日本貿易振興機構(JETRO)サンパウロ事務所(大久保敦所長)主催の第4 回中南米知財セミナーは、2017年12月7日午前10時30分から正午まで20人が参加して開催、進行役はJETROサンパウロ事務所の岡本正紀 知的財産権部長が務め、初めに岡本正紀部長は、「中南米IPG」について、IPGとは進出先における模造品や海賊版等の知的財産権に対処するために現地政府との協力活動を行う母体として発足した日系企業の団体、2006年以降世界でネットワーク網を擁し、2018年1月から中南米IPG活動を再開することなどを説明した。
Gusmão e Labrunie法律事務所の Laetitia d'Hanens弁護士は、「技術移転契約書等のブラジル産業財産庁への登録実務」について、ブラジルにおける商標登録取得の重要性、事前準備、出願に関する問題,異議申し立ての公示、INPIの査定、登録査定・拒否査定、会社の事業開始又は新製造方式を導入してから5年間、但し必要性を立証すれば更に5年間延期。ロイヤリティー(特許や商標の使用料)と技術指導料金、ブラジルの特許出願件数の推移、INPI職員や特許審査官の取組、特許審査の遅延状況、知財制度・運用の課題として、ブラジルは審査官不足で平均遅延期間は10年と最も遅くてビジネス障害に直結、医薬品関連特許ではブラジル産業財産庁(INPI)の他にANVISA(国家衛生監督庁)による二重審査、ブラジル産業財産庁(INPI)における分野別ファーストアトラクションの待機時間では最短の農業分野で平均9年、通信系分野の14年をPPH導入で短縮、今年新たに施行された登録処理の簡素化に関するINPI規則第70号の実務上のポイントなどについて説明した。
Laetitia Maria Alice Pablo d´Hanens
Masaki Okamoto
Fotos: Rubens Ito / CCIJB