新年会が1月12日正午から150人が参加して開催、西林総領事や田中会頭の新年の挨拶

商工会議所の新年会が1月12日正午から、サンパウロ市内のブルーツリー・モルンビーホテルに150人が参加、西林万寿夫サンパウロ総領事並びに田中信会頭の新年の挨拶、2007年度の常任理事・監事の紹介などが行なわれ、特別注文のおせち料理に舌鼓を打って、幸先よい新年を祝った。

進行役は平田藤義事務局長が担当、初めに特別ゲストの西林万寿夫サンパウロ総領事を紹介、新年の挨拶では今年は第二次ルーラ政権の発足で政治は仕切り直し、経済政策に大きな変化は期待できない。しかしサンパウロ州のセーラ知事は4年後の大統領選を見据えて色々な改革を訴えており、昨年のPCC事件では世界的に報道されて、ブラジルのマイナスイメージになっており、海外からの投資に悪影響を及ぼしかねないので、治安強化をプライオリティーにして欲しいと訴えた。

またサンパウロ州、リオ、ミナス及びエスピリット・サント州の知事達から治安強化の要望書が連邦政府に提出、治安改善が急務を要しており、総領事館でも年2回の海外安全対策会議を開催して、安全対策啓蒙に務めているが、メールサービスも行なっているので相談して欲しいと説明した。

昨年末にサンパウロで開催された官民合同会議では有意義な意見交換がされたが、もっと官民の意見交換するために定期会議の開催決定、また2008年の日伯交流年・移民100周年祭などの準備のための定例会議に出席してきたが、漸く免税手続きの取れる受け皿機関が出来る予定となってきたと説明した。

田中会頭は新年の挨拶で、ブラジル経済の成長率はBRICs諸国や新興国に比べて低いが、最近漸く日本から明確な戦略を持った企業の進出が目立ってきた。特に自動車関連の裾野産業、エタノール関係、温暖化ガス排出権取引関係など多岐にわたっている。

また今年の会議所方針として三つの基本方針の推進および公共団体としての役割を果たしてゆく。また重点施策として会員増加による基盤強化と活動内容の一層の充実、日伯EPAの早期締結要請で経団連並びにブラジル工業連盟(CNI)との共同歩調、インフラ整備などのための連邦政府へ提言や要請、日伯交流年や日本移民100周年祭支援するために、サンパウロ総領事館と会議所常任理事会との意見交換会の設置などについて説明した。

2007年度の常任理事と監事会の紹介では石川清治副会頭、岩村哲夫副会頭、松田雅信副会頭(常任理事会出席、西林総領事の新年挨拶後早退)、大前孝雄副会頭、窪田敏朗専任理事、押切壮(つよし)フラビオ専任理事、渡邉裕司専任理事、宮田次郎専任理事、福田勝美(かつよし)専任理事、阿部 勇専任理事がそれぞれ紹介され、今年の抱負を述べたが、田中一男専任理事と寺本久男専任理事は出張の都合上、出席できなかった。その後に山田唯資監事会議長、中村敏幸監事、藤井敏晴監事が紹介された。

連絡事項では大前孝雄日伯経済交流委員長が3月予定の日伯経済合同委員会開催、渡邊裕司コンサルタント部会長は今月23日に開催される経済セミナーの案内を行なった。会社代表挨拶では岡田英樹資生堂社長が新任の挨拶、新入会員紹介ではHARMAN社の河崎秀雄社長、Selecoes・Economicas社(実業のブラジル)の永田翼社長が新会員入会挨拶を行い、田中会頭から会員証が授与された。3分間スピーチではサンパウロ新聞社の高坂ジルベルト社長が日本語継承の重要性について素晴しい日本語のスピーチを行なった。

 

サンパウロ新聞社の高坂一郎ジルベルト新社長のスピーチ原稿を下記のように掲載致します。

皆様あけましておめでとうございます。今年も皆様のご健康とご活躍をお祈りいたします。
ご紹介に預かりましたサンパウロ新聞社代表取締役社長の高坂一郎ジルベルトです。この場でブラジル日本商工会議所会員の皆様にご挨拶申し上げることをこの上ない喜びといたします。
ご承知の方もおありでしょうが、私は昨年10月、サンパウロ新聞社の社長に就任いたしました。それに驚いた方もおられ、どういうつもりなのか、と聞かれたものでした。私は即座に答えました。それは、日系人の一人として、われわれの父祖の言葉を継承していくことが使命と心得ているからです。しかし、サンパウロ新聞社長の重責を引き受けるまでは、年齢がすでに60歳に達し、このブラジルで教育を受け、すっかりブラジル人となっている私をためらわせました。しかし、引き受けることを決心させたのは日本人社会の「義理」と「人情」そして「恩義」のしがらみでした。私の顔と心は日本人なのです。
日本語をブラジルで常に広めていく最良の手段のひとつは、やはり新聞だと考えます。しかし、毎日、日本語の活字で紙面を埋めるのは大変な作業です。私は、それに引かれてあえて社長を引き受けました。理想に向かって進むことを決心しました。
社長を引き受けなければ、安穏とすごすこともできましたが、私の誇りがそれを許しません。このため、残る人生を全力尽くして新聞活動に捧げることにいたしました。
ブラジルはもとより南米諸国に日本語を広めることに
共感される方も多いはずです。私一人で頑張ってもどうにもなりません。皆様、とりわけここにご出席のブラジル日本商工会議所会員のご理解とご協力をいただきたいと存じます。日本語を継承しようという皆様と一緒に日本語を継承しようという闘志を決して失うことはありません。しかし、支援がなくなり、矢が尽き、「ラストサムライ」のように戦いに敗れても自分の誇りを保ち続けられると思っています。
終わりにあたり、私と同じように日本語の継承が大切だと考えている皆様と手をつなぎ、日本語を残していきたいと思っております。
皆様ありがとうございました。

フォトギャラリー

https://camaradojapao.org.br/jp/?p=33685