ボンバルディアは座席数100~150程度の「Cシリーズ」の開発につまずき、昨年10月にエアバスと提携した。Cシリーズは、現行機種に続く新型機の開発構想がないために、格安航空会社(LCC)などで運航している機種が退役時期を迎えれば、ブラジルのエンブラエルに乗り換えることになるとみられていた。
7月初めにエンブラエル社とボーイング社は、戦略的パートナーシップ構築を念頭にブラジル国内に商用機製造を目的とした資本金が48億ドルのジョイントベンチャー企業設立を発表、出資比率はボーイング社が80%、エンブラエル社は僅か20%となっている。
リージョナル・ジェット市場は今後、エアバス並びにボンバルディア、ボーイング並びにエンブラエルのジョイントベンチャー企業に集約されると航空業界関係者は予想しており、この2社以外は更なる苦戦を強いられると見込まれている。
エンブラエル社では、今後20年間の座席数が150席までのリージョナル・ジェットの需要は、1万550機で総売上6,000億ドルに達すると予想している。
2018年~2037年までのアジア・太平洋地域のリージョナル・ジェット機需要は、市場全体の28%に相当する3,000機を予想、北アメリカは27%相当の2,780機、ヨーロッパは21%相当の2,240機を見込んでいる。
現在のエンブラエル社のリージョナル・ジェット機製造部門の従業員総数は9,000人、今後20年後には65%の需要増加に伴って1万6,000人まで拡大すると見込んでいる。
また2018年~2037年までのラテンアメリカ地域のリージョナル・ジェット機需要は市場全体の11.0%、アフリカ4.0%、中近東地域は3.0%の需要が見込まれている。(2018年7月16日付けヴァロール紙)