米中貿易戦争勃発で今年の中国向け大豆輸出は300億ドル突破予想

トランプ大統領は、今年4月初めに通商拡大法232条に基づき、中国産を含む鉄鋼・アルミニウムへの高い輸入関税措置の発表に対して、中国政府は、報復措置として米国からの128品目に達する輸入品に対して、30億ドル相当の輸入関税政策を発表して、両国間の過度な貿易摩擦が憂慮されていた。

米国は6月、中国から輸入する1,102品目で500億ドル規模に対する追加関税を決定、更に7月6日、米国側は中国輸入品818品目340億ドル分に対して輸入関税を25%に引き上げた。

この米国の措置に対抗して、中国も即座に同規模の報復関税を実施。米国はさらに今月10日、中国からの輸入品2,000億ドル規模の関税引き上げリストを発表。中国からの輸入品年間5,000億ドルのおよそ半分に追加関税を課す構えとなった。

中国は、大豆の国内消費のうち年間1億トン前後の大豆を輸入に依存しているが、米国からの大豆輸入をブラジル産などで補う必要があるために、米中貿易戦争はブラジルにとって漁夫の利となる。

米中貿易戦争勃発の影響で今年の中国向け大豆派生品の輸出の上方修正を余儀なくされており、今年の大豆派生品輸出は、5月の予想を140万トン上回る7350万トンと予想、昨年の輸出量6,820万トンを500万トン以上上回るとブラジル植物油工業会(Abiove)では予想している。

今年の1トン当たりの大豆の平均コモディティ価格は、410ドルで昨年の377ドルを大幅に上回ると予想、Abioveでは、今年の大豆輸出は前年比17.2%増加の301億3,500万ドルに達すると予想している。

また今年の大豆や大豆油、豆乳、飼料向け大豆かすなどの大豆派生品輸出は、前年比18.3%増加の375億ドルに達して記録更新するとブラジル植物油工業会(Abiove)では予想している。

昨年の大豆かす輸出は1,417万7,000トン、今年は1,675万トン予想、前記同様に大豆油は134万3,000トン、115万トン、昨年の1トン当たりの大豆かすの平均コモディティ価格は351ドル、今年は390ドル予想、大豆油は768ドル、750ドル予想。大豆かすの輸出総額は49億7,300万ドル、65億3,300万ドル予想、大豆油は10億3,100万ドル、8億6,300万ドル予想となっている。(2018年7月24日付けヴァロール紙)

 

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