【ブラジル経済情報】 速報 2月28日
1月の連邦政府のプライマリー収支黒字は117億レアル
国税庁、社会保険院(INSS)及びブラジル中央銀行で構成される連邦政府の1月の財政プライマリー収支黒字は117億6,400万レアルで、1月の月間記録を更新した。
全体の収入は前年同月比14.3%増加、国税庁は14.1%、社会保険院は15.5%増加、今年の予算編成法(LDO)の連邦政府のプライマリー収支黒字目標は711億レアルであり、充分に達成できると予想されている。
昨年1月の国税庁の支出では、社会保障費関係の裁判判決の支払いに23億レアルであったが、今年は支払いを2月及び3月に先送りしている。また昨年1月のパイロット投資プラン(PPI)に1億7,100万レアルを支出したが、今年1月は5,140万レアルに減少している。(28日付けエスタード紙)
コモデティー商品の輸出比率が高すぎる
ブラジル貿易会(AEB)では、ブラジルの輸出総額に占める製品化されたコモデティー商品関係の比率は56%に達して、特に中国の経済成長の先行き不安 や米国のリセッションでコモデティー商品価格は大きい影響を受けるために、その比率を25%から30%に下げる必要がある。
昨年の完成品の輸出比率は41.7%であったが、産業開発省の統計では製品化されたコモデティー商品を完成品とみなしているために、54%とAEBとの統計に大幅な開きが出ている。
またレアル高の為替の影響で、2005年の製品化されたコモデティー商品を除いた完成品の輸出額の比率は43.8%であったが、昨年は41.7%に下げた。大豆、原油やコーヒー豆などの原材料コモデティー商品は29.35%及び29.3%、大豆油、パルプや粗糖などの半製品コモデティー商品は13.49%から14.2%と僅かに比率を上げた。(28日付けエスタード紙)
昨年のブラジル銀行の純益は60億レアルを突破
昨年のブラジル銀行の純益は前年比45.5%増加の60億4,400万レアルで、ブラジルの銀行の中で最高の純益を記録した。
昨年第4四半期の純益は、前年同期比69.4%の大幅増加で12億4,800万レアルを記録、年間の収益性は32.1%、クレジット部門の伸び率は平均の20.8%を大幅に上回る30.8%を記録した。
ブラジル銀行の昨年の純資産は23.2%増加の208億レアル、総資産は17.1%増加の2,963億5,600万レアル、給与・年金口座天引き型ローンは117.8%の大幅増加で83億レアルとなったが、今年は130億レアルを見込んでいる。
大半の銀行は不渡り率増加傾向にあるが、ブラジル銀行では60日遅延の不渡りの可能性のある貸出は、2005年の4%から2.9%、90日遅延は3.4%から2.5%とそれぞれ低下している。(28日付けエスタード紙)
トラック業界は増産体制に入る
昨年のトラックや農業機械生産は前年比5.1%落込んだが、今年は3%から7%増加で8万1,000台を予想、27年間では2004年の8万3,000台に次ぐ生産台数を予想している。
これは昨年の農業危機から一転して農作物の増産に対する農業機械の販売増加、鉱工業部門への特殊大型トラックや経済成長加速プログラム(PAC)による輸送用車両の販売増加を見込んでいる。
ヴォルヴォ社ではクリチーバ工場に6,000万ドルを投資してトラックを増産、ワーゲン社はレゼンデ工場で大型トラック及び砂糖キビ収穫機の開発に4,800万ドルを投資する。(28日付けエスタード紙)
【ブラジル経済情報】 速報 2月27日
1月の社会保障費赤字は25.9%減少
正規登録雇用の増加、傷病手当給付や障害厚生年金支払いの厳格化などで、1月の国立社会保険院(INSS)の社会保障費赤字額は、前年同月比25.9%減少の37億レアルになった。
しかし1月の社会保障費の赤字総額は472億レアルに達しており、昨年12月の赤字は49億レアル、そのうちの62%に相当する23億レアルは農村部の年金・恩給や失業手当て支払いであった。
正規雇用増加による収入は、前年同月比12%増加の94億8,000万レアルとなり、またINSS徴収金管理のために国税局と連携して不正給付摘発に乗り 出した事も赤字幅を下げており、傷病手当や障害厚生年金給付に対する検査の厳格化や年金受給者再登録による不正受給摘発も効果を奏しているが、未だに傷病 手当受給者は130万人に上っている。(27日付けエスタード紙)
リオドーセが6億5,000万ドルでオーストラリアの石炭鉱山買収
数ヶ月前にカナダのニッケル鉱山インコ社を180億ドルで買収したヴァーレ・ド・リオドーセ社は、オーストラリアの石炭生産AMCI社を6億5,000万ドルで買収した。
この買収劇でリオドーセ社は2010年の石炭生産量を現在の3倍の3,000万トンまで引上げ、世界ランク10位内を目指している。生産量の内訳はオーストラリアのAMCI鉱山及びベルヴェデーレ鉱山がそれぞれ800万トン、モザンビークのモアチゼ鉱山1,200万トン、また中国でも年産250万トンの石炭生産に投資する。
今回のオーストラリアの石炭鉱山AMCI買収はアジア市場をターゲットにしており、特に韓国、日本及び中国の製鉄所向けコークスが大半を占めており、世界の年間使用量50億トンのうち製鉄所向けコークスは、僅かに7億5,000万トンを占めている。(27日付けエスタード紙)
ブラジルでポルトガルの遠隔画像診断サービス
サンパウロのフレウリ研究所の画像診断部門は、ポルトガルのポルト市のGAER病院から送られてくるCTや磁気共鳴画像診断装置のデジタル画像診断を48時間以内に返送する支援サービスを昨年の下半期から開始した。
GAER病院はフレウリに画像診断支援サービスを依頼する前に、インドのサービス会社と提携したが、言葉の問題や診断サービスが満足できるまで達しなかった。フレウリでは今年1年間で海外向けに1万件の画像診断を予定している。
