ブラジル資源大手ヴァーレ社は、傘下のカナダ企業ヴァーレ・インコ社が所有するカナダ東部のニューファンドランド・ラブラドール州に位置するニッケル・銅・コバルト鉱山のVoisey's Bay鉱山の操業を拡大する。
ヴァーレ・インコ社は、露天掘り終了に伴って地下資源開発向けに総額17億ドルの投資計画を遂行するために、今後生産されるコバルトの75%をWheaton Precious Metals並びにCobalt27Capital社から資金提供で合意している。
ヴァーレ社では、総額17億ドルの投資計画の40%に相当する6億9,000万ドルをWheaton Precious Metals並びにCobalt27Capital社からの資金提供で合意、Wheaton Precious Metalsは3億9,000万ドル、Cobalt27Capital社は3億ドルを負担する。
地下資源開発の操業は2021年1月開始予定、Wheaton Precious Metals社はコバルト生産の42.4%、Cobalt27Capital社は、32.6%の権益を擁している。
ニッケルやコバルト生産は電気自動車のバッテリーに不可欠であり、コバルトの多くは、銅やニッケル採掘時に副産物として採掘されるために、電気自動車メーカーでは、バッテリー製造のために資源確保で熾烈な競争を余儀なくされている。
ニッケル・銅・コバルトを生産するVoisey's Bay鉱山の露天掘りは2023年に終了、2034年まで開発を継続させるためには、総額17億ドルを投資して地下資源開発に軸足を移す必要がある。
Citi銀行では、2030年の自動車生産の25%は電気自動車やプラグインハイブリッド自動車(PHEV)になると予想している一方で、最も楽観的な金融機関では27.0%~30.0%を占めると予想している。
ワーゲン社では2020年の自動車生産の2.0%は電気自動車、更に5年後には12.0%に増加すると予想、中国資本SAIC社では、現在の電気自動車生産7.0%を5年後には20%、前記同様にルノー社では2.0%から6.0%にそれぞれ引き上げる計画を持っている。
Voisey's Bay鉱山ではニッケル・銅・コバルト鉱の生産が可能であり、これらの鉱物の埋蔵量は3,240万トンを予想、ニッケル鉱の平均含有量は2.13%、銅鉱0.96%、コバルト鉱は0.13%が見込まれている。(2018年6月12日付けヴァロール紙)