ブラジル経済情報 - 2006年05月

【ブラジル経済情報】 速報 5月31日

働きがいのある会社100社にブラジル企業は17社

フォーチューン誌のラテンアメリカ地域での「働きがいのある会社100社」の中に、ブラジル企業17社が選出された。このアンケートには1,183社が立候補、信頼性〔従業員とのコミュニケーション〕、従業員の尊重〔機会と福利施設〕、公平さ〔報酬、多様性〕、プライド/仲間意識〔社会貢献〕の4部門について採点された。

製造業が381社、金融166社、情報産業95社などが参加して、42万人の従業員からアンケートをとった。信頼性部門ではブラジルのTodeschini社、従業員の尊重部門ではチリのアルコア社、公平さ部門ではペルーのProfuturo AFP社、プライド/仲間意識部門ではコロンビアのAlmacenes Exito 社、メキシコのFinanciera Compartamos社がそれぞれ受賞した。

ブラジル企業で100社に入ったのはベルゴ社、マガジン・ルイザ、ナツーラ化粧品、ランドン、チグレ、BV金融、モーヴェイス・ガジン、プロモン、スプレス・インフォルマチカ社などであった。〔31日付けガゼッタ・メルカンチル紙〕


6月1日はサントス港で24時間スト

連邦政府に対して給料調整及び昇給システム改正を求めて、5月2日から継続している国税庁検査官のストで、全国の港湾での輸出入の70%に影響がでているが、6月1日にはサントス港で24時間ストを予定している。

サントス港はブラジル貿易の30%を担っており、連邦政府が譲渡するまでストは継続されるが、医薬品及び絶対必需品輸入は通常通り通関できる。

またマナウス自由貿易港のストの影響で、1日当たり3,300万ドル、累計で7億5,000万ドルの被害が発生しており、部品や原材料不足で生産の40%に影響が及んでいるために、多くのメーカーでは従業員に集団休暇を取らせている。〔31日付けエスタード紙〕


ドル高で大豆ストックが減少してきた

今月に入ってドル為替は12.1%上昇し、シカゴ先物取引所の大豆価格が2.7%減少したにも関わらず、大豆の国内価格は15%上昇して大豆生産農家は一息ついている。

1週間前の大豆販売は生産量の49%であったが、1週間で200万トンが売買されて53%まで上昇したが、例年では5月末には62%の売買が成立している。

シカゴ先物取引所の8月引渡しの大豆価格は13ドルで例年の10ドルを大幅に上回っているが、ブラジルの為替の先行きが不明なために、FNP協会ではストック分を放出するように薦めている。〔31日付けガゼッタ・メルカンチル紙〕


ヴァリグ航空入札に11社

6月5日に予定されているヴァリグ航空入札に11社が参加を予定しており、国内航空会社ではゴール社、TAM、OceanAir、BRA社、海外航空会社ではポルトガルのTAP社が入札に参加すると予想されている。

入札は国内線専用会社、オペラシオナルと呼ばれる負債を負わずに国内線・国際線の運行会社、コマーシャルは航空券販売などの営業やマーケティングなど顧客関係業務を担う会社に分割して入札にかけられる。

買収が有力視されているオセアンエアー社は2年前からヴァリグ航空と買収で交渉していた。同社はコロンビアのアヴィアンカ航空、エクアドールのVipsa航空、ペルーのWyara航空を傘下に収めている。

またロシアのアエロフロート航空の大株主であった石油王のBerezovsky氏は4月にヴァリグ航空に買収提案を提示しているが、オセアンエアーと共同入札する可能性が市場で噂されている。〔31日付けエスタード紙〕


【ブラジル経済情報】 速報 5月30日

通貨政策委員会は基本金利を0.5%低下に留めるか

今日と明日の二日間開催される通貨政策委員会(Copom)で、米国の金利引き上げが予想されているために、3ヶ月連続で0.75%切下げられた基本金利(Selic)を0.5%切下げの15.25%に留めると予想されている。

この金利15.25%は2001年2月以来の低率であるが、実質金利は10.5%であり、シンガポール7%、トルコ4.8%、香港4.6%並びに中国の4.3%を大幅に上回る世界トップの金利である。

しかしインフレの目安になる広範囲消費者物価指数(IPCA)は4.32%が予想されており、国家通貨審議会(CMN)のインフレ目標4.50%を下回ると予想されている。〔30日付けエスタード紙〕


ブラジル企業の海外直接投資が増加

2001年から2005年のブラジル企業の海外直接投資は44%増加の716億ドルに達しており、競争力強化、関税問題回避やグローバリゼーション化に拍車がかかっている。

ブラジルは新興国の中では、海外直接投資額は4位で、中国、シンガポール並びに台湾に続いていると貿易開発会議(Unstad)の調査で判明している。

また新興国50大企業の中に、ペトロブラス社8位、ヴァーレ・ド・リオドーセ社23位、ゲルダウ社31位がランク入りしており、社会経済開発銀行(BNDES)は中大企業向けに海外直接投資向けクレジットを有している。〔30日付けエスタード紙〕


貿易収支黒字が減少

5月第4週目までの今年の貿易収支黒字はドル安及び連邦国税庁検査官のストの影響で、前年同期比1.39%減の152億1,000万ドル、2001年以来初めて前年を下回った。

今年の累計輸出額は481億7,000万ドルで前年同期比12.9%増加、累計輸入額は329億6,000万ドルで20.9%とそれぞれ増加している。最終12ヶ月間の貿易収支黒字は0.47%増加の447億5,000万ドルを記録している。

5月第4週の貿易収支黒字は国税庁検査官ストによる影響を受けて、前週から9.46%減少の3億9,200万ドルに留まった。今月28日までの貿易黒字は27億8,000万ドルで前月比10.36%減少している。

輸入の増加傾向は当分続くと予想されるが、先週の米国金利の先行き不安による為替相場の変動の影響は9月か10月の輸入に影響するものと予想されている。〔30日付けガゼッタ・メルカンチル紙〕


最近の新規上場企業の株主資本利益率が高い

サンパウロ証券取引所(Bovespa)に新規上場した企業の株主資本利益率(ROE)が、平均20%を超えているとEconomaticaの最終12ヶ月間の調査結果で判明している。

今年第1四半期のROEランキングでは、ナツーラ社が73.5%でトップ、ゴール社33.8%、Vivax社31.4%、サライヴァ社29.5%、ポルト・セグーロ社27.8%、Loccaliza社が27.1%と大幅な利益率を上げている。

また最終12ヶ月間のROEでは、Localiza社が257%でトップ、Cyrela社251.4%、ポルト・セグーロ社92.12%でそれぞれサンパウロ平均株価指数(Ibovespa)の56.47%を上回っている。

ブラジルの化粧品市場は世界6位であり、ボディーローションの消費量は世界3位、香水類は4位、オーラルケア類8位であり、化粧品メーカーのナツーラ社の追い風になっている。またゴール社もヴァリグ航空の倒産問題で、ヴァリグ航空の顧客を吸収しており、大いに収益性を上げている。(30日付けガゼッタ・メルカンチル紙)


【ブラジル経済情報】 速報 5月29日

第1四半期の経済成長率は1.5%前後

今年第1四半期の経済成長率は、国内投資と消費増加の内需に牽引されて前期比1.5%が見込まれており、31日にブラジル地理統計院(IBGE)から発表される。また今年の経済成長率は3.5%から4%が見込まれている。

建設業や設備投資部門の投資増加で固定資産形成(FBCF)比は、前年同期比4.4%増加が見込まれているが、工業生産部門は9.3%が見込まれている。

金利の低下、実質賃金の上昇や容易なクレジット加入で、3月の最終12ヶ月間のクレジット部門は19.6%増加、また第1四半期の消費者向けクレジットも前年同期比6%増加している。

MCMコンサルタント社は今年の第1四半期の工業成長率は、資本財や耐久消費財を中心に前期比1.6%増加を予想しているが、応用経済調査院(Ipea)では1.2%増加、今年の経済成長率を3.4%と予想している。〔29日付けヴァロール紙〕


ブラジル繊維業界は国際競争力強化政策を連邦政府に提出

ブラジル繊維工業界(Abit)は、中国からの繊維製品の不正輸入や輸出競争力を削ぐ税金に対して、連邦政府へ為替や不正輸入に対する対抗措置などの改善政策要請書を提出する。

ブラジル繊維業界は3万社から構成され、165万人の雇用を創出しているが、大手のヴィクーニャ繊維会社は昨年から今年にかけて、3工場を閉鎖して2,000人をリストラした。またボンフィオ社も今年上半期の予定していた新工場建設の1,500万レアルの投資を見合わせている。サンパウロ州の繊維関係の中心都市であるアメリカーナ市ではすでに5,000人がリストラされている。

4月の繊維関係輸出は1億5,800万ドルで、3月の1億9,500万ドルから減少、また今年第1四半期の衣服輸出も前年同期比14.3%減であったが、輸入は44.8%増加している。〔29日付けエスタード紙〕


パン・デ・アスーカルは家具を販売開始

スーパーマーケットチェーン最大手のパン・デ・アスーカル社は、昨年から販売増加及びコスト削減に躍起になっているが、ソロカバ市及びカンピーナス市のエストラ店で収益率の高い家具の試験販売を開始した。

