中銀の発表によると、2018年5月の中銀並びに国庫庁、社会保障院(INSS)で構成される中央政府の財政プライマリー収支は、金融市場の予想220億レアルの赤字を大幅に下回る110億2,400万レアルの赤字に留まった。
今年5月の中央政府の財政プライマリー収支赤字110億2,400万レアルは、前年同月の293億8,700万レアルの約1/3まで減少して、5月としては2015年以降では最低の赤字幅を記録している。
5月下旬から11日間継続した全国規模のトラック運転手の国道封鎖抗議デモに対する連邦政府の終止対策として、ディーゼル燃料に対する補助金の年内の支出総額が95億レアルに達すると予想されているために、今年の中央政府の財政プライマリー収支の許容赤字1,590億レアルに接近すると予想されている。
また昨日中銀は、今年のGDP伸び率を2.5%から1.6%と大幅に下方修正したために、国庫庁の大幅な歳入減少が余儀なくされていることも中央政府の財政プライマリー収支の赤字幅拡大に繋がる。
5月の過去12カ月間の財政プライマリー収支赤字は、GDP比1.4%と許容範囲のGDP比2.2%を大幅に下回っていると国庫庁のマンスエット・アルメイダ長官は説明している。
今年初め5か月間の中央政府の財政プライマリー収支赤字は164億4,900万レアル、国庫庁のインフレ指数を差引いた実質歳入総額は35億レアルの連邦政府系ファンド(FSB)の支出にも拘らず、滞納税回収計画(Refis)並びにディーゼル燃料に対する社会統合基金/社会保険融資納付金(PIS/COFINS)の引上げ等で、前年同期比7.9%増加の5,112億9,400万レアルを記録している。
また今年初め5か月間の国庫庁の実質歳出総額は、各省庁の支出が予算を128億レアルと大幅に下回っているために、前年同期比3.8%増加の5,312億4,300万レアルに留まっている。
社会経済開発銀行(BNDES)は、今年初めに連邦政府に国庫庁からの1,300億レアルに達する供与金返済プログラムを提示、今年上半期に300億レアル、残り1,000億レアルは今年下半期に返済することで合意していたが、昨日300億レアルの返済を承認、今年はゴールデン・ルール遂行できるとマンスエット・アルメイダ長官は強調している。(2018年6月29日付けヴァロール紙)