10月の懇親昼食会はエンブラエルの横田聡前副社長が講演

10月の定例懇親昼食会は2009年10月9日正午から午後2時までチボリ・モファレジホテルに90人が参加して開催、平田藤義事務局長が司会を務め、初めに特別ゲストのエンブラエル社コンサルタントで前企画戦略・技術開発担当の横田聡前副社長、元ブラジル中銀知事並びにサンタ・クルース病院理事長で経済学者の横田パウロ氏、サンパウロ総領事館の小林雅彦主席領事が紹介された。

着任挨拶では小林雅彦主席領事、ジャイカ・ブラジル事務所の江口雅之次長、ブラジルNGKの林恭平社長、ブラジル前川製作所の大井直樹社長、日曹の町井清貴社長がそれぞれ挨拶を行った。

代表者交代では島津製作所の三分一克則社長が帰国挨拶、後任の加藤彰彦社長が着任挨拶を行い、新入会員紹介ではポジュカSA(チボリ・モファレジホテル)のクリスティアン・ベルナルデ氏、ブラジル・カンジコ社の林槇太郎氏、ブラジル・ボイデン社のジョエル・ガルビ氏が挨拶を行い、3分間スピーチでは海外品業コンサルタント協会(JOFCA)の豊田貴樹研究部長がサンパウロ州クーニャ市における日本農林水産省調査事業総合推進対策事業について紹介した。

田中会頭は横田聡氏の”ブラジルにおけるハイテク企業の歴史”の講演を前に歓迎の辞を述べ、横田氏はエンブラエルは1969年にブラジルの国営企業として誕生、ブラジル空軍の航空技術研究所の技術者の力によって優秀なプロペラ機バンデランテス、ブラジリアを立て続けに発表、小型旅客機として日本を含む世界中の数多くの航空会社で運航され、成功を収めたが、国営企業のために赤字経営が継続、連邦政府は根本的な解決としてエンブラエルの民間売却、民営化に踏み切った。

国営時代の90年代から開発していた50人乗りの小型ジェット機「ERJ145」の販売と同時に35人乗りの短胴型「ERJ135」も開発、これが小型旅客機を望んでいた各国の航空業界の目にとまり、まさに飛ぶように売れ4年後には黒字に回復、2000年には半年で欧米の航空会社17社と契約を結ぶなど驚異的な成長を遂げた。

その後すぐに、一回り大きな70人乗り「ERJ170」、98人乗り「ERJ190」、108人乗り「ERJ195」の開発、今ではヨーロッパのエアバス、米国のボーイングに次井でカナダのボンバルジエ社と肩を並べる世界3位の航空機メーカーになっており、JALはエンブラエル社のリージョナル向けジェット旅客機「エンブラエル170」を日本で初めて導入している。

商業ジェット機、社用のエグゼクチブジェット機や軍用機など多機種揃えており、2007年のエンジニアは3838人、欧米各国に80コースの研修に参加、大卒は社員の29%、修士4.0%、博士2.0%で技術力向上や開発に投資を集中している。

90人が参加した10月の懇親昼食会の様子

左から講演者のエンブラエル社の横田聡元副社長/田中信会頭

                                 

                                  講演者のエンブラエル社の横田聡元副社長

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