米国の中小病院ではインド及びオーストラリアから画像診断支援サービスを受けているが、ブラジルのフレウリでは両国に対して時差のデスヴァンテージを補う ために、1時間以内の画像診断で米国の顧客取り込みを計画しており、5年以内に売上げの5%を、海外からの画像診断支援サービスで予定している。(27日付けエスタード紙)
1月の個人ローン金利は僅かに上昇
1月の個人貸出平均金利は年間39.8%から39.9%と僅かに上昇、またスプレッドも27.2%から27.4%に上昇した。
口座借越残高は年末の休暇旅行、入学金や学用品の購入、自動車所有税(IPVA)や都市不動産所有税(IPTU)などの支払いで出費がかさみ、前月比13.2%増加の133億レアルを記録しているが、口座借越残金利は142%から141.9%と僅かに下げている。
口座借越残金利は個人向けローン金利52.7%や給与・年金口座天引き型ローン39.2%と比較して非常に高いが、1月の141.9%は2004年1月以来の低率となっている。(27日付けエスタード紙)
【ブラジル経済情報】 速報 2月26日
多くの企業は資金調達の軸足をBNDES銀行から株式市場に移動
多くの大企業は資金調達先として、社会経済開発銀行(BNDES)や金利の高い金融市場から株式市場に軸足を移動、昨年は前年比78.9%増加の1,102億レアルを調達、今年は更に30%増加が予想されている。
昨年の株式市場での資金調達のうち、社債発行は695億レアルで前年比67.4%の大幅増加、株式上場による調達は142億レアルで前年比3倍以上と大幅に増加しているが、上場に要するコストは100万ドルから150万ドルと決して安くはない。
全国経営・財務エグゼクチヴ協会(Anafac)では、資金調達に株式市場活用が増加してきたのは、金融市場では法人向け融資が月利4.19%、年利 63.65%とまだまだ高利であり、社会経済開発銀行(BNDES)からの融資は長期ローン金利(TJLP)が8.75%プラス年間0.5%から2%の手 数料と、低利であるがプロジェクトの承認が必要であり、企業買収や合併資金として使用できない。(26日付けエスタード紙)
1月の国際収支は3億2,500万ドルの黒字を計上
1月の国際収支は海外からの直接投資および中銀の48億3,200万ドルのドル介入などで3億2,500万ドルの黒字を計上、昨年同月の3億800万ドルの赤字から一転して黒字となった。
また貿易収支は24億9,400万ドルの黒字を計上したが、所得収支は25億1,900万ドルの赤字であったが、利益送金部門では3億5,000万ドルの黒字となった。
1月の海外からの直接投資は24億1,200万ドルで、2000年1月以来の投資高を記録、最終12ヶ月間では197億2,000万ドルで、昨年の直接投資残高は180億ドルが見込まれている。
昨年のブラジル企業の海外直接投資の内訳は、鉱工業部門が全体の67.4%で155億6,000万ドル、ファイナンス部門は11.2%の25億8,700 万ドル、アウトソーシングなどのサービス業3.1%の7億2,500万ドル、食料・飲料6.5%15億500万ドル、繊維2.90%の6億6,600万ド ル、金属部門2.7%の6億1,200万ドルとなっている。(26日付けガゼッタ・メルカンチル紙)
ドル安で医薬品の輸入が急増
昨年のブラジルの医薬品の輸入は大幅なドル安の為替で、前年比30%増加の24億9、000万ドルであった。原材料の輸入は1.8%増加の11億5、000万ドルに留まっているが、完成医薬品の輸入が17億1、000万ドルで2003年の倍増となっている。
医薬品輸出は6億1、370万ドルで前年の7億5、580万ドルよりも減少しており、貿易赤字は28億8、000万ドルで前年の24億1、000万ドルから大幅に上昇している。
2003年度の医薬品輸入は14億1、000万ドルで、昨年の24億9、000万ドルと2倍近い伸びとなっているが、原材料輸入は8億8、000万ドルから11億5、000万ドルとそれほど伸びていない。(26日付けガゼッタ・メルカンチル紙)
【ブラジル経済情報】 速報 2月22日
今年の貿易総額は2,600億ドル
ブラジル貿易協会(AEB)は、今年の貿易総額を2,400億ドルから2,600億ドル、5年前の2002年の1,076億ドルの倍以上の貿易総額が予想されている。
輸出はコモデティ商品価格の高止まりで1,380億ドル、輸入はドル安で国産原料や完成品が輸入製品に取って代わってきており、輸入総額は初めて1,000億ドル突破が予想されている。
1990年代中頃のレアルプラン初期はレアル高で輸入製品が急増したが、2002年のレアル通貨暴落後は輸出が急増したが、一昨年からは輸出入共に増加してきている。(22日付けエスタード紙)
アルセロールはゲルダウと製鉄所買収合戦を展開か
年産1億トン以上の巨大鉄鋼生産会社アルセロール・ミッタル社傘下のアルセロール・ブラジル社は、南米での棒鋼生産会社買収でゲルダウグループとの競合が予想されている。
アルセロール・ブラジルは、ツバロン製鉄所、ヴェガ・ド・スール社とベルゴ社を傘下に収めて、アセジッタ社にも資本参加しているが、ピックアップした20社の中から、年産100万トン以下の棒鋼メーカー買収を検討している。
しかしゲルダウも昨年は10億ドルを投資して、ペルーのシデルペルー社、米国のカラウエイやスペインのシデノール社など6社を買収、またコロンビアの製鉄 会社の入札にも参加を予定しており、2009年までに40億ドルを投資して製鉄会社を買収するが、16億ドルは海外での投資である。(22日付けエスタード紙)
チリのアラウコ社がブラジルで植林事業に進出
チリ最大財閥であるアラウコ社は、ブラジルでの植林事業に進出するためにパラナ州で製材工場及び植林地の買収交渉を行なっている。
アラウコ社はスエーデン・フィンランド資本のストラ・エンソ社と元インパセル社の製材工場及び5万ヘクタールのうち3万ヘクタールにパラナ松が植林済みの 植林地の買収交渉を行なっており、製材工場は3,000万ドルから5,000万ドルと見込まれているが、5万ヘクタールの植林地を加えれば1億5,000 万ドルに達する可能性がある。
