リオ・グランデ・ド・スール州ビジネス投資セミナーに50人が参加

ジェトロサンパウロ事務所(石田 靖博所長)ブラジル日本商工会議所(藤井晋介会頭)共催リオ・グランデ・ド・スール州(南大河州)ビジネス投資セミナーは、2013年9月3日午後2時から4時まで50人以上が参加して開催、司会は井上徹哉次長が務め、初めに南大河州政府投資促進・開発エイジェンシーのイヴァン・デ・ペレグリン代表が「南大河州の工業政策」と題して、南大河州の有利な地理的位置、高い一人当たりのGDP、製造業がブラジル平均の2倍以上のGDP伸び率、ヨーロッパ移民が多くて教育レベルが非常に高くて優秀な人材の宝庫、ブラジルでは2番目に多い優秀な病院や医療施設を誇っており、またメルコスールの隣国諸国と非常に近くて港湾施設や道路、鉄道などのインフラ整備が整って最もポテンシャルがある同州への外資系企業や他州からの企業進出を歓迎していると説明した。

またペレグリン代表が同州は輸送機械、農業機械、バイオディーゼル、自動車産業などが最も盛んでブラジルではトップを占め、電気電子製品並びに家具、機械・装置産業も非常に発達しており、新産業誘致でプライオリティの高いのは、原油開発用のプラットフォーム建造などの造船工業、風力発電、リサイクルや汚染改善産業、半導体、医薬品であり、同州への投資誘致のために「投資ルーム」を設置して投資家と州政府投資促進・開発局の仲介役となって、ファイナンスや税制について投資家をサポートしていると説明した。

同州にはブラジル国内トップ8大学のうち3大学があり、州内には23大学、113工業高校を擁しており、優秀で豊富な人材を提供、造船業の企業誘致では外洋と結ばれている造船業が盛んなリオ・グランデ市とポルト・アレグレ近郊のグアイーバ市が地理的に有利であり、トラックや自動車産業では約600社で7万8000人を雇用、GM社、Marcopolo社、 Agrale社、 Randon社が自動車やトラック、バスを生産している。

またブラジルの資本財生産の13%は同州に集中、ブラジルの農業機械の50%は同州で生産、オートメーション産業の50%のメーカーが集中、また医療機器メーカーや医薬品メーカーを積極的に誘致しているが、昨年5月に武田薬品工業は同州の中堅製薬会社マルチラブ社を買収して進出、バイオ燃料、半導体メーカーや風力発電所建設などの誘致も州内の経済発展や雇用創出のために、積極的に行っていると説明した。

州政府投資促進・開発局税制担当のレオナルド・ガフリ・ディアス・アシスタントは「税制並びにファイナンスのインセンティブと恩典」と題して、同州での企業オペレーションファンド(FUNDOPEM/RS )、同州製造業開発調和プログラム(INTEGRAR/RS)、商品流通サービス税(ICMS)に関するインセンティブ、年利は0%から2.0%プラスインフレ指数の広範囲消費者物価指数(IPCA)、設備機械や工場建設に対するファイナンス、企業規模によるファイナンス条件の相違、雇用創出に対するインセンティブ、新産業誘致のプライオリティ、伝統的産業誘致のプライオリティなどについて説明、地政学的な有利点、優秀な人材の容易な獲得や同州のポテンシャルを強調した。

BADESUL銀行のマルセロ・ロペス頭取は、「南大河州における外資系企業の成功例」と題して、世界3位の経済大国で世界最先端のテクノロジーを擁して世界3位の投資国の日本企業の同州への企業誘致では、州政府投資促進・開発局並びに州政府投資促進・開発エイジェンシー、BADESUL銀行がタイアップして進めており、トップレベルの大学や工業高校が州全体に網羅されて優秀な人材確保が可能であり、また州内にはテクノロジー開発センターがあって1万人が従事、また11カ所のテクノロジー開発センターを建設中であり、外資系企業の同州への企業進出の成功例として、GM社は2000年にグラバタイ市に自動車工場を建設、生産能力は年間38万台で2012年末に累計200万台の自動車を生産、3500人の直接雇用、1万人の間接雇用につながっていると説明した。

農業機械メーカーのJohn Deere社は1979年に同州に進出、2000年から2012年の投資総額は20億レアル、ブラジル全国で4000人以上の直接雇用をしており、そのうち同州では2000人の直接雇用につながっており、また韓国企業とのジョイントベンチャーHT Micron社は、9500平方メートルのクリーンルームで半導体カプセル生産の事業を手掛けていることなどを説明した。

トヨタのロベルト・ブラウン部長は1955年にブラジルに進出、サン・ベルナルドで生産を開始、1998年にインダイアツーバ工場、2012年にはソロカバ工場を建設して自動車を生産、アルゼンチンで生産したハイラックス並びにSW-4を輸入して、2005年から南大河州の配送センターからブラジル全国に配送しているが、南大河州には配送センターの誘致や建設など色々な面で有難いサポートをしてもらっており、安心して企業進出できると強調した。

最後に南大河州政府投資促進・開発局のマリエラ・クレー官房室長は、「日本への南大河州ミッション」と題して、初めに2011年から商工会議所の平田藤義事務局長とパートナーを組んでのサポートに対してお礼を述べ、今回は焦点を絞った日本企業誘致を目的に9月24日から30日まで訪日、特に自動車メーカー並びに自動車部品メーカー、造船、医薬品、最先端テクノロジー企業の誘致のために、すでにコンタクトをとって企業誘致の条件などを提示していると説明した。

日本企業42社とコンタクトをとってテーラーメードの企業誘致の提案を行っており、すでに同州に進出しているホンダ、トヨタ、モンテネグロ市に新製造拠点「Procable Fujikura Cabos Para Energia e Telecomunicacoes Ltda」の着工を開始するフジクラ、武田薬品工業、東洋エンジニアリングなどとの更なる関係強化、その他の日本企業ともコンタクトを開始すると説明、マリエラ・クレー官房室長は、日本企業の進出は今後の同州の発展には不可欠であると強調した。

南大河州政府投資促進・開発エイジェンシーのイヴァン・デ・ペレグリン代表 「南大河州の工業政策」

州政府投資促進・開発局税制担当のレオナルド・ガフリ・ディアス・アシスタント 「税制並びにファイナンスのインセンティブと恩典」

BADESUL銀行のマルセロ・ロペス頭取 「南大河州における外資系企業の成功例」

南大河州政府投資促進・開発局のマリエラ・クレー官房室長 「日本への南大河州ミッション」

南大河州政府投資促進・開発エイジェンシーのイヴァン・デ・ペレグリン代表

州政府投資促進・開発局税制担当のレオナルド・ガフリ・ディアス・アシスタント

左から講演者の南大河州政府投資促進・開発局のマリエラ・クレー官房室長/州政府投資促進・開発局税制担当のレオナルド・ガフリ・ディアス・アシスタント/BADESUL銀行のマルセロ・ロペス頭取

ジェトロサンパウロ事務所の井上徹哉次長

 

Fotos: Rubens Ito/CCIJB

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