5月の海外投資家の株式投資は84億3,000万レアル雲散霧消

2018年5月の海外投資家のサンパウロ証券取引所の株投資は、5月下旬から開始した全国規模のトラック運転手の国道封鎖抗議デモが10日間以上継続して穀物輸送は言うに及ばずあらゆる産業にダメージを与え、今後の経済落込み予想並びに10月の大統領選挙行方が不透明などの要因で、総額84億3,000万レアルが雲散霧消して大幅下落を記録している。

今年5月の海外投資家によるサンパウロ証券取引所の株投資引上げ総額84億3,000万レアルは、2007年末から2009年頃を中心として米国で発生した住宅購入用途向けサブプライム・ローン不良債権問題発生した2008年7月の76億2,000万レアルの投資金引上げを上回っている。

また6月初めの4日間のサンパウロ証券取引所の株投資引上げ総額はすでに20億レアルを突破、今年はすでに総額60億6,000万レアルの株投資引上げを記録して、2017年の投資流入総額140億レアルの逆流となっている。

今年の海外投資家のサンパウロ証券取引所の株投資引上げは、海外要因として2月の米連邦準備制度理事会(FRB)による金利引き上げ発表に続いて、トランプ大統領による米中貿易戦争、国内要因として失業率の高止まり、景気回復の遅れ、益々不透明感が拡大する大統領選挙となっている。

またトラック運転手の国道封鎖抗議デモの再発可能性やペトロブラス石油公社のペドロ・パレンテ総裁辞任におけるペトロブラスの独立性問題なども海外投資家の資金引上げを後押ししている。

証券仲介業Magliano社ストラテジストのセルジオ・ゴールドマン氏は、今後の海外投資家の株式市場からの資金引上げ額は減少するものの継続すると予想している。

ブラジルは長年に亘って3500億ドル以上の外貨準備高を擁して国際金融市場のボラティリティに十分対応できるために、アルゼンチンやトルコのように国際金融市場の影響を受けないとセルジオ・ゴールドマン氏は指摘している。

今年1月のサンパウロ証券取引所への投資総額は95億4,900万レアルを記録したが、2月はFRBによる金利引き上げ発表の影響で42億3,200万レアルの投資金引上げに繋がった。

また3月も52億7,500万レアルが引上げたが、4月は43億7,900万レアルの投資残を記録、5月は84億3,000万レアルの引上げ、6月6日までには19億5,900万レアルが引き上げている。(2018年6月9日付けエスタード紙)

 

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