ペトロブラスはリオ石油製油所コンビナートを中国資本CNPCと建設

ブラジル連邦最高裁のリカルド・レヴァンドフスキ判事は、連邦政府や州政府が議会承認なしで公社民営化を禁じる予備判決をだしていたが、今月3日下院の憲法委員会(CCJ)は、最高裁判事による単独判断での法令停止に対する禁止の法案を承認して、レヴァンドフスキ判事の予備判決を覆した。

ペトロブラスは2014年から石油の国際コモディティ価格下落並びにラヴァ・ジャット汚職問題に派生した諸問題解決のために、資産売却並びにコア事業に資本集中するためポートフォーリオ事業を中心とした資産売却を余儀なくされている。

ペトロブラスでは、レヴァンドフスキ判事による国会での承認なしでの民営化禁止で、売却価格が80億ドル~90億ドルに達すると予想されている天然ガス輸送関連TAG社の売却中止を余儀なくされていた。

昨日4日、ペトロブラス石油公社は、リオ州のリオ石油製油所コンビナート(Comperj)の石油精製所建設で中国石油天然ガス集団(CNPC)との共同開発の可能性を発表している。

2006年に建設開始されたプレソルト鉱区で生産される原油・天然ガスの精製を目的としたリオ州のリオ石油製油所コンビナート(Comperj)の建設工事は、2014年3月に発覚した連邦警察のペトロブラス石油公社関連ラヴァ・ジャット作戦汚職問題による公共事業プロジェクト停止や新規インフラ事業取消などの影響で2015年7月から中断されているが、ペトロブラスでは、工事再開するために投資企業を探していた。

中国石油天然ガス集団(CNPC)と共同で行うComperj内の石油精製所の1日当たりの石油精製能力は16万5,000バレルが見込まれており、カンポス海盆のMarlim油田並びに Voador油田、 Marlim Leste油田、 Marlim Sul油田で構成されるクラスターフィールド(Cluster Field)の原油を精製する。

中国海洋石油(CNOOC)は、リブラ鉱区の石油開発でペトロブラス石油公社の資本参加率は40%、Total並びにShellがそれぞれ20%、中国石油天然ガス集団(CNPC)と並んで10%の資本参加している。

リオ石油製油所コンビナート(Comperj)の投資予算は84億ドルで開始されたが、ラヴァ・ジャット作戦汚職問題の影響で総額125億ドルをすでに投資しているにも関わらず、未だに操業体制になっていない。

リオ石油製油所コンビナート(Comperj)の建設工事を請け負った9社のゼネコンによる5億4,400万レアルの水増し請求が連邦会計検査院(TCU)の捜査で発覚して工事を中止、維持費のかかる無用の長物となる「白い象(white elephant)」となっていた経緯があった。(2018年7月5日付けエスタード紙)

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