電気電子部会主催のデジタルテレビ説明会が8月28日午後4時から開催、41人が参加して盛んに質問をしていた
電気電子部会(松田雅信部会長)主催のデジタルテレビ 説明会が、8月28日午後4時から5時30分まで、商工会議所会議室に41人が参加して三好康敦PRIMOTECH社長が講演した。篠原一宇副部会長が司会を担当し、ブラジルで地上デジタル放送の日本方式採用が決定して関心が高まってきており、多くの会員からのリクエストで今回の説明会が開催されたと前置 きして、三好講師の略歴を紹介して説明会が始まった。
初めに三好講師は、ハイビジョンで高品質の映像・音声を50インチの液晶テレビで、トリノオリンピックの競技の模様を16:9のワイド画面、高画質でCD並みの高音質の臨場感溢れる画像のデジタル放送の品質の高い映像・音声を見せた。
またアナログ放送で発生するゴーストや映像音声の劣化は、デジタル放送では発生しない点や視聴中の番組の関連情報、放送時刻変更でも予約録画が可能、リモ コンボタンの簡単な操作でニュース、天気予報や役立つ情報が即座に見られ、双方向サービスとして視聴者参加型番組やテレビショップでの買物など非常に便利 になると説明した。
またデジタルテレビの視聴方法として、アナログテレビに地上デジタルテレビ用チューナー接続すれば、ゴーストやノイズのないデジタルテレビ放送が可能になり、高解像モニターとチューナーの接続で、デジタルテレビの高精細な映像 と音声が可能になり、地上デジタルテレビ用チューナー内蔵テレビでは、アンテナ接続でデジタル放送が可能となる。
また日本方式は技術的に最も優れており、特に移動体やセルラー受信およびインターネットアクセスでは欧州式と米国式を圧倒、電波送信方法、同じチャンネルで複数のサービス提供、三つの変調方式でフレキシブルの対応できると説明した。
日本での地上デジタル放送の技術スペック決定は1999年で、2003年12月に関東・中京・近畿の三大都市圏でスタート、今年4月から1セグサービスが スタート、今年12月までには都道府県庁所在地で放送がスタート、2011年中頃にアナログ放送が終了、ブラジルでも10年後の2016年にはアナログ放 送が終了する。
日本方式採用の日伯合意書では、日本からブラジル側への技術協力、半導体・先 端技術産業の誘致、ジョイントべンチャーの奨励、テレビや中核部品の現地生産などブラジル電気電子産業へのバックアップ、ISDB-Tの円滑な技術移転の ための人材育成、共同開発で生じる新たな知的財産所有権の確保、テレビ放送のデジタル化に必要な設備・サービスの製造・流通のためのファイナンス支援など がうたわれているが、ブラジル側が主体で日本は協力並びに支援する。
またブラジル地上デジタ ルテレビ方式の概要は無料放送、1080走査線のHDTV、移動体および携帯受信、1チャンネルで固定・移動体・セルラー向け放送可能な電波の有効利用、 情報へのアクセスや遠隔教育などのデジタルデバイドの解消ツール、行政公示、教育番組、遠隔医療並びに社会関連の4チャンネル分の連邦政府の情報ツールを 含んでいる。
今後のブラジルのデジタル放送のステップとして、スペックの策定、既存の法規制 整備、放送事業者の送信インフラ整備、メーカーの受信機リリース、試験放送と進んでいくが課題も多く、一般市民への啓蒙、新技術によるサービスの可能性お よび経済性の評価、綿密に取組む必要がある放送事業者の投資計画およびスケジュールやローン販売も含めたチューナーの普及計画、個別利害で対立しやすい異 業種間の協力体制の構築など問題も抱えているが、アルゼンチン、ウルグアイ、ヴェネズエラもブラジルの日本方式採用で注目しており、大きなビジネスチャン スが迫ってきたが、韓国や中国企業も虎視眈々とターゲットを絞ってきているので、日本企業に大いにチャンスをゲットして欲しいと締めくくり大きな拍手が送 られた。
質疑応答では日本方式のラテンアメリカ普及への展開、2011年までに8,000万 台のチューナー需要に対する中国や韓国のブラジル進出、ブラジル政府の日本方式採用が憲法違反と騒がれているが覆る可能性、大学でブラジル独自の地上デジ タル方式開発の可能性、音声方式の違い、放送局の役割、アナログテレビでの双方向サービスの方法、開発スケジュール、マーケット規模など多種多様な質問が 浴びせられたが、分かり易いアドバイスも好評であった。