同社では食料販売に重点を置いていたが、今では食料品以外の売上げが24%に達しているが、30%までウエイトを上げる可能性もでてきた。

同社の昨年の1平方メートル当たりの売場面積の売上げは、食料品価格の値下がり及びコンペチターの追い上げで、2004年の13,448レアルから13,404レアルに減少したが、カーレフールは12,500レアルから12,400レアル、ウォールマートも10,600レアルから10,000レアルに減少している。

また昨年の同社は7,000人をリストラしたが、カーレフールは4,500人、ウォールマートはコンペチター買収で2万1,300人それぞれ増加している。〔29日付けエスタード紙〕


BR石油配給会社は水増し請求

国家電力庁(Aneel)はブラジル北部地域の火力電力会社へのジーゼル油供給で、ペトロブラス傘下のBR石油配給会社がコンペチターの2倍以上の代金請求をしていると経済法務局(SDE)に訴えている。

水貸し請求されていたのはアクレ州、アマゾナス、ロンドニア、オーラ今、アマパ及びパラー州の火力発電所で、ブラジル全土の火力発電量の6%を担っている。

BR配給会社がマナウスエネルギー社に販売したジーゼル油価格は、2004年9月から昨年10月にかけて65.7%値上げされたが、Texaco社がパラー州ジャリエネルギー社に販売したジーゼル油は28.5%の値上げに留まっている。

またBR配給会社がエレトロノルテ社に対するジーゼル油の値上げ幅は36%であったが、Texaco社の値上げは26.6%に留まっている。(29日付けガゼッタ・メルカンチル紙)


【ブラジル経済情報】 速報 5月26日

シーメンスVDOはマナウスでカーラジオ生産開始

シーメンスVDO社は拡大を続けているブラジル自動車産業界に注目、800万ドルを投資してマナウスにカーラジオ生産工場を建設、今後年間50万台を生産する。

シーメンスVDOは2000年から年間2万から3万台を委託生産していたが、今後4年間の大型納入契約を自動車メーカーと交わし、マナウスでの生産工場建設を決定していた。同社の売上げは6,000万レアル、カーラジオのマーケットシェアは13%であり、マナウス工場の生産開始で25%のシェアを狙っているが、シェア50%のDelphi社を追従する。

ブラジルでは新車販売時にカーラジオが装備されているのは20%にしか過ぎないが、米国では95%、ヨーロッパ70%、アルゼンチン90%が装備されており、カーラジオメーカーは必死の売込みを自動車メーカーにかけている。〔26日付けガゼッタ・メルカンチル紙〕


ブラジルは中米経由で米国へエタノール輸出

ルイス・フルラン開発商工相及び50人の実業家からなる経済ミッションが、今月末から中米5カ国を訪問、パナマ運河拡張工事や繊維関係などについて売込みをはかるが、米国へのエタノール売込みに輸入関税がかけられていない中米経由での商談もターゲットにしている。

ブラジルから米国へのエタノール輸出には関税がかけられており、年間35億6,000万ガロンのエタノール消費が2012年までに倍増する米国エタノール市場はブラジルにとって羨望の的であり、米国への輸出増加するために中米経由での再輸出を中米諸国とジョイントベンチャー企業設立交渉をする。

経済ミッションにはアンドラーデ・グッチエレス社、カマルゴ・コレア社、アルサ社、ケイロース・ガルボン社が同行しており、パナマ運河拡張工事、エネルギー、繊維、履物や金融部門などに投資を推進する。〔26日付けガゼッタ・メルカンチル紙〕


農業救済措置に755億レアル

ストライキなどで農業危機を訴えている農民を救済するために、連邦政府は低利の融資金利、負債支払い延期措置などに755億レアルを準備する。

大農家向け次期収穫用融資は前年比12.5%増加の500億レアル、零細農家向けは100億レアルで、そのうちの301億レアルの融資金利は年間8.75%の低利となっている。

大豆作付けには前年の15万レアルから30万レアル、養豚や養鶏には6万レアルから12万レアルとそれぞれ融資額が増加した。

前年の作付け用に融資された負債金の支払いは最大4年間に延長されるが、地域と生産物で延長期間が決められる。〔26日付けガゼッタ・メルカンチル紙〕


スターバックスがブラジルに上陸

世界最大のコーヒーチェーンであるスターバックスが1年以内にサンパウロ市内に第1号店を開店、初年度にサンパウロ州内及び南部地方に15店舗を開店する。

4年間の交渉の末に契約に漕ぎ着けたロデンバック夫妻は、1979年にマクドナルド、その後はドミノスピザ、アウトバックなどのフランチャイズをブラジルに導入している。

スターバックスは2002年からラテンアメリカに進出しており、すでにペルー、メキシコ、チリとプエルトリコに店舗を持っている。〔26日付けエスタード紙〕


【ブラジル経済情報】 速報 5月25日

GMの新世界戦略プランではブラジルでピックアップ開発

中国、アジアやメキシコなど発展途上国の乗用車需要急増に対応するために、GM社は新世界戦略プランでブラジルGM社が中型ピックアップ車開発を担当することを決定した。

ブラジルGM社は2012年から世界中で販売される中型ピックアップ車の開発に、3,000万ドルを投資して2008年までに1,200人のエンジニアやデザイナーを雇用する。

新世界戦略プランは韓国で小型車開発、スエーデン、イギリス並びにドイツで中型自動車及びコンパクト車、オーストラリアで大型自動車、米国で大型ピックアップ車、大型自動車及び高級乗用車の開発を担当する。〔25日付けガゼッタ・メルカンチル紙〕


4月のプライマリー収支黒字は前月の2倍以上

4月の連邦政府のプライマリー収支黒字は前月の72億3,000万レアルから急上昇して、148億5,000万レアルを達成して記録を塗り替えた。

国庫局の黒字は174億レアル、ブラジル中央銀行の黒字は4,200万レアルであったが、国立社会保険院は26億レアルの赤字であった。

今年1月から4月までのプライマリー収支黒字は296億1,000万レアルで、前年同期の297億7,300万レアルを僅かに下回ったが、予算基本法(LDO)で定められた287億レアルを上回った。

今年4ヶ月間のプライマリー収支黒字はGDP比4.66%で昨年同期の5.03%を下回ったが、連邦政府目標の4.25%は充分に達成できると予想されている。〔25日付けエスタード紙〕


海外投資家の撤退でドルが急上昇している

米国の金利上昇予想の影響で、昨日のドルは一気に4.62%上昇してR$2.40となり2002年9月以来の高値を記録した。

またカントリーリスクも2.09%上昇して281ポイントを記録、サンパウロ証券取引所(Bovespa)の4月末の海外投資家の投資残高は23億レアルであったが、5月19日までに9億700万レアルがすでに引上げているが、今週の引上げ額は予想できないほど大きい。

海外投資家が引上げるにはドルを購入しなければならないことも一層ドルの為替を強くしている。連邦政府は為替市場の沈静に広範囲消費者物価指数〔IPCA〕連動の国債NTN-Bの買取を実施している。〔25日付けガゼッタ・メルカンチル紙〕


世論調査ではルーラ現職大統領が一次選での当選可能

18日から21日にかけて実施されたCNT/Sensusの大統領選の世論調査では、ルーラ現職大統領(PT)が前回の調査から3ポイント上昇して、第一次選での当選の可能性もでてきたが、12日から15日のサンパウロ州内での州都第一コマンド(PCC)主導の刑務所暴動など治安対策が問題視されたことも、アウキミン候補(PSDB)には逆風となりポイントを下げた。

ルーラ候補は前回の37.5ポイントから40.5ポイント、アウキミン候補は20.6ポイントから18.7ポイント、またガロチーニョ候補は15ポイントから11.4ポイントと大幅に下げ、エロイザ候補(PSOL)は4.3ポイントから6.1ポイントに上昇したが、白紙/浮動票も22.7ポイントから23.4ポイントに上昇した。

また拒否票調査ではアウキミン候補が前回の調査から7.1ポイント上昇して40.6ポイントとなったが、ルーラ候補は1ポイント下げて34.7%となった。

一次選の地域別得票率では、南東地方ではルーラ候補33.2ポイント、アウキミン候補23.6ポイント、東北地方ではルーラ候補が圧倒的に強くて58.6ポイント、アウキミン候補が僅かに10ポイント、南部地方ではルーラ候補30.7ポイントに対してアウキミン候補19.3ポイントであった。

第二次選になった場合の調査では、ルーラ候補48.8ポイントに対してアウキミン候補31.3ポイントと5.7ポイントと差が広がった。〔25日付けガゼッタ・メルカンチル紙〕


【ブラジル経済情報】 速報 5月24日

4月の社会保険院の赤字は25%増加

4月の国立社会保険院(INSS)の赤字は、前年同月比25.4%増加の26億レアル、また今年4ヶ月間の累積赤字も13.1%増加の125億4,900万レアルに達している。

しかし5月の赤字幅は連邦政府の最低賃金を300レアルから350レアル、最低賃金以上の年金・恩給受給者に対する5%調整で37億レアルの赤字が見込まれており、今年5ヶ月間の累積赤字は162億レアルに達する。

しかし年金・恩給受給者の70%近くは最低賃金であり、今年の累積赤字は昨年の380億レアルを大幅に上回る458億レアルが予想されているが、予算管理省では432億レアルを見込んでいる。〔24日付けエスタード紙〕


ブラジルの4銀行がランキング20位内に入る

レアル高及び株価高騰でブラジルの4銀行が、米国及びラテンアメリカ圏内でランク20以内に入り、ブラデスコ銀行の株価総額はドル換算では314億6,000万ドルで8位にランクされた。

