ピアウイ州のジョゼ・ウエリントン州知事を迎えて9月の懇親昼食会開催

9月の懇親昼食会は、ピアウイ州のジョゼ・ウエリントン州知事を特別ゲストに迎えて、2016年9月16日正午から午後2時までインターコンチネンタルホテルに150人が参加して開催、司会は平田藤義事務局長が務め、初めに特別ゲストとしてピアウイ州のジョゼ・ウエリントン州知事、中前隆博 在サンパウロ日本国総領事/ブラジル日本商工会議所名誉顧問を紹介、ピアウイ州からフィレタス・ネット上院議員はじめ32人が参加、また9月9日に中前隆博総領事がサンパウロ名誉市民賞を受賞したので、今日の懇親昼食会は祝賀会を兼ねた昼食会になると平田事務局長は説明した。

松永愛一郎会頭の「会頭」挨拶では、8月23日に日伯法律委員会 (藏掛忠明委員長)主催のブラジル知財に関する講演会開催、講師にリックス特許事務所(Licks Advogados)のカラペト・ロベルト弁護士が堪能な日本語で講演。ロベルト氏は講演会の前日に平田事務局長と知財セミナーに関して意見交換、日伯両国の経済団体間で経済連携協定(EPA)の可能性について議論が行われている現状を踏まえ、EPAが現実になる将来を見越し、必ず本知財案件が俎上に挙がる事を念頭に、先ず以て現状把握が最も大切である事を認識し合っていたと説明した。

8月25日に200人以上が参加して2016年下期業種別部会長シンポジウム開催、テーマは「2016 年上期の回顧と下期の展望」副題:『どん底の時期ならではの戦略は?-課題整理と対処方策-』と題して開催。

8月29日にブラジルテレビ放送技術協会(SET)主催の「SET EXPO 2016」および「日伯地デジ協力10周年記念式典」に出席のため、総務省からあかま二郎総務副大臣(衆議院議員)、菱沼宏之情報通信国際戦略局国際経済課長、篠崎智洋副大臣秘書官が来聖、今後の日伯間での地デジ・ICT分野の連携を深めるため日系企業関係者等と市内のホテルで意見交換を行った。

8月29日に貿易部会のメディカル分科会(鈴木分科会長)は21人が参加して開催、鈴木分科会長がドラフト資料を基に進行役を務め、会員企業対象のアンケート調査結果について説明、2013年10月以降にANVISA関連 並びにINMETRO関連 で改善された項目、ビジネス展開上で障害となっている項目、ANVISA関連 並びにINMETRO関連に対する要望事項などについて意見交換を行った。また10月開催予定の第3回日伯医療分野規制に関するセミナーについて、開催スケジュール並びに開催地、目的、要望事項、参加関係機関などについて説明した。

9月9日 に中前総領事がサンパウロ市より名誉市民賞を受賞、名誉市民賞を市議会に提案したマサタカ・オオタ市議会議員をはじめ、当地の日系社会から会場のサンパウロ市議会に約200名が出席した。

会議所名誉会頭の梅田邦夫特命全権大使の送別会は、9月29日19時30分から文協貴賓室で開催、梅田大使は政策対話委員会のAGIR活動をはじめ、会議所の様々な活動を支援、サンタカタリーナ並び州並びにトカンチンス州、ミナスジェライス州、セルジッペ州、アマゾナス州への公式訪問やローレンベルグ連邦区知事との意見交換会などに会議所会員企業も同行、各州政府関係者との交流促進につながった。

平田事務局長は現代ブラジル事典販促について、5月末から販売を行っている現代ブラジル事典2016年度版は現時点で640冊を販売、800冊の売り上げ目標達成への協力を依頼した。

大久保敦 ジェトロ・サンパウロ所長は、ジェトロ/会議所コンサルタント部会共催の「中南米セミナー」について、 10月14日の午前9時30分から正午まで、サンティアゴ事務所の中山泰弘氏が「チリ・経済ビジネス概況」、ボゴタ事務所の高多篤史氏が「コロンビア・経済ビジネス概況」、メキシコ事務所の峯村直志氏が「メキシコ、キューバ・経済ビジネス概況」、リマ事務所の藤本雅之氏が「ペルー・経済ビジネス概況」、カラカス事務所の松浦健太郎氏が「ベネズエラ・経済ビジネス概況」についてそれぞれ講演することを説明した。

