米中貿易戦争は大豆派生品輸出で漁夫の利

米中貿易戦争による輸入関税問題過熱に伴って、ブラジルは米国にとって替わって中国向け農畜産製品、特に大豆派生品などで漁夫の利を得ることが明白になってきている。

通産開発省通商局(Secex)の発表によると、2018年7月の大豆派生品輸出は、前年同期比61.6%増加の50億ドルに達して、7月の農畜産品輸出は、前年同月比17.8%増加の総額97億ドルの51%を占めた。

大豆派生品のうち生大豆輸出金額は、全体の60.7%に相当する40億7,000万ドルに達したが、米国産大豆に替わって324万トンの大豆輸出増加を記録して漁夫の利を得ている。

また7月の大豆かす輸出は、特にヨーロッパ連合向け大豆輸出がアルゼンチンの不作の影響で前年同月比80%増加の7億2,460万ドルを記録。また大豆油輸出も31.7%増加の1億5,126万ドルを記録している。

今年7月の食肉輸出は30%増加の17億ドル、材木輸出は11.0%増加の10億ドルを記録した一方で、砂糖・エタノール輸出は、43.8%減少の6億3,200万ドルに留まっている。

今年7月の生豆コーヒー輸出は、前年同月比24.2%増加の2,336万俵(60キロ/俵)を記録したとブラジル生豆コーヒー輸出業者評議会(CeCafe)では発表している。

7月の生豆コーヒー輸出2,336万俵のうちアラビカ種は5.8%増加の1,668万俵、ロブスタ種は1,749%増加の36万6,663俵を記録。7月の生豆コーヒー輸出金額は10.8%増加の3億3,7000万ドル、1俵当たりの平均価格は10.8%増加の145ドルであった。今年初め7か月間の生豆コーヒー輸出は0.3%減少の1,690万俵、輸出金額は10.9%減少の26億800万ドルであった。

今年初め7か月間の農畜産製品輸出は592億ドル、輸入は83億ドル、貿易収支は509億ドルの黒字を計上、前記同様に2017年は564億ドル、83億ドル、481億ドルとなっている。

今年初め7か月間の主な農畜産製品輸出では大豆派生品は273億ドル、昨年同期は230億ドル、前記同様に材木関連輸出は81億ドル、64億ドル、食肉は81億ドル、86億ドル、サトウキビ派生品は42億ドル、70億ドル、コーヒーは25億ドル、29億ドルであった。

今年初め7か月間の農畜産製品輸出相手国では、中国向け輸出は218億ドル、昨年は182億ドル、米国は38億ドル、37億ドル、オランダは27億ドル、26億ドル、香港は15億ドル、13億ドル、ドイツは13億ドル、12億ドルであった。(2018年8月10日付けヴァロール紙)

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