イタウー銀行は271億6,000万ドルで10位、ブラジル銀行は188億6,400万ドルで18位、ウニバンコ銀行は150億3,800万ドルで20位にランクされている。昨年末からのウニバンコ銀行の株価は60.16%増加、ブラジル銀行30.89%、ブラデスコ銀行13.74%、イタウー銀行12.40%それぞれ増加している。

今年第1四半期の4銀行の純益は個人融資の拡大で50億レアルに達しており、ブラデスコの個人融資部門は50.6%、イタウー銀行は48.4%それぞれ伸びている。

またブラジルの銀行の収益性は非常に高く、イタウー銀行は35.7%でランク1位、ブラジル銀行32.4%、ブラデスコ銀行31.6%、米国の銀行ではBancorp銀行が23.2%及びシティグループが22%で、ウニバンコ銀行の21.9%を上回ったに過ぎない。〔24日付けエスタード紙〕


今年4ヶ月間の正規雇用者数は57万人

3月の正規雇用者数は減少したが、4月は22万9,803人に達して4月月間では昨年に続く記録であり、今年4ヶ月間の正規雇用者総数は昨年同期比2%増加の56万9,506人で記録を塗り替えた。

この正規雇用者増加は農業部門の雇用増加で、特に砂糖キビ及びコーヒー栽培関係労働者の増加及び好調な貿易収支、金利低下や建築材料の税優遇策などで、4月の製造業の正規雇用人数は7万8,481人に達し、今年4ヶ月間では14万6,509人増加した。

しかしドル安で価格競争力を失っている輸出の比率が大きい履物や自動車工業では新規雇用が難しい。今年4ヶ月間のサービス業は23万1,327人、農畜産関係が7万1,796人、建築関係が5万4,068人の正規雇用が創出されている。(24日付けエスタード紙)


IDB銀行はEthos研究所の社会的責任プログラム支援

企業の社会的責任プログラムを推進しているEthos研究所は、7部門の大企業が核になり顧客や部品供給メーカーに社会貢献コンセプト指導の新しいTearプログラムを米州開発銀行(IDB)の支援を得て実施する。

製鉄部門はベルゴ‐アセロール、石油はペトロブラス、電力エネルギーCPFL,小売業パン・デ・アスーカル/エストラ、鉱業ヴァーレ・ド・リオドーセ、建設業タカオカ/ガフィーザ、土木カマルゴ・コレア社が15企業の核になって社会的責任プログラムを指導する。

Tearプログラムに参加するパン・デ・アスーカル社は、2003年に食肉を供給していた企業が従業員を奴隷的扱いで働かせており、ファゼンダの環境保全地域に食肉処理場を建設していたことを発見、早急に企業の社会的責任プログラムを指導して改善させた経験がある。

同社では食肉の原産地証明を明確にするために、食肉処理場からの食肉供給を中止して、15の牧場との食肉供給契約に切り替えて家畜飼育指導、環境保全、社会的責任、独自の社会会計などを指導した。〔24日付けエスタード紙〕


【ブラジル経済情報】 速報 5月23日

米国金利の先行き不安で株が暴落

22日は米国のインフレ指数の上昇で更なる金利の上昇が予想され、発展途上国の株などの資金が一斉に米国債に流れだして世界的な株暴落を記録した。

ブラジルではドルが3.67%上昇してR$2.28となり5月だけで11.12%上昇している。サンパウロ平均株価指数(Ibovespa)は3.28%下落して今月は9.58%下げたが、今年累計では9.09%の値上がりを維持している。またカントリーリスクも4.53%上昇の277ポイント上昇した。

メキシコの株も4.03%、ブエノス・アイレスは3.91%それぞれ下落、ヨーロッパも2%以上下落したが、特にモスクワではマイナス9.1%と大幅に下げた。〔23日付けエスタード紙〕


消費者は家電購入希望がトップ

ラテン・パネル社の消費者対象の購入希望調査によると、家電購入が28%でトップ、家具類が25%で続き、食品24%、衣類12%、電気製品10%となっている。

一般家庭の平均月収は1,337レアルであるが、月間支出1,378レアルで毎月3%の赤字を続けている。支出では21%が食品購入、17%は住居費、11%は交通費、10%は公共料金支払い、6%が医療関係の支出となっている。

また収入増加した場合の調査では、住居のリフォームが26%でトップ、資本財購入25%、債務支払い15%、貯金12%、住宅建設9%となっている。〔23日付けエスタード紙〕


ヴァーレ社はCDLM社から撤退

オセンタ・ウマラ・ペルー大統領候補の天然資源国有化発言の翌日に、ヴァーレ・ド・リオドーセ社はチリのアントファガスタ社とのジョイントベンチャーCDLM社の50%の所有株を放出すると発表した。

CDLM社はペルー南部のコタバンバ地方とアンチージャ地方に有力な銅鉱山を所有して開発を計画中であった。

またヴァーレ社はMiski・Mayo鉱山開発会社の子会社をペルーに所有しており、ペルー北部での銅鉱山開発を計画している。またピウエラ地方での燐鉱開発調査を行なっている。〔23日付けガゼッタ・メルカンチル紙〕


BNDES銀行はインフラ整備に融資拡大

社会経済開発銀行(BNDES)はインフラ整備に融資拡大を予定しており、今年は昨年の20%増加の180億レアルが予定されている。

融資の多くは長期エネルギー開発プランに充てられ、2015年までに4万1,000メガワットのエネルギー開発を予定している。水力発電関係はすでに15%が融資され、2007年までに更に15%の融資が予定されており、総融資の45%で1万2,000メガワットが発電予定されている。

BNDES銀行は45件のエネルギー開発プロジェクトに180億レアルの融資を検討しており、また鉄道網整備の60億レアルの短期融資を予定、昨年同銀行にはインフラ整備関連融資申込みが299億レアルあった。〔23日付けエスタード紙〕


【ブラジル経済情報】 速報 5月22日

輸出企業は輸出価格を調整

レアル高が継続して輸出企業の収益性を圧迫しているが、世界的好景気に後押しされて、第1四半期のブラジルの輸出用自動車価格は前年同期比16.4%調整されたが、国内価格は僅かに1.3%の値上げに留まっている。

ブラジルの履物工業界も輸出用は着物価格を7.6%調整したが、国内価格は3.8%の値上げに留まっている。また家具の輸出価格も10%値上げされたが国内価格は0.4%の調整に留まっている。

国際商品価格が大幅に上昇した輸出用砂糖価格は46.5%調整されたが、国内価格は29.3%に留まっている。GM社は今年の自動車輸出を昨年比20%から30%減の5万台に減らすが、輸出用自動車の売上げを昨年並みの16億ドルを見込んでいる。

今年第1四半期の部門別輸出の収益性では、鉄鋼関係がマイナス25.9%、農畜産‐10%、農業機械‐8.9%、自動車部品‐14.8%、紙・パルプ‐12.5%、電気製品‐19.9%、繊維‐16.2%とそれぞれマイナスを記録したが、鉄鉱石11.9%、原油・石炭18.6%、コーヒー4.8%はそれぞれプラスになっている。〔22日付けヴァロール紙〕


大豆農家はバイオジーゼルを使用

マット・グルッソ州の大豆生産者組合は大豆使用のバイオジーゼル製油所建設を計画、大豆生産用トラクターやコンバインにバイオジーゼル燃料を使用してコスト削減を計画している。

マット・グルッソ州のジーゼル燃料は3年間で233%も上昇して現在1ドル相当であるが、大豆から生産されるバイオジーゼルコストは1.30レアルと大幅に安い。製油所建設に3,000万レアルを投資、60万トンの大豆から日産40万リットルのバイオジーゼル燃料を生産する。

1ヘクタール当たりの大豆生産に45リットルのジーゼル燃料を使用、港湾までの輸送に100リットルを消費するが、バイオジーゼルに切替えることによって大幅なコストダウンになる。また大豆価格が大幅に上昇したときはヒマワリや綿花などでも代替可能である。〔22日付けガゼッタ・メルカンチル紙〕


海外からの投資が減少

ドル安継続で海外からの投資が減少してきており、2000年のスエーデンからの投資は6億2,860万ドルであったが、2004年は8,988万ドル、昨年は僅かに3,200万ドルに留まった。

ブラジルの好調なマクロ経済、3億7,000万人の消費人口を抱えて総計1兆ドルのGDPを抱えるメルコスールグループのブラジルに対して、米国は2004年に39億7,000万ドルであったが、昨年は16.74%増加の46億4,000万ドルを投資したが、レアル換算ではマイナス2.87%と減少している。

4月の海外からの直接投資は、7億9,000万ドルで予想の10億ドルを大幅に下回わり、GDP比1.6%と1997年3月以来の低率を記録したが、5月は14億ドルの直接投資が見込まれている。〔22日付けガゼッタ・メルカンチル紙〕


【ブラジル経済情報】 速報 5月19日

4月の税収は350億レアルを記録

4月の連邦政府の税収は前年同月比5.29%増加の349億6,600万レアル、4月としては月間記録を達成した。今年4ヶ月間の総税収は前年同期比2.67%増加の1,256億2,400万レアルであった。

4月の精油業界からの法人税及び純益に対する社会納付金(CSLL)の納税額は、前年同月の7億700万レアルから13億レアルと大幅に増加、精油業界の売上げが大幅に伸び、またローヤリティー収入も20億6,000万レアルから27億レアルに伸びた。

