加熱するエタノール投資戦略

エタノール投資戦略に拍車

  多国籍企業、投資ファンドや企業コンソーシアムは、すでにブラジルのアルコール業界に20億ドルを投資している。

  1990年代の民営化から今まで、ブラジルはこれほど大きい海外からの直接投資を記録したことがなかった。中銀の発表によると2007年最初の3ヶ月間で、前年同期比66%増加の65億ドルの海外から直接投資が行なわれ、この凄まじい投資流入は海外でのエタノールに対する非常に強い関心で、現在殆ど毎週ぐらい、投資パートナーとの契約や投資ファンドによる買収が発表されている。

  ダータグロ(Datagro)コンサルタント会社によると、海外投資家は2000年からこの業界にすでに22億ドルを投資していて、現在最も優先順位の高い投資先となっている。砂糖とアルコール産業のブラジルトップテンの企業の中で、すでに外国資本が参加しているのはCosan、Bonfim、LDC BioenergiaとGuarani社の4社で、5社目のSanta Elisa 社が米国企業Good FoodsとCNAA(国内砂糖アルコール会社)を建設する契約を交わした。この会社はゴイアス州とミナス・ジェライス州に4ヵ所の工場を建設するために20億レアルの投資を予定している。

  海外グループの興味深さを理解するのは容易いことであり、世界最大の砂糖キビ生産国であるブラジルは、トウモロコシから燃料アルコールを生産する米国とアルコール生産の世界トップの座を競っている。アメリカの目的は、George W. Bush大統領がブラジル訪問でも再確認したとおり、化石燃料を2017年までに20%減少することで、それは今後10年間でアメリカだけでも、エタノールの需要が年間1,320 億リットルにまで達すると見込んでいるためである。

  現在の世界エタノール生産量400億リットルの3倍を上回る需要となるが、現在、ブラジルは160億リットルを生産しているが、ブラジルはアメリカのエタノール生産コスト0,30ドル/リットルとヨーロッパ連合の0,58ドル/リットルに比べて、低コストの0,20ドル/リットルであり、国土も今後の需要上昇に対応できる十分の耕作面積を有している。

  Datagro によるとブラジルのサトウキビ生産は次の収穫の4億730万トンから2014年には7億トンに増加が予想されているが、114の新たな工アルコール工場建設への投資が必要となるが、現在、ブラジルは357ヵ所の製造工場と43ヵ所の工場が建設中である。

  このブラジルのポテンシャルの上昇に目をつけている海外投資家は2種類のグループに分けられ、コンソーシアム、海外投資ファンドで資金参加型であり、もう一つはアルコールの分野に既に進出している会社やアルコール国際市場に深く関係している、または関係したいトレーディング会社。最初のグループの典型的な例は85億ドルの資産を有するハンガリー生まれのジョージ・ソロス氏で、現在Adecoagro社のパートナーに加わった一人でもある。同社は2006年にミナス州モンテ・アレグレ工場を買収、南マット・グロッソ州に新たな工場を建設する。「現在売りに出されている工場物件は数多くあるが、中々良い物件が見つからないので、工場建設を選ぶ。」とAdecoagroのレアンドロ・ベリージ取締役はコメント、同社は2015年までに1,100万トンの砂糖キビを処理できる製造工場を建設する。

 

出所-ANUARIO EXAME Junho/2007

https://camaradojapao.org.br/jp/?p=29570