ブラジル地理統計院(IBGE)による今年5月の鉱工業部門生産(PIM-PF)指数は、トラック運転手の国道封鎖抗議デモによる物流問題による部品供給不足で前月比マイナス10.9%を記録、5月としては統計を取り始め以来では過去2番目の落込みを記録、サンパウロ州の鉱工業部門生産は、全国平均を上回るマイナス11.4%を記録している。
今年5月の全国15カ所の鉱工業部門生産調査では、鉱業生産が牽引して前月比9.2%増加を記録したパラー州を除く14カ所全てで前月比割れを起こしており、トラック運転手の国道封鎖抗議デモの影響で壊滅的なダメージを受けている。
5月の鉱工業部門生産の大幅な落ち込みを記録したのは、マット・グロッソ州のマイナス24.1%、パラナ州18.4%、バイア州マイナス15.0%、サンタ・カタリーナ州マイナス15.0%、サンパウロ州マナイス11.4%、南大河州マイナス11.0%とそれぞれ二桁台の落込みを記録している。
5月の鉱工業部門生産の前年同月比伸び率比較では、今年はトラック運転手デモに加えて、1日短い営業日数の後押しして調査対象の15カ所のうち12カ所でマイナスを記録、全国平均マイナス6.6%を記録している。
トラック運転手デモの影響で特に落込みが目立ったのは、砂糖などの食品部門や石油派生品部門、バイオ燃料部門の落込みが牽引したゴイアス州のマイナス15.7%、牛肉や大豆派生品、冷凍鶏肉の落込みが牽引したマット・グロッソ州マイナス14.7%、自動車やトラック生産が落ち込んだバイア州マイナス13.7%、冷凍鶏肉や飼料、自動車や農業機械生産が落ち込んだパラナ州マイナス12.0%、米や飼料、冷凍豚肉、たばこ派生品、トラクターや種蒔機械などの生産が落ち込んだ南大河州マイナスマイナス10.8%、小麦粉や大豆派生品、皮革、履物、製紙・パルプ生産が落ち込んだ北東部地域はマイナス10.3%を記録している。
またセアラー州マイナス9.7%、サンタ・カタリーナ州マイナス8.2%、ミナス州マイナス7.3%とそれぞれ全国平均のマイナス6.6%を下回ったが、エスピリット・サント州マイナス5.4%、サンパウロ州マイナス4.8%、ペルナンブーコ州のマイナス3.5%はそれぞれ全国平均を上回った。
しかしパラー州の5月の鉱工業部門生産の前年同月比は、鉄鉱石などの鉱業部門が牽引して6.0%増加、アマゾナス州は二輪車並びに部品、石油派製品生産が牽引して4.5%増加している。
また今年初め5か月間の鉱工業部門生産比較では、15カ所中8カ所で増加、特にアマゾナス州は17.9%増加、パラー州6.6%増加、サンパウロ州5.0%増加、サンタ・カタリーナ州4.0%増加、リオ州3.6%増加、ペルナンブーコ州2.3%増加して全国平均の2.0%増加を上回った。
今年初め5か月間の鉱工業部門生産が増加した州では、輸送部門や建設部門などの資本財部門、またパルプや製鉄、大豆派生品、タイヤ、自動車部品やアクセサリー、ゴム、プラスティック関連の中間財部門、自動車やポータブル家電などの資本財部門、ビールやオレンジ濃縮ジュース、冷凍牛肉、繊維製品、医薬品衛生用品などの非耐久消費財部門が牽引している。(2018年7月11日付けIBGEサイトより抜粋)