また銀行業界の法人税の納税額は3億9,700万レアルから6億1,400万レアルと47.57%増加、4月は個人所得税の第1回目の支払いがあり前月比19.3%増加した。今年の自動車業界の国内販売は8.5%増加し、工業製品税(IPI)の納税額は17.45%増加した。〔19日付けエスタード紙〕


企業家の投資意欲が減退

4月にジェツリオ・ヴァルガス基金(FGV)が行なった企業家の投資意欲調査では55%が昨年よりも投資すると回答したが、昨年同月の65%から大幅に減少している。今年第1四半期の設備稼働率は前年同期の84.4%から83.5%と僅かに減少している。

投資意欲の落込みが大きかったのは資本財部門で昨年の第1四半期の42%から23%に急落、資本財の輸入に切り替えている企業が増加してきた。

またすでに大型投資が行なわれた中間財は47%から29%に減少、消費財も41%から37%に落ちている。特に為替で打撃を受けている衣料及び履物部門は50%から20%に減少、紙・パルプ49%から35%、金属45%から35%、化学部門は54%から32%とそれぞれ減少している。〔19日付けエスタード紙〕


社債発行が目白押し

有価証券取引委員会(CVM)への社債発行許可申請に列が出来ており、総額133億5,000万レアルに達している。また今年5月までに182億レアルの社債が発行されている。

ウニバンコ銀行傘下のDibensリーデングは57億レアル、ABNリーディング15億レアル、ヴォトランチン銀行傘下のBVリーディングが30億レアルをそれぞれ発行する。

昨年の社債発行数は45件で総額415億レアルであったが、そのうちの285億レアルはリーディング会社が発行した。〔19日付けガゼッタ・メルカンチル紙〕


ジェネリック医薬品売上げが増加した

今年第1四半期のジェネリック医薬品販売量は4,170万箱で前年同期比26.6%増加、また売上げは62%増加の2億1,360万ドルであった。

ジェネリック医薬品は一般医薬品よりも平均35%安価であり、安全性や効果が評価されてきていることも売上げを伸ばしている。

第1四半期のジェネリック医薬品の販売量は医薬品業界全体の12.3%を占め、昨年同期比2%増加、また売上げは8.1%から9.6%を占めた。4月の販売量は13%に上昇して1,390万箱、売上げは7,590万ドルに達した。〔19日付けガゼッタ・メルカンチル紙〕


【ブラジル経済情報】 速報 5月18日

火力発電所の燃料にエタノール使用

ペトロブラス社はボリヴィア政府の天然ガス・石油資源国有化政策で、ボリヴィアからの輸入天然ガスの価格値上げ問題に対して、火力発電所向け天然ガスの代替燃料としてエタノール使用試験をすでに完了している。

ボリヴィアの石油公社YPFB社がブラジル向け天然ガス価格を大幅に値上げするようであれば、エタノールや他国からの天然ガス輸入も検討する。また2008年から予定されていたサントス鉱床からの天然ガス生産を2007年に前倒しする。

他国からの天然ガス輸入は液化天然ガス(LNG)として輸入し、すでにパイプライン網が敷かれているスアペ港(PE)やぺセン港(CE)から天然ガスに戻して配送される。〔18日付けエスタード紙〕


国債発行残高が減少

4月の連邦政府の国債発行残高は、前月よりも184億4,000万レアル減少して1兆20億レアルになった。国債発行残高は24ヶ月連続で増え続けていた。

4月には米国金利が4.85%から5.07%に上昇、発展途上国への投資が米国へ流れ出し、ブラジルは350億レアルの国債発行を予定していたが、203億レアルの発行に留まった。

4月のSelic金利連動国債は前年同月の国債発行残高の58.50%を占めていたが49.98%に比率を下げたが、固定金利連動国債は20.25%から27.61%、物価指数連動国債は14.10%から21.94%とそれぞれ増加した。為替連動国債は3.95%から2.23%、参考金利連動国債は2.53%から2.10%とそれぞれ比率を下げた。〔18日付けエスタード紙〕


ワーゲン社は電子課税伝票を発行

ブラジルワーゲン社は連邦国税庁とタイアップした電子課税伝票発行のパイロットプロジェクトに参加し、先月初めて電子課税伝票を発行した。

このパイロットプロジェクトには自動車メーカーのフォード、GMやトヨタも参加しているが電子伝票発行を準備中である。Wickbold社及びソウザクルース社はすでに電子伝票を発行している。

ワーゲン社は年末までに47万枚の電子伝票発行を予定しているが、電子伝票発行で脱税、詐欺などの不正が防げる上に国税庁への税収が増加する。〔18日付けガゼッタ・メルカンチル紙〕


ホテルでのイベント開催が増加

サンパウロ市では年間9万件のイベントが開催され、売上げは82億レアルに達し、1,650万人が参加しており、ブラジルで開催されるイベントの25%を占めている。

ホリディイン・パルケアンニェンビーは120万レアルを投資して、イベント会場を400平方メートルから1,200平方メートルに増加、1,100人を収容できる。同ホテルではイベント関連の売上げの90%増加を目標にしており、昨年の客室率は36%で前年の22%から大幅に増加している。

またエスタン・プラザホテルは200万レアルを投資して、1,000人収容のコンベンションセンターを建設、今年の客室率を昨年から15%アップの65%、売上げ20%増加を目標にしている。〔18日付けガゼッタ・メルカンチル紙〕


砂糖キビ収穫機が不足する

ブラジル及び世界的にエタノール需要が増加してきており、砂糖キビ収穫機の不足が懸念されてきた。

世界中で砂糖キビ収穫機メーカーは5社しかなく、そのうちブラジルに3社が集中しており、ラテンアメリカ諸国、タイ、オーストラリア、スーダンやイランから注文が殺到しているが、3ヶ月以上待たなければならない。

昨年の砂糖キビ収穫機販売は国内向け142台、輸出は42台であったが、今年は国内180台、輸出95台とそれぞれ大幅な増産が見込まれている。〔18日付けガゼッタ・メルカンチル紙〕


【ブラジル経済情報】 速報 5月17日

公共機関の電子入札が増加

今年第1四半期の連邦政府、州政府や市役所の電子入札総額は4億1,900万レアルに達し、連邦政府の電子入札による購買は昨年同期比84%増加して全体の40%を占めた。

電子入札による購買はコンピューターや印刷物に限られており、第1四半期の各州政府の電子入札は購買総額の26%を占めた。

電子入札は2004年4月から開始され、ミナス州、サンパウロ、ペルナンブーコ並びに南大河州で実施されており、サンパウロ州のサンベルナルド・ド・カンポス市、ジュンジャイ市、サンタ・カタリーナ州のイタジャイ市及びフロリアノポリス市でも始まった。〔17日付けガゼッタ・メルカンチル紙〕


綿繊維が繊維製品の輸出を牽引した

今年初め4ヶ月間の綿繊維輸出は中国からの綿製品需要に後押しされ、昨年同期比60.98%増加して1億2,028万レアルを記録した。

また繊維製品輸出は昨年同期比6.51%増加の6億8,707万ドル、綿繊維輸出量は73.4%増加して、繊維製品輸出量は24%増加した。

輸出先では米国が2.789%低下したにも関わらず1億6,580万ドルでトップ、2位はアルゼンチンで14.14%増加の1億4,960万ドルであったが、中国向けは174.18%増加した。

繊維製品輸入は34.08%増加の6億5,566万ドルで、中国からの輸入は63.13%増加の1億8954万ドル,インドネシアは157.5%増加の6,774万ドル、台湾は37.01%増加の4,125万ドルで3位であった。〔17日付けガゼッタ・メルカンチル紙〕


【ブラジル経済情報】 速報 5月16日

米国金利上昇で金融市場が撹乱

先週、米連邦準備制度理事会〔FED〕が基本金利を0.25%上方修正して5.0%に決定後、発展途上国の金融市場から米国国債に資金が流れ出し、発展途上国を中心に国際金融市場の先行き不安で金融市場が荒れている。

15日のサンパウロ平均株価指数(Ibovespa)は2.34%下げて3万9,271ポントとなり、5月だけで2.70%下げたが、今年は17.38%の大幅な値上げを記録している。

為替はドルが1.96%上昇してR$2.186、カントリーリスクは6.84%上昇して250ポイント、国債A-Bondは0.52%下げて額面105.6%、BR-40は0.64%下げて124.95%となった。

また4月以降に銅の国際コモディー価格が23%も上昇を続けており、米国のインフレの引き金になるリスクになることも金融引き締め政策強化を後押ししている。〔16日付けエスタード紙〕


GM社960人をリストラ

ジェネラル・モーター社(GM)はレアル高の為替による輸出不振で、サン・ジョゼ・ドス・カンポス工場の9,700人の従業員のうち、7月までに960人のリストラを決定した。2週間前にはワーゲン社が2008年までに、5,773人のリストラを発表したばかりであった。

ブラジルGM社から年間1万2,000台のメリヴァ車をメキシコに輸出する予定であったが、レアル高でスペインGM社からの輸出に切替るために、リストラ政策採用を決定した。

昨年、ブラジルGM社は20万8,000台を輸出したが、メキシコへは6万台を輸出している。今年の輸出台数は16万3,000台に下げる。(16日付けエスタード紙)


