在ブラジル大使館、コンサルタント部会並びにジェトロ・サンパウロセンター共催の第3回知的財産権保護に関する勉強会に、経済産業省製造産業局模倣品対策・通商室の墳崎孝之専門官を迎えて、2009年7月1日午後2時から5時まで会場一杯の38人が参加して開催、司会はジェトロ・サンパウロセンターの原宏次長が担当した。
初めにジェトロの大岩玲ディレクターは「平成20年度ブラジル模倣品被害実態調査」の報告として今年2月から3月にかけて国内の調査会社が実施、ブラジル・パラグアイの国境封鎖作戦、サンパウロ市内、リオ市内、フリーゾンのマナウスや「友情の橋」のあるフォス・ド・イグアスでの被害状況などについて説明した。
墳崎隆之専門官は「中国での模倣品対策の現状、チリー・ペルーでの模倣品被害実態に関するアンケート、模倣品対策への企業経営や社会貢献の調査結果の報告」について、模倣品・海賊版被害の現状として、日本企業の被害状況、中国からの模倣品の販売消費国・地域、水際での取締り強化、中国対策として日本政府の取組や官民合同訪中ミッションの派遣及び成果、産業界の取組、中南米被害アンケート調査、ペルーとチリでのアンケート被害調査、経営に貢献する模倣品・海賊版対策などについて説明した。
日本大使館の吉村一元一等書記官は「ブラジル政府及び米国政府との模倣品対策協力の現状」について、昨年8月の2回目の勉強会に続いて、今回3回目の勉強会には更に多くの参加者が出席して関心が高まってきたことを歓迎しつつ、日本企業より提供された真贋マニュアルを税関セミナーなどで活用して日伯両国の協力体制強化を図っているほか、伯担当省庁の職員を自国特許庁に受け入れて研修を行なっている米国等ともブラジル支援のあり方等につき意見交換を強化していると説明した。
ブラジル政府海賊品・知的財産問題対策全国評議会(CNCP)のアンドレ・バルセロス事務局長は「CNCPでの取組の現状報告」について、日本とブラジルの模倣品・海賊版被害の現状が良く一致しているが、模倣品の被害はグローバル的な問題であり、企業イメージの損害、水際作戦、税関職員の訓練、インターネットでの海賊品販売取締り、CNCPのロゴマークの意味、米国との協力関係などを説明した。
最後にキヤノン・ド・ブラジル社の大塚順社長が「キヤノンによるブラジルでの模倣品対策の取組」について、インクジェット、バッテリーやカメラの模倣品の出荷国やブラジルへの輸入ルート、模倣品の見分け方、代理店、警察関係者や税関職員向けトレーニングセミナーや開催地、模倣品による事故や危険性などについて説明した後で、米国のビジネスネイション並びにバッテリー負荷テストのビデオで模倣品による危険性を強調した。
最後に宮下匡之在ブラジリア日本大使館総務参事官は、講評で建設的な素晴しいプレゼンテーションに御礼を述べ、模倣品対策は粘り強く行なっていかなければならないとしつつ、大使館としてブラジル政府との更なる関係強化を図るので会員企業からもベストプラクティスを参照した情報提供等の協力をいただけるよう依頼した。
第3回知的財産権保護に関する勉強会に会議室一杯の38人が参加
経済産業省製造産業局模倣品対策・通商室の墳崎隆之専門官/宮下匡之在ブラジリア日本大使館総務参事官
日本大使館の吉村一元一等書記官/ブラジル政府海賊品・知的財産問題対策全国評議会(CNCP)のアンドレ・バルセロス事務局長
平田藤義事務局長/講演したキヤノン・ド・ブラジル社の大塚順社長
司会のジェトロ・サンパウロセンターの原宏次長/講演した大岩玲ディレクター