ブラジル経済情報 - 2006年11月

【ブラジル経済情報】 速報 11月30日

政策金利0.5%切下げで13.25%

昨日の通貨政策委員会(Copom)は、政策金利(Selic)を0.5%切下げて13.25%に決定したが、0.5%切下げ支持をした委員は5人、0.25%切下げ支持は3人と意見が別れた。来年の政策金利引下げペースは鈍化して、年末の政策金利は12.0%が予想されている。

またインフレ分を差引いた実質金利は8.7%で、トルコの6.8%、イスラエル5.6%、中国4.7%、米国4.0%及びインドネシアの3.8%を大幅に上回り、依然として世界トップの高金利を維持している。

政策金利切下げに伴い、商業手形割引金利は103.97%、クレジットカード残分割支払い金利224.62%、口座借越し残金利148.48%、銀行定期利金金利45.26%、銀行個人貸付金利88.40%、高利貸し個人貸付金利267.64%となっている。(30日付けエスタード紙)


Claro社がTim社を合併して携帯電話業界最大手になるか

長年に亘って携帯電話業界最大手であったVivo社のマーケットシェアは29.96%であるが、23.13%のシェアで業界3位のメキシコ資本Telmex社傘下のClaro社は、25.14%のシェアで業界2位のイタリア資本テレコン・イタリア傘下のTIM社の合併でシェア48.27%となり、業界トップになることが予想されている。

しかしポルトガル・テレコン社及びテレフォ二カ社傘下のVivo社もマーケットシェア確保のために、独自のGSMネットワークを構築、3G/WCDMAへ将来移行する戦略である。

携帯電話による世界のメジア広告収入はGDP比7.9% を占めるが、ブラジルは5.4%であり、またセルラー電話所有比率は人口の52%で、先進国の89%に大きく水をあけられているが、低所得層及び高年齢層の購買力が大幅に伸びてきている。(30日付けガゼッタ・メルカンチル紙)


第3四半期の経済成長率は前期比0.6%前後か

今年年頭の鉱工業界の在庫は5.0%を維持していたが、今では3.0%まで下げているが、政策金利の継続した利下げ、拡大する個人ローン、実質賃金の上昇で、一般家庭の消費は拡大しているにも関わらず、鉱工業界の売上げに結びついていない。

一般家庭消費の伸びは今年に入ってテレビ、音響装置や情報機器の値下げが続いており、最終12ヶ月間の耐久消費財価格は1.9%値下げしており、また食料品価格の値下げでスーパーマーケットの売上げは増加しているが、今日、ブラジル地理統計院(IBGE)から第3四半期の経済成長率が発表されるが、エコノミストの予想では、前期比0.5%~0.6%、前年同期比3.1%~3.4%が予想されている。

部門別成長率では、農畜産部門は前期比1.2%、鉱工業及びサービス部門がそれぞれ0.5%の伸び率に留まると予想されており、第4四半期の成長率は前期比1.0%前後が予想されており、今年は2.8%~3.0%の経済成長率に留まると予想されている。(30日付けガゼッタ・メルカンチル紙)


エクアドルはヴェネズエラで石油精製

エクアドルの大統領決選で勝利を収め、来年1月15日に大統領に就任するラファエル・コレア次期大統領は、大統領就任早々の1月16日からヴェネズエラでエクアドル産原油の精製を行なうと発表した。

エクアドルは石油精製能力に欠け、石油製品輸入が国家予算を圧迫しており、ヴェネズエラで安価で石油精製して、再輸入することによって輸入経費節減を図る。

エクアドル政府は今年上半期に炭化水素法を改定して、外国資本企業は利益の50%を州政府に収め、ペトロエクアドル公社は唯一エクアドルの原油生産を行なうなどに改定している。(30日付けガゼッタ・メルカンチル紙)


【ブラジル経済情報】 速報 11月29日

企業家は構造改革を要求

ルーラ大統領は第2次政権での年金改革を行なわずに、経済成長率5.0%を目指しているが、財政支出削減のためには年金改革を含む構造改革の必要性を、企業家は連邦政府に要求している。

今年1月から10月までの国立社会保険院(INSS)の赤字は、昨年同期比29.9%増加の373億7,000万レアルに達しており、今年の年金支出総額は1,650億レアル、INSSの赤字は421億レアル、年金・恩給受給者数は2,440万人で平均年金額は556.59レアルであるが、1最低サラリーまでの受給者は67.3%を占める。

サンパウロ州工業連盟(Fiesp)のパウロ・スカフェ会長は、ブラジルは税制改革や年金改革などの大胆な構造改革が必要であり、また改革実施以外に持続的経済成長のオプションはないと述べている。(29日付けエスタード紙)


BNDES銀行が社債発行

社会経済開発銀行(BNDES)は、20億レアル調達のために社債を発行、来月15日に額面価格が発表され、初めに償還期間5年物の5億レアル分が起債される。

ブラジルの国立銀行が社債を発行するのは初めてであり、ペトロブラス石油公社が10%の社債、スザノ石油化学公社が3%の社債を発行しているに過ぎない。

BNDES銀行は発行社債の30%を個人投資家向けにリザーブしており、広範囲消費者物価指数(IPCA)プラス6%の収益が約束されており、1,000レアルから最高50万レアル分までの社債が購入できるが、12月12日までの予約が必要である。(29日付けエスタード紙)


サンパウロ州高等裁判官が規定以上の最高サラリー

エレン・グラシエ最高裁判所長官は、連邦や州高等裁判所並びに選挙控訴や軍事裁判所などの97裁判所のうち、20.62%に相当する20裁判所の裁判官、職員や恩給受給者が規定最高サラリー以上を受取っていることが判明、12月から規定サラリーに是正する。

公務員最高サラリーは2万2,111レアルに規定されており、サンパウロ高等裁判所の1,208人の裁判官や職員が、最高サラリー以上の月収を受取っており、3万4,815レアルを受取っている裁判官も存在する。

また全国では4,755人が最高サラリー以上の月収を受取っており、リオ州高等裁判所でも、219人が規定以上の最高サラリーを受取っていることが判明している。(29日付けガゼッタ・メルカンチル紙)


カオアグループが現代自動車からの技術供与で乗用車生産

ブラジルの現代自動車代理店網のカオアグループは、現代自動車からの技術供与で、ゴイアス州アナポリス市に総額2億ドルを投資して、来年2月から軽トラックの生産を開始する。

初めはは国産化比率40%の現代モーター製軽トラックHR・Porterを生産するが、現代モーター社にローヤリティーを支払う。軽トラックの生産開始6ヵ月後に、商業用車および自動車の生産を予定しており、年間6万台を生産を見込んでいるが、更に2機種の乗用車生産で年間12万台を生産する。

アナポリス工場は1,000人の直接雇用及び5,000人の間接雇用で乗用車生産を開始するが、2010年には間接雇用が4万人まで増加する。(29日付けガゼッタ・メルカンチル紙)