ヴァーレ社はチセンクルップと価格調整で合意

ヴァーレ・ド・リオドーセ社はドイツ系チセンクルップ製鉄とパラー州カラジャス及びミナス州産のシンターフィード類鉄鉱石の19%値上げで合意した。

しかし昨年80%以上値上げしたツバロンやサンルイスの高炉用ぺロタ類鉄鉱石は3%の値下げを決定した。シンターフィード鉄鉱石価格は40ドル/トン、ペロタ鉄鉱石は80ドル/トンになる。

このヴァーレ社の値上げ決定は、競合会社であるBHP・Billiton社並びにリオチント社の顧客であるアジアの大手鉄鋼メーカーとの価格交渉に目安になる。〔16日付けヴァロール紙〕


5月の貿易は収縮してきた

5月初めの2週間の輸入額は24億6,000万ドル、1日平均の輸入額は2億7,330万ドルで前年同期比9.9%減少したが、輸出は44億1,100万ドルで、1日あたり4億9,010万ドルで4.8%増加、貿易収支は19億5,100万ドルの黒字を計上している。

また5月第2週の輸出は23億4,200万ドル、輸入は12億7,100万ドルで貿易収支黒字は10億7,100万ドルで今年3番目の週間記録となっている。

今年の輸入総額は前年同期比20.6%増加に対して、輸出総額は15.8%の増加に留まっている。5月の輸入は燃料・潤滑油が55.6%減少、機械・装置類11.4%、化学製品8.4%、航空機・部品8.1%、自動車が7.5%とそれぞれ減少している。

5月の輸出は原油、大豆、トウモロコシやタバコなどの一次産品が15.3%増加したが、完成品や半製品は前年同期比並であった。〔16日付けエスタード紙〕


【ブラジル経済情報】 速報 5月15日

ノーヴァジェラール社はカーボンクレジット取引

ブラジルは初めてカーボンクレジット取引で外国からのファイナンスを受ける。オランダ政府はブラジル企業ノーヴァジェラール社から2012年までに二酸化炭素排出権を132億5,000万ユーロで購入する。

このカーボンクレジット取引は250万トンの二酸化炭素排出を防止するもので、世界銀行が融資しブラジル銀行が保証する。

このプロジェクトは病院から排出されるゴミや都市部から回収されるゴミから排出されるメタンガスを利用して10メガワットのエネルギーを創出するもので、今年末から年間2メガワットから開始され7メガワットまでの発電能力を上げる予定である。〔15日付けヴァロール紙〕


グラジエンテ社は業務委託を拡大

映像や音響装置メーカーのグラジエンテ社は昨年末から今年に掛けて、マナウス市のプリント基板生産工場を1,600万レアルで米国系Jabil社に譲渡、ロジスティック部門をDHL社に業務委託、コールセンター部門をTMS社へ業務委託サービスに切替えた。

これらの部門の業務委託への切替は、製品開発及びマーケティングに人材を集中するためであり、主な部品類は輸入または国産品を用いて最終部門の組立てを行なう戦略に切替えた。

同社の昨年第4四半期の売上げは4億2,670万レアルで前年同期比24.3%増加したが、純益は2,300万レアルで前年同期の2,910万レアルから大幅に落込んだ。〔15日付けヴァロール紙〕


特殊鋼大手のアセジッタ社はCosinox社を傘下に収める

アセロールグループの特殊鋼大手アセジッタ社はサンパウロ州カンピーナス市の鋼板加工のCosinox社を3,500万レアルで買収、ブラジル南東部へのサービスセンターとして位置付けている。

Cosinox社は年間4万トンの鋼板加工能力を擁しており、自動車メーカーや白物家電メーカーを顧客にしており、アセジッタ社の鋼板加工業務拡大に繋がる。

今年のアセジッタ社は2億3,000万レアルの投資を計画しており、そのうちの9,500万レアルはエネルギー発電プラント用特殊鋼の年間生産を20万トンから30万トンへの増産計画に充てられる。残り1億レアルはミナス州チモテオ工場の改修や設備投資が計画されている。

今年第1四半期のアセジッタ社の純益は、為替の不均衡や鉄鋼の国際商品価格の低下で1億2,580万レアルに留まり、前年同期比28.9%減であった。またニッケルの国際商品価格の上昇も原材料のコストを押し上げた。〔15日付けヴァロール紙〕


第1四半期のノッサ・カイシャ銀行の純益は倍増

今年第1四半期のノッサ・カイシャ銀行の純益はクレジットやサービス業務の拡大で、昨年同期比96.6%増加の1億7,480万レアルを記録した。

3月末のクレジット部門の残高は65億レアルとなり昨年1年間では23.1%増加、また第1四半期は5億8,440万レアル増加、昨年同期比27%増加した。

また昨年1年間の個人融資は27%増加して、融資部門売り上げ48億レアルの74.1%を占めた。個人融資の40%は公務員や一般サラリーマンの給与口座天引き型ローンが占め、10.7%は特別小切手、6,9%は年金・恩給口座天引き型ローンであった。しかし支払い遅延や不渡りは7.6%に達し、昨年同期比1.6%も上昇した。

第1四半期の個人融資向けクレジットカード発行は、すでに86万5,000枚に達しており、年末までの目標発行数110万枚は越えると予想されている。またB及びCクラス及びサンパウロ州内の中小企業家の貸付拡大を目標にしている。〔15日付けヴァロール紙〕


【ブラジル経済情報】 速報 5月12日

非鉄金属の国際商品価格が上昇続ける

昨日のロンドン及びニューヨーク商品取引所の非鉄金属類の国際商品価格が記録更新を続けており、非鉄金属を原料にしている鍵、メッキ工業会社などに対してすでに影響が出始めている。

昨日の銅相場は8,420ドル/トン、亜鉛はほぼ4,000ドル/トン、アルミ3,300ドル/トンに高騰しており、供給不足の上に世界的にストックが低く、また中国が非鉄金属のストック水準を引上げると発表したことで価格が上昇を続けている要因になっている。

鍵メーカーArouca社では100万レアルを投資して、亜鉛合金からアルミ材料に切り替える。亜鉛は11.50レアル/キロであるがアルミは7レアル/キロと安価で製作できる。(12日付けヴァロール紙)


中国製コンパクト車が輸入される

中国のChery自動車工業は、数ヶ月以内にブラジル代理店との契約にサインし、今年または遅くとも来年から800CCのコンパクトカーQQをブラジルへ輸出する。

QQ車は中国では6,000ドルで販売されており、輸入税や諸関税を支払ってもブラジルでの販売価格は2万レアルで、自動車市場で最も安いファイアット社のMille車よりも安い。

またChery自動車工業は将来ブラジルでの自動車生産を予定しているが、初めはコンプリートノックダウン(CKD)方式での生産を予定している。〔12日付けエスタード紙〕


電力料金値上げで企業の収益性が圧迫

サンパウロ州のCPFL電力会社は先月に企業向け電力料金を11.23%値上げ、一般家庭向けは4.73%値下げした。またミナス州のCemig電力会社も企業向けは11.23%の大幅値上げをしたが、一般家庭向けは0.09%の値上げに留まった。

2002年末から2006年1月の間に企業向けは103.8%値上げされたが、一般家庭向けは40.8%に留まった。これはルーラ政権以前には電力消費が大きい企業を優遇し、消費電力消費の低い一般家庭向けの電力料金が割高であった。

ゲルダウ社では2002年の消費電力は売上げ全体の6%から7%のコストであったが、今では14%に上昇しており収益を圧迫している。また膨大な電力を消費するアルミメーカーの2年前の消費電力は売上げの30%から33%であったが、今では40%まで上昇している。〔12日付けヴァロール紙〕


AmBev社の第1四半期の純益は354.7%増加

AmBev社の今年第1四半期の純益は、昨年同期比354.7%増加の6億5,590万レアルを記録した。利益増加の要因には暑い夏が続いたためにビールの売上げが8.1%、清涼飲料水が12.5%それぞれ伸びた。

また労働者の実質賃金増加、昨年末の5%のビール代の値上げ、コストダウン対策も大幅に利益を押上げたが、昨年の第1四半期にカナダのLabatt工場閉鎖による会計処理で、利益が大幅に落込んでいたことも今年の利益増加率を大幅に押上げた。

第1四半期の売上げの67.3%はブラジル国内であり、北米は18.3%、ラテンアメリカが14.5%の割合であった。またブラジル国内のビールのマーケットシェアは昨年の67.8%から68.7%、飲料水は17.2%から17.4%にそれぞれ伸びている。

同社ではBrahmaビールの宣伝に力を注いでおり、今では23カ国で販売し、特にカナダではビール市場でのシェア拡大が期待されている。〔12日付けエスタード紙〕


ボリヴィアのモラーレス大統領はペトロブラス社を非難

ボリヴィアのモラーレス大統領は、ウイーンで開催されるヨーロッパ連合・中南米・カリブ諸国首脳会議を前に開いた記者会見で、ペトロブラス社はボリヴィア国内で違法操業を行い、正規の税金を払わずに不正に天然ガスを輸出していると非難した。またモラーレス大統領は、アクレー州は馬一頭と交換されたとも述べてブラジルを非難した。

これに対してアモリン外相はモラーレス大統領の記者会見の内容に対して、重大な侮辱であり、ブラジル政府に不正を証明しなければならないとコメントし、ルーラ大統領も嘆かわしいことであり、青天の霹靂だと述べている。

ペトロブラス社は各国の法律に沿って操業しており、ボリヴィアでも一切の不正操業は行なっていないと反論、モラーレス大統領に釈明を求める。〔12日付けガゼッタ・メルカンチル紙〕


