気の緩みを戒める「安全対策セミナー」開催

総務委員会(木下誠委員長)安全対策チーム(竹森良平リーダー)主催による「安全対策セミナー」は、2018年9月24日午後4時から6時過ぎまで50人以上が参加して開催、進行役は木下誠委員長並びに竹森良平リーダーが務めた。

サンパウロ総領事館の原田信治 医務官は、「医療・感染症対策」について、エボラ出血熱 並びにデング熱 ジカウイルス感染症、チクングニア熱、黄熱ウイルス感染症並びにマラリアは蚊を媒体とした感染症の感染源並びに発生地域、感染経路、感染症の症状、特効薬の有無、合併症、死亡率、予防方法などについて説明。また性行為感染症としてクラミジア並びに淋菌、膣トリコモナス、梅毒、B型肝炎、HIV/AIDS、毛じらみ、尖圭コンジローマ。狂犬病の感染源として犬並びに猫、こうもり、猿、牛、馬、カピバラ。噛んだ動物の10日間のモニタリングの重要性。狂犬病のリスクがない動物はネズミ、モルモット、ハムスター、ウサギ、ワクチンはあるが効果は3か月間。また黄熱病に関するイエローカードの重要性についても説明。質疑応答では、乳児の黄熱病ワクチン接種、狂犬病感染症の判断、海外旅行保険の取得、ブラジル国内でのマラリア感染などについて質問された。

続いてサンパウロ総領事館の菊田祥広領事は、「サンパウロの治安情勢と安全対策」について、サンパウロの治安情勢では、駐在員期間3年‐4年間で強盗被害に遭わなければ奇跡と意表を突く表現で参加者を笑わせて講演開始。2017年のサンパウロ州の殺人事件発生件数は3000件、ブラジル全土では6万3000件、またサンパウロ州の強盗事件発生件数は40万件、サンパウロ市は20万件、窃盗事件発生件数は60万件、30万件で日本の600倍相当と説明して参加者から感嘆の声が漏れた。邦人被害の現状・犯罪傾向では、今年9月23日までの邦人被害は既に26件で昨年を上回っている。強盗被害は11件、窃盗被害は16件で特にバイクの二人乗りには特に注意が必要と説明した。

防犯に対する心構え・対策では、キョロキョロ動作の警戒心の維持、ラフな服装と最小限の所持品の分散所持、ダミー財布所持、日常行動の非パターン化。犯罪被害に遭遇した時の対処として、犯人の指示に従う、抵抗等の誤解される素早い動きの厳禁、犯人の顔を見ない点など重要性を説明。被害届の重要性として、警察は被害届を基に状況把握や分析、犯罪地域や拠点、地図の作成、捜査支援に役立つ。インターネットによる被害届提出並びに大使館・総領事館への連絡要請などについても説明した。

質疑応答では、キョロキョロ動作は逆に強盗のターゲットの可能性並びにダミーの財布所持、防弾車の効果や被害、リスク。子供連れ女性の被害状況、母の日やクリスマスを控えた囚人の一時帰宅による犯罪増加などについて説明。参加者は菊田祥広領事による貴重なアドバイスを受けて、再度治安に対する心構えを引き締める素晴らしい講演会となった。

サンパウロ総領事館の原田信治 医務官

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