>>CSN製鉄は30億ドルを投資してリオに製鉄所を建設
現在、年産450万トンのCSN製鉄は中国の上海宝鋼集団と共同で、リオ州イタグアイ市に450万トンの製鉄所建設で合意していたが、腰を上げない上海宝鋼集団を待たずに、31億ドルを投資して建設を開始、2009年の操業を予定している。
またミナス州でも29億ドルを投資して、年産450万トンの製鉄所建設を予定しているが、そのうち100万トンは鋼板、150万トンは棒鋼、200万トンは熱間圧延鋼板で2010年の操業を予定している。
巨大鉄鉱石鉱山カーザ・デ・ペドラを所有しているCSNは、これらの900万トンの鉄鋼増産に使用する鉄鉱石も増産する予定であり、現在同鉄鉱石鉱山の生産量1,600万トンを2010年には5,300万トンに増産する。(27日付けガゼッタ・メルカンチル紙)
>>第1四半期のABNアムロ銀行の純益は82%増加
第1四半期のABNアムロ銀行の純益はクレジット拡大で、前年同期比82%増加の6億2,200万レアル、税引き前純益は56%の9億5,900万レアルであった。
第1四半期のエフィシエンシー指数は、前年同期の49.6%から46.5%に改善、収益性も20.1%から26.2%と銀行平均指数以上に上昇しており、バークレー銀行側かサンタンデール銀行コンソーシアムグループ側が買収しても、買い得となる。
3月のクレジット残高は24%増加の513億レアルに増加、個人向けクレジットは24%増加、法人向けクレジットも23%増加、そのうち中規模企業向けは68%と大幅に増加,零細小企業向けも17%伸びたが、大企業向けはマイナス24%と大きく落込んでいる。(27日付けエスタード紙)
>>3月の失業率は10.1%に増加
ブラジル地理統計院(IBGE)は、3月の全国平均失業率は前月の9.9%から0.2%上昇の10.1%に上昇、ブラジル経済の40%を占めるサンパウロ州のなかでも、工業が集中している大サンパウロ圏は10.6%から11.5%と大幅に上昇して、ブラジルの経済成長率の先行きが心配されるほどの高率となっている。
ブラジル六大都市圏ではサルバドールが14.1%と最も失業率が高く、レシーフェ12.0%、サンパウロ11.5%、ベロ・オリゾンテ8.6%、ポルト・アレグレ8.2%、リオが最も低い7.4%であった。
3月の六大都市圏の就業者総数は2,320万人であったが、失業者総数は232万人に増加したが、実質平均賃金は前年同月比5.0%アップの1,109.50レアルとなった。(27日付けエスタード紙)
>>外国人投資家がブラジルの安い農地を買い占めて、アグロビジネスに投資
オーストラリアの南東部クイーンズランドで綿花栽培をしているロバート・ニューウエル氏は、ここ数年、旱魃で生産性が急激に減少してきていた時に、ブラジルの農地を見る機会があり、一目見てここは将来の緑の黄金郷になると確信、2005年に450万ドルを投資してバイア州西部のロザリオ市に1万1,350ヘクタールの農地を購入、数ヶ月以内に大豆と綿花栽培を開始する。
ニューウエル氏はオーストラリアの農場の半分を売りにだして、更にブラジルに投資を予定しているが、初めの海外投資家によるブラジルの農地購入ブームは2000年代初期に、米国人が1/3以下で買える農地および安い労働賃金に目を付けて買い漁ったが、中国の経済発展に伴い穀物の消費及び代替燃料生産が注目されているなか、必ず第2次ブームが到来すると見込んでいる。
またブラジルは温暖な気候、有り余る水資源や未だ手付かずの農業耕作地9,000万ヘクタールを有しており、今後のアグロビジネスの条件を最も兼ね備えた国であることは誰も疑う余地がない。
フランスのコンソーシアムLouis Dreyfusは、バイア西部に2万ヘクタールの農地を購入、またカリフォルニア州退職年金基金(Calpers)は、パラナ州及びサンタ・カタリーナ州に2万3,000ヘクタールの土地をすでに購入しており、著名な投資家のジョージ・ソロス氏も投資家の一人であるAdecoagro基金は1億ドルを投資して,トカンチンス州、ミナス、バイアやマット・グロッソ州内に8農場を購入、2011年までに6億ドルを投資する。