【ブラジル経済情報】 速報 11月27日

リオドーセ社は来年の鉄鉱石価格交渉開始

ヴァーレ・ド・リオドーセ社は、今週末から来年度の鉄鉱石引渡し価格交渉を開始、初めに中国鉄鋼会社、ヨーロッパ及び日本の鉄鋼メーカーと続けて交渉する。

鉄鋼生産重要が強い中国では、2010年まで毎年13%の伸びが予想されており、400万トンから500万トンの輸入増加に相当、2007年度の環太平洋地域の鉄鉱石輸入は8億トンで、そのうち中国は4億2500万トンを占めている。(27日付けヴァロール紙)


連邦政府は2,000レアルのラップトップを計画

連邦政府はデスクトップ型コンピューターの「全ての人にコンピューター」計画で、1,400レアルのコンピューターをすでにリリースしているが、2007年年頭から2,000レアルのラップトップ型コンピューターのリリースを検討している。

このラップトップはリナックス搭載で、256MBのメモリー、40GDハードディスク、15インチモニターで重量は3,500グラム。価格は2,000レアルで販売開始するが、1,700レアルまで価格が下がる可能性もある。

このラップトップは化学技術省から製造認可を受けている53社が生産、生産投資には、社会経済開発銀行(BNDES),連邦貯蓄銀行やブラジル銀行から融資が行なわれる。(27日付けヴァロール紙)


通貨政策委員会はSelic金利を0.55下げるか

今週開催される今年最後の通過政策委員会(Copom)会議では、5回連続の0.5%の政策金利(Sekic)切下げが恵贈しており、今回も0.5%切下げの13.25%で実質金利8.76%を予想しているが、0.25%の切下げに留まると予想しているエコノミストも少数派ではあるが存在する。

11月の広範囲消費者物価指数(IPCA)は、食料品の値上がりが影響して0.37%上昇、また主要10アイテム総合物価指数(IGP-10 )は、1.02%と大幅に上昇、広範囲総合物価指数も0.75%それぞれ上昇しており,インフレ圧力が上昇してきており、0.25%の切下げに留まる可能性もある。

今週はアメリカの住宅市場の統計などの発表、第3四半期のGDPや雇用状況の発表などが目白押し、またドル値は7日連続で上昇しているが、先週はブラジルのカントリーリスク221ポイントで安定している。(27日付けエスタード紙)


【ブラジル経済情報】 速報 11月24日

2007年度の減税政策がほぼ完成

第2次ルーラ政権を前に、来年度の経済成長率5.0%達成を目指して、経済活性化のための減税政策発表が近づいており、投資コスト低減のために免税、税率の低減、納税期間の延長などで、連邦政府にとっては100億レアルから120億レアルの税収減となる。

企業家が工場建設や拡張すれば、建設コストに含まれる社会統合基金(PIS)および社会保険融資納付金(Cofins)の回収期間を18ヶ月から24ヶ月間に短縮して建設コストを低減するが、これによる税収減は23億レアルが見込まれている。

企業家が投資のための機械・装置を購入すれば、PIS及びCofinsの早期回収で購入コストの削減が行なえるが、これによる税収減は17億レアル、また連邦政府は、工業製品税(IPI)免税の機械・装置を50アイテムに拡大する。

民間インフラ基金に対して、所得税(IR)及び純益に対する社会納付金(CSLL)の免税で、インフラ部門の新しいファイナンス基金の創生、零細小企業に対するスーパーシンプレス法の適用で減税を行い、オペレーションコストの削減や雇用増加を図るが、2007年度は27億レアル、2008年以降は54億レアルの減税が予想されている。

勤続期間保障基金(FGTS)から100億レアルから150億レアルの住宅建設基金を創出して、5最低サラリーまでの所得者を対象に、住宅ローンの2/3を連邦政府が負担、1/3を住宅購入者が負担して、低所得者への住宅購入負担低減及び建設不動産業界の活性化を図る。(24日付けエスタード紙)


連邦政府はエレトロブラスを電力業界のペトロブラスに

連邦政府はエレトロブラス電力公社を、ペトロブラス石油公社のように国内外に大幅投資をして、多国籍企業形態のインターナショナル企業への脱皮を模索している。

昨年のエレトロブラスの純益は10億レアルを記録したが、投資には活用できずに国庫に収められた。2008年以降の電力危機が心配されており、エレトロブラスの海外への投資などは二の次であると、与党内でも批判の的になっている。

エレトロブラスの総裁は大統領が任命するが、現在のエレトロブラスはPMDB党の手中にあり、またエンリケ・カルドーゾ政権時はPFL党がコントロールしていた。

カルドーゾ政権時にペトロブラスの石油事業独占を開放したときは、民間金融業界のエコノミストをペトロブラス総裁に迎えて、競争に打ち勝った経緯があり、エレトロブラスがペトロブラス並みの利益を上げる企業になるには、利権を如何に政治家から開放するかにかかっている。(24日付けエスタード紙)


サンパウロ平均株価指数は記録更新

23日は米国が休日にも関わらず、前日の連邦政府のエレトロブラスへの肩入れ発表、サブマリーノ社及びアメリカーナ社の合併などが重なり、サンパウロ平均株価指数(Ibovespa)は0.37%上昇して、4万2,069ポイントとなり過去最高値で引けた。

11月のサンパウロ平均株価指数は7.15%の値上がり、今年の累計では25.75%の利益を上げており、23日の出来高は21億8,900万レアルで、サブマリーノ社の出来高は、毎日の出来高トップのペトロブラス株の約2倍に当たる2億7,600万レアルを記録した。

またドル値は6日連続で上昇して、23日は0.09%上昇のR$2.168となったが、金融アナリストは利益確保のR$2.18まで上昇すると予想、S&Pでは2008年1月DIの金利は12.94%から12.95%、2010年1月DIは13.21%と変動はなかった。(24日付けエスタード紙)


【ブラジル経済情報】 速報 11月23日

管制官は空軍上層部に対してストを暗示

10月に発生したゴール航空機事故で、ブラジリア空港のシンダクタ1号飛行管制塔の管制官に非難が集まっているが、厳しい労働条件改善を空軍上層部に申し出ているが、連邦政府からは一向に改善策提示がないために、スト決行を暗示している。

シンダクト1号管制塔には2,759人の管制官が勤務しているが、民間出身は571人で大半は空軍所属であるが、労働条件改善提示がなければ全員がストに突入する。

同管制塔がストに突入すれば、シンダクト1号管制塔がブラジル国内便の75%をカバー、国内便は北部、北東部、南部及び南東部の一部が同管制塔のコントロール下にあるために完全にマヒするが、改善策の一つとして空軍のコントロールから切り離して、民営化することも考えられている。(23日付けガゼッタ・メルカンチル紙)


応用経済調査院はINSS納付金に柔軟性を

国立社会保険院(INSS)の10月の赤字は30億4,300万レアル、今年10ヶ月間の累計赤字が373億7,500万レアルに達して、昨年同期比30%の赤字拡大で雪だるま式に増加しており、今後の年金支払い継続が懸念されている。

