2018年9月21日(金)15時よりEPA準備タスク―フォース第7回会合を実施し、講師として在伯日本国大使館の真鍋尚志経済公使を招聘した。
これまで6回の会合でEPAに関する知識を積み重ねてきており、今後の会合では過去の事例からEPAの具体的な効果や他国の交渉の動きなどを比較検証し理解を深めていくことを目指している。
日豪EPA、RCEP(東アジア地域包括的経済連携)、日中韓FTAの交渉に関わられた真鍋公使は、『日本のEPA:経緯、現状及び今後の見通し』と題し、講演を行った。「経緯、現状」のパートでは、日本がこれまでに発効済みのEPAと、署名済み、交渉中のEPAについて説明、参加者からの質疑応答も交えながら、特にTPP、RCEP、日中韓FTAの相互関係について詳細な解説を行った。
また「EPAの内容」のパートでは、EPAの主な交渉分野となる物品貿易、原産地規則、税関手続き、サービス貿易、投資、自然人の移動、知的財産、政府調達につきそれぞれ解説を行い、新しい交渉分野として昨今のEPA交渉に含まれるエネルギー・鉱物資源、国有企業、労働、環境、中小企業についても触れている。活発な質疑応答の中では、「自然人の移動」に関して日伯間のビザ規制緩和またはフリー化など改善を求める意見も挙げられた。また資源国であるという特性や市場産品が類似するオーストラリアとブラジルを比較し、EPAの影響や産業競争力の強化などが指摘された。
「EPAの今後の見当し」のパートでは、TPP11及び日EU EPAの早期発効とRCEP及び日中韓FTAの交渉を戦略的かつスピーディに推進していくことが基本方針であることが説明され、また今後日米経済対話とFFR協議の進展が注目されるとして講演を締めくくった。
真鍋公使プレゼン資料『日本のEPA:経緯、現状及び今後の見通し』
参加者:
真鍋 尚志 在ブラジル日本国大使館経済公使、上田基仙 在サンパウロ日本国領事
タスクフォース:土屋信司(ブラジル三井物産/日伯経済交流促進委員長)、大久保敦(ジェトロサンパウロ/企画戦略委員長)、村田俊典(双日ブラジル/政策対話委員長)、芦刈宏司(ブラジル三井物産/日伯経済交流促進副委員長)、二宮康史(ジェトロサンパウロ/企画戦略副委員長)、佐久間太郎(双日ブラジル/政策対話副委員長)、櫻井淳(伯国三菱商事/政策対話副委員長)、大塚未涼(ブラジル三井物産/政策対話委員)、柳本安紀(双日ブラジル/政策対話委員)
米長浩(ブラジルトヨタ/自動車部会)、土門翔平(ブラジルトヨタ/自動車部会)、新保博茂(デンソー/自動車副部長)、山田佳宏(三菱重工/機械金属部会)、羽田徹(日曹ブラジル/化学品部会長)、吉田信吾(NYK/運輸サービス副部会長)、岩井祐治(ソニー/電気電子部会)、髙田正純(NEC/電気電子副部会長)、猪股淳(伊藤忠/貿易部会長)、大矢秀郎(伊藤忠/貿易部会)、的場俊英(島津製作所/貿易副部会長)、長野昌幸(ブラジル三井住友海上/金融部会)、岩瀬恵一(ジェトロ・サンパウロ事務所次長)
会議所事務局:平田藤義事務局長、日下野成次総務補佐、吉田章則調査員、近藤千里アシスタント