代表者交代では、BANCO DE TOKYO-MITSUBISHI UFJ BRASIL S.A.の小池 淳介頭取は、村田会頭の退職に伴って会議所代表に就任、ブラジル着任は2年半前、ブラジルの政治経済は混乱しているが、会議所活動に貢献したいと説明、K-I CHEMICAL DO BRASIL LTDAの高橋 智社長は、ブラジル勤務4年中には事務所荒らし、車による交通事故、不当請求書に対する裁判所での解決などポルトガル語不足による問題も経験したが、会議所活動を通していろいろな人や異業種業界の人との繋がりができてよかったと説明、後任の尾崎 英介社長は9月に着任、高橋さんのアドバイスに従ってポルトガル語を覚えますと挨拶、JT INTERNATIONAL DO BRASIL LTDA.の大塚 浩一社長は2013年にブラジルに進出、厳しい環境下でスタートしたが、300%の伸びを記録、日本に帰国するのは心残りと説明、また後任のMarilia Schutze氏を紹介した。

古本 尋海氏は10月に開催されるiExpo 展示会とICT展示会を紹介、県連の市川 利雄氏は、商工会議所の第19回日本祭りへの協力に対してお礼を述べ、来年開催される第20回日本祭りについて、日程や会場、各県の特産品展示や食べ物、催し物などについて紹介した。  

ジェトロ・サンパウロ事務所長/ブラジル日本商工会議所常任理事の大久 保敦氏は、講師歓迎の辞でピアウイ州政府関係者32人が参加して日本企業誘致に力を入れており、マトピバ地域として有名な農業フロンティアを形成、また有望な鉱物資源や観光資源、電力エネルギー資源、輸送インフラなどのプロジェクトについてジョゼ・ウエリントン州知事から説明して頂くと紹介した。

ジョゼ・ウエリントン州知事は、「ピアウイ州の投資ポテンシャル」と題して、2015年から2050年までにピアウイ州の持続的経済開発計画として573億レアルに達する投資計画を立案、ピアウイ州の持続的経済成長、所得や雇用の拡大を目標に4本柱として、農業、再生可能エネルギーや天然ガス開発、インフラ及びロジスティック開発、鉱物資源開発、観光資源開発を優先。

鉱物資源開発として4億トンの埋蔵量が見込まれているパウリスターナ地域の鉄鉱石、8800万トンの埋蔵量が見込まれているニッケル鉱、オーストラリア産に匹敵するオパール鉱、パルナイーバ河流域の天然ガス開発が有望視されている。

世界でもトップレベルの農業生産を誇るブラジル新興農業開発地域のマラニョン州(MA)南部、トカンチンス州(TO)東部、ピアウイ州(PI)南部、バイア州(BA)西部の4地区に跨る「マトピバ地域」に含まれる州内のセラード地域での大豆やトウモロコシ、フェジョン豆、キャサバ栽培による穀物増産並びに輸出の拡大。

電力エネルギー資源として風力発電や太陽光発電のポテンシャル、観光資源開発では、ピアウイ州内にあるセラ・ダ・カピバラ国立公園は6万年前にさかのぼる3万点の線刻岩絵群と洞窟壁画が残されるブラジルの世界文化遺産であり、これらは旧石器時代に南アメリカにいた先住民の存在を証明しており、絵画の内容は、儀礼、舞踊、狩猟などの生活が伺えるもののほかグリプトドンや巨大アルマジロのような氷河期以前に絶滅したとされる動物などが描かれている。また、壁画の他にも陶器製の道具も発掘されているほか、約2億5000万年前に形成された渓谷の地形も合わせて荘厳な趣を放っている世界でも比類ない観光資源となっている。

州都テレジーナ市の都市圏鉄道(VTL)などのインフラ及びロジィスティック開発として官民合同プロジェクト(PPP)やルイス・コレア港湾内の輸出加工特区(ZPE)構想、マラニョン州サン・ルイス市‐ピアウイ州テレジーナ市‐セアラー州フォルタレーザ市を結ぶ鉄道建設や建設中のトランスノルデスティーノ鉄道などについても説明した。

ウエリントン知事は今回のプレゼンテーションは日本企業向けとしては初めてであり、勤勉な日本人の州内への投資はピアウイ州の更なる発展のために力を貸して頂きたいと述べ、2003年から2015年のピアウイ州の平均生産伸び率は15%前後で推移、教育レベルの飛躍的に上昇しており、州内には肥沃で広大な未耕作地が2万平方キロメートル残されており、大型機械化農業による穀倉地帯に変貌しつつあると説明して講演を終了、松永会頭から記念プレートが贈呈された。最後に平田事務局長は、ピアウイ州はサンパウロ州から非常に遠く開発が遅れて余り知られていないが、計り知れない農業や鉱業ポテンシャル、インフラ整備部門や道路・鉄道のロジスティック部門開発などに先入観を捨てて見直して欲しいと述べ、またピアウイ州への経済ミッション派遣を検討していると結んだ。

"Piauí Terra de Oportunidades"
. "Programa de Parcerias e Concessões"

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