アラウコ社の年商は23億ドルに達するが、パルプ部門では世界トップメーカーに数えられており、ブラジル進出は2005年に4億2,800万ドルを投資して、パラナ州でフランス資本の結合材生産会社Louis・Dreyfus社を買収している。(22日付けヴァロール紙)
【ブラジル経済情報】 速報 2月16日
デジタルTV部門に10億レアルのクレジット
社会経済開発銀行(BNDES)は2013年までに、デジタルテレビ部門に総額10億レアルのクレジット枠を確保、コスタ通信相は7月からサンパウロ市内での試験的デジタルテレビ放送を開始、年末には商業放送開始予定を発表した。
チューナー(セット・トップボックス)製造会社は今年年末には出荷、またテレビメーカーでは、デジタルテレビの出荷は来年中頃を予想している。
BNDES銀行の最低クレジット額は1,000万レアルであるが、テレビ放送局向けクレジットは最低500万レアル、コンテンツ制作会社向けは最低300万レアル、チューナーやテレビメーカー向けは最低40万レアルから100万レアルとなっている。(16日付けエスタード紙)
ブラジルは天然ガス価格などでボリヴィアに大幅に譲渡
14日にボリヴィアのモラーレス大統領が来伯、ルーラ大統領とガス輸出価格見直しで交渉していたが、ブラジル側は天然ガス価格を国際ガス価格に追従することに同意、実質的には年間1億ドルの値上げとなる。
またボリヴィア側は天然ガス国有化政策で中断されていたペトロブラス社の3億ドルを投資して、南マット・グロッソ州とボリヴィアのサンタ・クルース市の間にガス・化学コンビナート建設の再開の確約を取付けた。
ブラジルは大豆を原料としたバイオジーセル製油所をサンタ・クルース市に5,000万ドルを投資して建設しなければならないが、この投資で農地改革で脅かされていた、ボリヴィア国内のブラジル農家の土地接収の可能性は薄らいだ。
またボリヴィア国内で発生している口蹄疫の衛生コントロールのために、技術者ミッションの派遣及び300万カプセルのワクチンの無償譲与をする。マデイラ河国境地帯での水力発電建設、両国間を結ぶ橋やラパスとボリヴィア北部を結ぶ道路建設の検討も約束してボリヴィア側に大幅譲渡した。(16日付けエスタード紙)
1月の税収は386億レアルで月間記録
1月の連邦国税庁の税収は、石油部門のローヤリティー収入の大幅増加などで、前年同月比10.51%増加の385億7,700万レアルで、月間記録を塗り替えた。
国税庁の管轄化に置かれた国立社会保険院(INSS)の1月の徴収金は、11.635増加の113億200万レアルと大幅に増加、また前払いの法人税は6億7,000万レアルで、前年の3億900万レアルの2倍以上となった。
1月の純益に対する社会納付金(CSLL)の前払い金額は、10.7%増加の2億1,500万レアル、また支払い遅延していた税金の徴収総額は、7億4,800万レアルであった。(16日付けエスタード紙)
【ブラジル経済情報】 速報 2月15日
昨年のICMS税は1,698億レアル
昨年のブラジルの各州及び連邦直轄区が徴収した商品流通サービス税(ICMS)総額は、前年比9.7%増加の1,698億4,000万レアルに達し、2003年からの4年間では42.45%の増加を記録しているが、この間のインフレは25.69%であった。
全国州財務長官協議会(CONFAZ)は、昨年の南東地域のICMS税徴収総額は974億レアル、4年間では44.73%、北部地域は53.29%と大幅に増加したが、南部地域は29.6%とインフレを僅かに上回った。
州別ではサンパウロ州が577億9,000万レアル、ミナス州は170億1,000万レアル、リオ州は148億レアルであった。また昨年の連邦政府の税収は、前年比8.83%増加の3,925億4,000万レアルであった。(15日付けガゼッタ・メルカンチル紙)
ウニバンコ銀行は5位にランクを下げた
ウニバンコ銀行の昨年の売上げは1,038億レアル、1,208億レアルのABNレアル銀行及び1,072億レアルのサンタンデール・バネスパ銀行に追越されて、民間銀行3位から5位にランクを下げた。
最近2年間のウニバンコ銀行は、個人クレジット部門の不渡りが増加したためにクレジット部門にブレーキをかけ、昨年は同部門の売上げは13.8%の増加に 留まったが、ブラデスコ銀行18.6%、イタウー銀行38.8%、レアル銀行25.6%、バネスパ銀行は29.4%とそれぞれ大幅にクレジット部門の売上 げを伸ばした。
昨年のウニバンコ銀行の売上げは前年比13.1%増加したが、ブラデスコ銀行やイタウー銀行同様に銀行買収資金の償却を実施したために、純益はマイナス4.8%となった。(15日付けエスタード紙)
タタとファイアットはブラジル市場向けにアルゼンチンでピックアップ生産
インドの自動車メーカートップで年間生産台数400万台のタタ社とファイアット社は、主にブラジル市場向けピックアップ車の生産を、2008年からアルゼンチンのメンド―サ市で生産開始すると発表した。
ファイアット社は2000年以来自動車生産を中止して、ブラジル向けにエンジンとクラッチのみを生産しているメンドーサ製造工場に8000万ドルを投資して、自動車製造ラインを整備する。
アルゼンチンで生産される年間2万台のピックアップ車のエンジンは、ブラジルのファイアット社のミナス工場で生産、メルコスール域内で70%以上の自動車部品調達を予定している。
インドでタタ社に次ぐ自動車メーカーのマヒンドラ社は、ブラジルのブラモント社と共同で、今年4月からマナウス市で月間200台の商業車の生産を開始して、ブラジル市場に参入する。(15日付けエスタード紙)
ウラン鉱の埋蔵量は80年分