【ブラジル経済情報】 速報 5月11日

ヴァーレ・ド・リオドーセ社の純益は21億レアル

今年第1四半期のヴァーレ・ド・リオドーセ社の純益は、昨年の鉄鉱石価格の大幅値上げで、前年同期比35.3%増加の21億8,500万レアルを記録した。

また鉄鉱石価格値上げによる第1四半期の売上げ増加分は23億400万レアル、総売上げは昨年同期比17.4%増加の82億8,100万レアルとなっている。

しかし同社は鉄鉱石の80%を輸出しており、21.5%のレアル高で1億750万レアルの輸出額の減少となった。中国向け鉄鉱石輸出比率は28.1%の1,756万トンで、昨年同期の19.6%から大幅に上昇している。

また第1四半期のロジスティックサービスによる売上げは2.9%減の7億400万レアル、鉄道輸送売上げは5億3,500万レアル、港湾サービス売上げは1億600万レアルであった。〔11日付けエスタード紙〕


ブラジルの国際競争力は更に低下

スイスに本部を置く国際経営開発研究所(IMD)の2006年国際競争力年鑑の発表によると、ブラジルの国際競争力は低い経済成長率、世界で最も高い金利,蔓延る官僚主義、汚職スキャンダルや政府の不効率性などで調査対象国61か国中、昨年の51位から更に順位を下げて52位にランクされた。

この調査は「経済パフォーマンス」、「政府の効率性」、「企業の効率性」、及び「インフラ」の4部門から構成されており、ブラジルの「政府効率性」調査では、ヴェネズエラ、アルゼンチン、イタリア及びポーランドよりは採点は優れていたが、最下位グループに属している。

またブラジルは「経済パフォーマンス」調査では昨年の43位から53位にランクを下げ、同調査内の国内経済項目では13ランク下げて60位となっている。

ランキングトップは米国、続いてシンガポール、アイスランド、デンマークで、発展途上国では中国は大幅にランクを上げて19位、インドも29位ランク付けされている。〔11日付けエスタード紙〕


住宅の現金買いが増加

今年の第1四半期の大サンパウロ圏での住宅販売での現金買いは85%に達し、僅かに15%が住宅ローンを利用したとLello不動産管理会社の調査結果であった。昨年同期では50%が現金買いであった。

現金買いの住宅価格帯は15万レアルから55万レアルであり、昨年は15万レアルから28万レアルであった。昨年の現金による住宅購入者の40%は投資家であったが、今年は住宅買換えのための現金買いが増加している。

Cクラスの80%は住宅ローンを利用して購入しており、連邦貯蓄銀行では8万レアルまでの住宅購入ローンの利用者が多く、年利8%プラスTRでローンが組める。〔11日付けガゼッタ・メルカンチル紙〕


外資系銀行がブラジル銀行界進出は難しくなってきた

3月末のブラデスコ銀行によるアメリカン・エクスプレス社の買収、イタウー銀行によるボストン銀行の買収やスイス系UBS社のPactual銀行買収で、外資系銀行のブラジル銀行界進出が益々難しくなってきた。ブラジルの大銀行は収益性が高くて競争力があり、銀行買収には莫大な投資が必要である。

銀行業界にとって個人融資部門は売上げの牽引車となっており、今年第1四半期のブラデスコ銀行は純益を28%増加、イタウー銀行も個人融資部門の純益が大幅に増加した。

またイタウー銀行ではロージャ・アメリカーナ社とパン・デ・アスーカル社とタイアップしたTaii金融店舗を693店舗から1643店舗に拡大する。

今年の個人融資部門は34.7%増加の756億レアルに達している。またクレジットカード部門も銀行にとって収益にターゲットになってきており、昨年は29.5%増加して6,800万枚に達した。〔11日付けガゼッタ・メルカンチル紙〕


【ブラジル経済情報】 速報 5月10日

3月のサンパウロ州の鉱工業成長率は6.8%

3月のサンパウロ州の鉱工業成長率は基本金利の連続引下げの効果で、全国平均5.2%を上回る6.8%を記録し、再びブラジル鉱工業生産の40%を占める牽引車となってきた。

しかし農業収入低下で農業機械販売が不振となっている南大河州はマイナス1%、パラナ州もマイナス3.2%を記録したが、パラー州17.5%、セアラー州12.3%、アマゾナス州8.5%、ミナス州は7.3%とそれぞれサンパウロ州の成長率を上回った。

サンパウロ州鉱工業の20部門のうち15部門で成長が記録され、特に自動車部門13.1%、電気部品やセルラーなどの通信機器27.3%、石油精製やアルコール生産部門が9.2%とそれぞれ大幅に伸びた。

第1四半期のブラジル鉱工業は鉄鉱石、石油、パルプや自動車工業を中心に4.7%増加、最終12ヶ月では3.6%の成長率となっている。〔10日付けエスタード紙〕


ヴァリグ航空は2分割で入札される可能性

昨日リオ市で行なわれたヴァリグ航空の債権者グループによるヴァリグ航空販売方法として、国内・国際路線全体もしくは2分割での販売入札も承認され、60日以内の入札が予定されている。

国内・国際路線全体の最低入札価格は8億6,000万ドルで、空港貨物関連,マイレージや技術サポートサービスなどは含まれていない。

また国内路線及び国際路線分割入札は、国内路線入札が先行して行なわれ、最低入札価格は7億ドルである。社会経済開発銀行(BNDES)から落札投資家に1億ドルの融資が予定されている。〔10日付けエスタード紙〕


イタウー銀行の純益は14億レアル

イタウー銀行の第1四半期の純益は、昨年同期比28%増加の14億6,000万レアルで記録を更新した。また純資産に対する収益率は昨年の31.9%から36.3%に上昇して、米国やラテンアメリカの大銀行の中でも収益率はトップとなっている。

8日のサンパウロ証券取引所(BOVESPA)でのイタウー銀行の総株価は810億レアルに達している。クレジット部門も1年間で150億レアル増加、特に個人向け多種クレジットは48.4%増加、自動車ローンは71%、クレジットカード37%それぞれ増加した。

中小企業向け融資は30.9%と大幅に増加したが、大企業向け融資は5%増加に留まった。しかし個人向け融資増加に伴って60日以上の返済遅延や焦付きも昨年同費の2.9%から4%に増加している。〔10日付けエスタード紙〕


電気電子メーカーは輸入部品を急増

ドル安が継続している現在、電気電子製造メーカーは部品の輸入を急増しており、79%のメーカーは年末までに輸入部品や完成輸入品の比率を上げ、42%は製造品目を引き上げ、21%はすでに完成輸入品に置き換えていると全国電気電子製造メーカー協会(Eletros)は発表している。

GDPの40%近くに達する多種類の税金、インフラ整備への投資不足、高いブラジルコストや不均衡なレアル高で部品や完成品の輸入に拍車がかかっており、今年第1四半期の電気電子関係の輸入は、昨年同期比36%増加の4億7,590万ドルに達している。また白物家電も173%増加の2,038万ドルと急増している。

また第1四半期の映像・音響装置輸入も16.7%増加、ポータブル電子機器も130.83%増加しており、セルラーや音響装置を製造しているサムスン電子も昨年同期の2倍輸入している。〔10日付けエスタード紙〕


【ブラジル経済情報】 速報 5月09日

第1四半期のブラデスコ銀行の利益は15億レアル

民間最大のブラデスコ銀行の今年第1四半期の利益は、15億3,000万レアルとなり、四半期としては1990年のブラジル銀行の13億レアル以来16年ぶりに記録を塗り替えた。

ブラデスコ銀行の利益の牽引車は個人向け融資部門が、前年同期比50.6%増加の357億レアル、法人向け融資部門も15%増加の487億レアルの売上げを記録した。

しかし個人向け融資部門の売り上げ増加に伴い、返済遅延や焦付きも3.4%から3.9%に上昇してきている。

また昨年末に小売店網カーザス・バイアとタイアップした消費者クレジットカードの発行部数はすでに50万枚に達しており、今年年末には300万枚発行を目指している。

今年3月にブラジルのアメリカン・エクスプレス社を買収、120万人の顧客取込が可能となるが、中銀の許可が6月末までに下りる予定である。これで同銀行が支配するクレジットカード数は920万枚となり、業界トップが予想されている。〔9日付けガゼッタ・メルカンチル紙〕


自動車部品メーカーBoschは8,500万レアルを投資

レアル高の為替にも関わらず、自動車部品メーカー大手のBosch社は、6,000万レアルをクリチーバ工場の燃料インジェクター増産、2,500万レアルをカンピーナス工場のアンテロックブレーキ(ABS)増産に投資する。

カンピーナス工場のABSブレーキ増産は2007年中頃から開始、年間25万キットを生産、ブラジルでの国内販売及びメルコスール域内にも輸出する。現在30%の部品は国産化されているが、国産化比率を60%まで上げる。

また今年のクリチーバ工場の燃料インジェクター生産は90万キットが予定されているが来年には120万キットまで増産され、40%は米国に輸出される。〔9日付けガゼッタ・メルカンチル紙〕


連邦政府は36都市部インフラ整備プロジェクトを承認

連邦政府は総額18億7,100万ドルの都市部インフラ整備用36プロジェクトを承認、そのうちの11億300万ドルは米州開発銀行(IDB)及び世界銀行(IBRD)が融資する。

