>>輸入増加は工業界には脅威でない
社会経済開発銀行(BNDES)が作成したブラジル社会経済開発調査レポートによると、輸入増加はドル安の為替に導くが、工業化を阻止するものではなく、世界貿易拡大の傾向の一貫であると結んでいる。
2002年のブラジル国内消費に占める輸入品の割合は3.6%であったが、2006年には5.5%、製造業に占める輸入品の割合は14.1%から19%とそれぞれ拡大してきている。
2002年と2005年の各国に占める消費全体に占める輸入品の割合は、韓国が16.7%から25.3%、メキシコが19.0%から21.6%、ヨーロッパ連合が9.6%から14.0%、BRICs諸国ではロシア5.4%から8.7%、中国4.9%から7.8%、ブラジル3.6%から4.9%、インド2.0%から3.5%とそれぞれ増加し、この間の世界貿易は61%も拡大した。
ブラジルの電気・通信分野では、2003年から2006年にかけて、輸入品が131%増加したが、生産は34.5%増加、また輸出も122%と大幅増加した。情報機器部門はそれぞれ107.5%、137%、121%増加した。
輸入品急増で業界が席巻されている言われる履物分野は、輸入品が206.5%と大幅に増加したが、生産はマイナス8.36%、輸出もマイナス12.14%に留まっており、コスト削減で価格競争力をつける必要がある。(30日付けエスタード紙)
>>今年のプライマリー収支黒字目標は958億9,000万レアルで変わらず
連邦政府の予算委員会で今年のプライマリー収支黒字目標は、GDPの新算出方法の採用でGDPが大幅に増加したために、今まで連邦予算基本法(LDO)で決められていた対GDP比率の採用を中止して、958億9,000万レアルに固定することを決定した。
以前のGDP算出方法では、958億9,000万レアルは対GDP比では4.25%の相当、投資パイロットプラン(PPI)を差引くと3.75%に相当するが、新算出方法では、仮に経済成長率が4.5%及びインフレが4.0%前後になると、今年のプライマリー収支黒字は3.8%、PPIを差引くと3.35%にまで下がる。
また連邦政府はLDOの中に、国税庁、国立社会保険院(INSS)、中銀や連邦公社のプライマリー収支黒字目標を710億レアル、そのうち181億レアルは連邦公社からの黒字を見込んでいる。(30日付けエスタード紙)
>>4月のナフサの国内価格は600ドルを超える
4月からペトロブラス社から供給される石油化学工業の主原料であるナフサの国内価格が8%〜9%調整されて、トン当たり600ドルを超えると予想されている。
石油価格の高騰及びアジアでの需要の増大で、ナフサの需要の多い欧米や日本で価格が高騰してきており、石油価格が1バレルあたり55ドル〜60ドルになるとナフサ価格は500ドル〜550ドルになるが、3月のアジアのナフサ価格は650ドルまで高騰している。
今年の初めには海外のナフサ価格が国内価格よりも安かったが、海外のナフサ価格が高騰してきたために、海外での調達ができなくなってきたが、石油自給体制の整ったペトロブラスのナフサ価格が海外並みなのに対して、石油化学業界では不満の声も上がっている。(30日付けガゼッタ・メルカンチル紙)
>>2月の失業率は9.9%に上昇
ブラジル地理統計院(IBGE)では、2月の6大都市圏の失業者総数は232万人となり、失業率は前月の9.3%から9.9%と大幅に上昇した。
昨年7月から下がりだした失業率は、昨年の年末には8.0%以下まで下げ続けたが、今年1月から上昇に転じていたが、2月だけで13万6,000人が失業となった。
しかし2月の実質平均賃金は前月比2.5%増加、前年同月比6.1%増加の1,096.30レアルに上昇したが、2002年12月の1,097.21には届いていない。(30日付けエスタード紙)