セレレス・コンサルタント社は1年ほど前から、海外投資基金が穀物及び紙・パルプ生産用植林ビジネスに4億ドルの投資を検討しており、大きな投資のうねりが見え出したが、投資の障害として土地の所有権不備や不法侵入者の存在などのリスクを挙げており、投資決定までに1年ぐらいかかっている。またインフラの不整備も投資の障害になっているが、道路や港湾が近くにあれば、海外投資家は目を見張る。
また米国やオーストラリアでは農場管理を専門企業に任せるために、ブラジルでは新たな分野で雇用創出の機会も生まれており、AgraFNP社では米国及びオーストラリアの投資家が購入した農地を管理している。
ニューメキシコ州の米国人デーン・アレクサンダー氏は、1999年に友人のポルトガル人に誘われてブラジルを訪れたが、世界でも最も農業に適した国であることを確信、1年後には250万ドルを投資してバイア州西部に1万1,500ヘクタールの農地を購入して綿花栽培を始めたが、2004年に耕作していない土地が面積の半分を占めていたために、それを250万ドルで売ることに成功、初期投資を早々と回収しており、ブラジルは発展途上国といわれるが、農業生産では先進国であると判を押している。(25日付けエザーメ誌891号)
>>企業投資家には移住の門戸開放
レストランチェーン網タイ・ガーデンの共営者の一人であるスペイン人ベルナルド・ロッカ氏は、毎日マドリード、バルセロナ、カザブランカ、メキシコシティーのそれぞれの責任者とテレビ会議を行なっており、サンパウロ市には昨年1月に,タイ女性で厨房の責任者で共営者タサナイ・ピアン、通称マダム・タスと200万ユーロを投資してタイ料理レストタンを開店、50人の従業員を雇っている。
ロッカ氏とマダム・タス氏は10ヶ月間をそれぞれの国で過ごすが、ロッカ氏は賃貸アパートから自分が購入したアパートに住居を移して、サンパウロに拠点を構える。
ブラジルは10年前から投資企業家へパーマネントビザを発給しているが、2004年に最低投資額を20万ドルから5万ドルに引下げ、10人以上のブラジル人を雇用するビジネスであれば5万ドル以下でも、パーマネントビザを発給するようになり、昨年は2004年の5倍に相当する1,033人の起業家に対して、パーマネントビザを発給したが今年は倍増が予想されている。
起業家や特殊技術者の受入は米国が最先端を行っており、1950年頃から動乱のヨーロッパから科学者や学者などの頭脳流出を受入れており、共産主義の終焉時にはソビエト連邦からの優秀な多くの学者を受入れた。現在はインドや中国の最も優れた教育を受けた移住希望者を受入れている。
リオ市のジェツリオ・ヴァルガス財団のサムエル教授は、優秀な人材は経済成長の牽引車であり、ブラジルの教育システムでは充分な人材が確保できないために、海外からの優秀な人材を受入れなければならないと強調している。
しかしブラジルの労働市場は外国人受入には門戸が固く、受入企業は外国人労働者のブラジル勤務の必要性を証明する義務があり、またブラジル人でその仕事ができないことが証明されて、初めて労働ビザが発給されるが、発行されるまでの雑多な書類申請と時間のかかる審査で、呼寄せ企業の人事担当者を悩ませている。
レシーフェ市のソフト開発会社ではドイツ人のプログラマーを呼寄せようとしたが、申請後3ヶ月でプロジェクトが始まり、臨時労働ビザ発給の簡単な留学プログラマーを呼寄せて間に合わしたが、昨年、ブラジルが受入れた能力の高い専門家へのビザ発給は1,000人を下回ったが、米国は6万人を受入れた。
ブラジルでは人口の0.5%に相当する87万人の外国人しか住んでいないが、米国では人口の12%に相当する外国人が住んでおり、ブラジルはグローバリゼーション化推進を掲げているが、相反する労働ビザ発給政策を採用している。(25日付けエザーメ誌‐891号)