残りの7億6,816万ドルは連邦政府や州政府が出資するが、年内には4プロジェクトが実施される。また年末までには累計55億ドルから60億ドルのプロジェクト承認が予想されている。

承認されているプロジェクトの中には、サンパウロ市大都市圏のチエテ川上流の環境改善プロジェクトがあり、サンパウロ州水道会社(Sabesp)、サンパウロ州政府及びメトロポリタン7都市が共同で2001年よりプロジェクトを検討していたが、ようやく2億ドルのプロジェクトが開始される。〔9日付けガゼッタ・メルカンチル紙〕


第1四半期のサジア社の輸出が20%減少

鳥インフルエンザによる世界的な鶏肉消費減少及びロシアへの豚肉輸出停止で、今年第1四半期のサジア社の輸出総額は、前年同期比19.7%減の7億2,830万レアルであった。これによりサジア社の売上げは7.5%減の17億5,000万レアルに留まった。

また第1四半期の輸出比率も48%から42%に低下、純益は33%減の6,700万レアルに留まった。アジアとヨーロッパで鶏肉の消費が低下したが、特にイタリアでは一時50%も低下した。

鶏肉の輸出量は僅かに2.5%減の17万7,100トンであったが、鶏肉価格は昨年ピーク時の1,400ドル/トンから46%減の750ドル/トンに下げている。

また豚肉輸出も54.7%減の5,160万ドルで、輸出量は34.4%減の1万2,600トンに留まり、ブラジルの豚肉輸出シェアは昨年の20%から10%と大幅に下げている。

しかしサジア社の第1四半期の国内販売は、2.8%増加の10億レアルで、出荷量は6.9%増加の21万トンであったが、平均価格は4%下げている。〔9日付けガゼッタ・メルカンチル紙〕


【ブラジル経済情報】 速報 5月08日

ボリヴアは天然ガス価格を61.34%調整

ボリヴィアのエヴォ・モラーレス大統領は、ブラジル及びアルゼンチン向け天然ガス価格の2ドルの値上げを検討している。ブラジルへは2,600万立方メートル/日、アルゼンチンへは600万立方メートル/日を輸出している。

今現在ブラジル向け天然ガスは3.26ドル/百万BTUsを61.34%値上げして5.26ドル、アルゼンチン向けを3.35ドルから65%値上げの5.35ドルを予定している。

1999年に交わされたブラジル政府との契約書には価格調整が可能であり、2ドル/百万BTUsの値上げで、ボリヴィア政府には年間6億ドルの収入増加となる。〔8日付けエスタード紙〕


TAM航空は拡大路線を継続

国内便シェア45%でトップのTAM航空によると、今年の第1四半期の利用者は昨年同期比315%増加の555万人、提供座席キロも26.5%増加している。

また今年第1四半期はリオのガレアン空港、グァルーリョス空港やベロ・オリゾンテ航空から東北伯地方や北部地方行きの新路線を中心に増加させている。

国際路線では今年10月からロンドンに毎日1便及び下半期からブエノス・アイレス行きを増便して毎日8便、5月30日からニューヨーク行きを週7便に増やす。

同社の第1四半期の純益は1億1,100万レアルで昨年同期の108%増加して四半期としての記録を達成した。また売上げは24.6%増加の17億レアル、国内便の売上げは29.8%増加の13億レアルであった。〔8日付けガゼッタ・メルカンチル紙〕


ALLがブラジル鉄道を買収

ラテンアメリカ・ロジスティック社(ALL)は、10日までにフェーロノルテ社、フェーロバン社並びにノーヴォエステ社から構成されるブラジル鉄道を買収契約にサインする。

この買収でALL社はブラジル中西部、南東部、南部やアルゼンチンの一部の総延長距離2万1,000キロメートルのラテンアメリカ最大の鉄道会社が誕生する。

ALL社はRFFSA社の6,500キロメートルの南部鉄道網、1997年には南部アトランチック鉄道を買収、また1999年には9,200キロメートルのアルゼンチンの鉄道会社を買収している。(8日付けヴァロール紙)


【ブラジル経済情報】 速報 5月05日

連邦政府の電子入札比率が急増

今年第1四半期の連邦政府の入札で、電子入札が23億レアルで総入札額の46%を占め、昨年同期の5%から大幅に増加してきており、電子入札によるコスト削減は20%から30%に達すると見られている。

また電子入札件数も3,806件と総入札件数の63%を占め、昨年同期の9%から大幅に増加してきており、サンパウロ州政府の電子入札比率はすでに80%に達している。

電子入札によるコスト削減はもとより、今まで120日を要した入札終了期間が17日と短縮できる上に、コスト面などでなかなか参加できなかった遠隔の中小企業でも入札に参加できるようになった。〔5日付けガゼッタ・メルカンチル紙〕


医薬品業界はジェネリック医薬品製造で成長

昨年のブラジル医薬品業界の売上げは前年比1%増加に留まったが、ジェネリック医薬品の売上げは29.1%と大幅に増加した。

ジェネリック医薬品製造大手のEMS社,Medley社やAche社はそれぞれ30%以上の成長率で、特にEMS社は37.7%増加の9億8,300万レアルに達したが、同社は5年間で154%増加し、売上げランクを13位から3位に上げた。

しかしEMS社はBuscopanやVickのシャロップなどのジェネリック医薬品製造の包装がオリジナルと間違えるほど類似しているとBayer社、Aventis社、Boheringer社やProcter&Gamble社から提訴されている。

昨年の世界のジェネリック医薬品の売上げは522億ドルに達し、今年の特許切れになる新薬の市場規模は230億ドルで、今年は15.3%の成長率が見込まれている。(5日付けエスタード紙)


大衆用コンピューター製造でPositivos社は売上げ増加

連邦政府の「大衆にコンピューター普及」プログラムに、昨年11月から参加したクリチーバ市のポジチヴォ・インフォルマチカ社は、すでに7万7,000台のコンピューターを販売、今年年末までには生産台数の20%に相当する50万台を同プログラムで販売する。

同プログラムは貧困層の大衆に1,400レアルのコンピューターを月額69レアルの25回の分割払いで販売するもので、ブラジル銀行、連邦貯蓄銀行及び社会経済開発銀行がファイナンスを行っている。

同プログラムで販売されるコンピューターの70%はポジチヴォ社であり、スーパー大手のマガジン・ルイザ店、コロンボ店、エストラ店及びポント・フリオ店で販売している。(5日付けガゼッタ・メルカンチル紙)


セメント需要が増加してきた

今年第1四半期のセメント販売は、不動産ブームによる建築ラッシュやインフラ整備需要に支えられて、昨年同期比12%増加の810万トンを記録したと全国セメント工業組合(SNIC)は発表した。

同組合では今年のセメント販売を昨年の3,540万トンを上回る3,800万トンと見込んでおり、建築請負業者への販売は昨年同期比34%増加の74万トン、工業部門への販売は14.2%増加の91万8,800トン、小売部門へは10%増加の620万トンであった。

ブラジル地理統計院(IBGE)の調査では、小売部門の28.8%は5最低サラリー層の購買、27.4%が10最低サラリー、43.8%が10最低サラリー層の購買であった。

セメントの消費及び生産は増加してきているが、供給過剰によりセメント価格は一時の75ドル/トンから40ドル/トンに値下がりしている。1999年のブラジルの消費量及びセメント生産はそれぞれ世界6位であったが、今では消費量は9位、生産量は13位に下がっている。〔5日付けヴァロール紙〕


【ブラジル経済情報】 速報 5月04日

ブラジル政府はボリヴィアの天然ガス調整で話合う

今日午前11時からアルゼンチンのプエルト・イグアスー市で、ボリヴィア、ブラジル、アルゼンチン及びヴェネズエラの各大統領が集まり、ボリヴィアからブラジルへ送っている天然ガスの価格調整について話合いが持たれる。

ボリヴィアからの正式な値上げ通知はされていないが、2ドル/100万BTUの値上げが予想され、ボリヴィアの出荷価格は5.5ドル/100万BTUとなり、サンパウロの消費者への販売価格は8ドル/100万BTUへの値上げが予想されている。

ボリヴィア政府はペトロブラス社がボリヴィア国内に建設した製油所、パイプラインや油田などを強制的に接収して損害賠償支払いを予定しているが、支払い期間などは話合いに応じる予定である。

ペトロブラス社は天然ガスの生産量の50%をボリヴィア政府に収めていたが、天然ガス・石油国有化宣言後は82%も収めなければならない。(4日付けヴァロール紙)


ワーゲン社は5,700人をリストラか

ABC金属労働組合はワーゲン社が3ヵ所の自動車生産工場で、従業員の27%に相当する5,773人のリストラを予定していると発表した。このリストラプランは2008年まで継続するが今年中に3,000人がリストラされる。

これはドル安継続で収益率が減少しており、輸出を40%カットするために10万台の減産を予定している。同社は昨年25万6,000台を輸出したが、今年は17万8,000台、2007年には15万6,000台と輸出を減少させる。また2007年までには1ヵ所の自動車生産工場閉鎖の可能性も残されている。

サンベルナルド工場では1万2,000人の従業員のうち、3,672人のリストラ、パラナ州サンジョゼ・ドス・ピニャイス工場は1,420人、タウバテ工場は681人のリストラが2007年から2008年に掛けて予定されている。

ワーゲン社は8年連続で赤字を計上しており、また給与体系変更も含んだ
このリストラプランで数年以内の黒字化を目指している。(4日付けエスタード紙)