ブラジルの労働人口は8,700万人であり、そのうちINSSに対して年金納付金を納めていない自営業者や不正規登録労働者など4,500万人がいるが、タクシー運転手や観光業に従事する労働者に対して、収入の多い月に納入するフレキシブルな支払い方法を経済応用研究院(Ipea)では提示している。

現在、70万人の女性が自身の年金及び夫の恩給を受取っているが、年金受給者の12%に相当して、今後益々その比率の増加がINSSを益々圧迫するために恩給の支払い停止をIpeaでは提示している。

また労働に従事してサラリーを受取っている年金受給者に対する年金支給額の低減、最低サラリーを年金支給の基準から外すなどのアイデアを提示している。(23日付けガゼッタ・メルカンチル紙)


ルーラ政権では低所得層の消費拡大

ルーラ政権開始の2003年1月及び今年8月の4最低サラリー(月収1400レアルまで)の低所得層D及びEクラス対象の消費比較調査では食品、飲料や衛生用品消費が11%増加した。

2005年のD/Eクラスの家庭は44%を占めていたが、2006年には5%に相当する215万家庭がCクラスに上昇したために、Cクラスの比率は33%から37%に上昇した。

最近3年間でD/Eクラスの消費は15%、Cクラスは10%、A/Bクラスは7%それぞれ増加、特にD/Eクラスの消費が伸びたのは1,100万家庭が恩恵を受けている家族補助金制度、84.3%と大幅に拡大した給与・年金口座天引き型ローン、雇用の増加や食料品価格の低下によるところが大きい。(23日付けエスタード紙)


企業家は来年の景気動向調査では楽観的

ゼツリオ・ヴァルガス財団が10月2日から11月6日の間に1,051人の企業家を対象に、2007年度の売上げ、雇用、投資などの景気動向調査では、比較的楽観的な調査結果がでている。

雇用調査では40%の企業家は来年に新規雇用、10%は削減を予定して30ポイントのプラスは、最近5年間では2005年の41ポイントに次ぐ数字となっている。また投資調査では39%が拡大、13%は減少を予定してその差26ポイントは、今年の16ポイントを大幅に上回っており、景気拡大を期待している。

また売上げ調査では71%が増加、5%が減少を予想して、その差66ポイントは今年の63ポイントを上回っているが、2004年および2005年の76ポイント、80ポイントを大きく下回っているにも関わらず、楽観的に予想している。

また売上げ調査では21部門のうち10部門での拡大予想結果となっており、2005年を上回っている。売上げ拡大が予想されているのは、内需拡大による消費財部門、投資動向の目安となる資本財部門であり、中間財部門は今年並みが予想されている。

しかし継続する高金利及び不均衡な為替で、製造部門の収益率低下が予想されており、また輸出関連部門では高いコモデティ商品価格、中国、アジア諸国やヨーロッパに牽引されている世界経済の拡大で、59%は輸出拡大を予想している。(23日付けエスタード紙)


【ブラジル経済情報】 速報 11月22日

インドや中国製乗用車がウルグアイ経由でブラジルへ

中国やインドの自動車メーカーは、ウルグアイ経由でブラジルに乗用車輸入を計画、中国の自動車メーカーチェリー社は2007年からモンテヴィデオで自動車生産を開始する。

またインドの自動車メーカー点マヒンドラ社はウルグアイでの自動車生産を諦めて、2007年からマナウス経済特区でスポーツ車や商業者の生産を開始するが、10月に開催されたサンパウロモーターショーでは、販売代理店候補383社が名乗りを上げたが、初年度は25の代理店で乗用車販売を開始する。

メルコスール域内ウルグアイでの自動車生産は域内自動車協定で初年度の国産化比率は30%、5年後には50%に達していれば協定違反にならないが、ブラジル及びアルゼンチンでの自動車生産は初年度40%、3年後には60%に達していなければならない。

2007年からウルグアイで乗用車生産開始するチェリー社は、生産予定2万5,000台の60%~65%をブラジルへの輸出を予定、2009年度は10万台の生産を予定しているが、将来的にブラジルに生産工場を立ち上げる計画である。(22日付けエスタード紙)


ゲルダウグループは圧延鋼で世界大手を目指す

5代目のアンドレー・ゲルダウ副社長に代表を引継ぐゲルダウグループは、世界鉄鋼業界13位であるが、圧延鋼生産を中心に米国、カナダ、スペインや南米諸国に32ヵ所の製鉄所で1,870万トンを生産しているが、更に国際化を推進して鉄鋼大手の仲間入りを目指している。

ゲルダウ社はペルーのシデルペルー製鉄の圧延鋼の増産、米国でドファスコ社とのジョイントヴェンチャー企業に投資などを行なっているが、2007年から2009年にかけて30億ドルの投資を予定しているが、新たな鉄鋼メーカーの買収は発表されていない。

ゲルダウ社は中国での鉄鋼生産を視野に入れており、また地域戦略的及び高い経済成長率を維持しているインドにも注目している。ゲルダウ社はアセロール社から反トラスト法に引っかかるために、ドイツのThuringen製鉄のオファーを受けているが、ゲルダウ社は今週中に買収の判断を下さなければならない。(22日付けエスタード紙)


初めての官民合同プロジェクト開始されるか

サンパウロ州リオ・クラーロ市の下水集積工事及び下水処理場工事の官民合同プロジェクト(PPP)の入札で、ゼネコン大手のオデブレヒト社とルミナ環境エンジニアリング社のグループが落札、初めてのPPPプロジェクト実現の可能性がでてきた。

このPPPプロジェクトは、7,000万レアルの予算で2年以内に工事を完成、オデブレヒトグループは30年間の下水道サービスコンセッションに対して、水資源・エネルギー局の収入の40%を受取る。

またサンパウロ市の地下鉄4号線工事及びバイア州サルバドール市の地下汚物処理工事などはすでに入札が終了しているが、司法裁判所の審議や予算の見直しなどで、工事開始が遅れている。(22日付けヴァロール紙)


11月の総合物価指数は19ヶ月ぶりのインフレ

11月の総合物価指数(IGP-10 )は、農作物収穫の端境期とコモデティ商品価格の高騰で、前月の0.21%から19ヶ月ぶりとなる1.02%のインフレを記録した。

11月のIGP-10 の調査期間は10月11日から11月10日までで、農作物部門の卸売価格が、前月の2.08%から5.42%と大幅に上昇したために、平均卸売価格が前月の0.26%から1.45%と上昇した。

特にトウモロコシが14.21%、米14.40%、大豆が11.30%それぞれ大幅に上昇、大豆価格上昇はIGP-10を0.25%押上げた。また生鮮食料部門ではトマト31.84%やレモン18.33%が大幅に値上がりして、を売価格を0.20%押上げた。今年1月から11月までのIGP-10 は3.56%、最終12ヶ月では3.62%のインフレとなっている。(22日付けエスタード紙)


