2月の懇親昼食会は2010年2月12日正午から午後2時までインターコンチネンタル・ホテルに102人が参加して開催、エスタード紙の著名なコラムニストであるセルソ・ミンギ氏を迎えて講演、講演に先立ち中山立夫会頭は歓迎の辞を述べた。
ミンギ氏は初めに我々は飛躍的な情報通信技術の進歩による革新技術の恩恵や今までは想像できなかった新興国の躍進など大きなうねりを経過しながら今までにない時代に突入して入り、今までの米国と中国の関係は想像を超えた変化の時代に生きている。
危険な水準に達して解決の見通しがつかない米国の財政赤字に対して中国は輸出拡大による巨大な外貨準備高、国民が豊かになるにつれて拡大する国内消費、ヨーロッパ諸国の財政赤字の増加などの解決には痛みを伴い、またいつ解決できるのかも見通しが立っていない。
欧米から中国やインドを中心とした経済の軸の移行、各国の中銀が自国防衛のために採用している金融政策からグローバルな金融政策の監視サーベイランスの必要性が出てきている。
各国の外貨準備金はドルから他の通貨への移行が議論されているが、今のところドルに替わる通貨はなく、石油資源も枯れてきて新たな石油資源の発見が必要となるが、早急な代替えエネルギーの必要性がますます高まってきている。
また世界的に人口増加並びに女性の社会進出で失業率が増加傾向にあり、今ではジャーナリスト、医師や弁護士の50%は女性が占め、また医療の進歩で高齢化が進んでいることも失業率増加に拍車をかけている。
最も高齢化が進んでいるのは最先端技術の医療機器、医薬品や医学の進歩、食料事情の改善が進んでいる日本であるが、1950年代には50歳以上の人口は8%であったが、今後は高齢者の人口比率が増加して更に失業率が増加するために医療費負担増加や年金受給開始年齢の見直しなど難問が累積しているが避けては通れない。
19世紀末から20世紀初めの米国は資本、真水、エネルギーや天然資源が豊富でラテンアメリカからはコーヒーと銅鉱石の輸入くらいしか必要なく自国でまかなえたが、今では石油を初め多くの資源を輸入に依存している。
ブラジルは岩塩層下原油の発見でほぼすべての天然資源を擁して世界の供給国になってその重要性は世界から認識されているが、オランダ病に陥るリスクを避けなければならない。
しかし税制、インフラ、通信、港湾や穀物保存などが不備でブラジルコストとなっており、早急に改善する必要があるが、他のBRICs諸国のように不安定な政治、宗教問題、テロなどがなく、政治経済が安定していて将来が輝いている。
14世紀終わりのポルトガルやスペインは星の位置を頼りに困難を顧みないで大西洋を南下してラテンアメリカを発見して領土を確保、諺に”船乗りは向かい風に文句を言うことはできない”また”風は絶対に制御できないが、帆はいくらでもコントロールできる”を実践したが、日本人はリコール問題でも表面化したように決断が遅いので、いろいろな問題を抱えるブラジルへの投資はリスクを抱えるが、今のブラジルは投資するチャンスであるために英断を持ってビジネスチャンスを掴んで下さいと締めくくって大きな拍手が送られ、中山立夫会頭から記念品が贈呈された。
連絡事項では山田唯資監事会議長が「2月2日に実施した2009年度第四4半期の業務と会計の監査に付き報告、監事3名は会議所定款の第44条と第45条に基き、2009年10月1日か ら12月31日までの業務と会計とについて監査を行い、業務執行については常任理事会に出席して聴取した審議事項について担当者から説明を受けると共に、会計については帳簿、伝票、関係書類等を査閲して、監事としての正当な注意を払って実施、監査の結果、監事会の見解は次の通り。
1.会議所の業務は、公正かつ明確に執行されているものと認めます。
2.当会議所の会計は「現行法規に定められた会計基準」に準拠して正しく処理され ており、今期の事業成績と財政状態とを適正に表示しているものと認めて監査報告をした。
電気電子部会の篠原一宇副部会長はICTセミナーの案内として
2010年3月8日(月)及び9日(火) の2日間
会場はサンパウロ市内のトランスアメリカホテルを予定
主催は総務省、伯通信省
協力は国土交通省、JETRO、ブラジル日本商工会議所、日本企業、サンパウロ総領事館、当館伯運輸省、伯国家電気通信庁、伯国家陸運庁、伯企業等
目的はデジタルテレビを契機に日伯の協力関係が緊密の折、無線によるブロードバンドシステム等に関し、日伯の取組を紹介し、伯における日本企業のビジネスチャンスを広げることを目的とする。
8日(月)14:00~開会、セミナー
18:30~レセプション
9日(火)09:30~17:00セミナー
代表者交代ではブラジル勤務7年のユシロの渕上正晴社長は帰国挨拶、ブラジル勤務が2度目の岸祐次新社長は着任挨拶を行った。
エスタード紙の著名なコラムニストであるセルソ・ミンギ氏(左)に記念プレートを贈呈する中山立夫会頭fotos Rubens ito CCIBJ)
左からエスタード紙の著名なコラムニストであるセルソ・ミンギ氏/大部一秋総領事/中山立夫会頭