3月の懇親昼食会にパラグアイのグスターボ・レイテ商工大臣を迎えて、2014年3月14日正午から2時過ぎまでマクソウドホテルに170人が参加して開催、司会は平田藤義事務局長が務めた。
初めに特別ゲストとして、コーチ・エィ(Coach A)の鈴木 義幸 取締役社長、島田 晴雄 島田塾 会長 /千葉商科大学 学長、グスターボ・レイテパラグアイ商工大臣、オスカール・ロドルフォ パラグアイ総領事、在サンパウロ日本国総領事館 の佐野浩明 首席領事 、永田健JICAブラジリア 代表、木多喜八郎文協 会長、ススム・ニヤマ アリアンサ日伯文化連盟 副会長、山田 康夫 県連副会長、貞方 賢彦ブラジル日本商工会議所第13代会頭、Marcos Suto JCIブラジル青年会議所 会頭、元パラグアイ駐日特命全権大使の田岡 功大統領アシスタントなどが紹介された。
連絡事項として村田俊典 財務委員長は、規制・制度環境の改善に向けたブラジル日本商工会議所の体制整備について、「ブラジル日本商工会議所の機能強化実施項目(案)」において経済産業省中南米室より提起された首題体制整備に関し、機能強化担当委員会を新設するが、そのスケジュールとして、3月~4月上旬に各部会の意見収集実施、4月中旬に常任理事会への中間報告、5月中旬に常任理事会への強化委員会設立案の提示、6月中旬に総会(臨時)への強化委員会の設立付議、7月1日に強化委員会を発足すると説明した。
インターコンチネンタルホテルのカーチア・ミヤダ国際セールスマネージャーは、「第2回和食フェスティバル」について、4月8日から11日の夕食並びに12日の昼食、夕食に横浜インターコンチネンタルホテルの園部氏並びに関氏の和食シェフェを迎えて和食フェスティバル開催を案内、代表者交代では丸紅ブラジルの伊吹洋二社長は前田社長から引き継いで3年勤務して意気込んでいたが、6回でピッチャー交代の感じでワールドカップが見られないのが非常に残念であり、残りの3イニングを投げたかったが、投げられないので後任の社長に私ができなかった仕事を全うしてほしい、貿易部会長は、ブラジル住友商事の岡社長が引き継ぎを快諾、また平田事務局長の熱意には非常に感謝していると述べた。
ヤクルト商工の天野一郎社長は、37年間ブラジルに住んでおり、今後も会長として仕事も会議所活動も継続するので引き続き宜しくお願いしますと述べ、後任の島田永眞社長はブラジル勤務10年、先輩の築いたもの、ブラジル人に愛されているヤクルトを引き継ぎ、ブラジル社会に貢献してゆきたいと述べた。
南米安田保険の遠藤 秀憲社長は、日本人学校の理事長をしており、会議所では、相互啓発委員長としてカマラゴルフ、見学会、忘年会を担当、“縁”を感じて人間的に成長でき、後任の奥村信社長は、2009年からブラジル勤務で安心してタスキを渡せると述べ、後任の奥村 幹夫新社長は2009年に赴任、マリチマ保険代表から安田に来て合併作業に取り組んでおり、業務を拡大して日伯のかけ橋になりたい、また会議所活動にも貢献したいと述べた。
ホンダ・サウスアメリカの武田川 雅博社長は、2011年に着任して3年になり、会議所では自動車部会長を担当、2015年からサンパウロ州イチラピーナ市の自動車工場が完成、7月に定年を迎える述べ、後任にはホンダ本社初めての外国籍のイサオ・ミゾグチ社長を紹介、後任のイサオ・ミゾグチ社長は、私は2.5世でイサオと呼んで下さいと述べ、サン・ベルナルド生まれて機械工学科を卒業、マナウスに25年間勤務、南米人として南米で頑張っていきたいと述べた。
ジェトロサンパウロ事務所の石田 靖博所長は、本日の昼食会に170人が参加しているのはグスターボ・レイテパラグアイ商工大臣が特別ゲストとして参加した効果と感謝しており、またブラジル+ワンとしてのビジネス上での考え方として、安い人件費や電力エネルギー、まれな労働争議、大きな若年層を擁しているパラグアイでは、実業家のオラシオ・カルテス大統領の信任が厚いグスターボ・レイテ パラグアイ商工大臣は外資系企業の誘致に熱心であり、今日の午後4時から商工会議所でセミナーを開催するので参加してほしいと説明した。
グスターボ・レイテパラグアイ商工大臣は、パラグアイのGDP伸び率は南米でトップ、オラシオ・カルテス大統領は外資誘致のためにビジネス環境整備に熱心であり、企業向け減税インセンティブ、パラグアイと日本の関係は良好であり、日本生まれの元駐日特命全権大使の田岡功大統領アシスタントに大いに力になってもらっていると述べた。
藤井晋介会頭は日本のコーチング業界をリードするCoach A社の鈴木 義幸取締役社長並びに島田塾を主宰する千葉商科大学の島田 晴雄学長の略歴をそれぞれ紹介、鈴木 義幸取締役社長は「組織のリーダーシップ開発とコーチング」と題して講演。鈴木社長は、米国の広告代理店に入社、ミドルテネシー州立大学院で臨床心理学を学んだあと、テネシー州立女子刑務所に勤務したが、スラングが激しいのであまり理解できなかった。