【ブラジル経済情報】 速報 11月21日

10月の経常収支黒字は15億3,000万ドル

10月の連邦政府の経常収支黒字は、27億ドルと予想されていた所得収支黒字が20億ドルと伸び悩んだために、15億3,000万ドルの黒字となったが、10月の月間黒字記録を塗り替えた。

また今年10ヶ月間の経常収支黒字はGDP比1.51%の116億6,000万ドルで、昨年1年間の黒字幅119億ドルに迫っており、最終12ヶ月間累計ではGDP比1.54%の139億6,000万ドルとなっている。

10月のサービス収支部門の旅行部門は3億1,000万ドルの赤字を計上、また所得収支部門の利払いは、昨年10月の13億3,000万ドルから8億4,000万ドルに減少している。

所得投資部門の海外からの直接投資額は17億2,000万ドルで中銀予想の12億ドルを上回り、11月は20億ドルが予想されており、今年1年間の直接投資総額180億ドルが見込まれている。(21日付けエスタード紙)


建設不動産業界は販売記録を更新中

建設不動産会社、建材店や不動産広告業界は、ローンの組みやすい長期固定の住宅ローン販売で住宅ブームの恩恵を受けており、レアルプラン以来の不動産・建設ラッシュブームが起こっている。

今年9ヶ月間のサンパウロのアパート及び住宅販売数は、昨年同期比21.8%増加の2万軒で61億1,000万レアルの売上げを記録、賃貸住宅やアパートから住宅ローンを組んで、住宅購入に切替える市民が増えてきている。

新築アパートの70%は100~200平方メートルのアパートで、価格は25万レアルから40万レアルであるが、来年は9万レアルのアパートの販売が予想されている。

また今年9ヶ月間の住宅ローン総額は16億レアルに達するが、昨年同期は僅かに7億レアルであった。ブラデスコ銀行は10月に、10年返済の13.5%の固定金利住宅ローンをリリース、住宅ローンの50%は固定金利型ローンが占めている。

昨年4月からサンタンデール・バネスパ銀行は、最高4万レアルまでの20年返済の固定金利住宅ローンを売出し、昨年の住宅ローン総額は6億4,000万レアルであったが、今年は20億レアルの住宅ローン貸出しが見込まれている。(20日付けエスタード紙)


アルコール混入率を25%に引き上げ

今年年頭のアルコール生産の端境期に、アルコール生産業者の値上げ圧力に対抗するために、連邦政府は2月からガソリン燃料へのアルコール混入率を25%から20%に下げていたが、サンパウロ州砂糖キビ加工業者連合(Unica)からの要請で、20日にアルコール混入率を23%に引上げた。

この3%の混入率増加で月間6,000万リットルの売上増加につながるが、Unica では25%までの混入率引上げを要請しているが、連邦政府は年末まで生産量の推移を観察後決定する。

アルコール混入率が25%まで上昇すれば、サンパウロ市内のガソリン価格は、1.25%から1.68%までの値下げが予想されている。(21日付けエスタード紙)


自動車業界は従業員に拍車

今年の乗用車生産台数は、前年比4.5%増加の264万台が予想されているが、自動車メーカー従業員数は、昨年比2,000人減の10万5400人で3年ぶりの減少が予想されている。

ワーゲン社はリストラ策第1弾としてサン・ベルナルド工場の従業員1,800人をリストラするが、すでにタウバテ工場の160人をリストラしている。またGM社はサンパウロ州の製造工場の従業員を減少するが、南大河州グラヴァタイ工場では増員する。

ワーゲン社ではサンパウロ大都市圏の製造工場の従業員1万24,00人のうちABC地区の3,600人を2008年までにリストラするが、タウバテ工場及びパラナ州の製造工場の従業員のリストラを合わせると6,000人に達する。(21日付けエスタード紙)


【ブラジル経済情報】 速報 11月17日

10月の公的債務残高は1兆630億3,000万レアル

10月の連邦政府の公的債務残高は利払いだけで115億7,000万レアルに達して、前月の約1兆620億レアルから1兆630億3,000万レアルに増加した。

10月の固定金利連動国債の需要増加で、国債全体に占める固定金利国債比率は前月の32.83%から32.85%に上昇、Selic金利連動国債比率は43.98% ,物価指数連動国債22.31%、為替連動国債1.59%、参考金利連動国債比率は2.24%であった。

10月の平均国債償還期間は前月の29.65ヶ月から30.27ヶ月に延びており、今後1年以内の国債償還期間比率は、39.99%から37.82%と減少しているが、年間ファイナンスプラン(PAF)目標の31%から36%には達していない。

10月に発行された国債総額は13億レアル、そのうちの為替連動国債NBC-E発行は、金融市場が荒れているときによく発行される為替政策タイプの国債である。(17日付けエスタード紙)


サンパウロ州のGDP比率が30.9%に低下

2004年度のサンパウロ州の全国に占めるGDP比率は、1985年は36.1%であったが30.9%に低下、また2003年は31.8%で0.9%低下したが、160億レアルのGDP低下に相当するとブラジル国土地理院(IBGE)は発表している。

サンパウロ州の全国に占めるGDP比率低下の主因は、鉱工業比率の大幅な低下であり1985年は全国の51%を占めていたが、2004年には40%まで低下してきている。

またサンパウロ州の鉱工業比率低下は、一極集中型から北部や北東部地域が州税の大幅な減税の優遇税で、工業部門の誘致を盛んに行なっているおり、また農畜産部門では中西部地域の開発が盛んに行なわれており、1985年度と2004年度の全国に占めるGDP比率の比較では、マット・グロッソ州は0.7%から1.6%、ゴイアス1.8%から2.3%、南マット・グロッソ州が0.9%から1.1%にそれぞれ増加、マナウス・フリーゾーンを抱えるアマゾナス州は工業を中心に1.5%から2.0%に伸びている。

1985年のサンパウロ州、リオ、ミナス、パラナおよび南大河州の5州で全国に占めるGDP比率は66.3%であったが、2004年には61.1%まで低下している。また2004年の一人当たりのGDP比較では、ブラジリア連邦直轄区が1万9,071レアル、リオ州が1万4,639レアル、サンパウロ州は1万3,725レアルで3位であったが、全国平均は9,729レアルであった。(17日付けエスタード紙)


外貨準備高が800億ドルを突破

10月13日にブラジルの外貨準備高が、749億5400万ドルに達して記録を更新していたが、11月7日に償還期間10年物外債発行や中銀のドル買いで、13日には814億4,000万ドルに達し、この期間だけで8.65%も増加している。

ブラジルの外貨準備高増加は国際金融市場の危機や為替変動に対する防波堤となるが、適正な外貨準備高水準の見極めが難しい。

ブラジルの外貨準備高はメキシコの685億7,000万ドル、アルゼンチン264億8,000万ドルやチリの174億9,000万ドルを上回っているが、BRICS諸国の中国9,879億ドル、ロシア2,521億ドル、インド1,604億ドルの中では最も低い。(17日付けガゼッタ・メルカンチル紙)


