2012年税制変更セミナーに110人が参加して開催

日伯法律委員会並びにコンサルタント部会共催による2012年税制変更セミナーが2012年6月13日午後1時から6時まで、マクソウドホテルに110人が参加して開催、進行役は矢野クラウジオ副委員長が務めた。

初めに GAIA, SILVA, GAEDE& ASSOCIADOS – ADVOCACIA E CONSULTORIA JURÍDICA のマウリシオ・バーロス部長 は、PIS(社会統合基金)COFINS(社会保険融資納付金)に対する税率の概念 について、 PISに関する暫定令66号/2002、COFINSに関する暫定令135号/2003での変更、税制クレジットやファイナンスクレジットの概要、アウトソーシングのマンパワーに対するクレジットの禁止、税務上訴審議会(CARF)の判例などについて説明した。

TOZZINIFREIRE ADVOGADOSのジェリー・レヴェルス・デ・アブレウ共営者は、自動車産業にかかわるイノベーション・科学技術・すそ野産業振興プログラム(INOVAR-AUTO)について、最低国産化比率が65%以上に適用される法令が2013年1月から適用、新製品の開発並びに既製品の改善、コスト削減、環境分野へのインパクトの低減、生産能力の向上に対する優遇税制の適用のためには売上の0.5%以上をP&Dにあてる義務、優遇税制の適用は製造、成型、塗装、プラスチックインジェクション、二輪車工場、トランスミッション工場、エンジン工場、サスペンションシステムなど11セクションのうち最低でも6セクションでの改善などを説明した。

ERNST & YOUNG TERCOのロビンソン・ロッシ・ラモス取締役は、輸入商品に対するICMS(商品流通サービス税)税率-連邦上院の決議第13/2012号) について、一部の州において商品の輸入に対する商品サービス流通税(ICMS)の優遇措置を導入していること を受けて、「港湾戦争」問題の解消のため、ICMSを4%に引き下げる問題に対する議論、国産化比率40%の問題点、製品配送コスト、工場移転などのメリットやデメリット、誘致した製造業を引き留めるための各州の対応などについて説明した。

PWCのフェルナンダ・アマラウ税制担当部長は、移転価格税制-暫定措置法第563/2012号による変更点について、再販価格基準法(PRL)の40%の利益マージンへの変更は、医薬及び化学品製 造並びにタバコ製造、光学、写真映像機器の製造、歯科を含む医療機器の販売、石油・天然ガスの採掘、石油製品製造、30%の利益マージンへの変更は化学製 品製造、ガラス並びにガラス製品の製造、パルプ、紙及び紙製品の製造、治金精錬、その他の産業は20%のマージン率に変更、輸入品の国内販売事業者に対して、暫定措置563号の前は税込み価格の20%の粗利益であったが、今後は税抜き価格の20%から40%の粗利益になることなどについて説明した。

DELOITTE TOUCHE TOHMATSU のアレシャンドレ・ガルシア・ケルキリ税制担当部長は、輸出業者助成策-特別払戻税「Reintegra」について、ブラジル・マイオール・プランに含まれる税制恩典で、輸出業者助成策 (.REINTEGRA)では工業品の製造者の輸出につき、輸入部品が一定限度内で使用されていることを条件に輸出売上高の3%までの金額を還付 (2012年未までの輸出)•還付割合は輸出業者の事業により異なり政府の政令で決定、還付は、現金または他の税金の支払いに充当させるクレジットの何れかの選択を通じて行われることなどを説明した。
TRENCH, ROSSI E WATANABE ADVOGADOSのマリアナ・ネヴェス・デ・ヴィット弁護士は、ブラジル・マイオール・プラン - 社会保障納付金における変更について、一部業界の負担金軽減を目的に、法令 12.546号/2011と 暫定法 563号/2012が負担金を売上高から納付する新しい形式を可能にし、特定の活動を行う企業へ社会保障院への積立金軽減措置を適用、ブラジル・マイオール・プランでは社会保障院(INSS)積立金の20%の免除の代りに、売上の1%から3%を納付、情報テクノロジー企業並びにIT企業(TI)と通信企業(TIC)、コールセンターのサービスを提供するアウトソーシング企業に対してのINSSへの納税、情報テクノロジー企業のサービスの内容などについて説明、また衣類セクター並びに繊維セクター、履物セクター、皮革セクターの製造メーカーの売り上げに対する納付金比率、社会保障情報及び勤続期間保証基金の納付書(GFIP)並びに社会医療福祉制度(RGPS)での社会保障院(INSS)への納付についても説明した。

HONDA ESTEVÃO ADVOGADOSのアレシャンドレ・シルヴェイロ・カインゾス税制担当部長は、ICMS(商品流通サービス税)の負担代替メカニズムをめぐる論争について、医薬品並びに電気製品、電気材料、衛生用品などの付加価値マージンの計算方法、建材並びに自動車部品、電気材料、飲料水などの主なプロトコーロなどについて説明した。

KPMGのヴァルテル・マサオ・シミズ取締役は、日伯間のオペレーションにおけるサービス、コストシェアリング、利息について、ブラジルと日本の利益・配当金送金の問題点、課税システムの違い、日本の課税システムの変更、日伯間の課税システムのギャップなどについて説明した。

左から矢野クラウジオ副委員長/ERNST & YOUNG TERCOのロビンソン・ロッシ・ラモス取締役/PWCのフェルナンダ・アマラウ税制担当部長/TOZZINIFREIRE ADVOGADOSのジェリー・レヴェルス・デ・アブレウ共営者 (Foto: Rubens Ito/CCIJB)

左からKPMGのヴァルテル・マサオ・シミズ取締役/矢野クラウジオ副委員長/TRENCH, ROSSI E WATANABE ADVOGADOSのマリアナ・ネヴェス・デ・ヴィット弁護士/HONDA ESTEVÃO ADVOGADOSのアレシャンドレ・シルヴェイロ・カインゾス税制担当部長/DELOITTE TOUCHE TOHMATSU のアレシャンドレ・ガルシア・ケルキリ税制担当部長

会場一杯の110人の参加者

 

 

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