ブラジル原子力発電委員会(CNEN)は、ブラジル国内のウラン鉱埋蔵量は31万トン、現在の原子力発電所の発電能力2000MHの4倍の8000MHのエネルギー生産の80年間分の埋蔵量が確認されている。
CNENはアングラ原子力発電所1号及び2号の発電能力2000MHで、ブラジルの電力エネルギー比率は2%であるが、2030年までに5%まで上昇させるために、連邦政府に原子力発電所建設計画を提示した。
CNENは科学技術省に対して、今後3年おきに原子力発電所を建設して、2030年までに6ヶ所の原子力発電所建設構想を立てているが、投資金額は240億レアルに達する。(15日付けエスタード紙)
【ブラジル経済情報】 速報 2月13日
今年下半期にはドルを1.90レアルと予想
輸入増加傾向にあるにも関わらず、今年の7月には1ドル2.0レアルを割り1.90レアルまでのドル安をRCコンサルタント社では予想している。
同社のチーフエコノミストであるマルセウ・ペレイラ氏は、今年末のSellic金利を11.5%と予想、継続するカントリーリスクの低下、好調な輸出の増 加や連邦政府のドル介入で1,000億ドルに到達する外貨準備高など、ブラジル経済の良好なシナリオで、ますますレアル高が進行すると予想している。
ペレイラ氏は、国内銀行の融資金利が個人向けで年率39.8%、法人向け金利は26.2%とまだまだ高く、大企業は運転資金用に海外で年率5.0%の資金を調達、また輸入業者は輸入代金支払いのためのドル購入を、先送りしていることもレアル高に傾いている。
ブラデスコ銀行のエコノミストは、サンパウロ工業連盟(Fiesp)がドル安で輸入製品増加しているために、工業界に打撃を与えて反工業化が進むとクレー ムを付けているが、カントリーリスクの低下によるブラジルの信頼回復で、投資家を呼び戻す良い機会であり、レアル高で四苦八苦している製造業は、エフィシ エンシー回復のプロセスの中にあり、国際競争力を付ける新しい局面に入ったと説明している。(13日付けガゼッタ・メルカンチル紙)
昨年の鉱工業成長率は北東地方が牽引
国際コモデティ価格の高騰で、ブラジルの北東地方の鉱工業成長率は、平均以上の伸び率で牽引車となったが、農業危機に見舞われた南部地方はマイナス成長を記録した。
昨年のブラジルの鉱工業成長率は2.8%であったが、鉄鉱石や石油価格が高止まりした鉱業、製鉄や金属などの製造業、石油やアルコール精製部門がペルナンブーコ州の鉱工業成長率を4.8%、バイア州の3.2%に押上げた。
またバイア州では紙・パルプ部門の成長率は18.6%、ペルナンブーコ州ではプラスティック・ゴム部門が27.7%と大幅に伸び、セアラー州では機械・装置や電気材料が71.9%、繊維11.5%、化学製品が31.8%と大幅に伸びた。
しかし農業危機や鳥インフルエンザで打撃を受けた南大河州は、前年のマイナス3.5%に続いて、昨年はマイナス2.0%と2年連続でマイナス成長を記録、 パラナ州は為替の影響で自動車部門が-20.5%、木材が-12.7%と落込んでマイナス1.6%を記録したが、サンタ・カタリーナ州は辛うじて0.2% のプラスとなった。(13日付けエスタード紙)
昨年のブラデスコ銀行の純益は8%減の50億5,400万レアル
昨年のブラデスコ銀行の純益は、前年比8%減の50億5,400万レアルになったが、アメリカン・エクスプレス、BBVA銀行、セアラー州立銀行やマラニャン州立銀行買収資金の償却を実施したために純益が低下した。
しかし銀行クレジットは、前年比24%と大幅に増加して1,160億レアルに達したが、60日以上の不渡り・返済遅延率は、昨年の第1四半期は6.1%であったが、第4四半期には7.6%まで上昇している。法人向け返済遅延率は、2.2%から2.3%と僅かに上昇した。
ブラデスコ銀行の売上げは、前年比27.2%増加の2,655億レアル、純資産は26.8%増加の246億レアルとそれぞれ増加したが、収益性では前年の32.1%から30%に低下した。銀行の利益の内訳は、保険部門が前年の29%から34%に増加、サービス部門26%、クレジット部門23%であった。(13日付けエスタード紙)
【ブラジル経済情報】 速報 2月12日
輸出部門の38%が為替の悪影響を受けた
工業輸出部門の61.8%がレアル高に振れている為替の影響を受けておらず、むしろ化学、電気電子や通信部門などでは、レアル高で高品質の原料が安価に輸入できるために、輸出製品の価格競争に良い影響を与えている。
しかし輸出部門の38.2%を占める履物飲料や食品部門は、レアル高で価格競争を失っており、またアジアからの製品輸入急増で、国内外のマーケットシェアを失っている。
ウエストLB銀行が70カ国を対象に、2002年と現在の各国のドルに対する為替変動調査によると、ブラジル通貨の実質上昇率は、9.97%の増加率で 32番目の上昇率であり、ニュージーランド通貨は64.12%、ヨーロッパ連合国46.11%、カナダ35.37%、ロシア15.66%、インドネシアが 14.89%とブラジル通貨よりも大幅に上昇しているが、ドル安傾向は今後2年間継続すると予想している。(12日付けガゼッタ・メルカンチル紙)
消費者金融で自動車ローン利子は最も低いが銀行間でばらつき
政策金利(Selic)低下に伴って、消費者ローンの利子が下がってきており、自動車ローンの利子は最も低率となってきているが、月間1.2%から4.5%と銀行によって大幅なばらつきがある。
ブラデスコ銀行の自動車ローンは、クレジット開設手数料などを含んだ月利は1.3%から5.1%で平均1.90%、イタウー銀行の平均は2.84% ウニ バンコ銀行2.57%、ファイアット銀行2.30%、VW銀行2.04%、パナメリカーノ銀行は3.46%、ロドベンス銀行は1.58%、BIC銀行は 1.60%となっている。
自動車ローン利子が消費者金融で最も低率なのは、ブラジル人気質である自家用車への思い入であり、家賃や子供の学校の月謝支払いを停滞させても、自動車ローン支払いを優先しており、不渡り率は非常に低いことが指摘されている。(12日付けガゼッタ・メルカンチル紙)
