賞はイタリアの2万円に対して100レアル(約5000円)とリーズナブルな価 格で楽しめると強調した。
一般にサンパウロは見るものがない、行くところがない、危険である との先入観がエンジョイ生活を阻んでおり、駐在3ヶ月以内にサンパウロ生活を楽しもうとする好奇心で色々なところに足を向けないと好奇心が薄らぎ、サンパ ウロの良さが分かってきて、灯台下暮らし気づいたときには、もう帰国とならないように大いに好奇心を煽って生活をエンジョイして欲しいと述べた。
また情報入手方法は色々あるが、金曜日の有名ブラジル新聞には週末のイベント、コンサートやレストラン情報が満載されており、日系関係の週末イベント情報 は金曜日の邦字紙に掲載されており、BUMBA誌はブラジルの文化、音楽や旅行情報などが日本語で入手できるので大変便利であると説明した。
また視点をブラジル全土に向けると、16ヵ所のブラジル世界遺産めぐり、博物館・美術館めぐり、コロニア主催行事の見学・参加、日本人移住地各地への訪 問、セーラ・ガウーシャに点在する南部イタリア系、ドイツ系移住地めぐり、8000キロメートルの海岸線を擁するブラジルビーチめぐり、動植物や魚類見学 のパンタナル湿原など一般に知られていないが素晴しいところが一杯のブラジルをエンジョイして欲しいと述べた。
南米に目を向けると、エクアドルのガラパゴス諸島、ペルーのマチュピチュ遺跡、ナスカの地上絵、チリのイースター島などブラジルに駐在している時に旅行に 行けるチャンスであり、また今のドル安を利用して、チリの氷河やアルゼンチン観光などを楽しむチャンスであると強調した。
またブラジルの見本市は大規模で、サンパウロにはアンニェンビー、センターノルテ、イミグランテスの3大見本市会場は6000平方メートル以上あり、観光 関係展示会、ビューティ関連、2年に1回の自動車関連や靴・ハンドバック関連見本市は見る価値があり、大いに出かけてほしいと説明した。
駐在生活をエンジョイするための心構えとして、駐在期間を想定して計画を立てること、あらゆるチャンスを逃さないこと、生活、趣味、仕事のバランスをとる こと、旅行などに行く前に情報を収集しておくこと、フットワークを軽くするために気軽に出かける習慣を付けておくこと、主人が多忙なときは、女性だけの旅 行仲間をつくっておくこと、情報の提供はGive&Takeを心がけること、情報収集ネットワークを常日頃心がけておくことと説明した。
最後にブラジルで楽しむ秘訣は、Don’t Be Shy(しゃしゃり出ろと訳す)、ダメもとで交渉すること、時間とお金を節約できるように出来るだけポルトガル語を学ぶこと、全てのリズムを好循環にもっ ていくようにすること、こちらから働き掛けること、あばたも笑窪に見えてしまうブラキチになるのではなく、良い点・悪い点が客観的に見られるブラスキにな ることと強調して講演を終了し、大きな拍手が会場一杯になり響いた。