日本経団連自然保護協議会の南米自然保護プロジェクトミッション団10人と商工会議所側から10人が参加して2009年1月15日午後2時30分から4時過ぎまで商工会議所大会議室で会員企業の環境関連取組状況や今後の課題、世界金融危機のブラジル経済への影響、景気の見通し、今後の日伯交流などについての意見交換会が開催された。
進行役は平田藤義事務局長が務め、初めに同ミッション団の団長で積水化学工業の大久保尚武社長が1992年にリオで開催された地球環境サミットで「気候変動枠組条約」と「生物多様性条約」が提起されたが、経団連ではリオサミット参加後に協議会を発足して17年目を迎えたが、協議会活動費用は会員から寄付を募り、初めは東南アジアの自然保護NGOを支援、今までに総数800件のプロジェクトに資金援助して、支援したプロジェクトでは必ず現地視察を行なっているが、今回はオイスカ・ブラジル総局の協力を得てブラジル・日本移住者協会の21世紀の森作りの「日伯友情の森」、「豊饒の森」を視察、その後はパラグアイとアルゼンチンの植林地を視察するが、いまでは地球温暖化やCO2排出権取引などが注目されているが、自然保護協議会では生物多様性に注目していると挨拶した。
続いて田中信会頭が世界金融危機のブラジルへの影響について米国のサブプライム問題が発端になった世界金融危機は100年に1度と言われるほどに世界経済を揺さぶっているが、BRICsのロシアと中国は目を覆うほど暴落、インドも大幅に下げたが、ブラジルは49%の下落率に留まり最も影響が少なかった。
また日本ブラジル商工会議所の紹介では来年は創立70周年記念、会員企業300社のうち日本進出企業は半数、11部会に14委員会、主要行事は年2回開催される業種別部会長シンポジウムで30年以上継続、また日伯経済合同会議などにも積極的に参加、2005年には現代ブラジル事典を上梓、2004年に会議所のGIE委員会の中にCDM研究会を発足、その後環境委員会を設けてCDM研究会活動を継続、また京都議定書とCDMに関する勉強会やセミナーなども積極的に行なっていると説明した。
参加者がそれぞれ自己紹介した後でブラジル三井住友銀行の内田肇地球環境部長が南米でのCO2排出権取引の現状などについて、非常に視点の違った観点からの商談や環境への寄与、同銀行カーボン・ファイナンス賞の優秀賞獲得などについて説明した。
環境問題のフリートーキングでは生物の多様性、蓄養、絶滅種、外来生物の持込、自然保護,自然共生、リサイクル、熱帯雨林、エタノール、自然破壊、自然保護など大いに意見の交換が行なわれて、日本とブラジルの環境問題に対する取組が明確になる素晴しい意見交換会となった。
参加者は視察ミッション側から大久保尚武団長(積水化学工業社長)、東作興氏(アサヒビール秘書室理事)、篠秀一氏(積水化学コーポレートコミュニケーション部長)、中井邦治氏(三井物産CSR推進部地球環境室長)、副渡潔氏(損害保険ジャパン CSR・環境推進室課長)、鈴木健太氏(住友林業 環境経営部)、小林光氏(自然環境研究センター副理事兼上級研究員),渡邊忠氏(オイスカ理事)、岩間芳仁氏(日本経団連自然保護協会 事務局長)、武田学氏(日本経団連自然保護協議会 事務局次長),ブラジル・オイスカ総局側からラウル高木会長、ルイス花田副会長、工業移住者協会の小山昭朗会長、商工会議所側から田中信会頭(リベルコンビジネス取締役)、長谷部省三副会頭(ブラジルトヨタ社長)、中山立夫副会頭(ブラジル三井物産社長)、窪田敏朗前専任理事(ブラジル三井住友銀行頭取)、赤木浩環境委員会副委員長(ブラジルメタルワン社長)、内田肇環境委員会副委員長(ブラジル三井住友銀行 地球環境部部長)、土村学財務委員会副委員長(南米安米保険取締役)、浅野英樹日伯経済交流委員会副委員長(ブラジル三井物産取締役)、和田昭彦渉外広報委員長代理(ブラジル住友商事取締役)、平田藤義事務局長
環境問題で大いに意見の交換
日本経団連自然保護協議会の南米事前保護プロジェクトミッション団や商工会議所など参加者全員で記念撮影