イホシ連邦下議が新幹線導入セミナーを開催

   6月16日、伯日議員連盟会長を務めるイホシ連邦下議が日本国土交通省の佐伯 洋技術審議官をプレゼンテイターに招き、ブラジリアの下院ネレウ・ラモス講堂で高速鉄道導入セミナーを開催した。

   在ブラジル日本大使館から島内 憲大使や宮下匡之参事官、吉村一元一等書記官をはじめJBICやJICAの関係者また大勢の連邦上下議に加え日系市長、会議所関係者、日系諸団体や地元学生など約300人が参加、日本の新幹線方式のメリットが披露され大反響を呼んだ。

   第2部では出稼ぎセミナーも開催、概要は以下の通り。

   45年間無事故実績を誇る新幹線技術の第一人者として知られる佐伯氏が高速鉄道の安全性を航空機、船舶や自動車と比較し、極めて安全性が高い乗り物である事をはじめ環境負荷が航空機の6分の1、自動車の10分の1と小さく且つエネルギー消費が最小である等、比較優位性を強調。

   新幹線セミナーの国土交通省佐伯審議官プレゼン資料は大使館ホームページからご覧になれます。 http://www.br.emb-japan.go.jp/

「参照」 大使館ホームページの左側コラム(Noticias) 上から4件目「01 de julho Seminaro sobre o Trem de
 Alta Velocidade…」をクリック→記事2段落目の青字部分「TAV que carrega o futuro」からリンクされています。 

   1964年、新幹線導入以来の年間乗客数の上昇推移とGDP上昇を比較、強い相関関係がある事、リオ、サンパウロと東京、大阪には、ほぼ同等な区間距離や人口構成圏も共通する部分が多々あり、東京・大阪区間沿線には新たなビジネス地域が誕生、又在来地域も活性化した実例や台湾の新幹線導入実績例をポ語によるビデオで上映し参加者に大きなインパクトを与えた。

   その後、ブラジルの高速鉄道導入4社連合を統括・調整役のブラジル三井物産のMasao Suzuki氏からは傾斜・勾配やカーブ箇所での高速度安定の最新技術、トンネル断面積が30%減で済む日本独自の掘削技術等を紹介、最後に島内大使が両者の発表内容を総括しながら日本の新幹線方式が持つ無事故歴、優位性をさらにアピール。

   出稼ぎ問題にも触れる一方、ブラジルの要求仕様を全て満たす新幹線導入には技術移転に加え日本在住ブラジル人の存在が欠かせない事を強調、デジタルTVに続き日本政府は全面的に協力の用意があり、さらなる日伯関係強化の一大チャンスと位置づけ、併せてブラジルのインフラ整備・発展に貢献したいと力強く宣言、第一部を締め括った。

   第二部の出稼ぎセミナーでは最初CIATE会長の二宮氏が出稼ぎ者の現状や境遇を説明、失業日系ブラジル人を対象とした日本政府による期限付き(3年)帰国補助政策を評価、後の発表者パウロ・セルジオ労働省移民局長(一昨年の会議所ビザセミナー講師)からは日本政府に対し厚く感謝の意を表明した。

   パウロ氏から愛知県に続いてブラジル人在住者が多い静岡県浜松市にも最近、第3番目の在日ブラジル総領事館が設置された事を報告。在日出稼ぎ者30万人のうち経済危機の波及で3万人位が既に帰国しているが、日本の高齢化、少子化が進んでいる現在、又将来的には日本以外の国を含む出稼ぎ傾向は続く事を予想、ブラジル労働省は海外在住暦3年以上を対象に労働法で定める勤続期間積立基金(FGTS)が引出せるように制度化したと発表。

   サンパウロ州の労働雇用局のマルコス・アカミネ氏はインターネットによる求人・求職ネットワークを開設、150万人の求職者、3万4千社の求人企業数、70万人の求人登録実績を報告、ハローワーク体制が整っている事を紹介した。

   このセミナーには新幹線プロジェクト入札参加の日本4社連合を中心とした大勢の会議所会員の参加に加え、主催者イホシ連邦下議による特別要請を受け田中 信会頭、平田藤義事務局長が出席した。

 

 

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