公共事業などの大型プロジェクト向けクレジットを牽引してきた社会経済開発銀行(BNDES)では、クレジット戦略の方向転換並びに今年初めに社会経済開発銀行が長年に亘って利用していた長期貸出金利(TJLP)から金利計算が異なる新たな長期金利(TLP)採用で、今年のクレジット総額は大幅に減少すると予想されている。
BNDES銀行の2025年までのクレジット部門を牽引するのは、中小企業向け並びにインフラ整備部門向けクレジット拡大が予想されており、民営化コンセッション向けクレジットは、BNDES銀行に替わって民間銀行の比率上昇が見込まれている。
2018年のBNDES銀行のクレジット総額は、GDP比1.2%に相当する830億レアルに留まると予想されており、過去20年間の平均クレジット総額のGDP比2.3%の半分まで落ち込むと予想されている。
ペトロブラス石油公社や食品加工大手JBS社を世界的なメジャー企業への育成、また国内インフラ整備のための大型プロジェクト向けクレジットが拡大していた2010年のBNDES銀行のクレジット総額は2,780億レアルに達していた。
先週BNDES銀行は、今後2年間に国庫庁に対して2,800億レアルに達する返済計画を発表、また2060年までの返済計画を2040年に短縮することも発表している。
今年のクレジット総額はGDP比1.2%に相当する830億レアルが経営審議会で承認されているが、GDP比10.8%に相当する750億レアルに留まるとBNDES銀行のカルロス・タデウ・デ・フレイタス取締役は予想している。
金融コンサルタントのクラウジオ・フリスクタク氏は、今年のBNDES銀行のクレジットは、都市交通部門並びにイノベーション技術開発向けクレジット比率の増加を予想している。
ブラジル金融資本市場協会(AMBIMA))の調査では、今年上半期の上場企業による社債発行は、605億レアルと前年同期の2倍に達している。今年上半期のBNDES銀行のクレジット縮小に伴って、海外での資金調達が増加しているとリオ連邦大学のエルナニ・トッレス・テイシェイラ・フィーリョ教授は説明している。(2018年8月3日付けエスタード紙)