設備投資部門は好調維持
経済成長の先行きが明るくなってきたのに伴って、設備投資用資本財の機械・装置部門は好調を維持しており、昨年の設備投資用機械・装置部門は5.7%増加したが、為替の影響で輸入製品が24%増加、輸出はマイナス0.6%であった。
今年は世界的需要の鉄鉱石、アルミや銅などの鉱工業界への機械・装置の売上げは30%増加が見込まれている。工業用コンプレッサー製造のスエーデン資本アトラス・コプコ社の今年初めの受注算は、昨年同期の倍以上で好調が予想されている。
昨年の電力エネルギー部門への機械・装置の資本財は22.22%増加、建設部門は8.17%であったが、農業危機に見舞われた農業機械部門への製品販売はマイナス16.46%、農業機械部品への販売はマイナス38.92%と大幅に落込んだ。(12日付けヴァロール紙)
エウロファルマが来年に売上げ10億レアルクラブ入りするか
エウロファルマ製薬の昨年の売上げは前年比26%と大幅に増加して、9億4000万レアルを達成して業界ランク5位になったが、今年の売上げを20%増加の11億3000万レアルと見込んでおり、売上げ10億レアルクラブ入りを達成する可能性が出てきた。
製薬業界で10億レアルの売上げを達成しているのは、アシェ研究所及びEMSシグマ‐ファルマグループの2社のみであり、売上げが業界3位になる可能性も大いにある。
同社の売上げは自社ブランドが売上げの50%を占めるが、ジェネリック医薬品は18%を占めて業界では4位、32%が動物用医薬品及び研究所向け製品であった。(12日付けガゼッタ・メルカンチル紙)
【ブラジル経済情報】 速報 2月08日
昨年の工業製品輸出量減少は価格調整で補った
昨年1年間でドルに対してレアル通貨が11.8%も上昇したために、工業製品輸出では収益率が圧迫されて輸出量が減少したが、多くの部門では輸出価格を10%から12%の値上げで収益率を引上げたために、輸出総額ではそれほど減少しなかった。
昨年の自動車輸出量は-8.5%、機械類・トラクタ-5.0%、木材・家具-7.8%、繊維は-9.4%それぞれ減少したが、地理的に近くて貿易協定を結 んでいる経済好調なアルゼンチンやヴェネズエラを中心とした、中南米向け自動車の輸出価格を12.6%値上げしたために、輸出総額は3.1%の黒字となっ た。
また機械・トラクターも12.1%、木材・家具が10.7%の値上げをしたために、数量減をカバーしたが、繊維は6.3%の値上げに留まったために、輸出総額はマイナス3.6%と落込んだ。
自動車部品及び履物部門は、レアル高による収益悪化を補うために、輸出量を1.3%、4.0%それぞれ増加した。また国際商品価格が好調な鉱物の輸出量は5.0%、コーヒー6.0%、パルプが7.0%それぞれ増加した。
特に石油生産量が増加したペトロブラス公社の石油・石炭輸出が34%と大幅に増加、石油輸出額は70億ドルに達して、ここ5年間でブラジルの輸出に占める割合が、1.0%から5.0%に上昇している。
ドル安になってきた為替で製品輸出の伸び率は鈍化してきているが、2003年は21%、2004年は26%それぞれ増加したが、2005年は11%、昨年は2.0%の増加に留まった。
しかしドル安の為替は輸入に拍車をかけており、石油及び食肉部門を除く多くの部門で、20%の以上の輸入増加しており、自動車は70%、繊維38%、衣類24%、電気部品23%、履物12%、機械・トラクターが16%増加している。(8日付けヴァロール紙)
グローバル化を進めるゲルダウ社は今後3年間で40億ドルを投資
グローバル化を進めているゲルダウ社は、今後3年間に4総額40億ドルを投資して、収益性を上げながら競争力を高めて業界のリーダーを目指している。
この40億ドルの投資で、鉄鋼の生産能力を12.5%増加の2,160万トンまで引上げ、内訳ではブラジル国内生産能力は14%増加の1,060万トン、米国などの海外は10%増加の1,100万トンを見込んでいる。
特に鋼板増産を目標に鉄鋼メーカーの買収、シデルペルー社やアソミナス社を傘下に収め、南米や北米で買収物件を検討しており、インド及び中国などでのジョイントベンチャー物件も探している。
昨 年のゲルダウ社の純売上げは、9.8%増加の235億1,000万レアル、ブラジル国内の売上げは、マイナス6.4%の96億5,000万レアルであった が、米国での売上げは、6.7%増加の107億3,000万レアル、最も増加したのは南米地域の前年12億レアルから23億2,000万レアルと倍増し た。
今年のブラジル国内の売上げは、経済成長加速プログラム(PAC)による売上げを計算に入れないで6%から8%の増加、ラテンアメリカ地域は7%の増加を見込んでいる。(8日付けガゼッタ・メルカンチル紙)
レアル建外債で15億レアル
7日にブラジル連邦政府国庫局は、償還年が2028年のレアル建外債であるグローバル債を起債して15億レアルを集めた。年利は10.68%で、JPモーガン及びUBS投資銀行が担当した。
レアル建外債の起債は5回目であり、第1回目は2005年9月で償還は2016年、年利は12.75%で34億レアルを集めたが、レアル建外債の総額は79億レアルに達している。
今後もレアル建ての外債発行は増加する傾向にあり、また償還期間も長期になってきており、ローカル通貨建外債は海外の金融危機に影響されにくい。(8日付けガゼッタ・メルカンチル紙)
【ブラジル経済情報】 速報 2月07日
金融業界は中銀に政策金利の切下げ圧力
昨日は中銀が4億8,000万ドルのドル購入に介入したにも関わらず、レアルがR$2,086と一層のレアル高に振れ、唯一ドル安を防ぐために中銀に対して政策金利の切下げ圧力が一段と強まってきた。
またドル安の要因として、未だに世界で最も高い政策金利以外に、大幅な貿易収支黒字、国内ローン金利が海外ローン金利よりも高いことや米国経済が予想よりも良いなどのシナリオがドル安を維持している。
