石油や鉄鉱石の国際コモデティ価格は高騰しているが、紙・パルプのコモデティ価格の伸びは小さいために、イラニ製紙の株価は36.10%、メルパペルは9.09%それぞれ減少、大手製紙会社は投資を控えている。
しかし今後は中国を中心にパルプ需要の増加が期待できるが、コスト高、ドル安並びに針葉樹林の成長がブラジルに比較して遅いために、競争力を失くしたカナダのパルプ会社は撤退している。
一方、ブラジルは気候に恵まれて針葉、広葉樹林とも成長が早いために競争力があり、北米での針葉樹林のパルプ生産は15年から18年かかるが、ブラジルでは6年で生産が可能となっている。
アラクルース製紙は中国市場開拓に大幅な投資をすでに行なって他のブラジル製紙企業に先行しているが、スザノ製紙も事務所を開設、またブラジルの大手製紙企業は消費の増えているインドやロシアでも盛んに投資を行なっている。
クラビン製紙は消費の伸びない製紙部門並びに国内市場をターゲットにしているために、同社の株価は伸び悩んでいるが、VCP製紙との合併が予想されているアラクルースの株価は上昇している。
中国の一人当たりの年間の紙の消費は46キロとブラジルと同等であるが、米国の消費は300キロ、ヨーロッパは100キロであり、今後の中国の大幅な消費増加が予想されている。(2008年6月9日付けガゼッタ・メルカンチル紙)