2018年第2四半期のM&A件数は記録更新

今年10月の大統領選挙が不透明にも関わらず、コントロールされているインフレ、6.5%で推移している政策誘導金利(Selic)、レアル通貨に対するドル高の為替などの要因で、ブラジル企業の時価総額が低迷しているために、2018年第2四半期の過去12カ月間のブラジル国内のM&A件数は、記録更新しているとKPMG社の調査で判明している。

2018年上半期のM&A件数は、ITテクノロジー企業買収案件が牽引して前年同期比19.7%増加の461件、今年第2四半期の過去12カ月間のブラジル国内のM&A件数は906件に達し、調査開始の1994年以降では記録更新している。

今年上半期の過去12カ月間のブラジル国内のITテクノロジー企業買収案件は、前年同期比52.0%増加の73件、今年上半期のITテクノロジー企業買収案件は17.0%増加の55件に達している。

米国資本でコンテンツ制作企業クリエイティブドライブ社は、3D可視化・拡張現実技術のブラジルの新興企業デコラ社を1億ドルで買収。Linx社はEZ Commerce社を傘下に抱えるDCG Soluções社を6,700万レアルで買収している。

Linx社はUnico Sistemas e Consultoria 社を1,600万レアルで買収、また薬局チェーン向けソフト開発企業のItecgyn 社を1,640万レアルで買収している。

また米国投資ファンドのFTV Capital社はブラジル資本のフィンテック(Fintech) のEbanx 社を3,000万ドルで買収、VentureCity並びにVentech社 はRecargaPayを2,200万ドルで買収している。

今年上半期のIT関連企業買収案件は73件でトップ、情報機器テクノロジー企業は55件、石油・天然ガス38件、サービス関連企業も38件となっている。

また前記同様に食品・飲料・嗜好品関連企業買収は25件、病院・ラボラトリー21件、エネルギー関連企業17件、金融関連企業15件、教育関連企業14件、小売関連企業は14件、その他は151件となっている。

今年上半期の外資系企業によるブラジル企業買収案件は、前年同期比30.4%増加の163件、ブラジル企業による海外での外資系企業買収案件は34.8%減少の15件、ブラジル企業によるブラジル国内での外資系企業買収は18件で前年並みとなっている。

また外資系企業によるブラジル国内での外資系企業買収は47.6%減少の9件、ブラジル企業同士の買収案件は32.0%増加の223件となっている。(2018年8月20日付けヴァロール紙)

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