ドル安では海外旅行客が増加する観光業界、格安な輸入品が豊富に取扱える輸入業者にとっては追い風となっており、大量の輸入品増加で国産品価格が抑えられてインフレコントロールも容易になっている。
しかしドル安の為替では、価格競争が厳しい輸出業者、レアル高による収益マージンが厳しい農産物生産者や繊維、履物や家具などの安価な輸入類似品に、国内マーケットシェアを奪われている工業界では、早急な為替政策変更を政府に訴えている。(7日付けエスタード紙)
1月はポウパンサ預金が11億3,800万レアル増加
政策金利(Selic)の高止まりで、長らく投資先として敬遠されていたポウパンサ預金が、Selic金利が13.0%まで下げてきたために、投資家の 資金が投資ファンドから移動してきており、1月は預金が787億8,300万レアル、引出し776億4,500万レアルで11億3,800万レアルが流れ 込んだ。
Selic金利低下で、投資ファンドとポウパンサ預金との収益性が同程度になってきており、ポウパンサ預金は年 利6.0%プラス参考金利(TR)が付き、更に所得税、金融取引暫定納付金(CPMF-小切手税)や金融取引税(IOF)が免除され、投資ファンドのよう にサービス料もかからない。
1月のポウパンサ預金残高は1,901億8,800万レアルで、前月よりも22億レアル増加 したが、12月は13ヶ月サラリーなどを預金したために、882億8,700万レアルが入り、引出しは808億5,500万レアルで、74億3,200万 レアルが一時的に流れ込んだが、1月及び2月は学費、教材費、家屋税や自動車所有税の支払いで、ポウパンサ預金残高は減少する。(7日付けエスタード紙)
バイア州の半乾燥地帯でも砂糖キビ栽培
アグロヴァーレ社はブラジルで唯一の半乾燥地帯のバイア州ジュアゼイロ市に、建設されたエタノール精製工場向けに、2011年までに総額4億5,000 万レアルを投資、当初は1,200万レアルを投資して、砂糖キビの栽培面積を1万6,500万ヘクタールまで拡大する。
しかし同地方での砂糖キビ栽培には、灌漑設備が必要となり投資額が膨らむが、同社の灌漑施設による砂糖キビ栽培は、オーストラリアのコンペチターを抜いて世界トップである。
また2011年までには6,000万レアルを追加投資して、栽培面積を2万1,000ヘクタールに広げ、年間220万トンの砂糖キビを生産する。昨年は155万トンの砂糖キビで、5,300万リットルのアルコール及び230万俵の砂糖を生産した。
更なる灌漑施設及び点滴肥料投下での砂糖キビ栽培面積拡大には、1億3,000万レアルの投資が必要であり、同社では大きな市場を抱えている海外投資家とのパートナーシップを模索している。
南東部地域では植え付けから初めての収穫に18ヶ月かかるが、点滴肥料投下では1年で収穫が開始でき、また収穫量もヘクタールあたり100トンから120トンに増加、南東部地域では85トンしか収穫できない。(7日付けヴァロール紙)
連邦貯蓄銀行は長期の給与口座天引き型ローン開設
連邦貯蓄銀行は数週間以内に72ヶ月の長期給与口座天引き型ローンを開設、現在は最長48ヶ月で特に公務員向けに貸し付けるが、年金・恩給口座天引き型ローンは最長36ヶ月の制限が設けられる。
同銀行は72ヶ月のローン開設で、20%のクレジット増加を見込んでおり、昨年はローン残高が58億レアル、特に国立社会保険院(INSS)の年金・恩給口座天引き型向けローン残高は24億レアルであったが、今年は67億レアルから70億レアルを見込んでいる。
公務員の給与口座天引き型ローンの不渡り率は2.0%以下に留まっており、ローンの月利は1.85%から3.19%の間となっている。(7日付けエスタード紙)
【ブラジル経済情報】 速報 2月06日
昨年の鉱工業の成長率は2.8%に留まった
昨年の鉱工業の成長率は、2005年の3.1%、2004年の8.3%を下回る2.8%に留まったが、今年は政策金利の低下に伴い4.0%の成長率が予想されている。
鉱工業成長率は昨年4月から連続9ヶ月で成長を続けており、第4四半期は0.7%の成長率を記録、部門別成長率では耐久消費財部門が5.8%、資本財5.7%、非耐久消費財2.7%、中間財が2.1%それぞれ伸びた。
資本財部門ではコンピューターが51.6%増加、食料部門では砂糖生産増加で1.8%増加、連邦政府のインセンチヴで「全ての家庭に電気」プログラムでエネルギー部門は、22.2%それぞれ増加した。(6日付けエスタード紙)
4月までにブラジルの外貨準備高は1,000億ドルに達する
連邦政府が1月に実施した56億ドル分のドル購入のリズムを継続すれば、第1四半期の末には、ブラジルの外貨準備高は1,000億ドルに達すると予想されている。
しかし連邦政府のドル介入はカントリーリスクの低下を誘発、国際信用が増加して投資を呼び込むが、ドル値はR$2.094と一層のレアル高を招いて、ポジチヴなジレンマとなっている。
連邦政府の56億ドルのドル購入で、外貨準備残高はすでに919億ドルに達しており、先週の3日間だけで12億ドル分のドル介入を行なっている。(6日付けエスタード紙)
自動車部品業界は中国製部品輸入しだした
レアル高の為替および安価な中国コストで、中国製の輸入自動車部品価格は輸入税、フレートや港湾経費を支払っても、ブラジル製よりも20%から30%も安く、ブラジルの自動車部品メーカーも中国製部品を輸入しだした。
サン・ベルナルド・ド・カンポ市の部品メーカーであるソジェフィ社では、すでにエアーフィルター用ゴム製品を中国製に切り替えており、ヴェトナムやインドの部品メーカーからの部品購入も検討している。
ベアリングメーカーのSKF社は、コストが20%安い中国製鋳型を2005年から輸入しだしたが、今ではその比率は15%に達している。昨年の中国製自動車部品の輸入は、55.5%増加して2億1,500万ドルに達したが、ブラジルの自動車部品輸出は、前年比13.3%増加の1億9,730万ドルと初めて貿易収支赤字を記録した。
