金融部会及びコンサルタント部会共催のJBIC銀行セミナー

金融部会及びコンサルタント部会共催のJBIC銀行セミナーに26人が参加して11月13日午後2時から開催された

061113 Jbic銀行セミナー

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金融部会(福田勝美部会長)及びコンサルタント部会(渡邊裕司部会長)共催のJBIC銀行のセミナー及び業務説明会が、11月13日午後2時から3時30分まで商工会議所会議室に26人が参加して開催された。

進行役は福田金融部会長が務め、講演者のJBIC銀行の米州地域担当審議役の百瀬泰氏並びに企業金融部長の井本裕氏の略歴を紹介、リオ事務所首席駐在員の相川武利氏が開会挨拶を行なった。

初めに百瀬審議役が「貿易立国から投資立国へ 今後のわが国の長期対外経済戦略」と題し、日本の国際収支の特徴としてイメージされるのは貿易黒字であり、 最近10年間は10兆円の貿易黒字を上げており、輸出産業の稼ぎ頭は自動車・電気・機械であるが、 2005年の経常収支では貿易収支黒字を上回る11兆4,000億円の所得収支黒字を計上、2兆3,000億円が直接投資収支、8兆6,000億円が証券 投資収支であり、今後も所得収支黒字が増加すると予想されており、貿易立国から投資立国に変ってきている。

直接投資は長期海外事業向け出資・貸付であり、年平均3兆円から4兆円の対外投資が行なわれており、直接投資を除く証券投資などの投資収支は、基本的に短 期の債券・株式の金融取引であり、国内・海外の金融市場の動向に大きく左右され、対外証券投資は資金運用的な性格が強く、国内景気が好調であれば縮小し、 不況時には国内資金需要が低下するために拡大する傾向がある。

2005年末の対外直接投資残 高は46兆円、対外投資残高は250兆円であり、この300兆円で11 兆4,000億円の所得収支を生み出している。300兆円のうち直接投資と証券投資の比率は1対5で、直接投資の仕向け先は65%が先進国向けであるが、 証券投資の90%以上は先進国向けである。直接投資ならびに証券投資の収益率は年率5~6%であるが、2001年以降の途上国向けの直接投資の収益率は 8%以上を維持している。

海外日系企業の経常利益率では2002年以降のアジア地域現地法人は4%以上を維持しており、欧米の現地法人および国内親会社の経常利益率1%以上を上回っている。

従来の海外直接投資は国内の生産設備の海外移転に伴うものであり、国内産業の空洞化・雇用減をもたらし、90年中期の急激な円高で自動車・電気を中心とし た生産設備移転型投資であったが、2005年は現地企業の買収などのM&A型投資が64%、会社型投資信託等が25%、グリーンフィールド型投資 が8.5%であった。

海外直接投資の中核は、海外市場で利益を上げている既存企業の経営権を取得して、現地市場に参入して事業利益を確保していく形態に変わりつつあり、2004年の現地企業への輸出額は21兆円に達して、輸出総額の35%まで拡大している。

直接投資を拡大し途上国の輸出産業・電力エネルギー産業など中核インフラに投資すれば途上国経済の安定化、現地通貨の安定化に寄与でき、現地の金融市場の信頼性が向上して証券投資運用市場が育成され、収益性向上にも役立つと説明した。

続いて井本金融部長は「日本企業の海外進出をサポートする融資(海外投資金融)を中心とした融資・保証業務」について、JBICの概要として事業開発金融 (アンタイドローン)、ブリッジローン、CDM事業への出資、海外経済協力業務の円借款、ブラジルでの活動状況として有望事業展開国・地域調査でブラジル は2003年16位、04年13位、05年9位と順位を上げてきていると説明した。

輸出金融の融資条件や金利、海外投資金融ではスキーム例や最近の取組みを紹介、海外現地法人向け与信、日系企業の現地通貨建債発行への支援、ポリチカルリ スクへの対応、海外パートナー・リスクによる融資、パフォーマンス・ボンド等に対する保証、今後のブラジルでの融資として裾野産業育成に対する支援、投資 グローバル・ツー・ステップ・ローンについて説明した。

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