1996年に日本に帰国して1997年にコーチ・トエンテイワン社を設立、2001年にコーチ・エィを設立、従業員は163人で上海、ニューヨーク、バンコック、シンガポール、香港に支店を開設して駐在員をサポート、近い将来はブラジルに支店開設を予定、コーチングはリーダー開発の手法であり、野球やサッカーのコーチングを例に出して説明、ほめる、盛り上げるがアドバイスはしない、問いかけて気付いてもらうと説明した。
また①、会社の未来を創る ②、ビジョンを組織の末端まで浸透させる ③、組織の現状を把握する ④、社員を成長させる ⑤、経営者が成長していく、会社は未来を共有システムであり、未来は人との対話の中に生まれるものであり、共営者と10年後の未来を話し合ってほしい、また1年前と比較してどのような点が成長したのかをチェックする必要があり、周囲からのフィードバックも非常に重要であるが、企業のトップになると部下からの指摘や意見が挙がってこないために、コーチング コンサルタントを利用すると気づくことがあり、全ての人にコーチは必要であると説明、最後にExpartへの問いかけとして、日本でのやり方で使えるものと使えないものは何か、もし、優秀なリーダーがあなたの後任として着任したら何を終わらせ、何を始めると思いますか、 この国の部下があなたに求めていることを知るために、どんなことをしているか、日々どんな質問をしているか、いち早く適応するためには、自分にどんな質問をし続けるのが効果的か、目標をいち早く部下と強く共有するために、どんな手段が考えられるか、あなたは何を変える必要があって、変える必要がないものは何か、この国で成功することのあなたにとっての意味はなにか、ローカル社員にどのように敬意を表していますか、 どんな足跡をこの地に残したいのか、あなたの使命を一言で言うと、本社に戻った時、海外拠点をどのようにサポートしますかなどと説明した。
島田塾を主宰する千葉商科大学の島田 晴雄学長は、「ブラジルに来て考えた日本:その可能性と課題」 と題して、島田塾10周年を記念して5泊9日でブラジルを訪問、すでにペトロブラス石油公社、エンブラエル、トヨタ、東山農場を見学、ブラジルに来た理由として、2010年の7.5%のGDP伸び率を記録した国、ワールドカップやオリンピックが開催される国を実際に見てみたいとの思いからブラジルを選んだと説明した。
島田学長は、2012年の0.9%のGDP伸び率、2013年の2.3%、2014年も継続すると予想されている低いGDP伸び率、ブラジルコスト、高い税金、進んでいない構造改革、10.75%の高金利などブラジルは非常に厳しい状況にあるが、ブラジルは世界でも珍しい復元力を持った国であり、歴史を考えてみるとクビチェック大統領が未来都市のブラジリアを建設したが、マレーシアはブラジリアを参考にしている。
石油ショックによるエタノール開発、セラード開発、カラジャス鉱山開発、イタイプー水力発電所の建設、トランスアマゾナス建設など大型の国家プロジェクトを続けたが、年率1000%以上のハイパーインフレからカルドーゾ政権は、レアルプランを導入してハイパーインフレを奇跡的に抑え込み、エリートでないルーラ大統領は外交で力を発揮、ジウマ大統領はルーラ大統領の遺産を引き継いだ。
ブラジルは構造改革を進めてブラジルコストを下げたら素晴らしい国になり、ブラジルは白人が55%、モレーノが40%、黒人が5%、アジア系が1.0%で多様性があり、優秀な人間が非常に多く、また非常に性格が明るく毎年カーニバルを行っている。
日本は1995年から2012年までデフレで失われた20年で世界唯一の国であり、どうしたらデフレマインドから脱却できるか、アベノミクスではベースマネーを開始したが、日本国民はおとなしすぎるために、1000%以上のハイパーインフレ時でもカーニバルをやってきたブラジル人に学ばなければならないと説明、また日本からブラジルに協力できる分野として農業並びに8000キロメートルの海岸を擁するために養殖業、中小企業のテクノロジーの移転などいろんな分野で計り知れない協力が可能であると説明。講演後、藤井会頭から講演者2人に記念プレートが贈呈された。
懇親昼食会の前に定例理事会・第64回定期総会が開催され、藤井会頭は、2013年の事業報告並びに2013/14年度ブラジル日本商工会議所活動方針について簡単に説明、村田俊典 財務委員長は2013年度収支決算報告並びに2014年度収支予算計画(案)を説明、中村敏幸監事会議長は2013年度の監事会意見として、ブラジル日本商工会議所の2013年度(2013年1月1日より、同年12月31日まで)の事業報告書並びに貸借対照表、収支決算書、財産目録(什器及び造作)を検査、適性であると認めたことを報告、挙手による採択ですべての事項で承認された。
パラグアイのグスターボ・レイテ商工大臣
藤井晋介会頭
島田 晴雄 島田塾 会長 /千葉商科大学 学長
コーチ・エィ(Coach A)の鈴木 義幸 取締役社長
Fotos: Rubens Ito / CCIJB