ブラジル国内の鶏肉消費が急増

ブラジル国内の鶏肉消費が低価格や健康志向ブームで急増しているが、海外でも健康志向ブームを背景に消費が伸びている。

1997年のブラジル国民一人当たりが1年間に消費する牛肉は39キログラムで、鶏肉の23.8キログラム、豚肉の9.3キログラムを抑えて最も消費されていたが、今年の消費予想は鶏肉が35.9キログラムで牛肉の30キログラム、豚肉の11.8キログラムを抑えて最も消費されると見込まれている。

今年上半期の鳥インフルエンザの影響で、鶏肉輸出が減少したあおりを受けて、国内の鶏肉価格が値崩れを起こしたことも、鶏肉消費に拍車をかけている。また国内の牛肉消費減少で輸出が増加すると見込まれている。(17日付けガゼッタ・メルカンチル紙)


【ブラジル経済情報】 速報 11月16日

2007年の最低給料は375レアルの予想

選挙キャンペーンの柱となっていた来年の最低給料調整は、今年の実質調整率13%を大幅に下回る4.14%の375レアルの上限が予想されている。

全国市町村連合(CNM)や野党はこの実質調整率4.14%の支持を表明しているが、歴史的にPT党と同盟関係にある労使中央機関(CUT)や主なシンジケートの抵抗があれば、375レアルを上回る可能性も残されている。

最低給料調整は国立社会保険院(INSS)に大きなインパクトを直接及ぼし、今年は410億レアルの影響が見込まれており、また市町村が財政責任法(LRF)を果たすのに大きな障害になっている。また375レアル以上の調整が行なわれるなら、1レアル増加するごとに連邦政府支出は1億7,000万レアルの支出となる。(16日付けガゼッタ・メルカンチル紙)


エンブラエルのジェト機購入予約総額は133億ドル

110席以下のジェト機製造では、世界トップのエンブラエル社の今年第3四半期のジェット機購入予約総額は、昨年同期比30.4%増加の133億ドルに達し、170型及び190型ジェット機の予約数は543機に達している。

しかし第3四半期の190型及び195型ジェット機の部品納入遅延により、昨年同期の41機の同型ジェット機から30機納入に減少したために、売上げは昨年同期比20.2%減の19億4,300万レアル、純益は1億6,340万レアルであった。

第3四半期の予約は、レガシー機及びフェノン機などを中心に全機種で好調であったが、同2機種の予約は300機以上であり、エンブラエル社は米国、フランス、ポルトガル、中国及びシンガポールに事務所及びサービス拠点を構えている。(16日付けガゼッタ・メルカンチル紙)


2007年の圧延鋼売上げは8%増加の334億レアルを予想

今年の圧延鋼価格は低迷しているが、内需の拡大および価格の上昇で来年の売上げは、今年の8%増加の334億レアルで回復が見込まれている。

来年のブラジルの経済成長率3.7%と仮定すると、内需拡大で国内販売量は7%増加の1,191万トンが見込まれており、圧延鋼のの12.4%が自動車部品向け、10.6%は乗用車、7.4%は建設業向けとなっている。

国際通貨基金(IMF)は2007年の世界の経済成長率を4.9%と見込んでおり、来年のブラジルの圧延鋼輸出は5%増加の405万トンで、圧延鋼輸出価格は為替R$2.26 に仮定すると3%の価格上昇が期待できる。(16日付けガゼッタ・メルカンチル紙)


ALLは5年間で25億レアルを投資

アメリカ・ラティーナ・ロジスティカ社(ALL)は、今後5年間に25億レアルの投資を見込んでおり、2007年度は今年5月に買収したブラジル鉄道の設備近代化として、3,150台の貨車及び91台の機関車の購入に充てるために、2億5,000万レアルを投資してALL社と同一レベルまで引き上げ、またALL社に3億ドルの投資を予定している。

ALLは1999年にアルゼンチンのMESO鉄道及びBAP鉄道を買収、すでにアルゼンチンで事業に進出しているが、総延長距離が3,000キロメートルに及ぶ、ブラジル資本のゼネコンであるカマルゴ・コレア社傘下のFerrosur・Roca社及びTechint社傘下のFerroexpreso・Pampeano社の買収に食指を動かしている。

ALLの今年9ヶ月間の売上げは前年同期比15.9%増加の9億7,030万レアルで、純益は37.4%増加の1億2,850万レアル、また貨物量は10%増加の166億TKUであり、農産物コモデティ7.7%、工業製品6.4%それぞれ増加した。(16日付けガゼッタ・メルカンチル紙)


【ブラジル経済情報】 速報 11月14日

今年の経済成長率を3.0%から2.97%に下方修正

中銀は9月の鉱工業成長率が前月比マイナス1.4%となり、今年の鉱工業成長率を3.40%から3.12%に下方調整したために、今年の経済成長率(GDP)を3.0%から2.97%に再び下方調整した。

しかし金融アナリストは来年の鉱工業成長率を4.10%から4.15%に上方修正しているが、経済成長率は3.50%に据置いている。今年のインフレ指標の広範囲消費者物価指数(IPCA)を3.0%から3.05%、総合市場物価指数(IGP-M)を3.43%から3.67%それぞれ上方修正したが、来年のインフレは4.50%に据置かれた。

また今年年末の為替はR$2.16からR$2.15、来年末の為替はR$2.28からR$2.25に微調整、輸出額を1,154億ドルから1,200億ドル、貿易収支黒字を445億ドルから449億5,000万ドル、海外からの直接投資額を156億ドルから156億5,000万ドルにそれぞれ上方修正、次回の通貨政策委員会でのSelic金利0.5%切下げを予想、年末のSelic金利を13.25%、今年の平均金利15.09%と見込んでいる。(14日付けガゼッタ・メルカンチル紙)


ブラジル銀行の純益は40%増加

今年9ヶ月間のブラジル銀行の純益は、前年同期比40.4%増加の48億レアルを記録、また収益率は27.1%から35.9%に上昇して、決算報告済みの大手銀行では最高の収益率となっており、またエフィシエンシー・レシオも前年の47.5%から46.5%に下げて改善されている。

クレジット部門は昨年9月から25%増加の総額1,183億レアルを記録、特に個人向け融資が25.1%増加した。今年9月の直接消費者ローン(CDC)オペレーションは給与・年金口座天引き型クレジットを中心に32.5%増加した。

昨年12月のブラジル銀行の給与・年金口座天引き型クレジットは銀行業界全体の12.3%を占めていたが、今年の第3四半期の比率は16.6%に上昇、また法人向け融資では、零細小企業向け融資が18.8%、大企業向け融資は30.95%であった。