また自動車メーカーは、中国の自動車メーカーであるチェリー社が、ウルグアイで生産開始、ブラジルで販売する対抗策として、GMでは中国で製造した自動車の輸入販売を検討している。(6日付けエスタード紙)
1月のサンパウロ市のインフレは年末から大幅に下げて0.66%
1月のサンパウロ市の消費者物価指数(IPC-Fipe)は、昨年12月の1.04%から大幅に下げて0.66%に留まった。
しかし端境期のアルコール燃料価格が11.74%と大幅に増加したために、インフレを0.06%押上げ、また生鮮食料品では長雨で、野菜類が42%も上昇して0.28%押上げた。
部門別では生鮮食料品が7.30%、教育費3.23%、アルコール燃料11.74%の3部門でインフレの70%を占めている。昨年12月の教育費は僅かに0.05%、食料品は0.07%のデフレであったが、交通費は4.73%と大幅な値上がりを記録していた。(6日付けエスタード紙)
【ブラジル経済情報】 速報 2月05日
昨年のブラジルの粗鋼生産は減産
昨年のブラジルの粗鋼生産量は、前年の3,160万トンから3,090万トンに減産、BRICs諸国のロシアは7.1%増加の7,080万トン、インドは7.7%増加の44,00万トン、中国は18.5%と大幅増加の4億1,870万トンであった。また昨年の世界の粗鋼生産量は前年比9.0%増加の12億1,730万トンであった。
CSN製鉄は先週火曜日に行なわれたコーラス製鉄入札で、インドのタタ製鉄に落札されたが、現在のブラジルの粗鋼生産能力は3,660万トンまでカバーできる。またセアラー製鉄所及びCSA製鉄がそれぞれ新高炉完成で、2010年までには5,040万トンの生産能力になる。
また経済成長加速プログラム(PAC)で、インフラ整備部門が本格的に施行されれば、6,890万トンから7,540万トンの粗鋼の需要が見込まれる。(4日付けエスタード紙)
為替や人件費高による輸入急増で25万人が失職
レアル高の為替及び輸入品の急増で、中国製品に席巻されている履物や国内製品と同等価格になってきた機械・装置などの資本財輸入急増で、最終5年間に25万人分の職業が失われたり,海外に移転した。
昨年1年間に輸入製品の影響で職業ポストを無くなったのは、履物業でマイナス13.2%と大幅に後退しており、機械・装置分野マイナス6.9%、工業全体ではマイナス0.2%であったが、コモデティ価格が好調であった鉱工業分野は3.7%増加した。
社会負担金などを入れた賃金コストは、ブラジルの100ポイントに対して、インドは1/4の24ポイント、中国は約半分の48ポイント、アルゼンチンは54ポイントとブラジルよりも大幅にコスト安であり、香港は135ポイント、ドイツでさえ239ポイントであった。
南大河州工業連盟(FIERGS)では、履物、食肉、家具が特に打撃を受けており、アルゼンチンやウルグアイに生産拠点を移す企業もでてきており、最終2年間で14.5%も同州でのこれらの分野の生産が低下している。(5日付けガゼッタ・メルカンチル紙)
不動産業界はブームの真只中
昨年の大手不動産会社15社は、サンパウロ証券取引所(Bovespa)から100億レアルの資金を調達して、アパート建設に資金を投資して、不動産ブームの真只中にあるが、アパート建設の過当競争で数年後には、売れ残るアパートが数多くでると心配されている。
昨年にBovespaから資金調達した大手不動産会社は、ロッシ住宅が10億1,20万レアルでトップ、ガフィーザ社が9億2,690万レアル、ブラスカン社1億8,800万レアル、シレラ社が8億3,790万レアルを調達した。
今年はすでにロドベンス社が4億2,000万レアル、カマルゴ・コレア社が5億2,190万レアル、テク二ザ社が9億990万レアルを調達しているが、先月のロッシ社の株価は10.72%と大幅に下げている。
また特異な傾向として4寝室マンションの販売個数が、2寝室マンション個数を上回っており、価格帯が30万レアルから90万レアルの高価格マンションを多く建設されており、このまま不動産ブームが継続すれば、数年後には売れ残りが出てくる。(5日付けエスタード紙)
【ブラジル経済情報】 速報 2月02日
輸入増加で貿易黒字幅が減少
1月の貿易収支は輸出が前年同月比18.3%増加の109億6,300万ドル、輸入は31.3%増加の84億7,000万ドル、24億9,300万ドルの貿易収支黒字を計上したが、黒字幅は前年同月比11.62%減少した。
ドル安の為替で輸入幅が増加してきているが、輸入に占める製品製造のための設備や機械などの資本財及び原材料輸入が増加しており、良い傾向が継続してきている。
輸入の内訳は資本財が前年同月比31.5%増加の17億7,300万ドル、消費財は35.2%増加の10億4,500万ドル、燃料・潤滑油が46.8%増加の14億2,800万ドル、原材料が25.9%増加の42億2,100万ドルであった。
また消費財の内訳では衣料・繊維が147.7%増加の5,014万ドル、医薬品が52.6%増加の2億4,541万ドル、日用雑貨・装飾品39.9%増加の1億3,945万ドル、食料品22.8%増加の1億5,810万ドルであった。
しかし中国製品にブラジル市場を席巻されている12部門では、コストを割る価格で販売されている中国製品にダンピングの疑いをかけており、その中でもス ピーカー、歯ブラシ、眼鏡並びにクリスマス関係装飾品関係者は、昨年第4四半期にダンピングをしめす書類を提出しており、証明されればブラジル政府は関税 をかける可能性がある。(2日付けガゼッタ・メルカンチル紙)
自動車メーカーは売れすぎて三交代勤務採用
1月の自動車販売台数は、15万2,940台で月間記録を塗り替えており、今年の販売台数は昨年比5%増加が見込まれており、自動車生産設備拡張が追いつかないために、二交代勤務から三交代勤務採用をする自動車メーカーが増加してきた。