サンパウロ工業界は天然ガス使用関連投資を凍結

サンパウロ工業界ではボリヴィア政府の天然ガス・石油国有化政策発表後に、天然ガス使用関連の投資を凍結した。これらの投資は1,700万立方メートル/日の天然ガス需要が計画されていた。

ぺトロブラス社はボリヴィア政府の国有化政策発表前には、毎年11%の天然ガス供給増加を保証してたが、需要は毎年25%増加してきている。

サンパウロ工業界部門別の天然ガス使用は、石油化学・化学部門が26.6%でトップ、セラミック16.1%、紙・パルプ13.5%、製鉄9.2%、ガラス・クリスタル部門が7.3%となっている。(4日付けエスタード紙)


鉄鋼メーカーゲルダウの第1四半期の売上げは13.2%増加

ゲルダウ製鉄の今年第1四半期の売上げは98万トンで、前年同期比13.2%増加、国内販売はグループの40.3%に相当する27億レアルであったが、グループ全体の売上げはドル安による影響で4.5%低下した。

また輸出はブラジルの売上げの8.9%、純益は2.7%増加の8億3,250万レアルであったが、国内販売は建設部門の好況と堅調なマクロ経済に支えられて伸びている。

また金利の低下や建築材料に対する税優遇政策で、鉄鋼製品の40%が建設部門向けであった。また同社では今年の自動車及び建設部門の増加で10%の売上げ増加を見込んでいる。国内需要増加にも関わらず値上げは予定していないが、輸出用鉄鋼製品は鉄鉱石が15%値上げ予定されているために、20ドルから30ドルの値上げを見込んでいる。

ゲルダウグループ全体の第1四半期の鉄鋼生産は9.4%増加の370万トンであったが、2008年までに38億ドルを投資して、年間1,900万トンから2,100万トンに増産を予定している。(4日付けガゼッタ・メルカンチル紙)


【ブラジル経済情報】 速報 5月03日

イタウー銀行は22億ドルでボストン銀行を買収

イタウー銀行は1年半の交渉の末にブラジルのボストン銀行を22億ドルで買収に成功、支払いは6,852万の優先株で行なわれるが中銀と有価証券取引委員会の承認が必要である。

ボストン銀行傘下のアメリカ銀行は5.8%のイタウー銀行の株主となり、イタウー銀行の経営審議会に代表一人を派遣できる。またイタウー銀行はチリやウルグアイのボストン銀行買収交渉の優先権も獲得している。

イタウー銀行はこのボストン銀行買収で総資産は1,738億4,400万レアルとなり、民間銀行最大のブラデスコ銀行の2,086億8,200万レアルに肉薄、また民間銀行3位のウニバンコ銀行の918億3,000万レアルに大きく差をつけた。

ボストン銀行買収でイタウー銀行の融資残高は794億レアル、預金残高579億レアル、純資産177億レアル、支店数2,457店舗、顧客総数は1,682万人が予想されている。(3日付けエスタード紙)


貿易収支黒字幅が減少

4月の貿易収支黒字30億9,700万ドルは前年同月比8億7,000万ドル減少し、2001年7月以来の前年同月比減少を記録した。また4月までの最終12ヶ月間の貿易黒字も450億1,100万ドルと3月までの最終12ヶ月間の457億9,900万ドルよりも減少している。

しかし1日当たりの輸出額は5億4,470万ドルで前年同月比18.4%、輸入額は3億7,260万レアルで39.8%とそれぞれ大幅に増加しており、昨年の貿易収支黒字440億ドルには及ばないが400億ドルが予想されている。4月までの最終12ヶ月間の輸出は1,238億4,600万ドル、輸入は788億3,500万ドルであった。

輸入急増の要因として国際石油価格高騰で燃料・潤滑油が前年同月比91.1%も増加、消費財52.4%、資本財39.3%、原材料25.1%とそれぞれ大幅に増加した。(3日付けエスタード紙)


エンブラエールはデラックスジェット機を市場に投入

エンブラエール社はスイスのジュネーブ市でエグゼクチブ用デラックスジェット機Lineage1000型の発表会を開いた。この発表会には同社の8人乗りジェット機Phenom100型及び300型、16人乗りLegacy600型も披露された。

今後10年間でエグゼクチブ用デラックスジェット機は160機から200機の販売が見込まれており、同社は20%のマーケットシェア確保をもくらんでいる。

Lineage1000型には会議室、食堂、リクライニングルーム、寝室やシャワールームなどを備えており、ヨーロッパや中近東の顧客に注目している。(3日付けエスタード紙)


ウルグアイは米国と貿易協定締結を熱望

米国を訪問中のウルグアイのヴァスケス大統領は、ウルグアイやパラグアイにとってメルコスール加盟していることでほとんどメリットはないが、メルコスール脱退するつもりはないが米国との貿易協定を望んでいる。最近米国とウルグアイは投資協定でサインを交わしている。またウルグアイはアルゼンチンからの紙パルプ工場建設反対運動に対して不満足をあらわにしている。

ウルグアイは昨年1年間でブラジルに僅かに5億ドルを輸出したが、1998年には10億ドル、メルコスール加盟前の1989年には6億ドルを輸出していた。

メルコスールに準加盟国を申請したメキシコと自由貿易協定を結んだウルグアイの今年第1四半期の貿易額は18%増加し、更に牛肉輸出で拍車がかかると予想されている。(3日付けヴァロール紙)


【ブラジル経済情報】 速報 5月02日

ボリヴィア政府は天然ガスと石油を国有化

エヴォ・モラーレスボリヴィア新大統領は、1日にボリヴィアの天然ガス及び石油の国有化を宣言、国有企業YPFBが外国企業の採掘条件や価格など全てコントロールする。

またボリヴィアの天然ガスや石油に投資している海外進出企業は、180日以内に契約を更新しない場合、ボリヴィアからの撤退しなければならない。契約は生産量の18%だけをYPFBから受取ることが出来る。

ペトロブラス社は1996年7月からボリヴィア国内で天然ガス採掘を行なっており、80億ドルを投資して3,150キロメートルのボリヴィア‐ブラジル間のパイプラインを建設、ブラジル向け天然ガスの75%を輸出している。

また同社はボリヴィアの天然ガス埋蔵量の46%を占め、石油精製能力の95%、100%のガソリン生産、ジーゼルオイルの60%の生産、ボリヴィアの法人税の24%を納め、国内総生産の18%に達し、今現在15億ドルの投資を行なっている。(2日付けエスタード紙)


長期自動車ローンで販売増加

自動車販売で価格競争を展開して収益率が圧迫されていたメーカーは、長期自動車ローン販売に切り替えて、第1四半期の自動車業界の売上げは前年同期比14.6%増加した。GM社は2002年以来始めての黒字を計上した。

長期ローン販売で月賦価格が低下し、自動車価格を割引することが少なくなり、2004年は平均7.68%の割引率であったが、昨年は4.61%まで低下してきている。

GM社及びファイアット社は業界リーダーを目指して低価格競争を展開していたが、メーカーの投資意欲を削ぎ、また中古車価格低下で消費者にも悪影響を与えていた。(2日付けエスタード紙)


貴金属の国際商品価格が上昇一途

中国を筆頭に世界的需要に支えられて貴金属の国際商品価格が上昇し続けており、今年のアルミの国際価格は15.1%、金18.4%、錫21.2%、銅が39.5%もすでに上昇している。

2005年の輸出の6.8%を占めた鉄鉱石は、昨年1年間で国際商品価格が71%増加したが、ヴァーレ・ド・リオドーセ社は中国との間で24%の価格調整を交渉中である。

ブラジルの貴金属開発会社は国際商品価格上昇で開発を急いでおり、ヴォトランチングループは3億ドルをペルーの亜鉛開発に投資している。BHPビリトン社、アルコア社及びアルカン社はサンルイス市でのアルミ増産に10億ドルを投資する。

1993年に中国は主要貴金属類の7%から10%を消費していたが、2003年には20%から25%に上昇して比率が高くなってきており、最近2年間で国際商品価格は28%も上昇した。また米国金利水準が低いことも投資家が国際商品に目を向けている一因になっている。

ここ1年間で銅の国際商品価格が88%も増加したが、昨年の銅盗難は前年比215%増加の289.8トンで、今年第1四半期だけですでに243トン、330万レアル相当が被害に遭っている(2日付けエスタード紙)


繊維業界は海外に生産拠点を移しだした

ブラジルは安価な電力料金、高い生産性、良質な綿花と巨大な消費市場を抱えて、繊維業界にとっては魅力ある市場であるが、インフラエストラクチャーの不整備、重税及び為替の不均衡で国際競争力を失っている。

ブラジルでのジーパン生産コストはグアテマラと同じであるが、グアテマラは労働賃金がブラジルよりも安く、また米国への輸入関税も免除されているが、ブラジルからの輸入関税は17%掛けられており、ブラジルで生産しても価格競争力では勝てない。

コテミナス社は昨年1億ドルで米国系スプリングス社を買収、タオルや寝具類の生産工場をブラジル以外のエジプト、中国、パキスタン、インドやヴェトナムでの建設を検討している。

またサンチスタ社も昨年末にスペイン系タヴェックス社を買収して世界最大のジーンズメーカーになったが、エルサルバドール、ホンジュラス、ドミニカ、グアテマラなどの中米の国に、7,000万ドルを投資してジーンズ生産工場建設を予定している。(1日付けエスタード紙)

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