第3四半期最後の60日支払い遅延の不渡り可能比率は3.8%で昨年と変わらなかったが、90日遅延比率は昨年9月の8.1%から6.8%と改善されているが、依然高い比率を維持している。(14日付けエスタード紙)


ルーラ大統領はベネズエラのオリノコ川の橋開通式に出席

ルーラ大統領は12月3日に大統領選挙を迎え、再選を目指しているベネズエラのウーゴ・チャーベス大統領の招待で、ブラジルとの国境に接するオリノコ川の第2橋の開通式に出席した。

この国境に接する3,156メトールの橋の建設は、ブラジルのゼネコン大手のノルベルト・オデブレヒト建設会社が12億2,000万ドルで請け負ったもので、ブラジルの自由貿易港マナウス市間の輸送が便利になり、両国間の貿易が更に拡大することが期待されている。

またルーラ大統領の訪問はチャーベス候補支援であり、アルゼンチンのキルチネル大統領と共に南米統合を強調した演説を行なった。(14日付けガゼッタ・メルカンチル紙)


【ブラジル経済情報】 速報 11月13日

ブラジルへの投資プロジェクト数は世界ランク13位に低下

2005年度の企業買収・合併を除く、海外からの投資プロジェクト数の世界ランクでは、ブラジルは前年の6位から大幅にランクを下げて13位に低下した。

ポーランド、ヴェトナム、シンガポール、チェコ、中国やインドは、ブラジルより上位にランク付けされているが、投資額では中国、インド、英国、米国に次ぐ5位にランクされている。

中国は開発及びリサーチプロジェクト部門では、最も投資を受けた国であり、続いてインド、米国、英国及びフランスが続いている。

部門別ではサービス業、金融オペレーション、自動車製造、情報産業、食品、医薬品、基礎化学及び飲料部門への海外からの投資プロジェクトが大半を占めており、ブラジルは基礎化学部門で5位に入っている。(12日付けエスタード紙)


今年9ヶ月間のペトロブラスの純益は207億レアル

国際石油価格の高騰、国内の石油消費量及び生産量の増加で、今年9ヶ月間のペトロブラス石油公社の純益は、昨年同期比33%増加の207億レアル、また第3四半期の純益も26%増加したが、75億レアルから80億レアルの予想を下回った。

カンポス沖海盆のP-50 プラットフォームの石油生産開始が遅れたために、石油輸出量の見直しで、30億ドルの貿易収支黒字予想を5億ドルから10億ドルの黒字予想に下方修正された。

またボリヴィアの石油・天然ガス国有化の影響による新契約で、第3四半期だけで8,000万ドルのダメージを受けたが、今年9ヶ月間の売上げは1,170億レアルで昨年同期比20%増加している。(13日付けガゼッタ・メルカンチル紙)


民間資本投入でインフラ整備が急務

連邦政府のインフラ整備部門への投資が遅れており、2001年に発生した電力危機と同様の問題発生する可能性があり、民間資本導入の官民合同プロジェクト(PPP)でのインフラ整備が急がれている。

PPPプロジェクト導入が予定されている国道116号線及び国道324号線の拡張工事の入札時期は未定であるが、サンパウロ環状鉄道建設の入札も遅れているが、南北鉄道建設入札は12月6日が予定されている。

ブラジルの貨物輸送の54%がトラックであり、総延長舗装道路8万4,000キロメートルの75%の道路状況調査では、38.4%が合格点であるが、36.6%が道路事情が悪いと結果がでている。(12日付けエスタード紙)


【ブラジル経済情報】 速報 11月09日

10月の乗用車生産台数は22万6,400台で記録更新

9月は自動車工場ストライキで生産台数が減少したが、10月の乗用車生産は前月比10.9%増加の22万6,400台、また前年同月比14.2%増加となり、10月の月間記録を更新した。

今年10ヶ月間の自動車、トラックやバスの生産台数は、前年同期比4.5%増加の219万7,200台、今年の生産台数は264万台を全国自動車工業会(Anfavea)では予想している。

また自動車販売金利の低下や長期ローンによる月賦額の低下で、今年10月までの乗用車販売台数は、前年同期比12.2%増加の154万台、10月の販売台数は前年同月比27.3%増加の17万5,200台を記録、業界では今年の販売台数を昨年よりも20万台増加の190万台を予想、来年は1997年の記録を塗り替える200万台の販売を予想している。

しかし今年10月までの乗用車輸出は、不均衡な為替や困難や輸出クレジットなどの影響で、昨年同期比4.7%減の71万6,200台に留まっているが、輸出メーカーは為替による利益補填に輸出用自動車価格の値上げを行なったために、輸出総額は8.5%増加の101億ドルを記録、今年の輸出総額は115億ドルを見込んでいる。(9日付けエスタード紙)


ドル高で衣類や履物など5部門に大打撃

ドル高に留まっている為替で、木材、衣類、履物、化学及び金属の5部門が輸入品の席巻及び輸出の価格競争力の低下で大きな打撃を受けているが、情報機器、機械・装置及び医療機器部門はドル高為替による恩恵を享受している。

今年9ヶ月間の木材部門の生産はマイナス7.87%、衣類-6.77%、履物・革製品-3.42%、金属-2.32%及び化学部門が-2.32%とそれぞれマイナスを記録している。

今年9ヶ月間の情報機器部門の売上げは、特にコンピューター生産用電子部品は輸入品が大半を占めるために、ドル安の恩恵を受けて53.73%増加、機械・装置11.97%、医療機器や光学機器部門が9.35%とそれぞれ大幅に伸びており、この傾向は来年も継続すると予想されている。(9日付けエスタード紙)


第3四半期のヴァーレ・ド・リオドーセの純益は40億レアル

ヴァーレ・ド・リオドーセ社の第3四半期の純益は、前年同期比48.1%大幅増加の40億レアル、第2四半期を6,800万レアル上回って、記録を塗り替えた。

また今年9ヶ月間の純益は、昨年同期比29%増加の101億レアルを記録、輸出総額も72億3,700万ドルに達して、貿易収支黒字は46%増加の65億9,900万ドルを記録、ブラジルの貿易収支黒字339億7,400万ドルの19.3%を占めた。

同社の輸出の35%は中国を中心としたアジア向け、米州向けが34%で、残りは欧州やアフリカであり、ブラジルは世界の鉄鉱石需要の21%を賄っている。

また同社の第3四半期の売上げは116億レアルで前年同期比28.8%増加、第2四半期期比14.9%増加して記録を塗り替えた。第3四半期の鉄鉱石販売は6,300万トンを超えて、四半期の記録も塗り替えた。

第4四半期には10億ドルを投資したミナス州のブルクツ鉱山が操業開始、またニッケル鉱埋蔵量世界1位のカナダのインコ社買収による増収が見込まれている。(9日付けエスタード紙)


スーパーシンプル法が6ヶ月先送りされた

来年1月1日からの実施が予定されていた新小・零細企業法「スーパーシンプレス法」が昨日の上院議会で可決されたが、施行は6ヶ月間先送りされたために、国庫局は26億レアルの税収減を免れた。