1月に3万3,980台を売上げたファイアット社は、1,200人を新たに採用して、2月からミナス州ベティン工場を三交代勤務体制にした。またルノー社もパラナ州のサン・ジョゼ・ドス・ピニャイス工場を、今年中頃から三交代勤務にして、ニューモデルであるLoganm車を下半期から生産する。
ホンダ社は下半期からスマレー工場を三交替勤務体制にして、年産10万台の生産体制を敷き、国内向けに8万台、輸出向けに2万台をそれぞれ生産する。またGM社及びプジョー・シトロエン社も三交代勤務体制を検討している。(2日付けガゼッタ・メルカンチル紙)
PACがSelic金利の切下げ幅を縮小
昨日、発表された通貨政策委員会(Copom)の議事録では、経済成長加速プログラム(PAC)向けの公共支出増加で新たな物価上昇リスクの引き金になる可能性を秘めており、政策金利(Selic)の引下げ幅は0.25%に留まった。
Selic金利は2005年から継続して切下げられており、また利用しやすいクレジットも拡大、実質賃金の上昇及び昨年の連邦政府の支出拡大などで内需が旺盛で、常用と供給のバランスが崩れる可能性があり、インフレ再燃の危険性を指摘している。
議事録では初めて、今年及び来年のプライマリー収支黒字幅が、PACを含めた投資パイロットプロジェクト(PPI)の投資に、プライマリー収支黒字の0.5%をまわすために、連邦政府目標のGDP比4.25%を下回る可能性を指摘している。(2日付けエスタード紙)
【ブラジル経済情報】 速報 2月01日
昨年の公的負債総額はGDP比50%に下がる
昨年の公的負債総額はGDP比50%に下がり、2000年末以来の低率を記録、前年比ではプライマリー収支黒字が低下したにも関わらず、公的負債をGDP比1.5%下げた。
2005年のプライマリ収支黒字はGDP比4.83%で、昨年の4.32%を上回ったが、年間平均Selic金利が19.05%で、昨年の15.08%を大幅に上回っていた。今年は更なるSelic金利切下げとプライマリー収支黒字4.25%が達成できれば、公的負債総額はGDP比48.8%までの減少も可能となる。
ルーラ政権誕生が確定した2002年末の公的負債は55.5%に達したが、4年間の第一次ルーラ政権では、Selic金利連動国債が2005年の938億 レアルから706億レアル、長期金利(TJLP)の融資は、100億レアルから84億レアルにそれぞれ減少したが、広範囲消費者物価指数(IPCA)連動 国債は、12億レアルから164億レアルと大幅に上昇した。(1日付けエスタード紙)
通商局は石油の貿易では入超
通商局(SECEX)の発表では、昨年のブラジルは石油自給達成にもかかわらず、ペトロブラスの石油輸出は110億8,700万ドル、輸入は112億700万ドルで、僅かに1億2,000万ドルの赤字を計上した。
しかしペトロブラスは輸出が128億ドル、輸入が116億ドルで12億ドルの黒字を計上していると発表しており、通商局が外国籍船舶による石油輸出を計上していないと指摘しているが、昨年の貿易収支黒字予想30億ドルを下回ったことは認めている。
通商局の発表では昨年のペトロブラスの輸出額はブラジル総輸出額の11.1%、輸入は12.2%に達しているが、貿易収支は5億9,200万ドルの赤字を計上している。ペトロブラスは昨年下半期から操業しだした石油プラットフォームの生産が今年上半期にピークに達し、他の4プラットフォームでも操業開始するために、石油の輸出は大幅に増加すると見込んでいる。(1日付けガゼッタ・メルカンチル紙)
1月の投資は金がダントツ
1月の投資は昨年の収益率12.69%で投資ランク3位であった金投資が、3.32%の収益を上げてダントツのトップになり、続いて確定金利付ファンド が0.86%、銀行間金利預金ファンド(DI)が0.83%、10万レアル以上の銀行預金(CDB)が0.80%であった。
ポウパンサ預金は0.72%、5,000レアルまでのCDBが0.62%で、インフレ指数の総合市場物価指数(IGP-M)の0.5%を上回ったが、サン パウロ平均株価は31日に大きく値上がりして、辛うじて0.38%のプラスになったが、商業ドルはマイナス0.56%、並行ドルもマイナス0.85%で更 にドル安が続いている。
金融アナリストの2月の予想として、Selic金利低下してもまだDIファンドの収益率が他の投 資に比べて若干高いと予想しているが、SLW社のアナリストは米国のインフレ及び国際商品価格の動向に注目しており、年末にはサンパウロ平均株価指数が、 5万3,000ポイントまで上昇すると予想している。(1日付けエスタード紙)
チリのLAN航空はNova Varigを足がかりにブラジル市場参入か
チリのLAN航空はNova Varig航空に1,710万ドルを運転資金用に融資したが、オプションとしてVarigに5%の資本参加の可能性もあり、また外資参入に規制を設けているブラジル航空市場の様子見とも見られている。
しかしTAM航空及びGOL航空がマーケットシェア拡大でしのぎを削っているブラジル航空業界および空港危機が継続している現在、LAN航空にとってもブ ラジル航空業界参入の時期ではないが、LAN航空は以前にTAM航空買収を試みたが拒否されており、今回のVarig航空への資本参加が唯一のチャンスと 見ている。
LAN航空の企業戦略はハイレベルのサービス提供で,高めの航空運賃設定しているTAM航空と同様であるが、売上げはTAMよりも低いがGOLよりも高いが、収益率ではGOLがトップである。
300ドルのサンチアゴ-ブエノス・アイレス間路線はLAN航空にとってはドル箱路線であったが、昨年9月にGOLが98ドルで参入、しかし数日後には129ドルに値下げを行い、両社は南米のドル箱路線で競合し合っている。(1日付けエスタード紙)