エタノール工場見学(コンサルタント部会 2006年8月)

コンサルタント部会主催の砂糖キビ・エタノール工場見学会が8月29日に40人が参加して開催された

コンサルタント部会(渡邊裕司部会長)主催の砂糖キビ栽培・エタノール工場見学会が、サンパウロ州砂糖キビ工業会(UNICA)のエドアルド・デ・カルバーリョ会長の協力で実現、8月29日午前7時30分に参加者40人を乗せたバスがサンパウロを出発、北にアンヤングエラ街道170キロメートルのアララ市のサンジョアン・エタノール工場および砂糖キビ収穫を見学した。

10時30分に到着した一行はイヴァン・レゼンデ人事部長およびイザイアス・マセード教授に迎えられ,サンジョアン・エタノール工場の砂糖キビ栽培、砂糖・エタノール生産、研究所、企業の社会的責任プロジェクト、福利厚生などの会社案内ビデオを観賞、 4万ヘクタールの砂糖キビ栽培で砂糖を日産1,000トン、アルコールを120万リットル生産し、バガソによる自家発電、搾りかすや排液は肥料として砂糖キビ畑に、最大に再利用されていると説明した後、参加者全員に「サンジョアン工場の60年」と題する立派な本が配られた。

その後フェルナンド氏とレナート氏の案内で、バスで砂糖キビ栽培地の自動刈り取り機械での刈取りを見学、1時間に60トンの砂糖キビを刈取機は国産で80万レアル,18機所有しており、全国で300ヵ所以上あるアルコール精製工場でも14位にランクされている規模に参加者は度肝を抜かれた。また刈入れ前に焼畑を行なわない枝葉を切り落とす人力刈入れは1日2トン、焼畑後の刈入れは10トンしか処理できない。また窒素、燐酸やカリウムに富んだ廃液を肥料として貯蔵池からパイプで砂糖キビ畑に灌漑する施設も見学、100%利用されて効率的な栽培に感嘆、ブラジルは水資源、広大な耕作栽培面積と温暖な気候に恵まれており、今後のバイオ燃料で世界のリーダーになる現実を垣間見た。

工場で昼食が提供されたあと、3年前から始めたアララ市内の貧困層を対象に、非行防止、昼食提供、教育、スポーツ、生物学向上のために菜園造り、栄養学、病気予防、アロマテラピーなどに重点を置いた企業の社会的責任プログラム「知る工場プロジェクト」や環境保全事業のビデオを観賞した後、プロジェクトが実施されている敷地内の基礎教育学校、従業員宿舎などを見学、また砂糖・アルコール製造工場見学では砂糖キビの洗浄、搾取、蒸発,発酵、フィルター、蒸留、乾燥、砂糖の包装、アルコール精製工程を見学した。

最後の質疑応答では、砂糖キビのサビ病やカビ病に対する使用する農薬の種類、4万ヘクタールの工場所有地の割合、アルコールもしくは砂糖の価格上昇で生産割合の変更、収穫前の火入れによる製品品質の劣化、自家発電量、従業員数、端境期のストック量、サンジョアン工場の全国ランキング、設備メンテナンスはアウトソーシング利用や工場の目標並びに課題などについて、盛んに質問が飛んでいた。最後に渡邊部会長からフェルナンド氏に一升瓶の日本酒と記念プレートが贈呈された。丸橋次郎首席領事や田中信会頭も参加した。

フォトギャラリー

https://camaradojapao.org.br/jp/?p=33696