元社会保障大臣で医薬品研究開発協会のアントニオ・ブリット会長が2010年4月9日の懇親昼食会で「ブラジル経済と医薬品マーケット」と題して講演、90人近くが参加してグランド・ハイヤットホテルで開催された。
中国やインドほどの国内総生産(GDP)の伸び率には達しないが、ブラジルの今後5年間のGDP伸び率は平均5.0%を予想、経常収支赤字は拡大するが、外貨準備高は2414億ドル、インフレもコントロールされており、特に内需が好調に推移するために医薬品のマーケット拡大が見込まれていると説明した。
2008年のラテンアメリカの医薬品マーケット規模は343億ドルで世界シェアの4.7%と規模は小さいが、アジアとラテンアメリカは平均を大きく上回る伸び率を記録、北米が43.1%、ヨーロッパが32.8%、日本が9.5%のマーケットシェアを占めている。
昨年のブラジルの医薬品業界は前年比14.5%増加、ブラジルのラテンアメリカにおけるシェアは36%、メキシコ25%、ヴェネズエラ13%、アルゼンチン9%、コロンビアが5.0%を占めている。
国別では米国が40.2%、日本9.5%、ドイツ5.7%、中国2.7%、ブラジルが1.7%で世界5位、ブラジルの医薬品トップはEMS CORP,SANOFI-AVENTIS,ACHÉがトップ3、27%はパテントを擁していると説明した。
ブラジルの輸入医薬品の輸入関税は33.9%と世界でもトップ、アルゼンチンは21%、ドイツが16%、米国、コロンビア、英国並びにメキシコは免税、ブラジルのジェネリック医薬品はマーケットの12%を占めていると説明して講演を終えて中山立夫会頭から記念プレートが贈呈された。
4月の懇親昼食会の司会は平田藤義事務局長が務め、初めに講師の医薬品研究開発協会のアントニオ・ブリッツ会長、小林雅彦首席領事を紹介、3分間スピーチではパナソニックの倉橋登志樹企画ジェネラルマネージャーがインバーター機能搭載で20%省エネ&静音、使いやすさを考えたデザインのマルチドア、新鮮で長持ちする専用野菜室を擁したパナソニック冷蔵庫NR-D512XZを紹介、ハイヤット・ホテルのCarolina Schrammプログラムマネージャーはホテル内のフランス、日本並びにイタリアレストラン、ワイン庫、ラウンジなどを紹介した。
続いて帰国するブラジル東京三菱UFJ銀行の竹内明頭取、後任の村田俊典新頭取、18年間社長を務めたヤクルトの貞方賢彦社長と後任の天野一朗社長がそれぞれ挨拶を行った。
アシックスの笹田修社長、イハラブラスの大久保健一社長補佐取締役並びにブラジル日立製作所の日下部明南米統括CEOが着任挨拶、新入会員紹介ではイタウー銀行の上原信一郎氏が紹介された。
懇親昼食会の様子(FOTOS RUBENS ITO/CCIBJ)
左から記念プレートを受取る元社会保障大臣で医薬品研究開発協会のアントニオ・ブリット会長/中山立夫会頭