スーパーシンプル法が施行されると、法人所得税IRPJ、工業製品税IPI、純益に対する社会納付金CSLL、社会保険融資納付金Cofins、PIS、INSS,ICMS及びISSの支払いを一括、年間売り上げ240万レアルまでの小企業に適用され、企業登録のブロクラシーの低減、輸出関連税の免除、8万レアルまでの連邦や州関係の入札に参加が可能になる。

年商が6万レアルまでの零細企業のIRPJ,CSLL、PIS/Cofins税が3%から2.66%、12万レアルまでの企業は5%から2.66%、年商228万レアルから240万レアルまでの小企業には9.1%から7.67%に減税が適用される。(9日付けエスタード紙)


【ブラジル経済情報】 速報 11月08日

海外不動産投資家はショッピングセンターに注目

GP不動産投資会社は、高級シュラスカリアチェーン・フォーゴ・デ・シャンの40%の資本参加をした2ヵ月後に、ショッピングセンターの経営や株主を主な事業にしているブラジル資本エシーザグループの株14.4%を9,590万レアルで資本参加する。

また米国資本Equityインターナショナル社もエシーダ社に、GI社と同率の資本参加をするが、両社はそれぞれ27.5%までの資本参加のオプションを獲得している。

今年6月にはカナダの年金ファンドカジラック・フェアーウエイが、リオ市バーラショッピングやサンパウロ市モルンビーショッピングセンター経営のマルチプラン社に資本参加、9月には北米やヨーロッパで65のショッピングセンターを経営するカナダ資本Ivanhoe・ケンブリッジ社が、Ancar社と共同でブラジルでのショッピングセンター経営のために、1億6,000万レアルを投資した。

10月には米国内で500以上のショッピングセンターをコントロールしている米国ファンドのデヴェロッパー・ジヴェルシーフィードは、ポルトガル資本ソナエグループとパートナーを組んで、ショッピングセンター経営に乗りだす。(8日付けエスタード紙)


9月の鉱工業成長率は前月比マイナス1.4%

昨日、ブラジル地理統計院(IBGE)は、9月の鉱工業成長率は自動車生産減少で、前月比マイナス1.4%を記録、投資の目安となる資本財もマイナス0.4%と発表した。

しかし9月の鉱工業成長率は前年同月比1.3%、今年9ヶ月間の累計では2.7%、第3四半期の対2四半期比では0.4%、対前年3四半期では2.7%とそれぞれ増加しており、一昨日の全国工業連合(CNI)の発表した数値と一致していない。

9月の自動車生産台数は生産ストの影響で、前月比マイナス9.3%と大幅に減少したが、調査対象の23部門のうち12部門で、前月比マイナスを記録している。

鉱工業伸び率の低下で、今年のGDP成長率は再度見直しが必要であるが、政策金利は継続して減少してきているが、納税率の低減、インフラ整備改善や公共投資増加を実施しなければ、継続したGDP成長率の伸びは期待できない。

またドル安の影響で、9月の耐久消費財の生産は前月比マイナス0.2%を記録、セルラー、テレビや音響装置の輸出に打撃を与えているが、逆に消費財の輸入は前月比81.8%増加している。(8日付けエスタード紙)


ブラジル外債の利回りは1994年以来最低を記録

7日に国庫局が起債した償還期間10年のブラジル外債グローバル2017は、7億5,000万ドルから10億ドルを予定していたが、60億ドルの注文が殺到、年率6.25%で15億ドルを販売した。

起債をコーディネイトしたドイツ銀行は、利回りを6.30%と見込んでいたが、カントリーリスクの低下やブラジル経済ファンダメントが評価されてきており、利回りは予想を下回る6.25%と1994年以来の最低を記録した。

今年になって発行されたブラジル外債は合計6回で、49億600万ドルを売出しており、償還期間は9年から30年物と長期償還期間の外債発行となっている。(8日付けエスタード紙)


【ブラジル経済情報】 速報 11月07日

国産天然ガス価格が値上げされる

ボリヴィアからの輸入天然ガスを除いた国産天然ガス価格は、石油燃料価格の僅か56%であるために、格差調整のために来年に値上げが予定されている。

国産天然ガス価格を石油燃料価格の80%まで調整するために、42%の値上げが必要であるとエネルギー調査研究所(EPE)では計算している。天然ガス消費は年間平均17%増加している。

国産天然ガスの値上げで最も影響を受けるのは、消費の100%を国産天然ガスで賄っている北東部地方、リオ、エスピリット・サント及びミナス州であるが、消費の30%を国産天然ガスで賄っているサンパウロ州への影響は少ない。

ブラジルの1日当りの天然ガス消費量は5,280万立方メートルであり、国産天然ガス及びボリヴィア産輸入天然ガスはそれぞれ2,630万立方メートル、アルゼンチン産輸入天然ガスは120万立方メートルで、工業用2,410万立方メートル、自動車燃料600万立方メートル、火力発電所820万立方メートル、商業・一般家庭用が290万立方メートルとなっている。(7日付けエスタード紙)


第3四半期の鉱工業の伸び率は1.90%

第2四半期の鉱工業成長率は前期比0.87%増加に留まったが、第3四半期の成長率は前年同期比1.90%、また生産に対する実質労働時間も前期比1.51%増加したと全国工業会(CNI)では発表している。

第3四半期の設備稼働率も81.8%に達しており、3期連続で81.6%を上回っており、第4四半期も継続して高い設備稼働率が継続されると見込まれている。

今年1月から9月までの実質売上げは、前年同期比0.38%増加に留まっているが、生産に対する実質労働時間は1.05%、雇用も1.73%それぞれ増加している。(7日付けエスタード紙)


今年9ヶ月間のブラデスコ銀行の純益は33億5,000万レアル

今年9ヶ月間のブラデスコ銀行の純益は、アメリカン・エクスプレス社(AMEX)やセアラー州立銀行の買収で昨年同期比17.27%減少の33億5,000万レアルであったが、収益性は22.3%に上昇した。

AMEX社やセアラー州立銀行の買収がなければ、ブラデスコ銀行の純益は、昨年同期比24%増加の50億レアルを上回ったと予想されている。

クレジット部門は前年同期比27.8%増加の1,103億レアルに達したが、個人向けクレジット及び自動車ローンが大幅に増加したが、特にAMEX買収によるクレジットカード部門が76.6%の大幅増加となった。

また法人向け融資では中小企業向け融資は前年同期比25.6%、大企業向け融資は13.1%それぞれ増加した。

しかし9月には、返済が59日以上滞納している不渡り可能性がある顧客比率は前年同期の3.1%から4.2%と大幅に上昇しており、同行では引当金を83%増加の32億2,000万レアルに引上げている。(7日付けエスタード紙)


