1980年のブラジルの工業生産は、中国及びインドの総計に匹敵していたが、2005年は両国の1/8まで低下、また70年代のブラジルの工業生産高は韓国、マレーシアやタイなどアジアのトラと呼ばれた諸国の3倍であったが、2005年には1/3まで低下しており、急速に発展途上国での影が薄くなってきている。
インフラへの公共投資や工業政策の不足、高金利政策、技術革新への投資不足による競争力の低下、不均衡な為替などの要因が重なっており、非工業化が進行している。
1980年から2005年のブラジルの製造業の伸び率は、年平均で僅かに0.7%増加したが、中国は10.9%、インド6.7%、韓国9.3%、マレーシア8.8%、タイが8.2%とそれぞれ大幅に増加している。
中国は世界の製造工場、インドはソフト生産で世界のオフィスを目指しているが、ブラジルは付加価値のある第一次産品加工生産のニッチ市場に、投資しなければならないとケンブリッジ大学のパウマ教授は指摘している。(19日付けヴァロール紙)