企業経営委員会(上野秀雄委員長)の労働問題研究会が2012年6月21日午後4時から6時まで45人が参加して開催、司会は破入マルコス委員長が担当、初めに上野委員長は、日本進出企業の社長並びに駐在員を対象とした年1回の日本語による労働問題研究会の開催を予定しており、9月に日伯法律委員会の押切フラヴィオ・オブザーバーによる講演を予定していると説明した。
Felsberg, Pedretti e Mannrich Advogados e Consultores Legais社のマウリシオ・ペペ・デ・リオンアソシエート弁護士は、「労働検察庁の権限について-各種行為規制、保全訴訟および民事訴訟の規定」について、最近の労働検察庁は権限を拡大し、違法行為・事項の調査を重点に、改善を目的とした新政策に取り組んでいると説明した。
労働検察庁の権限拡大の影響で、市場における「企業イメージ」をはじめとした、法廷裁判に関わる懸念を生む法的もしくは法定外事項に対応する企業の人事課・法務課は、より一層の対応や努力が求められているが、労働検察庁の過度の企業への膨大な関連書類の要求や労働検察庁の都合による変更などは、一企業の人事課では対応できないとこをまで達している。
特にアマゾナス州都マナウス市のフリーゾーン域内の企業やポルト・ヴェーリョ市、大型水力発電所の現場の労働条件の調査などやサンパウロ州では、地方都市のカンピーナス市で10社から15社をまとめて招集して、行動の調整項(TAC)への同意の有無やパウリーニャ市では、シェル社の土壌汚染問題などで労働検察庁が過度な調査を実施、地方の企業の人事課や法律事務所では対応できないために、サンパウロ市内の弁護士事務所への依頼が増えていることなどを説明した。
Pinheiro Neto Advogados弁護士事務所のクリスティアネ・マツモトアソシエート弁護士並びにチアゴ・カスチーリョアソシエート弁護士、ウイリアム・クリスターニアソシエート弁護士は、「企業駐在員の法的側面(社会保障制度、労働法、税制)における留意点」について、ブラジルの経済発展に伴って海外から派遣される駐在員が過去5年会に倍増、サンパウロ市やリオ市だけでなく、ミナス州では鉱山関連の技師の派遣など幹部以外の駐在員に対するヴィザ発給が増えてきている事や適用されるテンポラリーヴィザ、パーマネントヴィザの種類などについても説明した。
またブラジルから海外へ派遣されるケース、海外企業から直接雇用されたケース、駐在員の社会保障協定締結している場合は、二重課税の防止、労働法、税制など問題となりやすいケースなどを説明、最後に各企業は駐在員の派遣が人件費などのコストが見合うかどうかを分析する必要があるので、駐在員のサラリー、社会保障院(INSS)の積立金、勤続期間保証基金(FGTS)の企業負担、民間医療保険の加入、アパートの賃貸費並びに社用車、ガードマンなどベネフィットを含めて計算する必要があると説明した。