ボンバルディア社は交通システムやワゴンリフォームのニッチ市場に注目

カナダ資本ボンバルディア運輸のブラジル支社は、来年の各州政府の地下鉄工事や都市圏鉄道の交通システムやワゴン改造のニッチ市場参入のために準備を行なっている。

鉄道網や道路網インフラ設備が大幅に遅れていて、大幅な投資が見込まれているブラジル市場に、特に総額18億レアルに達するサンパウロ市の地下鉄4号線の交通システム構築やワゴン車納入、サルバドールやブラジリア市での地下鉄関係工事入札を来年のターゲットにしている。

パウリスタ都市圏鉄道公社(CPTM)から落札した総額6,180万レアルのニッチ市場であるワゴン車24台及び牽引車12台のリフォームに、オルトランジア工場に100人を新規採用する。(7日付けヴァロール紙)


【ブラジル経済情報】 速報 11月06日

サンパウロ市内巡回バスに30%のバイオジーゼル

イタイン・パウリスタ交通のサンパウロ市内巡回バス400台に、10月からバイオジーゼルを30%混入したB30 ジーゼルオイル油を使用してパイロット試験をしており、大気汚染の低減を図っている。

同社では3年前から200万レアルを投資して、B30バイオジーゼル油を開発、同社が所有する18万8,000台のバスにB30を使用すれば、年間1,950万リットルの植物性油が使用される。

ジーゼル油はペトロブラス社傘下のBR配給会社から供給を受けており、植物性油は国家石油庁(ANP)が行なう入札で調達している。(6日付けガゼッタ・メルカンチル紙)


家族支援金プランは継続される

ルーラ大統領が就任する前の2002年度の社会開発省への予算は80億レアルであったが、今年は220億レアルの予算があてがわれるが、そのうちの85億レアルが家族支援金(ボルサ・ファミリアール)に充てられる。

ジェツリオ・ヴァルガス財団では、一人当たり120レアル以下の収入しかない家族を貧困家庭としており、ブラジル全国で1,110万家族を数えるが、そのうちボルサ・ファミリアールを支給されている家族数は1,100万家族に上っている。

飢え皆無運動(フォーメ・ゼロ)のパイロットプランに指定されているピアウイ州グアリバ市の市民のうち、大統領決選投票時にルーラ候補を支持したのは94%、87%の市民がボルサ・ファミリアールを支給されているアクウアン市でも90%がそれぞれルーラ候補を支持した。(6日付けガゼッタ・メルカンチル紙)


ブラジル大企業は海外で資金調達

ドル値、金利やカントリーリスクの低下に伴い、ブラジル大企業の海外での資金調達が容易になってきており、カナダ資本のインコ社を180億ドルで買収したヴァーレ・ド・リオドーセ社は、50億ドルの社債を海外市場で発行する。

ペトロブラス社は償還期間が10年物で年利6.185%の5億ドル分のインターナショナル・ファイナンス債を先月に起債した。

またヴォトランチンは償還期間が2014年の3億ドル分の社債を年率7.975で起債、グループ傘下の銀行が社債発行の管理を行なう。ブラスケンは償還期間が2017年2月の社債を2億7,500万ドル、フリボーイ社も10年物の社債を3億ドル発行している。(6日付けガゼッタ・メルカンチル紙)


【ブラジル経済情報】 速報 11月01日

今年9ヶ月間のイタウー銀行の純益は30億3,000万レアル

今年9ヶ月間のイタウー銀行の純益は、ボストン銀行合併で17億4,000万レアルを費やしたにもかかわらず、30億3,000万レアルで、昨年同期の38億3,000万レアルを僅かに下回り、予定以内に収まっている。

また純資産に対する収益率は22.6%であったが、ボストン銀行を買収しなければ純益は48億レアルで、収益率は35.8%であった。

ボストン銀行合併で総資産は、最終12ヶ月間で前年同期比41.8%増加の2,069億4,000万レアル、クレジット部門も45.9%増加の899億レアル、個人向けクレジットが46.8%増加、特に自動車購入ローンが66.7%増加の157億7,000万レアルに達した。(1日付けガゼッタ・メルカンチル紙)


ブラジルとアルゼンチンはバイオジーゼル生産で競争

ブラジルのバイオジーゼル生産は、連邦政府主導で零細農家に生産奨励をしており、バイオジーゼル生産大手のペトロブラス、ADMやイピランガ社のポートフォリオとなっており、2007年末までに7億レアルを投資して、17億リットルのバイオジーゼルを生産するが、連邦政府が2008年1月から8億リットルに相当する2%のバイオジーゼル混入を義務付けているが、充分賄える生産が予定されている。

しかしアルゼンチンは国内向けではなく、ヨーロッパ向けのバイオジーゼル生産をターゲットにしており、2010年からヨーロッパ向け輸出を予定しているブラジルに先駆けて、ヨーロッパ市場のシェア独占を狙っている。

アルゼンチンは2007年末までに2億8,550万ドルを投資して、13件のバイオジーゼルプロジェクト完成を予定しているが、76%はヨーロッパ向け輸出のプロジェクトであり、2010年には7億リットルのバイオジーゼル生産を予定している。

ブラジルは12件のバイオジーゼル生産プロジェクトが連邦政府によって承認されており、2億8,000万リットルを生産するが、すでに生産許可待ちの14件のプロジェクトが稼動すれば、年間17億リットルのバイオジーゼルの供給が可能となる。(1日付けガゼッタ・メルカンチル紙)


10月の投資は株がダントツ

10月の株式投資は7.72%の利益率を確保して、8ヶ月ぶりに投資益トップに返咲き、今年の累積利益率は17.36%となった。

10月の投資益2位には金が1.69%で、今年は9.33%の利益率を確保、続いて固定金利預金が1.24%で今年は12.91%となっている。

10万レアル以上の銀行預金(CDB)の投資益は1.09%で、今年は12.86%となっているが、大統領選挙の影響で9月の投資益トップであった商業ドルは、マイナス1.29%と下げて、10月の総合市場物価指数(IGP-M)0.47%を下回ったが、今年は7.83%の投資益となっている。(1日付けエスタード紙)


出稼ぎからの送金増加は自国通貨の上昇及び輸出に影響

先進諸国に出稼ぎに行っているラテンアメリカ諸国への本国送金は、自国通貨の為替高を招いて、輸出競争力を失う「オランダ病」に陥る危険を含んでいる。

昨年のラテンアメリカ諸国への本国送金は480億ドルに達して、特にホンジュラス及びエルサルバドールではGDP比15%に達し、ラテンアメリカ諸国の自国通貨の為替に対して3%~24%も影響している。

カリブ諸国では30%が先進国へ出稼ぎに出ており、ラテンアメリカ諸国では園比率は10%に達しており、出稼ぎの本国送金がGDP比1%上昇すると貧困率は0.4%減少する。

メキシコ本国への出稼ぎからの送金は、世界トップで年間218億ドルに達するが、ブラジルへの本国送金は年間35億ドルで11位となっている。(1日付けエスタード紙)

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