会員企業ら30名が穀物輸送インフラ改善セミナーに参加

日本国農林水産省は10月7日、マラニャン州サン・ルイスにおいて「ブラジル穀物輸送インフラ改善セミナー」を開催、カマラからは会員企業23名のほか平田事務局長、天谷政策対話委員会アドバイザー、日本政府からは梅田大使、農林水産省幹部らが参加し、ブラジルセラード北部地域における日系企業、ブラジル企業(農業・食品産業)の事業展開内容や関心事項、穀物輸送インフラの改善の在り方、同地域の農業開発の現状、展望と課題等をテーマに意見交換が行なわれた。セミナー後は、穀物輸送インフラの拠点として注目されているイタキ港の港湾施設の視察も行なわれるなど、同地域における今後のビジネスチャンスを探るうえで大変貴重な機会となった。

本セミナーは、昨年8月の日伯首脳会談における安倍総理とルセフ大統領間での決定事項(ブラジル国内における穀物やその他農産品の輸送インフラ網の果たす戦略的重要性を認識の上、本件に関する両国の関係省庁、機関による対話を開始すること)を受けて開催されたもの。

ブラジルは、我が国によるセラード農業開発の成果を受けて、農業生産能力が世界有数の規模にまで高まっており、我が国における穀物の安定的な輸入を確保する観点からもその重要性は年々増している。また、約2億人の人口と190万人の日系人社会を抱えるブラジルは、我が国食品産業にとって、日本食の普及、食材の市場としても有望となっている。

このため、日伯両国の官民が連携して、ブラジル農産物の世界市場への供給力の向上を図るとともに、我が国民間企業の進出や食のインフラ輸出によるブラジル農産物の付加価値向上を図ることによる第三国輸出を含む更なる展開も期待されている。

しかしながら、穀物の一大生産地、巨大な消費市場としてブラジルの存在感が高まる一方で、ブラジル国内の不十分な道路、鉄道、水運、港湾等の物流インフラがネックとなり、ブラジルの持つ潜在能力を十分に発揮できる状況とはなっていないことから、その改善に向けた課題と両国企業間における協力の可能性等を探ることを目的にこのたび、日本国農林水産省が主催する形で本セミナーが開催された。

当日の議事進行は次のとおり。

「穀物輸送インフラ改善に関するセミナー」

・主催者挨拶(日本農林水産省・梶島参事官)

・日本外務省挨拶(在ブラジル日本大使館・梅田大使)

・ブラジル側挨拶(ブラジル農務省・サントス農業政策局インフラ・ロジスティック・地理情報部長)

・マラニャン州挨拶(ブランダン副州知事)

・穀物輸送インフラ改善調査概要発表(中央開発㈱)

①穀物輸送インフラに対する改善の在り方

1.JICA「ブラジルの持続的開発に向けたJICA の協力」

(JICA 本部中南米部南米課・小林調査役

2.国土交通省「日本の技術やノウハウを活用した港湾プロジェクトへの支援について」

(在ブラジル日本国大使館光廣二等書記官

【質疑応答(5 分)】

3.ブラジル運輸省「セラード北部地域における穀物輸送インフラ(特に道路、鉄道輸

送)の現状と課題、今後の開発計画」

(エイマイル・エベリング運輸国家政策局部長)

4.ブラジル国家水運庁「セラード北部地域における穀物輸送インフラ(特に河川輸送)

の現状と課題、今後の開発計画」

(アルトゥル・ヤマモト内航海運監督局部長)

5.CAMPO「セラード北部地域における環境ライセンス取得の現状と課題」

(ルイス・トーレス・CAMPO社プロジェクトマネジャー)

【質疑応答(20 分)】

②ブラジルセラード北部地域の農業開発の現状、展望及び課題

6.ブラジル農務省「セラード北部地域における農業の現状と課題、今後の開発計画」

(サントス農業政策局インフラ・ロジスティック・地理情報部長)

【質疑応答(10 分)】

③ブラジルセラード北部地域における日系企業、ブラジル企業の農業・食品産業の事業

展開内容及び関心事項

7. ブラジル日本商工会議所食品部会・西裏副部会長(NHフーズブラジル代表)

セミナー終了後は、イタキ港内の視察が行なわれた。

 

 

 

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