国際公共政策研究センター(CIPPS)ミッションとの懇親・意見交換会に60人が参加して開催

小泉純一郎元首相が顧問を務める国際公共政策研究センター(田中直毅理事長 CIPPS)ミッション一行と会議所会員との懇親・意見交換会が2010年3月4日午後7時から9時30分までチボリホテルに60人が参加して盛大に開催された。

進行役は近藤正樹総務委員長が務め、初めに長谷部省三副会頭が歓迎の辞(原稿は下部(*)に掲載)を述べて懇親・意見交換会が始まった。

田中直毅理事長が開催挨拶でCIPPSの設立に至る経緯として小泉首相が2006年9月に辞任することを知り、国際関与するときに日本を代表してトップ交渉できるのは小泉首相しか見当たらないために、小泉首相を説得して研究所を設立して活動したらどうかとの意見が多かったと述べた。

また、小泉元首相はブラジルに篤い思いを持っており、ブラジルと日本が協力して環境問題で世界に関与できるのではないかと今回1週間かけて、ブラジル国内の鉱山関連企業や石油・天然ガス企業を視察しているとミッションについて述べ、社会経済開発銀行(BNDES)のコウチーニョ総裁などとバイオエネルギー、アマゾンの熱帯雨林、アフリカ諸国への農業とエネルギー開発支援並びに食糧問題について一緒に議論していきましょうとの申し出があり、日本に帰国後に議論はするが、ブラジルとの共同研究を予定しているとの事。

親しいルーラ大統領との会談で小泉元首相はもう一度、首相になればと大統領に勧められたが、議員生活を37年間続けて充分仕事を行ったと回答したら、よく続けたものだと驚いていたという。政治の世界は非常に厳しく常に広くアンテナを張って国民生活の向上、国際政治に関与できるのかなど精神的にも肉体的にも消耗が激しく、最後は一人で決定しなければならない孤独で厳しい世界ですと述べた。

最後に田中理事長は小泉元首相とルーラ大統領は気質が似ているというか馬が合うと思ったが、環境をテーマに経済成長を図るために、今後も議論を続けていきたいと述べた。

小泉元首相は開催挨拶で首相在任中2004年にブラジルへ来たが、在任中の5年5カ月の49カ国の外国訪問で感動的で印象深い国はブラジルであったと述べた。

10歳上で一番慕っていた従兄が日本の獣医の大学を卒業してブラジルに移住、ブラジルへ来る前にその従兄から日本の農業移民が苦労したグアタパラ入植地を時間の関係からヘリコプターで訪問して、先人の霊を弔うために上空から花束を投げてくれるだけでもよいから行ってほしいと言われていた。

しかし、上空から見ると学校の校庭の地面に”歓迎 日本国 内閣総理大臣”と書かれていて皆が手を振ったり、万歳をして熱狂的な歓迎をしてくれているお年寄りを見て、ヘリで校庭に下りて行ったら皆に大歓迎されて感動した。その後、文協講堂の歓迎式で挨拶中に感極まって涙を流したのが新聞にでてしまったと述べた。

2004年ブラジルでその翌年日本でのルーラ大統領との会談で日伯関係がさらに緊密化してきており、ブラジルは重要なパートナーとしての地位が上昇、日系人の多いブラジルは日本の優れた環境関連技術で世界の環境問題の解決に一層協力していくと述べ、食事や環境の異なるブラジルで頑張っている日本の駐在員に敬意を表し、今後も大活躍してほしいと参加者にエールを送り、最後に日本での経験を生かせる帰国日系人のための就労活動への協力依頼を強調した。

大部一秋総領事がブラジル式の乾杯の音頭を取って懇親夕食会となり、小泉元首相の要望で大半の参加者が1分間の自社や自己紹介を行い、ブラジルで感動したことや失敗談などを披露して和やかな意見交換会となり、最後に気さくな小泉元首相とテーブルごとの写真撮影を行い、田中理事長と小泉顧問に記念プレートが贈呈されて素晴らしい懇親・意見交換会は終了した。

(*)長谷部省三副会頭の歓迎の辞

「ただ今紹介いただきました、ブラジル商工会議所副会頭の長谷部と申します。会頭の中山が出張中につき代わりに、ご挨拶をさせていただきます。

本日は、田中直毅 理事長様、元内閣総理大臣 小泉純一郎様、NTT会長 和田紀夫様日立製作所特別顧問 古川一夫様をはじめとするCIPPSブラジルミッションのメンバーの皆様には、お忙しいブラジル滞在日程の中、当商工会議所の夕食会にご出席を賜わり誠にありがとうございます。

日本の政界 財界で活躍されている皆様、また、過去にもブラジルを訪問されそれぞれの分野でブラジルとの関係の深い皆様の訪問を受けることは、当地で働く商工会議所メンバーにとりまして、大変光栄であり大きな励みとなります。ブラジル日本商工会議所を代表して御礼申し上げます。

ここで簡単に当会議所の概要についてご説明申し上げます。
創立は1940年に遡り、本年は70年の区切りの年となります。現在の会員は305社に上ります。日本からの進出企業が164社 ブラジル及び外資系企業が141社という構成です。

昨年は世界的な経済危機の中、日米欧の先進国の景気回復が遅れる中、ブラジルは大きな影響を受けず経済は順調に回復してきております。また、足元の経済回復のみならず、2014年のワールドカップ 2016年のオリンピック開催が決定し、今後、開催に向けての準備が急ピッチで進み、経済の成長に拍車がかかるものと確信しております。一方、税制 インフラ 安全等まだまだ、進出企業にとって難しい問題も残っていることは否めません。

本日出席した会員からは、高名なCIPPSメンバー皆様と是非とも直接お話をしたいとの要望を受けておりますので、大変申し訳ありませんが食事が一段落しましたらお席を変わっていただき、生の、そして活気ある現場発のお話を聞いていただければ幸甚に存じます。簡単ではございますがご挨拶に代えさせていただきます」と歓迎の辞を述べた。

テーブルごとの小泉純一郎元首相と参加者の記念撮影は商工会議所サイトの「フォト&ビデオ」→「フォトギャラリー」をクリックするとご覧になれます。写真をクリックすると拡大します。直接リンクはこちらをクリック→「フォトギャラリー」

大部一秋総領事がブラジル式の乾杯の音頭を取って皆で乾杯(fotos Rubens Ito/CCIBJ)

左から大部一秋総領事/窪田敏郎三井住友銀行社長/小泉純一郎元首相/長谷部省三副会頭

開催挨拶を行う国際公共政策研究センターの田中直毅理事長

 

https://camaradojapao.org.br/jp/?p=33210